第13話
ノルマック医師は小さい頃からエドワードの専属医だったようで、自分が是非トナカ村へ行くと言ってくれたようだ。
エドワードの近衛騎士達もそうだが、本当なら避けたいトナカ村へエドワードに近しい人達は積極的に来てるれるのはエドワードの人望の厚さなんだろうと感心する。
「ハルカ。最近、無理していないか?あまり休んでいないようだし。ハルカが倒れては元も子もないんだよ。」
ノルマック医師が来てくれてから私はもう一度イガニの葉を育てる事に挑戦している。
医師の血筋でも枯らしてしまうことがあるとマケル医師も言っていたので、私も初めは上手くいかなかっただけかもしれないと思ったからだ。
ちなみにマケル医師はノルマック医師が来たら自分は用無しだろうとトナカ村を去ろうとしたが、私達と関わってしまった以上簡単に村の外へ出すわけにもいかず多額の謝礼を出すことを条件にトナカ村に滞在してもらっている。
私はノルマック医師とマケル医師となにか新しい万能薬はないのかイガニの葉が死の病に効くようにする方法はないのか考えていた。
「しかし、ハルカ様の感染への予防対策は凄いですね。我々には思い付きもしませんでした!それに神への祈りは不要だとはハルカ様にしか出来ない事でございますね!」
ノルマック医師は私の病気への様々な対応をいつもとても興味深く見てくれる。
「効果は実際出ているみたいだし後は病気を治す薬よねー。」
「あの、考えたんですけど、イガニの葉では本当に治せないのでしょうか?」
マケル医師は腕を組んで難しい顔をしながら言った。
「どういう事?」
「いえ、前でしたら発疹が出て3日もすれば死んでしまう事もあったのに今いる病人で1番最初にかかった者でも2週間は生きていることになります。これは感染対策や清潔な環境だけではなく、イガニの葉で少なからず病気に効果があるからではないかと思ったのです。」
確かにマケル医師が言うことは一理ある。
「確かに、そうだよね。環境を変えたといってもこれだけ病状の悪化がみられないってことは効果はあるのかもしれない。でも良くなっているわけではないのよねー。うーん。」
確かにマケル医師の言う通りなのだが、なかなか良い考えも浮かばずその場は解散となった。
私は現実世界での病院の出来事やお父さんお母さん達の会話など、どこかにヒントがないかとウンウン唸りながらイガニの葉入りスープを作っていた。
『遥香ちゃん。俺、遥香ちゃんの事ずっと待ってるよ・・・・。』
「・・カ、ハルカ!」
「へ?中津先輩?」
「ナカツセンパイ?とは何だ?ハルカ。」
「あ、エドワード!なんだー夢かぁ。はぁ。中津先輩に会いたいなぁ。」
「ナカツセンパイとはハルカの恋人の事か!?」
「え?うんそうだ・・・ん?なんか臭い・・・あ!!!」
私は急いでイガニの葉を煮ていた鍋を見に行った。
「あー!!イガニの葉がしわしわになってるー。」
イガニの葉を煮込んでたんだけど寝過ごしちゃって、水分も全部とんでしまった。
「そうなのか!?すぐにノルマックに新しい葉を持って来させよう!」
「ダメだよ。今ある葉はこれが最後だから。新しい葉は明日の朝採れる物を待つしかないの。今日はこれを飲んでもらうしか・・・。」
落ち込む私の頭をエドワードは優しく撫でてくれた。
「ハルカは良くやっているよ。そうだ!スープを作るときは複数の人でみるようにしよう!そうすれば、その間ハルカも仮眠が取れるだろう。救い人だからって、ハルカが全部1人で背負う事はないんだよ。もっと周りに頼っていいんだから。」
エドワードの言葉は何とかしなくてはと1人焦っていた私の心をじんわりと暖かく包んでくれた。
病人のみんなには「本当にごめんなさい。」と謝って飲んでもらったが、味は苦くはなかったようで、大丈夫とのことだった。
しかしイガニを飲んだ翌日、驚く事が起こった。




