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魔王の娘と逃亡生活!?  作者: 信示
幼少期
6/7

人族と魔族

6か月の月日が過ぎて、言葉も覚えて、いろいろなことがわかってきた。

ここは魔国領というらしい、魔国領というのは大峡海という海を隔てて存在する大陸のことだ。

その名前の通り、こちら側では多くの魔族が住んでいる。

RPGでお馴染みのモンスターたちだ。

最も、RPGのように野蛮ではなく、温厚な種族が多いと本には載っていた。

あったことのない種族ばかりだから判断は難しいが、俺は少なくとも前の世界の人と同じだと思う。


だが、こちらの世界の人間、人族はそうは思っていないらしい。

この世界には、魔物が出る。魔物は元々、動物でこの世界に充満する魔力によって突然変異した結果で、性格は攻撃的になる。

人族にとって魔物は、魔族がけしかけていると思っている。

実際は魔族も魔物被害には頭を抱えていた。

魔国領は人国よりも魔力濃度が濃いのでより強力な魔物が多い。

討伐をするのも一苦労らしい。


そういう話を、

角が生えた父親らしき人が赤い髪の母親らしき人に愚痴を言っていたのをたまたま聞いただけなので、詳しくは知らない。


そんな、化け物じみた動物を倒してしまう、親父たちも十分すごいと思うが、こっちの世界では小さいころから魔物の対処法を教わるらしい。

俺は、正直そんなもの習いたくもない。

どっちかというと、魔法を習いたいと思っている。


魔法は、この世界では誰もが覚えられる便利なスキルという認識らしい。

ちゃんとした人に習えば生活で利用できる便利な魔法は使えるようになる。

魔法は6属性に分かれており、火・水・風・土・闇・光となっている。

その属性通り、火は火種のために、水は水道の代わりに、風は温度調整に、土は土木系の作業などに使われている。

残りの光と闇の魔法は消費魔力が大きく、生活用の魔法には向いていないので、使われることが少ない。

そもそも、光は光源として使われることはあるが、闇は使い道がわからないので使われていないのかもしれない。


習えば、使えるといったが少し間違いがある。

確かに習えば魔法は覚えられるが、人によっては覚えられない属性がある。

火が使えるが土は使えないとか、光は使えるが闇は使えないなど、いろいろ例はある。


ちなみに、俺が試したところ闇と光以外の属性は使えた。

少し、光と闇が使えたらなと思っていたがやはり、世の中甘くなかった。

まぁ、使えたら使えたらで厨二病を患っていたことを思い出して、心にダメージが来ていたのでよかったといえるだろう。


それにしても、暇だ。

やることといえば、簡単な魔法を練習して魔力が尽きて寝る。

もしくは、手に取れる範囲の本を読む程度のことしかできない。


早く、動き回れるようになりたいものだ。


「あーあーん」


おとなしく、本を読んでいると声をかけられる。

俺がこっちの世界で目覚めてからいつもいる赤ん坊が一生懸命声をかけていた。


この子も暇なのか、やたらとちょっかいを出してくる。

本を読んでいたら、寝返りで突撃してくるし、魔法を使っていたら興味津々に魔法に顔を近づけててくる。

非常に危ない。


今日も器用にゴロゴロと転がって近づいてくる。

近くまで来ると、赤ん坊は俺の読んでいる本を覗きこむ。

読んでいる本が絵本じゃないとわかると、赤ん坊は俺の髪の毛をつかんで、いつも通り絵本にしろと、要求してくる。


あぁ……早く、この子から逃れたい。

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