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おじーちゃん、『姫プレイ』なう!?  作者: 堀〇
第二章 全プレイヤーに先駆けて最強PKを攻略せよ!
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クエスト26 おじーちゃん、孫たちに『ファッションショー』を語る?

 ――時は移ろい、今はもう美晴ちゃんたちと合流する時刻の少しまえ。


 待ち合わせとなる転移魔方陣広場にはけっこうな数の人影があったので、また絡まれても面倒だと考え『見習いローブ』の帽子を目深にかぶり、周囲の建物の壁に背をあずけて立っていた。


 ……やはり二人との最後があれじゃったからのぅ。要らぬ心配をかけてしまったろうし、できることならすぐにでも会って話したいのじゃが、と。≪メニュー≫を開き、≪フレンド≫の項のフレンド登録した相手がログインしているかを確認できる機能を何度も見て、たしかめる。


 現実世界との体感時間は3倍は違う。ゆえに、下手したら合流時刻である正午を大きく過ぎることだって十分に考えられる――と、わかってはいても気が急いて仕方なく。余裕も、また無い。


 なにせ数分まえから無駄に知覚範囲を広げ、広場に転移する光あらば『視て』確認しているほどである。まったく、我ながら呆れるほど二人との再会を待ち焦がれているようで。あとで誰かに儂の行動記録ログを確認されると赤面ものじゃが、やめられないのだから仕方ない。


 ゆえに、転移してくるやキョロキョロと辺りを窺っていた彼女――志保ちゃんの姿を認めた瞬間。気づけば、駆け出しており。そんな自身の行動に慌てて平静を装うように歩く速度を落とし、かぶっていたフードを外しながら『エルフ』の少女へと近寄っていく。


「――あ!」


 志保ちゃんと目があい、思わず笑みが浮かぶ。……ふふ。一見、ただの無表情のようでいて、どことなく顔を綻ばせているように見えるという、そんな余人にはわかり難い彼女の表情の変化を見て、あらためて再会の喜びを噛みしめる。


「こんにちは、志保ちゃん。先日は、その……いろいろとすまなかったの」


 それと、ありがとうの。そう言って深く頭を下げる儂。


「……い、いいえ。ですが、よかった。みはるんからミナセさんのことを聞いて、心配してたので」


 対して眼前の少女は、やはり傍目には無表情で。それでいて見るものが見れば彼女が心から安堵し、笑顔になりかけているのがわかる表情で、言った。


「スマンの。見ての通り、儂は――」




「おーーーーじーーーちゃーーーん!!」




 声に、振り向く間もあらばこそ。文字通り飛びついてくる犬耳の少女――美晴ちゃんに、儂は突き飛ばされるようにして地面に倒された。


 ……ふふ。まあ避けようと思えば避けられはしたが、の。こうして首に手を回して頬をすり寄せてくる孫の突撃をどうして避けられよう。


「心配した心配した心配したんだよーーー!」


「ああ、すまんな。儂はこうして、ほれ、大丈夫じゃよ」


 ふふふ。おお、これはどうしたことか。アバターの表情が笑みくずれるのを抑えられんぞ。


「おおー! 美少女どうしの絡み合いキターーーーーー!!」


「さすがロリの理想郷アイギパン!! ありがとうございます、ありがとうございます!!」


「ああ、俺は今、天国にいるのか……? 守りたい、その笑顔」


「いや、マジでどっちの子もレベル高いんですけど!? 『エルフ』の子もだけど、この街の美少女アバターは最高かよ!?」


 …………なにやら周りが騒がしいが、無視じゃ無視。


 抱きつく美晴ちゃんの温もりの方が今は大事である。……もっとも、さきほどから『中身』が異性ゆえにアバターの過剰接触に対する警告文が視界の端に表示されており、こちらに関しては無視し続けるわけにもいかんのじゃが。


