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空の運送屋  作者: JUN
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新居

 馬車は軽快に走り、40分程で南の砦についた。砦とは名前ばかりで、実は大きな池のほとりに立つ別荘で、城壁も必要最低限に抑えられていた。「お疲れ様。荷物を運んでくれ。後、馬の世話も頼む。」ヨハンは部下達に頼むと、ハジメについて砦の中に入って行った。「なかなかいい砦じゃないか」ヨハンはキョロキョロ辺りをに回した。「地下に温泉が有る。入りに来るといい。」ハジメはクララ姐さんとソフィを見送りながら、話しかけた。「畑の跡はどの辺りだ?」「案内するよ。かなり荒れている。もうじきここも寒くなるらしいから物を植えるの来年からだな。」

 歩いて10分程で、畑の跡が現れた。草が茂り見る影無い。唯一のあぜ道後が人の気配を感じさせた。「広いな。これななら十分だ。農業に明るい兵士達を連れてきて早速作業に掛かろう」ヨハンは辺りを望遠鏡で見ながら、頷いていた。「姫様の認可下りたのか?」ハジメは水筒代わりに持ってきたワインの瓶を、ヨハンに差し出した。「あゝ、ドワーフの大工と鍛冶屋にも話をしてくれる。先ずは家と畑だな。」「兵士達を訓練しなければ。時間が幾ら有っても足りないな。」ワインの瓶を傾けゆっくり飲むとヨハンは頷いた。「ゆっくり再建するさ。失う物など無い。後は作るだけさ。」


 砦の中の模様替えは、たっぷり一ヶ月要した。「どう?素敵な寝室でしょ。書斎と執務室も綺麗にしましたの。見てくださる?」ソフィが得意そうに案内しだした。どの部屋も落ち着いたデサインだ。寝室の方は、白い壁に塗り替えられ、猫足の大きなベットが置かれていた。あとハジメの注文のミニバーが、部屋の隅にあった。「後の部屋は、掃除だけで余りいじって無いの。」「いいんじゃないか、取り合えず引越しの荷物を入れて、あとで考えれば?」

二人の荷物は、殆んどソフィの服、それでも荷馬車一台分程で、後日手伝いに来てくれた兵士達の奥様連中はびっくりしていた。

 新居はいいものだと、いろいろ考えていると、ソフィが地下の温泉に行くと言い出した。別にバスルームは有るのだが、お湯を運んだりするのが面倒なので、ソフィと行く事にした。(温泉か、軍の保養所以来だな。)そんな事を考えながら、ぶらぶら歩いて行くと、真鍮の板で補強された扉の前にきた。中に入ると、かなり広い空間が現れた。白いお湯が湯気をあげている。ハジメは早速温度の確認をしてみる。「なかなか いい頃合い。」早速二人とも服を脱ぎ、温泉に入って行く。お湯が白いので、底がわからない。全体的には、腰辺りまでの深さだった。

 玉砂利が敷いて有る所で洗い、またお湯に戻る。

二人でゴソゴソしていると(若いから仕方ない)奥の岩陰から誰かの気配がした。ソフィと顔を見合わせ、また奥に目線を向けると、裸の女性が現れた。

 「あら、ゴメンなさいね。私は奥で居るから、楽しんで。」女は、ウインクすると奥に戻っていった。

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