クエスト73 おじーちゃん、巨漢の重戦士をも『促成栽培』なう!
――人間とは慣れる生き物である。
最初の数戦こそ、毎回涙目になっていた狐耳令嬢も事前の約束である現実世界の19時までアーテーの『レベル15開始ダンジョン』こと『アーテー北の迷宮』の29階を同行者であるアキサカくんたち『運☆命☆堂』の店員三名と一緒にぐるぐると廻り。途中で遭遇する、格上の、それも戦える人間より多くの相手をまえに最後の方には余裕すら見せられるようになり。最近ではよく見かける自信の無さそうだった様子も改善されたようで、良かった、と。
……思えば、直前の『イベントボス』戦や、そのまえのアーテーにおける『レベル10開始ダンジョン』こと『アーテー南の迷宮』を二人で走破したときから、ずっと、彼女は儂に引っ張られ、ついて行くだけだったことに苦しんでいたのじゃろう。
そのことに気づくのが遅れたのは我ながら鈍感が過ぎると言うもので。自身の場合を鑑みれば、儂だって特に理由もなく他人の善意に寄生することなぞ心苦しく思いそうなものなのに、なにをやっているのやら……。
ともかく。そんな少女にしても今回の件でそれなりに自信をつけられたのであれば、良し、と。加えて、アキサカくんたちも何度か『採掘』によって得られたアイテムを預けに戻ったり。儂やローズの装備に関する話し合いも十分にできたので今回の『アーテー北の迷宮』でのレベル上げと『採掘』の護衛依頼は成功と見て良かろう。
……あとは美晴ちゃんと志保ちゃんの件が心配と言えば心配じゃが、これに関しては一に任せるとして。予定通り、現実世界の19時にはローズと別れ。アキサカくんたちとは今回の戦闘で得られた『魔石』を渡したうえで『クラブアーマー』ほか、幾つかの武装の強化を頼みつつ。密かに真紅の巻き髪令嬢の壁役としての新装備制作を依頼して。
とりあえず、消費した各種ポーションを補充するためにまた『薬草』を買いに行き。適当なダンジョン内にて【調薬】。そのあと、すこしばかりのログアウト休憩を挟んだうえで現実世界の20時――事前にメッセージにて約束していた、ダイチくん率いるクラン『薔薇園の守護騎士』の最前線組――『主人公と愉快な仲間たち』こと『ヒーローズ』の五人との待ち合せの時刻となり。
そして――
「……おまえさんらは、馬鹿なのか?」
果たして、約束通り『アーテー北の迷宮』の転移結晶まえで合流し、軽く挨拶を交わしたうえで彼らの抱える近況報告という名の『問題』と、開示された彼らの≪ステータス≫を見せられたうえでの儂の第一声がそれだった。
「うわ、ひっでー。いきなり馬鹿はねーぞ、赤毛っ子」
「……お姉ちゃん、そこの筋肉と同列はさすがに酷いと思うな」
そう抗議する筋骨隆々の巨漢――パーティの壁役である『ドークス』と、このなかで最も若そうな女性――遊撃担当の『アイチィ』こと『ちぃお姉ちゃん』の二人に、儂はことさら眉間の皺を深くし、「おまえさんらは、儂の言う馬鹿ものの代表である自覚が無いと見えるな?」と冷ややかに睨み据えながら言葉を次ぐ。
「さきにローズに聞いておったから知っておったが――なんで、『メンバー全員が一度に〈職〉を「昇格」させて』おるんじゃ!?」
それで最高レベルがダイチくんの〈初級戦士・弐Lv.26〉で、次が『レベル22』二人に『レベル20』二人じゃと? 『イベントボス:堕ちた太陽の申し子』の『第一形態』ですらレベル40だと言うのに……馬鹿か? 馬鹿なのか!?
