第0話-紹介-
俺の名は赤羽伸。周りからは伸と呼ばれている。顔はまぁ平均レベル。運動はそこそこ得意で勉強はテスト前に復習をするぐらいのオールベーシックな高校三年生。
俺が言うのもなんだが、俺の周りには変人が多い。
青木楓。俺の幼なじみ、知能明晰で運動神経は陸上の短距離を専行していればオリンピックも夢じゃないと言われた程だ。こんな名前だが男である。しかしながらその容姿は絵に書いたような美少年。髪も長く、女に間違えられるのは日常茶飯事だ。
そんな楓の夢は宇宙人を捕まえることである。それも極度の真剣さである。彼にとって宇宙人こそが自分の生き甲斐であり、生活なのだ。そんな男と腐れ縁なのだから毎日が疲れる。
言葉使いもおかしい。自分のことを
「我」
と呼び、俺のことを
「少年」と呼び、女の子のことを
「女子」
と呼ぶ。学校を
「スクール」
と言ったり、キスのことを
「接吻」
と言う。言葉使いが本当におかしい。
しかしその変人マイナスファクターなんて彼の容姿や頭脳、運動神経の前では小さなマイナスにしかならない。
彼のその余りある才能に嫉妬する輩は多いが、彼の人柄はその嫉妬さえも羨望の眼差しに変えてしまう。
そんなスーパーマンが俺の幼なじみの楓だ。
そしてもう一人の幼なじみ、高風夏花。あまり大きな声では言えないが俺の彼女である。
幼いころからずっと一緒に(楓も)いたので自然と付き合うことになった。
自分でいうのもなんだが、可愛いと思う。頭も良く、何故俺と付き合っているのか疑問視する野郎が多い。
しかしながら夏花にも欠点がある。裏表が極端にすごいことだ。簡単に言えば俺に対してだけ言葉使いが変貌する。彼女いわく
「伸は話やすい」
だそうだ。俺の立場も考えて欲しい。
そして最後が、黒峯右京。右京とは高校に入ってからの親友だ。こいつも楓と同じようなパーフェクト人間だ。
顔はスカウトが来るぐらい格好良く、モデルのように足が長く、サッカー部の主将で貴公子と呼ばれているほど実力がある。少し口は悪いがそれも女の子からしてみたらカッコイイのであろう。
しかしながらこいつにはどんな食物にもマヨネーズをかけるというポリシーがある。アンチマヨネーズの俺は右京と一緒に飯を食べる時は鼻をつまみ、右京がいない方向を見て飯を食べる。見ていると気分が悪くなるからだ。
普通の俺を含めたこの4人は今では学校の名物だ。
それもそのはずだ。俺以外の3人はとにかく目立つ。
楓、右京、夏花はそれぞれファンクラブが存在し、学年の行事事ではとにかく目立つ。俺はこの3人と共に行動しているだけなのだが、学校で俺のことを知らないのは、不登校者か入院している奴ぐらいだろう。
俺に平穏な日々は来るのだろうか?いやそれは日本が沈没するぐらい可能性は薄いことだと思うが。。