クエスト54 おじーちゃん、運命堂にて『お買い物』開始?
「――それじゃあ、さっそく。嘉穂ちゃんのクラン『薔薇園の守護騎士』の入団登録をしに行こっか!」
果たして、そんな美晴ちゃんの言葉を皮切りに。それまでやかましかった『漢組』は静かになり、『ヒーローズ』のメンバーと一緒に拠点へと向かう面々を見送る構えとなって。
「おう、じゃあまたイベントで会うことがあればよろしくな!」
「ふむ。では、また後で」
と、そう言ってクラン『漁業協同組合:漢組』とともに美晴ちゃんたちを見送ろうとしていると「うん。ちょっと待とうか、おじーちゃん」という、やっぱりと言おうか当然の突っ込みを頂戴し。
てっきり、これから先はずっと一緒に行動するものだと思っていたらしい面々に、「ふむ。それが、じつは――」と。現在、アキサカくんたちへの『お土産』も持ち歩いている状態で。イベントまえに『運☆命☆堂』へ向かうつもじゃった、と伝えれば、「おう。ってことぁ、キルケー行くんだろ? なら、途中まで一緒に行くか」と。どういうわけか暑苦しい筋肉達磨たちと一緒にアキサカくんたちのところに突撃することに。
その道中、しきりにダイチくんに何かされたらすぐに報せるよう念をおされたりしたが……まさかまだ彼が小児性愛者だと勘違いされとる?
このままだと大恩ある青年の名誉に関わりそうじゃったので何とか誤解を解こうとするも、その時間はなく。転移魔方陣広場から大して遠いわけでもない目的地――『運☆命☆堂』へとたどり着き。じつに久しぶりの来店ではあったが、今も変わらず扉には『CLOSED』の看板が掛けられているようで。……まさかとは思うが、もはやこの看板が常態ということはあるまいな?
前回もそうじゃったが、と眉根を寄せ。隣で「なんだ、休みか?」と顔をしかめとる巨漢はとりあえず無視して扉をノックし、「おおーい、アキサカくんやーい」と呼びかけ。基本的に閉店状態のそれは、果たして店として大丈夫なのか、と密かに心配していると――
「おおーーーーーッ!! こ、こここ、この声は、我が女神の声ぇぇぇえええええ!!」
そんな、大の男の大音声に加えて、『ドタドタ、ガッシャン、グシャァ!!』といった破砕音だか何だかの騒音を響かせ、扉をぶち開けて登場する変態――もとい、店主の『デスティニー@アキサカ』という名の長身痩躯の姿を目にすれば、心配するだけ損だと思えるほど元気いっぱいで。
そして、
「な、なにぃい!? か、神とはまさか変態店主がいろいろと着せ替え人形にしている、あの……!?」
「ま、まさか! あの、どんなに非常識で卑猥な格好でも喜んで着てくれるっていう、例の……!?」
「幼女神さまじゃ! 幼女神さまが降臨なされたぁぁぁぁあああああ!!」
「ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます!!」
何やら騒がしい店内。
どうやら今、この店には儂の知らないアキサカくんたちの奇人仲間が集まってしまっているようで。こうした連中に慣れつつある儂はともかく、代表のアキサカくん含め、彼らの姿や態度を目にしてあからさまに険悪な雰囲気を纏う『漢組』の団長と精鋭一同に『混ぜるな危険』という言葉が脳裏を過り。今さらながらにダストン親分たちを伴って訪れたことに後悔を覚えたりもしたが、
「おうおうおう、これぁどういう了見だぁッ!?」
「おい、コラぁ! ミナセの嬢ちゃんを見世物にでもする気か、ああ?」
「ひ、ひぇぇえええええ!? な、なんか堅気に見えなそうな方々が店のまえにぃぃぃいいい!?」