特にさきほど抗議した二人など≪ステータス≫に『副職』の表示が無いことから、『昇格』まえに『職歴』に登録されている〈職〉のレベル合計50以上すら達成していないと見える。
ゆえに、「いったい、なにを考えておるのか」と。儂のように事前の情報が少ない手探り状態であったならいざ知らず。儂の情報は志保ちゃんから流れておったよな? それで、どうして全員が全員『ランク2の〈職〉』に就いておるんじゃ!?
「いや~、僕もまさか『昇格』でレベルがリセットされるとは思ってなかったからねぇ」
上位職、キタコレ! としか思ってなかった、と頭をかきかき告げるクランの代表にしてパーティの要でもある青年に、「……そうじゃの。おまえさんは、『まだ』、わからんでもない」と。彼が志保ちゃんに〈職〉の最大レベルや『昇格』に関する情報を与えた、ある意味第一人者だったことは聞いておるからの。
ゆえに、ダイチくんだけは情状酌量の余地を認め、仕方なく許すとして。
「儂がわからんのは、なぜダイチくんという『前例』を知りながら、全員で〈職〉の最大レベルを0にしたか、じゃ!」
これから『レベル15開始ダンジョン』の攻略をするんじゃろう!? 『イベントボス:堕ちた太陽の申し子』を、どのクランよりも早く討伐するんじゃろう、と怒鳴るように問えば。ダイチくんと、その隣の糸目の青年――パーティの回復支援役であるところの『カネガサキ』さん以外は儂から視線を逸らしおった。
「まーまー。落ち着いて、ミナセちゃん。……ほら、目の前で『上位職到達イェイ、イエーイ!』とか勝ち誇られたら、『じゃあ僕も』ってなるのがゲーマーの性質ってものでしょ?」
「……その結果、当初の目標であった迷宮走破や最速イベントボス討伐が遠のいておるんじゃが?」
その辺は如何に? と、額に青筋浮かべて問えば――ついにパーティの頼れる保護者役まで儂と視線を合わせんように。
「ええと……。と、とりあえず、今から現実世界で8時間。ダンジョン内なら10倍の80時間をレベル上げに使えるから、それでどうにかならない、かな……?」
そう儂の機嫌を窺うようにして問いかける妙齢の美女――このパーティにおいては付与魔法による支援を担当する『エリーゼ』嬢こと『エリお姉ちゃん』の言葉に、腕を組み。残り時間と『あれ』や『これ』に必要だろう時間等を鑑みた結果。
最初は、パーティを別けてのレベル上げを提案することに。
「……え? な、なんでわざわざ戦力を分断するの?」
そう不思議そうに首を傾げるダイチくんに、「無論、効率的なレベル上げのために、じゃ」と言って胸を張り。
「まず、〈魔法使い〉の上位職――〈魔法使い・弐〉に就いておるエリお姉ちゃんとカネガサキさんについて」
仮に『ランク1』の〈魔法使い〉と同じで、攻撃魔法のダメージによって経験値を加算させられる仕様のままであるのなら――〈魔法使い・弐〉と魔法系の【スキル】のレベル上げだけならレベルの低いモンスターが出現するダンジョンを狩場とした方が良い、と。
加えて……幸か不幸か、美晴ちゃんが転移魔方陣広場からログアウトしてくれたからの。一人だけであればパーティに加入させることができるんじゃが――逆に言えば、儂が抜けても二人までしか『レベル差6以上あっても経験値を減らされない』仕様を適用できないわけで。面倒ではあるが、『エリお姉ちゃんをパーティに加入させる』、『儂がパーティから抜ける』、『エリお姉ちゃんにカネガサキさんをパーティに加入させる』という手順を踏むことになるが……これで経験値が減らなくなるのじゃから我慢して欲しい。
「そも、後方で付与と回復魔法を使う二人の場合、もっとも重要なのはそれぞれの魔法系の【スキル】のレベルじゃからな」
