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講義と実習@サンタランド

サンタランドへもどり、寮で朝食をたらふく食べた僕は、

午前中、爆睡した。あれから占い客はからは、”プレゼント”はなかった。


午後は、クラウス先輩の講義と実習があわせて3時間ある予定。

その講義に、遅れてきた先輩は、よれよれの綿パンにセーター。

目がうつろで、まだ疲れがとれてないようだった。


「おはよう、ニコ。今日はまず、日本と担当区域の東京についての

簡単な説明だったな。アカデミアでは俺は2年の時から世界のニュースやTVを

見て、わからない所は区域担当のサンタに質問する形で勉強した。

サンタは忙しいから、質問はまとめて文書で提出って形ね。

4年生では、現役サンタがの弟子として、ほぼ1年間、実地研修を積んだ。


だから、お前は、何も知らなくて当たり前なんだ。

サンタクロースの弟子未満だな。せいぜいパシリ?っての。

で、今日の講義は、この端末で、記録した東京関係のニュースや映像を見る。

本当はもっと時間をかけたい所だけど、俺も忙しくてな。


ところで、佐田君の所は、いわゆる”ホームレス”の人達への、食料支援を行ってる。

彼の組織では、そのほか、健康相談・生活相談といろいろ活動範囲が広い。

俺は 年に1回はかならず炊き出しに協力する。社会を勉強するいい機会だしな。


新宿では、昨夜のように、基本、水晶占い師として活動してる。

心の弱った人が占いに助けを求めてくる場合も多いからな。

占いの基本的な考えは同じでも、さまざまな方法があるから

ちょっと面倒かな。これは、その都度、やり方を教えるよ。

ま、占い師の基本は、”疲れてる人、困ってる人を 思いやる気持ち”だから。

 で、水商売ってのは・・・」


「こういうのをいうんだよ。ニコ」

ミシェル先輩は、クラウス先輩に抱き着いた。ここでもかわいい女の子姿だ。

抵抗するクラウス先輩に、ミシェル先輩、抱き着いて離れない。

なんだか楽しそう、ミシェル先輩。

本当は男子なのだから、ヘッドロックをかけてると同じなんだけど。


「ミシェルよせ。うっとうしい。離れろ」

「まあ、冷たいんだから、クラウスさんったら、ミシェル寂しいのに」

ツインテールにフワフワミニスカート。

見た目には、うっとうしいカップルなだけなんだけどな。


いやがるクラウス先輩をひとしきりからかった後、ミシェル先輩は変化をとき

「こうやって、男性をおだててその気にさせて、お酒を飲ませる。

それが、水商売の基本。わかった?ニコ君」


はい、先輩。すごくよくわかりました。クラウス先輩は心底、いやそうにしてたけどね。

楓さんには、この仕事は会わないのは、僕も理解できました。


「まあったく、働いてるんだか、遊んでるんだか。で、地下アイドルのミシェル。

今回の公演の成果は、どうだった?」

「ふ、ばっちりだよ。今、回収担当に渡してきた所」


ミシェル先輩に、地下アイドルの事を質問した。地下アイドルの世界は、僕には

ちょっと想像できない世界だった。


その後、日本と東京をいろんな場所を映した映像を僕は、一人で見た。

東京は、たくさんの人が忙しく動いてて、見てて僕はめまいがした。

質問は山ほどあったんだけど、クラウス先輩は、完全に寝てるし、ミシェル先輩は、

自慢の金髪巻き毛をゆらしながら自室に戻ってしまったし。


僕も巻き毛だけど、栗色で、巻き毛というより、殆ど頭鳥の巣状態。

だからかな、僕は年齢より幼く見えるいたいだ。背も高くないし。

サンタランドでは、同年輩からは、完全に”弟扱い”されてる。

でなかったら、”パシリ扱い”かだ。


クラウス先輩への質問を、紙に書きだしながら、一人前への道は遠いかも

と思えて来た。わからない事だらけで質問で紙がびっしり埋まったからだ。


ー・-・-・--・-・--・-・-・--・-・-・--・-・-

屋外での実習は、最初からつまづいた。

僕が、魔法の呪文を一つも勉強してなかったからだ。

アカデミアでは「魔法実践・呪文のかけ方」って本で勉強する。

これは2年生の勉強する科目だった。


「つくづく、俺はアカデミアを恨むよ。いくら生徒が一人だけとはいえ、

この時点で休止して、こっちに丸投げするなんざ、いい加減にも程がある。」


先輩は、いつもの不機嫌な顔で吠えてる。

すみません。僕、家に帰ったほうがいい?

