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part4

「美玖ちゃん……突然、どうして?」

「ニナちゃんのせいだよ……あんな、嬉しい事言うから……、こっちだってそりゃ勇気出ちゃうでしょ!? ああ、もう! そうです! ずっと好きでした! 恥ずかしがりでごめんなさい! 両想いです! 私だって、いっぱい好きって言いたくて、でもだめでっ、ニナちゃんはあんなに言ってくれてるのに……っ、それにありがとうすら言えてなくてっ、辛くてっ」

「美玖ちゃん……それ、本当に言ってるの……?」

「うん、今までごめん……っ、ごめんね、ニナちゃ……っ、大好きっ! ぐすっ、うえっ、ふえええええ……っ」

 自分の言葉で切羽詰まって、いつしか大粒の涙を流し始めた美玖ちゃんを、私はほとんど無意識に抱き留める。そこにいつもみたいな抵抗なんてなくて、むしろ背中に手を回されて、そこで初めて私は美玖ちゃんの言葉に嘘偽りがないんだと知った。その瞬間、私までも泣きそうになる。こんな夢みたいな瞬間、本当に訪れるんだ……っ。

「美玖ちゃんっ、美玖ちゃんっ、大好きだよ! 美玖ちゃんも、私の事好き……?」

「だからっ、言ってるでしょっ……大好きだよ、ニナちゃん……っ」

 気づけば私達はもう一度、涙交じりのキスを交わしていた。


 二人の涙が落ち着いた頃、私は多幸感で頭がふわふわしていた。相変わらず私達は抱き着いたままで、好きな人の温もりを感じるのがこんなにも素晴らしい事だとは、美玖ちゃんもこの幸せ感じてくれてるといいな。ああ、でも、きっと私の方が幸せな自信がある。

「ああ、私もう死んじゃうかも……美玖ちゃんに好きって言ってもらえただけでやばい、あの美玖ちゃんに……ああ、やばい、幸せって言葉ってもっと上の表現は無いのかな……」

「……あのさニナちゃん、本当に、私なんかの何がいいの……?」

「なんかって言っちゃダメだよ。なにせ美玖ちゃんは、ひとりぼっちの私を救ってくれた天使様なんだから!」

「よ、よくそういう歯が浮きそうな台詞、すらすらと言えるよね」

「私、美玖ちゃんの前でだったら、いくらでも乙女になれる自信があるよ?」

「そ、それ言うなら私だってっ……ニナちゃんの前だったら……っ」

「……ッッ!?」

 うわあ、何これ、天国!? 素直な美玖ちゃんが可愛いすぎてやばいんだけど!

「美玖ちゃん、今の可愛すぎるよ! 何なのそれ!? 私をきゅん死させるつもりでしょ!」

「な、何言ってんの、ばか! 可愛いのはそっちの方だっての! 自覚持て! こっちこそありがとうだっての!」

「な……っ!? いーや美玖ちゃんの方が可愛い!」

「ニナちゃんの方が可愛いって言ってんの!」

 ……ああ、今日はもう一人にだけ、ありがとうを言わないといけないね。

 神様、こんな幸せな時間をくれて、本当にサンキューなのです!

                              了


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