さきに見せてもらった≪ステータス≫によれば、それぞれ【付与魔法・弐】に【回復魔法・弐】へと『上位化』させたばかりなのか、『アーテー北の迷宮』や『イベントボス』攻略を目標とするにはレベルが低過ぎる。
ゆえに、まずはそれらの【スキル】の早急なレベル上げのためにも、とにかく〈魔法使い・弐〉の二人には各々レベルの低いダンジョンに籠ってレベル上げをしてもらいたい、と。幸いにしてアーテーのダンジョンであれば『回復魔法でダメージを与えられる』ゆえ、回復支援役であるカネガサキさん単独でも問題無くソロでモンスターと戦える、と。
あとは、いつかのように『MP回復薬』を湯水のように使ってでも早急にレベルを上げた方が良い、と語り。説明すれば、魔法使い組の二人には納得してもらえたようで。
「さて、次は――ドークスについて」
『主人公と愉快な仲間たち』における壁役である彼の場合、以前に見せてもらったSP振りとは違って無駄に多く『筋力』の補正に多くポイントを割いているようじゃったが……これは十中八九、〈職〉の『昇格』でもって筋力値が下がり、装備できなくなった重装備を早めに持てるようにした結果じゃろう。
そのせいでパーティ唯一の壁役と言うには『丈夫』の補正が低く。『器用』にまでSPを振れていないのだろう、と。そのせいで『ヒーローズ』では唯一人、装備こそ『昇格』以前と同じになれているようなのに総合レベルが最低値のようじゃが――と、ここまでを語った段階で「おお! スゲーな赤毛っ子!」だの「よくわかったな!」だのと何が可笑しいのか機嫌よく笑ってくれているがの。
大前提として、〈戦士〉などの戦闘によって討伐したモンスターの強さに比例して経験値を加算させていく〈職〉の場合、当たり前じゃが『倒す相手は強ければ強いほど良い』わけで。敵対モンスターが高レベルになればなるほど攻撃力が増すんじゃが……そうした脅威を一身に引き付け、パーティの仲間を直接的に守る壁役のレベルが低ければ、当然、強力なモンスターが蔓延る場所を狩場にできない。
……これで嘉穂ちゃんのような火力持ちがパーティに居れば、多少の無茶なレベル上げもできそうなんじゃがな。壁役の弱体化とほとんど同時にダイチくんやちぃお姉ちゃんたち火力担当まで弱くなってはの。せめて、数人は『昇格』や『上位化』を遅らせてレベルをリセットされた連中の『パワーレベリング』でもしていてくれれば良かったものを、と。そういった不満を視線に乗せて巨漢の重戦士はもちろん、ほかの面子も睨んだりもするが……はぁ。
やれやれ、とばかりにため息を一つ。気持ちを切り替えて「……とりあえず、ドークスは儂と『デート』しようか」と半目になって告げ。それに対する反応を一切合切、無視しながら、「最後にダイチくんとちぃお姉ちゃんについて」と話を進めることに。
「まず、ちぃお姉ちゃんは『職歴』に登録した〈職〉のレベル合計50以上を目指すように」
やり方は任せるから。これによって得られる『SP1』と『副職』があるのと無いのとじゃあ、この先、大きな違いになるから、と。
ついでにダイチくんも一緒に『職歴』にあるだろう〈探索者〉のレベルを10まで上げて『中継拠点設置』を使えるようにしてほしい、と。ある意味、それまでの説明というかレベル上げに関する提案と違って投げやりともとれる発言になってしまうが、
「とにかく1時間――現実世界の21時までにドークスのレベルを精一杯上げておくゆえ、とりあえず儂に任せてくれんか?」
そう言って、にやり、と。ここまでの淡々とした物言いやら放ち続けていた威圧感に怯んでか「お、おう」と頬を引きつらせて頷く一同の同意は得られたとして。さっそく、筋骨隆々の巨漢の手を引き。あらためて彼の――というか、ダイチくんたちが結成していたパーティに加入させてもらいながら、少しまえまでローズたちと駆けまわった『中継拠点』のある29階の『広場』へ。