 下手すると今度は美晴ちゃんとの触れ合いが原因で強制ログアウトか、最悪の場合はアカウントの停止すら有り得るため、儂は泣く泣く彼女を引きはがし、立ち上がるように促す。


「うぅ……! もう、ほんとーに心配したんだからね! 次は無いよ!?」


「うむうむ、悪かったの。これからは気をつけるでな、許してくれ美晴ちゃん」


 そして、志保ちゃんも。


 こちらをぼんやりと見ていた金髪碧眼のエルフ少女にも苦笑を向け、小さく頭をペコリ。心配させてスマンかったのぅ、と。あらためて謝辞を示すように頭を下げていると、


「うん、それでおじーちゃん! そんな心配するかわいい孫娘とその親友を他所に、おじーちゃんはなんで『ファッションショー』みたいなことをしていたのかな!?」


 果たして、そう笑顔でありながら睨むようにして告げる美晴ちゃんの言葉に、儂は首を傾げ、目を白黒させる。


「? 『ファッションショー』……?」


 はて、なんのことじゃ? そう疑問に頭をいっぱいにさせる儂に「これを」と、幾つかのスクリーンショットの載ったウィンドウを寄越す志保ちゃん。


 そこに映っていたのは、なるほど、美晴ちゃんが『ファッションショー』と称するに値するもので。つまりは儂が――赤髪の童女がいろいろな『服』や『武器』を手にポーズをとった画像データであった。


「あー……なるほど、その件か」


「『その件か』って、やっぱりこれ、『創作コラ』じゃなくて本当におじーちゃん公認!? ……もう! 本当に何してんの!?」


 うがー! と、両手の拳を天に突き出して威嚇する美晴ちゃんに、苦笑。……ふむ。つまりは、それだけ儂のことを心配してくれた、ということじゃろうからのぅ。怒られているようじゃが、なんとも面はゆいのぅ。


「それで! どうしてこんな、見るからに男の子が見て喜びそうな格好ばっかりのSSを許したの!?」


「それは……まぁ、その『防具いしょう』を造った者の趣味じゃからと言うか、なんと言うか」


 ふむ。なんとも言い得て妙じゃの、『見るからに男の子たちが見て喜びそうな格好』という表現は。


「ふふ……。ほら、二人とも。そろそろ移動しよう。……注目度、すごいよ?」


「むー! ……うん、そーだね」


 そう言って歩きだす志保ちゃんと、それに頷いてその背を追う美晴ちゃんと儂。


 そんな儂らに対して、「ま、待って待って!」と何やら慌てたように声をかける者が居り。


 三人のうちの誰かか、それとも全員に対してなのか、何の用で静止を呼びかけたのかがわからず儂は立ち止まり。振り向く間もなく、声の主はこれまた数人の見知らぬ男性プレイヤーとともに儂らのまえへとまわり、まるで通せんぼうするように囲んで、


「ねぇ、ねぇ。きみってさ、ちょっとまえに≪掲示板≫で話題になってたヘンテコな衣装着てた子でしょ?」


「うわ、SS見たときも思ったけど、こうして間近で見ると本当に可愛いね!」


「ほかの子もレベル高いし! 君らって、やっぱリアルでも友だちとか?」


 何やら胡散臭い笑みを浮かべ、儂や二人に気安く話しかけてくる彼らは……やはり見覚えも無く。雰囲気や言動からして美晴ちゃんたちの知り合いでも無さそうじゃが、さて、どうしたものか?