……さておき。とりあえず、青筋浮かべて脅しにかかる巨漢連中と、瞬時に土下座の姿勢になって怯えだす店主との間に立ち、「まぁまぁ」とそれぞれに落ち着くよう説得することしばし。初顔合わせのメンバーには、儂や嘉穂ちゃんの装備一式を造ってくれた〈鍛冶師〉にして〈細工師〉である『運☆命☆堂』の店主――アキサカくんたちは、こんな外見とノリではあるが人畜無害で。別段、問題のある人間ではないと語って聞かせ。
とにかく、いつものように儂の――というか、今回はダストン親分ほか強面の連中の姿を見てなのか、瞬時にジャンピング土下座からの拝みモードに入ったアキサカくんに話を振れば。現在、この店のなかにはアキサカくんたち『運命』の名を冠する店員のほかに五人、儂の知らんプレイヤーが訪れているのだそうで。
曰く。先日、『運☆命☆堂』の宣伝になればと思い、儂が店内の装備を纏ったうえでポーズまでとって撮影。その写真を≪掲示板≫にあげた、美晴ちゃん命名『ファッションショー事件』が呼び込んだのが彼らであり。アキサカくんたちと同じく、今は忘れられた過去の遺産にして知る人ぞ知る『ロマン』を解する同士なんだとか。
そして、今回は事前に儂が『運☆命☆堂』へ行くことを連絡していたため、それを理由にアキサカくんとしては『お開き』としたかったそうなのじゃが……逆に『儂と縁を結びたい』として集まっていたらしい同士たちはアキサカくんたちを説得。せめて一目だけでも、と頼まれ、人が良くて押しに弱い彼らは渋々ながらも頷き。そうして現在は、その辺の懺悔というか説明を並み居る筋肉男児たちに怯えつつも必死にしてくれているのじゃが……さて、どうしたものか。
とりあえず、密かに〈学者〉を『副職』に設定し。こちらの遣り取りをただただ眺めていた新顔五人――その頭上の三角錐を密かにクリックして装備から何から【慧眼】で調べられるだけ調べたあとで、
五人の名前を『ブラックリスト』に登録した。
果たして、それで俄かに騒がしくなる店内。おそらくは儂が『拒絶』した連中に詰問されているのだろう、明後日を向いて「あ、あばばばばば!?」と意味不明な言葉を吐いとるアキサカくんほか、ジューシーさんにオワタくんたち店員組はさておき。クラン『漢組』の面々には、儂が新顔全員を『ブラックリスト』に載せたことを告げ、とりあえずもう大丈夫じゃから、と帰ってもらうことに。
それから、虚空に話して聞かせていた店主の肩を軽く叩き。……ただこちらを向いて欲しかっただけなのに数メートルほど後ずさるように跳躍、からの無駄に洗練されて淀みない動作での土下座という、本当に無駄でしかない挙動をしてみせる彼に、苦笑。
「ふむ。その……なにやら諸々、世話をかけてすまんな」
そう軽く肩をすくめ、頭を下げれば――……アキサカくんが泣きだした。
「う、ぅぼぁぁぁああああああ!! そ、そそそ、そんな!? ぼ、ぼぼ僕の同士が、な、なにか不興を買いましたですますでせうかぁぁあああ!?」
……うむ。相変わらず、テンションが高いのぅ。
「さて。ここで、儂が『ブラックリスト』を使った理由を話さねば、後々余計な恨みを買いそうじゃし、この際じゃからはっきり言わせてもらうがの」
ため息を一つ。それだけで肩をビクつかせる店主に視線を向け、おもむろに指を1つ立ててみせる。
「第一に、本人の了解なく、出合い頭に『撮影』し始めるのはマナー違反じゃろう? ……そして、儂が『撮影自動拒否設定』にしておるのに気づくや舌打ちするような輩と、儂は友誼を結びたいとは思わん」
ちなみに、『撮影自動拒否設定』とは、本人の許可を得ず対象を被写体とした『写真』の『撮影』を行えなくする機能で。例の『ファッションショー事件』のあとで美晴ちゃんと志保ちゃんの二人に強く勧められて設定することにしていた。
