クエスト16 おじーちゃん、不意打ちで『粛清』開始?
森林エリアで『山林を駆け抜ける風』が見つけたプレイヤーは五人。そのうちの一人が木にもたれ掛かって寝ているふうだったと聞いて思ったのは、ちょうど『ログアウト』中のプレイヤーが居るとは運が良かったな、というそれだけだった。
黒熊の獣人――ジングソーに背負われ、出現するモンスターのことごとくをギーシャンとリュンシーの二人が音もなくさばいていくのを横目に、あらためて彼らの言う『プレイヤーが固まっている』はずの方向を見やる。
……ふむ。志保ちゃんの言う通り、誰も居ないようにしか見えんな。
視覚情報以外の、儂が感じえる範囲の情報にはジングソーたちの告げるプレイヤーの痕跡を示すものはおろか【罠】によって設置しただろう『トラップ』すら存在しなかった。
これはやはり、志保ちゃんの予想通りに彼らはこちらが唯一名前を把握しているプレイヤー――『クロード』とパーティを組んだ状態なのじゃろう。
果たして、彼らのように街に入れない赤いシンボルのプレイヤーは、基本、終始モンスターがポップし続けるフィールドにアバターを残して居なければならず。それゆえに、十中八九、パーティを組んだ状態を維持し続けているだろうと少女は言った。
そして、『「ブラックリスト」に名前を登録すると登録した者と登録された者は互いにその姿が見えず、触れられず、相互不干渉状態となる』という仕様は――『ブラックリスト』に登録されたプレイヤーが『ブラックリスト』に登録されていないプレイヤーを含めて複数人でパーティを組んでいた場合、そのパーティ全員に適応される。
ゆえに、今回の作戦の第一段階として。まず、志保ちゃん一人だけが『クロード』の名前を『ブラックリスト』に登録した。
これにより、『ブラックリスト』の仕様で彼女は『クロード』という名前のプレイヤーに干渉されなくなり。同時に『志保ちゃんとパーティを組んでいるメンバー全員』が『クロードとパーティを組んでいる全員』から干渉されなくなる。
そして、それは同時に志保ちゃんとパーティを組んでいる限り儂ら全員が連中に干渉できなくなることを意味するのじゃが――しかし、当然のこと『彼女とパーティを別にすれば』その限りではない。
ゆえに、今回はこの機能を『任意のタイミング』で切り替えることで連中に気付かれることなく接近、離脱を繰り返し、儂一人での討伐を終始優位にすすめよう、という作戦とあいなったわけじゃが……いやはや、なんとも。
儂だって『ブラックリスト』の仕様は知っていた。が、それをこうまで上手く利用して作戦に組み込むなど思いもつかなかった。
あるいは、こうした対プレイヤーを想定した戦術というのは、この手のゲームではよくあるものなのかも知れんが……なんにせよ彼女の知識や機転は称賛されてしかるべきじゃろう、と。そう関心する傍ら、繋いだままの『フレンドコール』相手の志保ちゃんに「これより作戦を開始する」と告げ。いったん、『フレンドコール』を切って、ジングソーたちにもその旨を告げる。
……さて、やろうか。
彼らに再三確認したうえで、件の寝ているふうのプレイヤーがもたれ掛かっているらしい木の近くまで行き。手のなかの鉈を――じつはかなり高品質だったらしい、『山間の強き斧』に貰った手斧を握り直し、
「『チャージ・アックス』」
【斧術Lv.3】で使えるようになったアーツを起動。『TPを一定時間消費し続けることで次の一撃の威力が上がる』という効果によってだろう、TP残量を示すバーの減少とともにだんだんと手にした鉈の刃先に光が収束するようにして光量が増していくのを『視つつ』、ゆっくりと持ち上げ。