「っ!? お、おい。まさかここで――」
「……とりあえず、ほれ」
なにやら驚き、慌てだしたドークスの言葉を遮り。さっさと『トレード機能』を使って『HP回復ポーション』を大量に渡す。
それから背中の赤い背嚢に手を当てて『呪ワレシ左腕』と『混沌大鎌』を取り出し。……それらの外観にドン引きしておる筋肉重戦士の手を引いて『広場』の外へと歩き出す。
「あー……。いや、まぁ別に良いんだけどよ」
とりあえず、『ランタン』は使わなねーのか? と、どことなくげんなりとした雰囲気をまとって訊いてくる巨漢に、「いや、要らんじゃろう」と肩をすくめて返し。……まったく。なぜ、この真っ暗闇ゆえに【暗視】のレベル上げが捗ることを喜ばんのか。まさか、大の男が暗闇が怖いとでも? と、怪訝顔で訊けば、「ちっげーよ!」と怒鳴り返され、
「俺が怖いんは、むしろお前だ、ちみっ子! レベル上げのために二人だけ個別のパーティになってダンジョン潜るんは分かるが――なんでいきなりレベル44のモンスターが出る階層からなんだよ!?」
もう真上がボス部屋じゃねーか!? 俺、まだ総合レベル22だぞ、オイー!? と、そう叫ぶドークスに、「なにを今さら」と肩をすくめて返し。
「おまえさんは何も心配せず、最初に渡しておいた『物』を投げる準備だけをしておれば良いんじゃよ」
どれだけレベル差があろうとも相手が死霊系モンスターである場合、『回復薬』をかけるだけでダメージを与えられる、と。つまりは先ほど渡した『HP回復ポーション』は自身の回復用ではない、と改めて語れば。
「……いやいや! だーかーらぁ! こんな暗くっちゃ、さすがにスケルトンが遅いっつっても、動いてるのに当てるんは厳しいっつーの!」
俺にゃあ【投擲術】なんて【スキル】無ーんだけど!? などと絶叫してくれたからか、さっそく儂の知覚範囲に最初の獲物を確認。隣の大男にも「『スケルトン・ウォリアー』が4体。こちらに近づいてくるゆえ、すこし待っておれ」と告げ。
そんな儂に慌てて静止を呼びかける声が響くが、それは無視して突撃。とにかくドークスの方に骸骨兵たちが向かわぬよう『副職』を〈勇者〉にして、そのまま連中のど真ん中まで駆けて行き――
「――『ライティング』」
発動するは、【属性魔法:光】のレベル1で使えるようになる『MPを消費し、対象を指定して発動。一定時間光を発し続ける球体を生み出す』魔法――『ライティング』。これにより手の中の大鎌を輝かせ、少なくとも後方の暗がりに居る巨漢へと注意が向くのを防ぎ。
加えて、接敵と同時に『ヘイトアピール』も追加して敵意を集め。儂に攻撃しようとする骸骨兵ども――の、足を切り払うように地面すれすれを横薙ぎに振るい。転ばして。
一定の距離をとって息を潜めてくれておる巨漢の重戦士を尻目に、HP残量を【看破】で睨んで調節しながら戦闘を続け。
果たして、数分後。1体の『スケルトン・ウォリアー』を対象に、
「『ライティング』っと! ほれ、ドークス! 今から、その、『頭が光っとる骸骨兵』を転ばすゆえ――」
タイミングを合わせて『HP回復ポーション』投げぃ! と、大声で指示を飛ばし。ドークスが突然の声掛けに目を剥くのを範囲知覚で『視て』、それから間もなく有言実行。『ライティング』の輝きを頭に灯す骸骨兵を転ばし。
「なっ!? ……あー、もうっ! なるほど、そういうことかよ、っと!!」
かくして、駆け寄ってきたドークスの投げた『試験管』――のように見える容器こそあるが、基本的に中身が無くなれば一緒に消滅するし、見た目のわりに簡単に壊れる――が命中。中身である『HP回復ポーション』がダメージとして与えられ、レベル差23で【スキル】補正無しの投擲攻撃ながらもきっちりとレベル44のモンスター相手に『HPを削り、トドメをさす』という貢献を成し。