 果たして、そんな不審者たちに触発されてか、それまで遠巻きに眺めていただけだった者たちも次第に儂らに近寄って来ようとするが、「ミナセさん」と小さな声で志保ちゃんに呼ばれ。同時に[スィフォンさんからパーティに誘われました! 受諾しますか?]というインフォメーションが流れ、眼前に『YES ・ NO』の選択肢ウィンドウが浮かぶのを半ば自動的な動作で『YES』とコマンドすれば――




 それまで儂らを囲むようにして話しかけていた連中が、瞬時に『知覚範囲せかい』から消え去った。




 どうやら、志保ちゃんか美晴ちゃんのどちらかに『ブラックリスト』に名前を登録され、その仕様によって儂とは世界を別とされたのだろう、と。そのこと自体は前回のPK討伐戦で散々利用したから即座に理解できたが、それにしたって『ただ話しかけられただけ』で『ブラックリスト』に、というのはどうなんじゃろう? と、眉根を寄せる儂に、「もう! いちいち相手にしちゃダメだよ、おじーちゃん!」と怒ったふうに腰に手をやって告げる桃色長髪の犬耳少女。


「現実でもそうだけど、わたしたちみたいな小さな女の子に声をかけてくる大人の男の人には、もっと警戒しなきゃ!」


「ですね。それこそ、囲まれた時点で『ブラリ』の準備して、話しかけられたら実行する、ぐらいのつもりでいましょう」


 そんな二人の、儂に聞かせるだけにしては不自然に大きな声での注意に、これが正しく儂だけに対する注意ではないと察し。少女たちの注意で、すっかり近づくのをやめて遠巻きに見やるだけとなった周りの有象無象をチラリと見まわしつつ、


「なるほど。次からは即座に『ブラックリスト』に名前を登録するように気をつけよう」


 と、儂もなんともわざとらしく若干大きな声で返し。再び、二人とともに歩き出す。


「……で! で!? けっきょく、どうして『ファッションショー』?」


 果たして、適当に歩きながら再び問いかける美晴ちゃんと、言葉こそないがチラチラと伺い見る志保ちゃんに、儂は苦笑して。


「じつは、キルケーの街でちょっと面白い店を見つけてなぁ」


 そう語り、思いだすのは、朝方に見つけた不思議な武器防具屋――『運☆命☆堂』と、その店主である『デスティニー@アキサカ』こと『アキサカくん』について。


 その、なにが面白いと言って、彼を含めて店内に飾られた武器や防具のすべてが完全に趣味の産物で。儂がまだ小さな頃、似たような趣味をもっていた祖父に見せられ、語られたこともある、通称『ヲタク文化』という過去に一部の人間に実際にウケていたらしい動画ないし画像データの、その『再現』にとことんまで心血を注いだらしいデザインの武器や、もはや衣装とまで言えそうな防具類を売っていたことにある。


 聞けば、店主であるアキサカくんは、今は亡き祖父と同じく『ヲタク』であり。彼の格好や店内に飾られたそれらすべてのデザインがとにかく秀逸で。元ネタの再現に注力しているというか、ほとんど性能度外視の、見た目にこそ拘り抜いたそれらが大量に飾られ、実際に買って『仮装』が楽しめるとあって個人的に大層『面白い』と言える店であった、と告げる。


「そして、そこで買った――というか、買おうとしたのが『これ』なんじゃが」


 そう言って取り出して見せたのは、2本の金属の棒を鎖で繋いだ武器――いわゆる『ヌンチャク』で。見るものが見れば、そのデザインや模様が、過去、実際に子供向け番組として放映されていた作品――『撲殺怪盗☆かまってちゃん』の主人公ヒロインが使用していた魔法の杖と同じだと知れようが……さすがに美晴ちゃんたちは気づくまい。


「ふえ? それ……武器?」


「もしかして、『ヌンチャク』……ですか?」


 ……ふむ。どうやら元ネタはおろか『ヌンチャク』自体をよく知らんらしいのぅ。


「これは、ほれ。こうして、使うん、じゃ、よっと!」


 すこし二人から離れ、百聞は一見に如かずとばかりに実際にヌンチャクを振り回して見せれば、少女たちは思いのほか目を大きくして驚き。一通り型を披露すれば「「おおー!」」と言う感嘆の声とともに拍手が。