そして、それ以来、儂のことを勝手に『撮影』しようとして『拒否設定』に弾かれたプレイヤーが居た場合、その都度[〇〇さんの写真撮影を拒否しました]というインフォメーションが流れるようになっていたわけで。
ゆえに、今回『拒絶』した者の幾人かはこの機能で簡単に判明し。普通なら聞かれることも、ましてや気づかれることもないだろう小さな舌打ちにしても、彼らが儂の範囲知覚内であったことで気づいた――と、この辺の理屈はいちいち説明はせんが。まぁ『拒否設定』のことぐらいは知っているじゃろうし、そこまで詳しく語ることもあるまい。
「そして、第二に――明らかに装備ではなく童女自身に興奮しておる輩は、生理的に無理」
これから美晴ちゃんたちも呼んで装備を見繕ってもらおうと思っていたからこそ。あからさまに幼女に欲情していた連中など同席させてたまるか、と。
「第三に、儂に対して無駄にへりくだるアキサカくんを嘲笑し、初対面である儂を年齢差か格好からかは知らんが、いきなり見下してくる者にも関わる気は無い」
ゆえに、問答無用で『ブラックリスト』に名前を加えた。そう語り、苦笑して「……アキサカくんには悪いが、これも儂のようなものの自衛手段だと思って許してほしい」と頭を下げる。
――と、そんな儂に対して大騒ぎになる店主の反応はなんとなくわかっていたので、それはさておき。じつは一人だけ残っていたダストン親分が儂の言葉に鬼の形相になって店内へと足音荒く入って行き……なにやら店そのものを揺るがしそうな怒号が響いて、また小心者のデスティニー三人組を震え上がらせ。
もう一度、筋骨隆々の巨漢には帰るよう説得したり、アキサカくんたちに騒がしくさせたことを謝罪したりといった手間を挟んだうえで、
「あらためて――今回は、本当に助かった。感謝しておる。ありがとう」
そう頭を下げ、儂の呼びかけに応えてくれたことや嘉穂ちゃんの装備など、諸々の礼を口にして。
そんな儂の言葉に恐縮する彼らに、今回は有無を言わせず、
「さて、これはそのお礼として儂と嘉穂ちゃんの二人がかりで用意した『お土産』じゃが――もちろん、受け取ってくれよう?」
果たして、そうニヤリと笑いかけて告げたあとで。儂が≪インベントリ≫を開いて、『お土産』を――今日までに嘉穂ちゃんと一緒に貯めに貯めた『魚人の上位種』の死骸系アイテムのリストを見せれば、三人が三人とも目を剥き。
「うびょぅぇぇえええええ!? な、ななな、なんでせうか、この数とラインナップわぁぁぁあ!?」
「あ、あはは……。そ、そう言えば、すこしまえから『魚人の死骸』の出品が無くなった、って話題になってましたね……」
「いつぞやに≪掲示板≫で、上位種狩りをしている動画を見させてもらいましたが……この数は普通に有り得ないような……」
三人そろって『ここまで多くはもらえない』とでも言わんばかりの反応をするのに対し、「いやいや、まだとっておきが」と悪戯っ子のごとき笑みになって。ダイチくんたちやダストン親分にさえ渡さなかった、儂や嘉穂ちゃんですらほとんど出逢えなかった幻の逸品――『魔魚人の死骸』が3個あると教えれば、彼らはまた目を丸くして驚いてくれた。
……ふふふ。彼らは職人組であるのにも関わらず、わざわざ『蒼碧の洞窟』を抜け、『水精遺跡』まで来てくれたことで本当に助けられたからのぅ。これぐらいの御礼はさせてほしい、と頭を下げて告げれば三人は顔を見合わせ。……しばしの問答こそあったが、どうにか納得。受け取ってもらえることに。
「え、えっと……。ととと、とりあえず、この、一人が持つには多すぎる死骸系アイテムを、分けてしまいましょう!」