ちらり、視界隅に浮かぶ『ドークス』の名を思考でクリックすれば、しっかりと彼のレベルが上がっているのを確認し。密かに笑みを浮かべながら、再度『ヘイトアピール』でもって骸骨兵どもの敵意を集め。
――そこからは、もはやこれの繰り返し。
『HP回復ポーション』の1発で倒せるよう【看破】で残存HPを視ながら調節し。『ライティング』を目印に使って転ばし。倒させ。最後の1体は転ばしたうえで抑えつけ、「ほれほれ、どんどん投げこめい!」と煽ったりもして。
「あー……、なんか普通に『ハイエナ』っつーか、これなら安全ってか……むしろ簡単にレベル上げ出来過ぎじゃね?」
『ポーション』投げてただけでレベルが4つも上がったし、と。そう戦闘後に顔をしかめて告げるドークスに「なんじゃ、知らんのか?」と殊更明るく笑って見せ、
「儂の経験則から言って、レベル差が倍近い相手を倒すと1体で1レベル上がるなんて常識じゃよ」
「……いや。それが『常識』と言える経験を俺はしたくねーわ」
そう肩をすくめ、疲れたように返すクラン『薔薇園の守護騎士』筆頭の壁役に、さもありなん、とこちらも肩をすくめて返し。これにてようやく『試運転』も終いとして、さっそく彼には『転職』にて〈探索者〉に就くように指示。
そのうえで、
「えっと……。まさかとは思うが、こんなレベル44なんて最大レベルの階層で――」
「そう。おまえさんには『HP回復ポーション』を投げ続けてレベルを上げてもらう」
それこそ、『職歴』の合計レベルが50以上になるまでは、と。そうニヤリと笑って告げれば、ドークスも乾いた笑いで返し。
――結論から言って、彼の『職歴』にあった〈探索者Lv.2〉、〈斥候Lv.1〉、〈狩人Lv.1〉を順番に、レベルが上がるごとに『転職』で変えてもらうことで、30分とかからずに彼は『副職』を設定できるようになり。
〈斥候〉に就いたときに取得した【投擲術】を微妙そうな表情で見つめていたが、それはさておき。こうしてドークスの『底上げ』がおおよそ済むころには手持ちの『HP回復ポーション』も尽きてしまった。が、それならそれで〈探索者〉の固有アーツ『中継拠点設置』にて設置しておいた29階の『広間』に置かれた『中継拠点』から出て。
儂はアイギパンの『薬屋』まで『薬草』を買いに。ドークスには大量の『HP回復ポーション』をエーオースにあるクラン『薔薇園の守護騎士』の拠点にて買ってきてもらい。第二ラウンド開始、と。
――そもそもの話。儂の今回設定した彼らとの合同レベル上げの最終目標は、この8時間以内でアーテーにおける『レベル15開始ダンジョン』の走破である。
ゆえに、可能であれば彼ら『主人公と愉快な仲間たち』の五人を最低でもレベル40近くまで持っていきたい。が、『昇格』によって『ランク2の職』に転職した『ヒーローズ』は、普通の〈職〉――最初から就ける『ランク1の職』――と違ってレベルアップに必要な経験値が多いと言うし。それゆえの、再会時の低レベルっぷりじゃろう……が、今はそれより何より、壁役であるドークスのレベル上げを急ぐべきで。
とにかく、効率優先で。せめてレベル44帯の階層で、ある程度は攻撃を受け止められるように、と。
かくして、彼らと約束した現実世界の21時まで、儂は筋骨隆々の重戦士を引き連れ、『スケルトン・ウォリアー』狩りを続け。ドークスのレベル上げを手伝ったわけじゃが……ふむ? 最終的にはしっかりと〈戦士・弐Lv.33〉まで上げられたと言うのに、なぜかあまり嬉しそうじゃない?
なにやら途中からは死んだ魚のような眼をしていたが……はて?