眼前に表示したままのウィンドウ。その『脱退』の文字を、コマンド。
瞬間――世界が切り替わる。
知覚範囲に映る、それまで感知できなかったプレイヤーたち。そして眼前の、ただ寝ているようにしか見えないプレイヤー。
彼ら全員の頭上にあるシンボルが赤いことを確認し。連中からすれば突然現れたようにしか見えない儂に驚愕の表情を向けるのを『視ながら』、
鉈を――振り下ろす。
「なッ!?」
「て、テメェ、どっから沸きやがった!?」
驚いたことに一撃ではHPを削りきれず。念のために眼前で意識のないプレイヤー――その頭上にある赤い三角錐をクリックして名前を控える間に、二度、三度と鉈で切りつけ。そうしてようやく一人目をポリゴンの光へと変えられたのを見届ける間もなく振り向き、あらためて周りのプレイヤー――その頭上のシンボルを見回して順にクリック。
彼らの名前を確認しながら、急ぎ、前傾姿勢をとって、
「この! テメェ、生きて帰れると――」
視界の端。[ただいまの行動経験値により〈戦士〉のレベルが上がりました]や[おめでとうございます! 称号【粛清を行いし者】を得ました]などの大量に流れたインフォメーションを無視して[みはるん☆さんからパーティに誘われました! 受諾しますか?]というそれと同時に出現しただろう『YES ・ NO』のウィンドウ――その『YES』の文字にフォーカスを合わせて即座にコマンド。
『ブラックリスト』の仕様によって彼らが視界はおろか知覚範囲からも消えたのを確認し、姿勢を変更。それまで向いていた方向ではなく、確認したなかで唯一の『エルフ』のプレイヤーが居た方へと向かって駆け出しつつ、≪ステータス≫とコマンド。素体レベルと〈戦士〉のレベルの両方が上がり、得られたSPが『2』もあったのを確認するや即座に『器用』を2つ上げる。
さらに『フレンドコールに出ますか? YES ・ NO』の『YES』を考えることなくコマンド。志保ちゃんと繋がったのを確認する間も惜しいとばかりに次の動作へと思考を切り替えながら駆け、
「『チャージ・アックス』! そして、≪メニュー≫オープン。『パーティ』――『脱退』!」
視界に再び出現する、明後日を向いて警戒していた『エルフ』のプレイヤーがこちらに気付くのとほぼ同時。その手の弓がこちらへ向けられるまえに彼の右手に鉈を振り下ろし、
「――バッ!? こ、こいつ、なんで!?」
やはり一撃では倒すに至らず。鉈は彼の手に突き刺さり、引き抜くには一手遅れそうだったので腰の『ポーチ』から短槍――あらかじめ美晴ちゃんから託されていたそれを取り出し、驚愕に目を剥いて後ろ脚を引く男に向けて投擲。
それでも男が光となって消えないことに内心で舌打ちし。最初の攻撃に使用した斧を引き戻し、
「――『アックススラッシュ』!」
ボイスアクション――特定の言葉をとくに強く声に出すようにする行動――によって発動するは、【斧術】レベル1で覚えたアーツ『アックススラッシュ』。
それはTPを消費することで一撃の威力こそ上げられるが、強制的に技後硬直が発生し、攻撃後は数秒間アバターの動きを止められる使い難いアーツで。本来、一対多などの一瞬の硬直が命取りとなる場面では使い難いことこのうえないものではあるが……今回は仕方なく使用。
これによって煌くエフェクト光を纏った斧が男の首へと当たり、それでようやくエルフ男がポリゴンとなって砕け散るのを確認するや急いで美晴ちゃんから送られただろうパーティ申請のウィンドウを探す。
く……! 思いのほかドロップアイテムの報告が多くて厳しい!