かくして、けっきょくはダストン親分の力添えもあって新顔五人を店内から追い出したらしいアキサカくんたちは、「こんなこともあろうかと!!」と。心なしか嬉しそうにして教えてくれた『鮮度が落ちない』設定にした地下の倉庫に死骸系アイテムはいったんしまい込むことにして。
「う、うぇぇぇえええ!? ま、待ってくだしぁ……!?」
「ちょおっ!? じ、自分じゃ、それ全部はぜったい受け取れないッスー……!?」
「さぁ、さぁ、どんどんトレード機能で送るでな。そのうちの報酬については三人で後日、相談などして決めてもらうとして――今はまぁ、きびきび働いてもらおうか!」
なにせ、これらが無くなってくれんと街の外に気軽に出られんでな。できれば、イベントまでにインベントリ内を空にしておきたい、と。そんな思惑もあって次々と『お土産』を渡して行けば「「「ひぃーッ!?」」」と仲良く悲鳴が。
そして、
「たのもーッ!!」
果たして、ようやくひと段落ついた、という段階で美晴ちゃん。まるで道場破りのごとき気迫と勢いでもって『運☆命☆堂』の扉をぶち開け――『CLOSED』の看板に誤解していたが、普通に鍵がかかって無かった――仁王立つ桃色長髪のワン子に、儂も含めて店内の全員の視線が集まり。……儂以外の『濃い』面々に見つめられ、彼女の頬が微妙に引きつっていたが、それは気づかなかったことにして。
「こ、こにょにゃか――……このなかに、わたしの『友だち』の防具をデザインした人が居たら、素直に自供してください!」
……はて? いったい、なにをしたいんじゃ、美晴ちゃんは?
「え、えーと……。た、たたた、たぶん、それは僕のこと、だと思うんですけど……?」
そう困惑し、何の用? というか、誰? と、儂に視線で問うアキサカくんに「儂の友だちで、パーティ仲間じゃな」と肩をすくめて告げれば、さすがに「は、はぁ……?」と困惑の度合いを増させる店主。
そして、
「あ。あなたが、わたしのおじーちゃ――……わたしの『お友だち』に変な格好をさせて、その写真を≪掲示板≫に晒した店主ですか!?」
そうアキサカくんを必死に睨む美晴ちゃんは、どうやら儂がした『ファッションショー事件』や、原作『水着舞踏戦姫』に登場した衣装を纏うこになったことを非難しにきた?
「おじーちゃ――わたしの『友だち』は! 服とか格好とかに無頓着で、たぶん普通の子より……『しゅーちしん』? たぶん『それ』も無くって。だから、あんまり本人は気にしてないんだと思うけど。……でも、だからって! 変な服着せないでください!」
それは、さながら。彼女の言う通り『友だちのために矢面に立とうとする』ようで。その、わずかに震える声音で、よく知りもしない男性プレイヤー――それも2メートル近い長身痩躯の中年男性で、左右で色の違うアフロヘア―に星型サングラスという外見の――に物申すさまは、身内の贔屓目だろうが本当に格好良く映った。
……もっとも、その相手が即座にジャンピング土下座で「も、ももも、申し訳ございませんなりぃぃぃいいいい!!」と額を床に打ち付けて叫ばなければ、なお画になって良かったのじゃろうが。
「と、当方といたしましても、『さすがにこれは断るかなー?』とか『この子、もしかして羞恥心無いの?』などと、おも、思ってました! で、ですが……みみミナセ氏が、楽しそうに僕の作った衣装を着てくれるのが、う、うれ、嬉しくて。ご、ごごごめんなさいぃぃぃいいいい!」
ふむ。美晴ちゃん、そこで儂に『どうしよう、これ?』とばかりの困った顔を向けるのはどうなんじゃろうな? ……気持ちはわかるが。
「うむ。次回からは儂も気をつけるでな。それで今回は良いのではないかの?」
