第4話
コルセットを外しウエストが楽になるとご飯も美味しい!
やっぱいくら綺麗に見せる為でもあれはやりすぎだよ。この国の女の人はみんなあんなにキツくコルセットを締めてるのかなー。
絶対健康に悪いと思うんだけど・・・。
私とエドワードは王宮の中庭でランチを食べていた。
「ハルカが元気になって良かった。美味しそうに食べていて可愛らしいよ。貴族の女性はみな食が細い方が多くてね。私は下町の女性達の豪快に食べる姿がいいなと思っていたんだ。ほら、下町の女性は食欲もあるから少しふっくらしてるけれど健康的だと思うんだよ。」
「私もあのコルセットはやり過ぎだと思う。あんなのしてたらご飯なんて食べられないよ。」
「ハハハ。本当にハルカは正直で可愛らしいよ。」
この人ちょいちょい可愛い挟んでくるけど、これはエドワードにとっての挨拶みたいなものだ!と思うことにした。
だっていちいち反応してたら身が持たないもん。
うっかり、キスを許そうとしていた自分は気持ちが緩んでただけ!
誰も知り合いがいない異世界でエドワードは1番身近な人だし。
しっかり気を引き締めて、私は中津先輩が好きだーー!!と心で再確認した。
早く異世界から帰らないと!その為にも現状把握!
「ところで、どうしてマラドナ国はこの国に侵略しようとしてるの?」
途端にニコニコしていたエドワードの顔が曇る。
「マラドナ国では数年前から、流行り病が多発していて、次々に村が病人で溢れ、潰れていってしまってるんだ。
病人が出た村は他の村からの交易が途絶え、食料や生活用品の確保に困り、またどんどん村内で病が広まっていって結局村人達が亡くなり村も潰れてしまう。
潰れた村に行くと病が移ると言われていて、誰も近寄ろうとはしないからマラドナ国は、実質人が住める領土がどんどん狭くなっているんだ。だから隣国であるグリント国を侵略し領土を広げようとしている。元々、大国であるマラドナ国の勢力は凄くてね。グリント国も国境からじわじわ侵略されていっているだよ。」
うわぁ。伝染病とかかなぁ。ただ争いを止めればいいわけではなさそう・・・。
「それで、救い人としての事なのだが・・・。とりあえずマラドナ国との国境にあるトカナ村に視察に行ってみないかな?」
「え、それってめっちゃ危ないんじゃ?」
「いや、そこはまだマラドナからの攻撃は受けていない村だ。だが、みな次は自分の村かもしれないと不安になっている。救い人であるハルカが訪れれば村人の不安も和らぐだろう。ハルカもこの国を知る良い機会だと思うのだが。」
「確かに・・・。」
王宮でじっとしていてもなにも解決しないもんね!
急遽、私とエドワードは翌日トナカ村に視察に行くことになった。
移動はやっぱり馬車でしかも1週間かかるという。
マジか!?めっちゃ時間かかる。
ドレスは移動するときに動きにくいので、下町の人達が来ているようなワンピースでウエストにヒモを着けたシンプルな服を着ることにした。
エドワード以外は大反対していたが
「今、無理なドレスを着せてハルカ様が倒れてしまわれては国を救って頂くことも出来ませんよ。」とエドワードが諭したら誰も文句は言わなくなった。
こうして、私とエドワードそれからエドワードの世話役のドルファンとエドワードの近衛騎士3名。10人程の兵士と侍女5人で視察に向かっている。
ドルファンは織田信長の姿絵を持ってきた銀髪の青年だ。切れ長のグレーの瞳でこちらもエドワードとは違った危ういカッコ良さがある。ちなみに宰相の息子らしい。