先輩に教えてもらった事は、二晩で僕の知識をひっくりかえすほどだ。

その先輩の足手まといになりたくない。ただでさえサンタは忙しいんだ。

でも、ここをやめて、僕は実際、どうやってくらして行けばいいのだろう。

実家の農業は兄ちゃんが継いでるけど、生活はカツカツだ。

僕は涙が出てきそうになり、あわてて鼻をかむふりをして 顔をそむけた。


「ごめん。ニコのせいじゃないのにな。気にやむな。

お前は今はまだ弟子未満だけど、パシリで存分に使ってやるから。

お前は村長に推薦されるほど、サンタクロースとしての才能と能力がある。

こういうのは、生まれつきのものだから、

時間をちゃんとかければ、いいサンタになれる。


ただな、ニコの能力は、ほんとにムラがあるんだ。

自分から魔法を使おうなんて思わない事。もちろん魔法の呪文の書で勉強できるけど

今は読むな、使うな!」


「大丈夫です。先輩。僕、魔法書にある古いサンタ文字、読めませんから」

俺は、そこだけは自信を持って答えた。

あ、先輩、また落ち込んだ。


「そこからか・・まず基礎をしらないと、呪文の勉強どころでないな。

古語サンタ辞書をもってくる。」

先輩は、取に行っていない間、僕は、そばにあったオレンジの木に 

風に乗って飛びあがった。

オレンジを先輩にあげよう。そうだ、ミシェル先輩にも。

木の上からは、アカデミアの広い敷地が広がってるのが見えた。

気分がいい。なんとか先輩の足を引っ張らないよう頑張ろう。

さっきの弱気の気持ちは、風が吹き飛ばしてくれたようだ。


「おい、ニコ、何をやってるんだ!!いや答えなくていい。俺がそこに行くまで動くな」

先輩は、本を手に持って大声で叫んだ。

「大丈夫、今、降りるから」

と、僕はまた風をクッションにふんわり着地して、先輩に駆け寄った。


「先輩、オレンジをどうぞ。疲れがとれます」

差し出したのに、先輩は頭を抱えてしゃがみこんでる。


「はぁ~びっくりした。心臓に悪い。

ニコ、あの木は校舎の2階くらいの高さがあるんだぞ、お前は魔法が

使えないんじゃなかたっけ?」


これが魔法?僕は生まれた時から、高い処へはちょっとだけ風を使い、

自由に飛ぶことが出来る。もちろん、呪文は唱えず、風に心の中でお願いするだけだ。

そう説明すると、先輩はしばらく考えて、僕に命令した。


「ニコ、向こうの世界では、それは使うな。当たり前だけどな。

理由はわかるだろう?それと、このサンタランドでもその能力は隠しておけ。

いいな。俺もこの事は一切他言しないつもりだ」


「へ~~、なるほどね。村長推薦のはずだ。僕も誰にもいわないよ。

だから口止め料で、そのオレンジもらうね」

いつのまにか、ミシェル先輩が、クラウス先輩のそばにきてる。

もちろん、オレンジは、ミシェル先輩にも渡した。

ところで高く飛べるって、もしかして禁じられてる能力だったとか?


「他のサンタで、ニコを乗り物替わりにする輩が出たら 大変だからね。

今更、トナカイになりたくないだろう?」

ミシェル先輩。トナカイは軽く冗談のつもりだったみたいだ。

僕は、真面目に”トナカイにされるのはイヤ”と思ったけど。

ただ”乗り物替わり”にされるってとこは、マジみたい。

クラウス先輩は、腕組みして


「サンタランドでも、そういう悪い輩もいるってことだ。」




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