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空の運送屋  作者: JUN
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撤退作戦

 ハジメは少し離れて、旋回中に屋敷からの発光信号を見つけた。(貴官、イツマデ、オレルカ)

 明るくなれば自分正体が公になる。そうなると外交上、大変宜しく無い。(夜中二、ヒキアゲル、ワレ弾薬一回分ナリ。スミヤカニ、ワガ領土二、ハイラレタシ) 夜間に敵艦に襲われる事は、無いに等しかったが、オール付きの快速船なら、明日の朝がた追いつく事が可能だろう。その前に国境近くまで来てもらわないと、ハジメは攻撃は出来ない。「時間が、勝負の分かれ目か。城に引き上げて弾薬の補給と整備だ。」


 「飛行艦、引き上げて行きます。」見張りの兵士の不安そうな声が響いた。「仕方ない。弾が無ければ何も出来ない。」暫く見送った後、ヨハンは桟橋に向かった。後退戦の方はジョセフが担当する。どうせ戦闘経験が不足した連中だ、夜間に突撃しないだろう。散発的に銃声がきこえるが、いつもどうりで静かになった。「赤ん坊と母親なんかは、俺のヨットに、その他は輸送船に、荷物を少なく水筒なんかを持って乗ってくれ。」

200トンクラスの輸送船に100人位乗り込む。全部で3隻。ヨットにも、沢山の子供達が乗り込んだ。「準備出来次第、行ってくれ。味方が食われても無視して前進してくれ。」古い帝政時代の艦長帽を被った船長達は、ゆっくり頷いた。「ヨシ!急ごう。」輸送船は帆に海風を受けて、ゆっくり走り出した。


 執務室で戦闘艦被弾の報告を受けて、カルロスの腹わたは、煮えくり返っていた。「ニーゼン、連中に随分と舐められたもんだな。」「奴らの4倍の戦力。オマケに軍艦も出したのですが、向こうの兵士達の練度が高く、攻撃の度に、我方の損害ばかり増える。」「航空艦から攻撃出来ないのか?彼奴らが出来たのだ、我々も出来ん事あるまい。」カルロスは、乱暴にウイスキーを注ぐと、グッと飲み干した。「聞いてみたが、暗くて降りられん、との答えだ。じゃ、相手は何で降りれて、しかも攻撃まで出来るのだ?と聞いたら、腕が違いすぎるとの事だ。」ニーゼンは、葉巻の端をナイフで切り取ると、火を付けた。「練度が足りない。満足な作戦が立てられん。包囲して食料品が尽きるまで待つしか無い。」 ニーゼンは、煙を吐きだしながら、答えた。

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