「――と、まぁ、使いこなすには修練が必要じゃし、癖が強すぎる武器なんじゃがな。見ての通り、儂は有効に使える。加えて、こんなナリで【槌術】に対応しとると聞いてな、買おうと思ったんじゃが……店主が代金を受け取ってくれんでなぁ」


 曰く、趣味で造ったはいいが使い手が現れず――というか、使い手が現れると思っておらず、棚に飾っておくだけのつもりだったそれを儂が使えたのを見て店主は感激。号泣。そして買おうとした儂に「ぜひ、受け取ってくだしあ!」と土下座してきた。


 ……まぁ、その前後というか、出逢い頭に跪かれたり『女神だ何だ』と崇められたりの悶着が幾度もありはしたが、その辺は割愛するとして。


 店内に飾られらものが店主である彼や、その同士たちの作品群だと聞き。『ヲタク文化』に関してはあまり詳しくないが、儂が祖父に見せてもらったことのあるデザインのものが多くあったこともあり、懐かしさもあってアキサカくんとはいろいろと熱く語りあい。この『ヌンチャク』は、「せっかく造ったのだから使いこなせる人に使ってほしい」と語る店主に押し付けられるようにして貰うことになりはしたが、そのまま彼の厚意に対して何も返せぬままというのも儂としてもどうかと思ったので、現金以外でなにか儂で支払えるものがあれば、という話になり。結果、やはり彼が造り出したは良いが着る者の皆無だった『作品』を試着し、そのスクリーンショットを≪掲示板≫に載せることで店の宣伝を手伝い、ヌンチャクはその広告料としてもらった、と。


 正確には、これに水場に適した防具の注文なども関係してくるのだが、二人には今のところ『蒼碧の洞窟』の攻略というか、その奥に居るだろうPK――『亡霊猫ファントム・キャット』の件に深く関わらせるつもりが無かったので、件の『ファッションショー』に関しては『ヌンチャク』の代金代わり、と。そういうことにした。


「あー、なるほど、それでかー……」


「一時期、≪掲示板≫が祭り状態でしたが……なるほど、『アキサカ』さんの趣味武器をミナセさんが使えたから、でしたか」


 ……ふむ。志保ちゃんが知っているということは、もしかしてβ版でも同じようなことをしていたのか、あるいは≪掲示板≫では有名なプレイヤーだったのかの?


「なんであれ、言われるがままポーズや表情を作ってスクリーンショットを撮ってもらい。それがちゃんと広告として無駄にならなかったようなら幸いじゃのぅ」


 そう言ってヌンチャクをしまえば、二人は顔を見合わせ。なんとも言えぬ微妙な表情になるのじゃった。


「ふむ。さて、話は変わるが……とりあえず、二人には前回のPK連中を倒した際にドロップした武器防具類のリストを見せるでな、欲しいのがあれば言ってほしい」


 そう言って儂のインベントリの中身を表示させたウィンドウを二人のまえへ。……なかには儂が造ったものも混ぜてあったりもしたが、それはさておき。


「ちなみに〈鍛冶師〉のレベル上げも兼ねて全部『修復』――耐久値を全快させておいたでな。希望のものをすぐに使えるようにはしてあるぞ」


 二人には、とりあえず『小兎と森狐の毛皮鎧』をそれぞれトレード機能で渡すとして。加えて、美晴ちゃんには預かっていた短槍を返し、「さぁ、どれが欲しい?」と笑顔で待つ儂に「ちょっと待とうか、おじーちゃん!」と物言いが入った。


「え? もしかして、さり気におじーちゃん、〈鍛冶師〉に転職したの!?」


「うむ。そうじゃが……そんなに驚かれることかの?」


 はて、と。目を丸くする美晴ちゃんに、その態度こそ不思議だとばかりに首を傾げる儂。そして、揃って説明を求めて志保ちゃんを見れば、


「えっと……。普通、『戦闘職』は『生産職』に就くことは稀と言いますか……時間も有限ですし、【スキル】の取得可能上限数的にも、あまり他所事で【スキル】を取得するのは良くない、とされていますので……」


