表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奴隷からはじまる下克上冒険  作者: 明石 遼太郎
ナルマ街編
15/123

旅立ち

超短いです。 作者より

 ノブナガがザンと契約し、ハルサーマンを倒した翌朝。

 ナルマ街の南にある人に整備された街道に、3つの人影があった。

 もちろん、ノブナガたちである。


 あの聖剣の部屋で“剣聖”ハルサーマンを倒したノブナガは、エリーナにハルサーマンを死なない程度に回復魔法をかけてもらった。

 そして、天紋を“簒奪”する事もなく、ノブナガたちは聖剣を持って街に戻った。

 街に戻り次第、ノブナガたちは早急に旅の準備を始めた。


 エリーナの足りない物はノブナガがお金を出して、朝すぐにでも街を出られるようにした。

 ノブナガは剣も買い、翌朝を迎えた。

 お世話になった宿の人や、タイヤン夫妻に別れの挨拶をして街を出たのだ。


「ノブナガさん。今更なんですけど……本当にいいんですか?」

「なにがです?」

「この国を敵に回した事、です」


(本当に今更だな……)


 エリーナの言う事が本当に今更である事に苦笑するノブナガ。

 成り行きで聖剣を手に入れ、旅に出たんだと思っているのだろう。

 しかし、それはまったくの杞憂だ。


「いいに決まってますよ。俺はエリーナさんを手伝う。言ったじゃないですか?」

「でもっ、私がしようとする事はとても危険な事なんですよ?」

「なら、なおさらエリーナさんを手伝います。エリーナさん1人じゃ、もっと危険です」

「で、でも……」


 エリーナは申し訳ない気持ちが拭えず、暗い顔になる。

 そこにもう1人、入ってくる。


「ホントに気にしなくていいよ?エリちゃん。ノブちゃんはエリちゃんの目的に感化されて、エリちゃんと一緒にいるんだから」

「ザンさん……」


 もう1人とは、ノブナガが契約した精霊ザンガルドーーザンだ。

 ノブナガが精神世界であった時と同じ、12歳ぐらいの長い桃髪の少女。

 旅服を着ているが、間違いなくザンである。


 ザン曰く、人の姿が本来の姿らしく、こっちの方が疲れないとの事なので、普段は人の姿でいるようだ。

 もちろん、ノブナガが戦うとなれば剣へと変わる。


「ザンの言う通りですよ。俺は俺の目的の為に、エリーナさんといるんです。だから、気を遣わないでください」

「ノブナガさん……」


 エリーナは足を止める。

 エリーナより少し進んだ所で、ノブナガもザンも足を止めて振り返った。


「私は前のアンディエル帝国が好きです。今のこの国は間違っていると思います。だから……ノブナガさん、ザンさん、私に力を貸してください。私と一緒にこの国を変えてください。お願いします」


 エリーナはノブナガたちに頭を下げる。

 そんなエリーナにノブナガは目を点にする。

 なぜなら、ノブナガが説教をしたわけでもなく、エリーナから“我儘”を言ってきたからだ。

 ノブナガはザンと顔を合わせる。

 ザンもノブナガと顔を合わせ、お互いに笑い合う。

 どうやら、答えは同じのようだ。


「はい。エリーナさんの望みに応えます」

「わたしもー」


 ノブナガたちがそう言うと、パッと顔を上げるエリーナ。

 その顔は、まるで花が咲いたように可愛い笑顔だった。


「ありがとうございます!」

「さて、早く行きましょう。野宿するにも、それなりに進んでおかないといけませんからね」

「エリちゃん、行こ!」

「はい!」


 街道を歩く3つの影。

 行き先は南の辺境の村、セインズ村だ。



 かくして、元奴隷にして転生者のノブナガは旅に出た。

 2人の仲間と共に、彼はこれから何を見て行くのだろうか。

ようやく冒険に出られました。


当初の予定では、エリーナもザンも出ない予定だったので、正直驚いています……


次回もお楽しみに〜 作者より

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