知覚範囲に捉えた他のPK連中がこちらに矢を放とうとするのを冷や汗混じりに『視つつ』、どうにか『YES ・ NO』のウィンドウを見つけ、『YES』とコマンド。あわや数発の矢がアーツの効果で動けない儂の体に届きそうなところでなんとか彼らと世界を別にすることができた。
「……ふぅ。今回はさすがに肝が冷えたのぅ」
言いつつ地面に転がる短槍を拾い、腰の『ポーチ』へと収納。次いで、≪ステータス≫を開き、今の戦闘によって再び得ていたSPを2つ消費して『筋力』と『器用』の補正を上昇させる。
「とりあえず二人、片付けたわけじゃが……まさかそれだけでレベルが4つも上がるとはのぅ」
ああ、ちなみに『クロード』以外のPK連中の名前じゃが――と、さきほど確認した連中の名前を繋いだままの『フレンドコール』にて報告。
『はい。みはるん共々、登録完了です。それと……お疲れさまです』
みはるんに代わりますね、と。そう言って『フレンドコール』を切る志保ちゃん。予定通り、このタイミングで小休止をとれることに安堵しつつ地面に腰を下ろし、[みはるん☆さんからフレンドコールが来ています!]というインフォメーションと眼前に浮かぶ『フレンドコールに出ますか? YES ・ NO』のウィンドウ。
たった数秒の戦闘でわずかに鈍る思考のまま『YES』とコマンドし。それによって繋がる美晴ちゃんからの『おっつかれー!』という元気いっぱいの声に癒される思いになりながら、「うむ。お疲れ様」と瞳を細めて返す。
『で、で! おじーちゃん、戦利品はどんな感じ!?』
ふむ。美晴ちゃんの言葉で、せっかくだからこのタイミングで一度≪インベントリ≫を開いて確認することにする。
「モンスターを倒して得ただろうアイテム以外じゃと『量産武器』の『剣』が多いのぅ。次いで『弓』と『矢』か。回復アイテムの類も多くあるが……幾つか用途不明のものもあるな」
まぁその辺はあとで二人と確認するとして。まだ少し『ポーチ』に空きがあるようなので使えそうな武装を2つ、3つ入れとくかの。
もっとも、『見習い冒険者ポーチ』はインベントリとは違い、全部で10個まで入る仕様で。総重量や種類ではなく個数制限なことと『重さがそのまま加算されていく』仕様なので気をつけねば『ポーチ』が重くなり過ぎて動けなくなる、なんてこともあるそうじゃが。今のところ『見習いHP回復ポーション×3』ほか、盾1つと美晴ちゃんの貸してくれた短槍が1本入っているだけなので咄嗟に投げられそうな斧や槍などを余裕を見て幾つか入れておくことに。
「あとは『小兎と森狐の毛皮鎧』が2つ、か」
『あ、それ! せっかくなら今、おじーちゃんが装備しちゃったら?』
ふむ。それもそうか、と。≪インベントリ≫のリストにある『小兎と森狐の毛皮鎧』にフォーカスを合わせ。新たに『装備しますか? YES ・ NO』のウィンドウが出現したのを確認するや『YES』とコマンド。
それによって儂のアバターは淡い光に包まれ。その光が消えるや格好が変わっているのを見て、さすがにゲームじゃな、と内心で苦笑。とりあえず立ち上がり、軽く動作を確認。『見習い服』と比べればさすがに動きを阻害している感覚はあれ、これからの戦闘に支障をきたすほどでは無さそうで安心する。
『どう、どう?』
「うむ。悪くないが……しかし、防具まで持ち歩くとはずいぶんと用意が良いと言うか、そこまでしてPKをやるのかと呆れると言うか」
――彼らのようなシンボルの赤くなったプレイヤーは容易に武器防具の耐久値を回復させられない。
これは、耐久値の回復には【鍛冶】の【スキル】か冒険者ギルドなどでも売っている『耐久値回復薬』などが必要なためで。街に入れない彼らがもし最初期に【鍛冶】を取得していなかった場合、儂ら普通のプレイヤーからすれば1個100Gで手に入るだろう『耐久値回復薬』のために、連中は持っているかもわからないプレイヤーを害して奪うしかないという……。