 その言葉に、なるほど、と頷く。たしかに、【スキル】の取得できる数が限られているなか、あまりプレイスタイルに合わない〈職〉になど普通は転職しない、か。


「それに……。あの……でも、これはミナセさんが苦労して得たものですし……」


 良いのでしょうか? と、そう首を傾げて儂の提示したリストを示す志保ちゃんに「無論じゃ」と即答。


「そもそも、儂一人ではどれも得られんかったろうしな。遠慮せず希望を口にしてほしい」


 もともと対PK戦の作戦は志保ちゃんが考え、美晴ちゃんも含めて三人で行ったもの。ゆえに、ドロップ品を分配するのは当然。そう思って彼女をまっすぐ見つめる儂の内心を知ってか知らずか、


「おお! じゃ、じゃあ『槍』と【短剣術】と【投擲術】のために幾つか『短剣』系をもらっていい?」


 美晴ちゃんは笑顔を咲かせて希望を告げ。それでようやく「えっと……では、私は『杖』を」と、おずおずとした物言いであったが志保ちゃんも希望を口にする。


「ふむ。あとは適当に回復アイテムを分けるとして。あとは最後のPK戦で得た素材アイテムを清算した代金を分けようか」


 たしか、ログインしてすぐに清算して得たのは3075Gじゃったから、それを三人で分ければ――と、考える儂に「待って、おじーちゃん」と。


「あのね、PKを倒しての武装はともかく、最後の素材アイテムを売ったお金は受け取れないよ?」


 だって、それってわたしたちがログアウト中におじーちゃんが倒したモンスターのもあるでしょ? と、そう言って笑みを浮かべる美晴ちゃんに、「……ふむ」とわずかに考え込む儂。


 たしかに、それは美晴ちゃんの言う通りで。PK戦で得たアイテムを分けるのは当然としても、それまでに儂一人で戦い、得られたスモールホーン・ラビットの素材アイテムのぶんは分ける必要はない。


 ゆえに、分けるのならPKを倒してのものと、最後に三人で合流してから得られたものだけ、というのが筋なのじゃろうが……さすがに最後の方は過労で朦朧としておったからのぅ。


 最後のPK――クロードの奴とやりあうまでに得られたアイテムの正確な数と種類は、わかる。が、それ以降に得られたものはなぁ……。儂が倒して得たものか、それともクロードを倒して得たものかわからん。そのうえ、『〇〇匹で幾ら』というタイプの報酬も合わさっている現在、それらを抜きにしての正確な清算はさすがに無理というもの。


 ゆえに、「ちなみに、清算したら幾らだったの?」と美晴ちゃんに訊かれ。その答えを聞いたうえで彼女が提案した「じゃあさ。いっそ、おじーちゃんがPK戦で得た収入は、おじーちゃんが代替えしてくれてた依頼料にあててよ」というそれに、「なるほど」と頷いた。


「たしかに、金額で言えば似たような額じゃしな。二人がそれで良いなら、その方がなにかと楽で良いのか……」


「うん、それで決定! っていうか、正確に清算額をわけるってなると、おじーちゃんと合流したときのと、倒れちゃったあとで志保ちゃんと二人で稼いだぶんも計算して分けなきゃでしょ?」


 さすがにメンドーだよー、と。その横で「で、ですが、私としてはこうして防具や武器をもらえただけでも貰いすぎに思えますから……」と、それでも正確にわけようと提案する真面目なエルフ少女をチラリと見て、肩をすくめる美晴ちゃん。


 果たして、そこから「メンドー……」と言って嫌がる犬耳少女と「他のことならともかく金銭については」と言って譲らない無表情エルフの攻防が続き。最終的に、儂の「ここらで終わらせんと遊ぶ時間が少なくなってしまうぞ?」という言葉が決め手となり、PK戦における清算はこれにて終了となった。



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