ため息を一つ。そう美晴ちゃんに告げ、「ほ、本当に、次からは気をつけてね?」と彼女が言うのを背中で聞きつつアキサカくんの肩をポンポン叩き、「ほれ、アキサカくん。美晴ちゃんも次から気をつければ許してくれるそうじゃし、もう土下座はやめよ」と殊更優し気な声で言う。
そして、顔を上げた彼だけに聞こえるだろう声量で、「残念じゃが、今回の『撮影会』は延期にしようか」と囁けば、「お、おお……! そこで『中止』と言わないミナセ氏は、ささ、さすがであります! や、やはり貴女が女神か……!!」と、もう見慣れた土下座拝みの姿勢になって感涙に咽び泣くアキサカくん。
そんな彼を見て、あからさまに引いている犬耳少女はさておき。扉の向こうでことの成り行きを見守っていた志保ちゃんたち他のメンバーを手招きし。……なぜか一緒に現れ、アキサカくんの号泣土下座をまえにドン引きしておる深紅の巻き髪が特徴的な狐耳令嬢――ローズを見つけ、首を傾げる。
……ふむ。いつぞや、彼女には美晴ちゃんたちも含めて固定パーティを組む、ということを聞いてはいたが……てっきり、儂らの出迎えの場面に居らんかったゆえ、イベント開始まで合流せんのじゃと思っておったのじゃが、と。そう不思議に思って問いかければ、ローズは眉尻を上げ、「……まさか、聞いていませんの?」と。
聞けば、もともとは迷宮都市のクラン『薔薇園の守護騎士』の拠点にて合流予定であり。儂や嘉穂ちゃんと合流してからは、そこで使えるクラン専用の≪マーケット≫を利用してイベントまえに準備をしよう、と。そして、ローズは先んじて拠点で準備を進めていたらしいが――そんな儂らの会話を聞いてか「あ」という声をあげ、視線を逸らした志保ちゃんをローズは睨み。「……志保さん?」と、咎めるような声を出しているのを見て、「なるほど、志保ちゃんの連絡もれか」と胸中で納得する。
『視た』ところ儂以外には狐耳令嬢の同行を訝しんでいる者も居らんようじゃし、もともとイベントまえに彼女と合流することは決まっていたのじゃろう。……そして、「お、おじゃましまーす」と最初こそ恐る恐るといった感じに顔だけ入店させた嘉穂ちゃんにいたっては、店内に飾られた、これまで見たことも無いだろうデザインの防具や武装などを目にして瞳を輝かせ、
「うわー、うわー! も、もしかしてココが、わたしやミナセちゃんの装備造った人たちのお店!?」
なんかいろいろ面白いのがあるー! と、無邪気に店内に駆けていく猫耳幼女を目にしてほっこりとしておる〈服飾師〉の男性――ただし、十中八九、中身の性別は女――プレイヤーにそっと近づき、「あの褐色肌の猫耳の子には、フリルがたくさんついた『女給服』か『ゴスロリ』が似合うと思わんか?」などと、そっと悪魔の囁きをプレゼント。
これによって俄かに活気づく『運☆命☆堂』の布製防具担当のジューシーさんに子猫の衣装――もとい、普段使いに適した新防具は任せるとして。
「ほれ、嘉穂ちゃんや。店内を物色するのも良いが、まずは『お土産』をアキサカくんに――そこで拝んどる2色のアフロ頭の彼に渡そうな」
「あ、はーい!」
あと、装備や諸々の御礼も、と促せば少女は素直に笑みをつくって三人に「ありがとうございました!」と礼を言い。彼らに造ってもらった装備が如何に凄かったかを身振り手振りでハイテンションに告げ、傍目には微笑ましい様子を見せるが――儂よりレベルの高い【収納術】に収められた、儂の持っていた『劣化の心配があるアイテム』ではない魚人の上位種を倒して得たドロップアイテム――『盾魚人の鱗盾』や『槍魚人の鱗槍』など――を、ようやく『お土産』の受け渡しが済んだとばかりに休んでいた三人に、無邪気な笑顔を浮かべてトレード機能で渡す幼女の姿に、彼らは顔を引きつらせるのじゃった。
……あれ? 1話使って買い物シーンまで行けてねぇぞ?(汗