果たして、連中は手に入らなかったときのためにか武器防具を余分に持ち歩き。それでインベントリの容量が心もとなくなったのか『筋力』にSPを使いだしていたようで。その結果、儂のようなレベル的には格下のものに狩られることになる、と。いやはや、本当に残念な奴らじゃのぅ……。
もっとも、彼らにしてみたら、所詮は『キャラクリから現実世界で24時間経過』までの暇つぶしで。時間になれば、順次『キャラデリ』を行うことでそれまで貯めたアイテムを新しいキャラに売ってきてもらい、新規キャラでの再スタートをすこしでも有利にしようと考えただけ。
その過程で彼らは他人に迷惑をかけることを肯定し。
彼らはそんな自己中心的な考えの下で美晴ちゃんを傷つけ、志保ちゃんを泣かせた。
ゆえに、これは単なる因果応報。ただ単に欲をかきすぎた身勝手な輩が、よせばいいのに、儂や志保ちゃんのような眠れる獅子の怒りを呼び起こすことになった。
ゆえに……まったく。これじゃから短絡的な輩は、と。ひそかに嘆息し、希代の軍師を本気にさせた連中にわずかに同情すらしかけていた儂は――
『そう言えば、さ。おじーちゃんは志保ちゃんがβテスターだっていうのはわたしに聞いて知ってると思うけど……志保ちゃんがβ版で使ってたキャラクターデータを引き継がずに新規のキャラでプレイしてるのには気づいてた?』
果たしてそんな、ある種寝耳に水のごとき報せに目を剥いた。
『AFOで初期に貰える「スキル変換チケット」は2つ。だけど、β版の使用キャラを引き継いだ場合に限って特典として【スキル】を1つ、レベル1にしてだけど持ち越せるんだって』
それは、たしかにAFOの仕様についてホームページを一読していた儂も知っていた情報で。
しかし、『知っていただけで気づかなかった真実』を告げる言葉だった。
『わたし、志保ちゃんのアバターを見て最初はすごくビックリしたの。だって、あそこまで髪や眼や肌の色を弄らなくても志保ちゃんはもともと美少女だったし。わたしが「なんとなく」で髪の色を変えたのとは違って、志保ちゃんはまるで別人みたいだった』
いつも元気いっぱいで明るいことが常態の少女が、いつになく真剣で硬い声音で語る。
『……ねえ、おじーちゃん。わたしの親友は、どうしてβ版のキャラを引き継がなかったんだろうね?』
なんで志保ちゃんは、わたしみたいに彼女の顔をよく知っている人にしかわからないぐらい周到にアバターを弄ったんだろうね?
『最初は、わたしがPKされて志保ちゃんがあんなにも怒ってくれたのがうれしかった。……うれしかった「だけ」で、気づいてあげられなかった』
志保ちゃんがあんなにもPKを嫌う理由。ここまで詳しく『ブラックリスト』の仕様を理解している理由。
そして何より、あのとき、PKに背を向けて街門に駆けながら流した涙の本当の意味。
『ねえ、おじーちゃん。志保ちゃんは「PKの名前が全員判明したら無理に戦闘を続ける必要はない」って言ってたけどさ。でも、わたし、許せないんだ。許したくないんだ!』
だから! と、そう叫ぶように言葉を継いだ孫の顔が、儂の脳裏には未だ見たことのない泣き顔のように映り、
『おじーちゃんにわがまま言っていい?』
少女は、そして、はじめての『わがまま』を告げ。
儂はその『懇願』に、一も二も無く『了』と返した。
そして、
『ん、ありがと、おじーちゃん。っと、そだそだ! さっき志保ちゃんとも話したんだけどさ。おじーちゃんが帰ってきたら、その協力してくれた冒険者さんたちも呼んで「お疲れ様会」しようって――あ! こんな話、作戦中にするのってフラグになっちゃうかな!?』
ど、どどど、どーしよおじーちゃん!? と、一転して元気いっぱいな声になったと思えば、なにやら慌てふためく美晴ちゃんに首を傾げ。たった二度の戦闘でレベルを4つも上昇させられたことと『エルフ』を相手にアーツを使ってなお数撃必要だったことに、今さらながらに考えさせられる。
……やはり、レベル差が大きいようじゃのぅ。
さきの二人――片方は『ログアウト』中で身動きできなかったから良いものの、後者は不意打ちが成功し、仲間がまだ混乱して動作が鈍かったからこそ無傷で済んだが……次辺りはまた違った策が要るのぅ。
さて、どうしたものか。そう悩む儂に、
『あ、志保ちゃんから伝言! おじーちゃんの手に入れたアイテムのなかに「ケムリ玉」ってあるか訊いて、だって』
狙いすましたようなタイミングで参謀殿の言葉がかかる。
「ふむ。それなら幾つかあったぞ?」
眼前に未だ表示したままの≪インベントリ≫のリストを見やり答える儂に、『じゃあ、志保ちゃんに代わるねー』と言って『フレンドコール』を終える美晴ちゃん。次いで『フレンドコール』の相手となった志保ちゃんは、
『「ケムリ玉」は名前の通り、衝撃を与えるとすごい煙が辺り一面を覆うように広がるアイテムで。使い方は主にモンスターにぶつけるか、地面に叩きつけるかして視界を奪ったり、煙の臭いが嫌いなモンスターを追い払ったりできるアイテムです』
つまり、視界情報に頼らずとも戦闘可能なミナセさんにはぴったりのアイテムだと思いませんか? と、そう提言する少女に思わず笑みが浮かぶ。
「うむ、さすがは我らが名軍師! 志保ちゃんはやはり頼りになるのぅ」
『……えーと。突っ込みたい気持ちを今は必死に抑えるとして、二人撃破で「ケムリ玉」を複数獲得、というのは少しマズイかも知れません』
名軍師、志保ちゃん曰く。『ケムリ玉』は1つ200Gもするそうで。それを複数、正規版の稼働初日に用意できるのはそれなりの稼ぎが約束されたパーティだけだろうし、そんなパーティを狩っていたとなれば連中の危険度は予想以上かも知れない、と言う。
加えて、儂が連中を倒したことで称号を得られた件を聞き、『エルフ』相手にアーツ含め三撃を要したと聞いて志保ちゃんはこの段階で作戦を中止するのも手だと提言。すでに連中の名前はすべて『ブラックリスト』に登録できたのだし、少なくない稼ぎも得られたのだから十分だ、と。
そして何より、
『正直に答えてください。ミナセさんは――すでに相当、無理していませんか?』
その問いには、さすがに苦笑させられる。
『ちなみに気付いたのはみはるんです。曰く、おじーちゃんのこえに元気がない、だそうです』
……なるほど。美晴ちゃんなら、さもありなん、か。
『ミナセさん、私を守ってくださったときも相当辛そうでしたし……。私やみはるんは「ログアウト」休憩を挟みましたが、ミナセさんは――』
「正直に言えば、あと三人というのはかなり厳しいじゃろうな」
ため息を一つ。すでに夕暮れの茜色と木陰の闇に支配されつつある世界を見上げ、「しかし」と言葉を継ぐ。
「もし仮に、志保ちゃんが儂の立場だとして――ここは無茶をする場面だと思わんかね?」
インベントリから『ケムリ玉』を取り出し。幾つかを『ポーチ』にしまい。すっかり手に馴染んだ鉈を再び片手に下げて深呼吸を数回。
……思い返すは、目の前で美晴ちゃんを傷つけられた衝撃。逃げるしかなかったそこで、誰にも見せないように涙していた志保ちゃんの背中。
そして、
『わたしの親友を泣かせたやつらは、ぜったい、ぜ~ったい、全員ぶっとばして!!』
脳裏に浮かぶは、さきほど孫から託された想い。
それらすべてで胸を熱くし、激情を笑みに代えて告げる。
「さて、第2ラウンドと行こうかのぅ」
※ 2018年12月3日 微修正




