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空の運送屋  作者: JUN
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ヨハンの危機その2

  ジョセフは、集められるだけ兵士を集めた。事前に、国家反逆罪に問われるかも知れない事など説明した。しかし、ほとんどの兵士が志願してくれた。「まずは、家族と荷物を屋敷に運ぶ。部隊の半分で軍の輸送艦を強奪。帝政からの船員も取り込もう。」ジョセフは、指示を出しながら、作戦を考えていた。損害はヨハンの友人達の出方次第だ。食糧、弾薬さえあれば、かなり時間が稼げる。ジョセフはニヤリと笑った。絶対に勝ってやる。


 飛行場からハジメが戻ると、ルドルフが手紙を持って待っていた。「使い魔が運んできた。余程緊急な内容らしいの。姫様にも来ておったが、まだ起きておらん。中身を教えてくれまいか?」ハジメは刻印を改め、封筒を開けた。(ハジメ殿 至急返事いただきたい。当方、政府軍との戦闘状態につき、兵士の家族の救援に飛行艦は使用かのうか?)短い手紙だ。

ハジメは首を振った。「ルドルフさん、ここに有る飛行艦では重すぎて、滑走路以外では降りられない。せいぜいヨハンの屋敷の裏に有る大きな河に物資を落とすくらいしか出来ない。」ルドルフは溜息をついた。「戦列艦で河から砲撃されると、長くは持たん。何とかならんかな?」「軍艦の出発準備どの位かかる?」ルドルフは顎をさすりながら、考えている。「二千ぐらい乗る戦艦なら一週間以上かの。ヨハンの屋敷に大口径の大砲が有るので、そこそこ大型の軍艦が要るのお。」対艦攻撃か。爆弾も無いし、魚雷なんか有るはずも無い。その時にビルマで見た敵機の攻撃方法を、思い出した。低空飛行で落とした爆弾が水面を跳ねて飛んで行くのだ。これなら嫌がらせぐらいになる。ハジメは、ソフィを探しに部屋に急いだ。

 「鍛冶屋と、仕立て屋?居るには居るけど、ヨハンの助けになるの?」不思議がるソフィを急かし、城の中を急いだ。

「ここから 穴をあけて、一番重い砲弾を落とす。雨どいみたいにしてくれ。」ドアーフの鍛冶屋は徹夜で側面に投弾装置を作ってくれた。ソフィは火薬を入れる袋を作ってくれた。

 「どう?準備どの位かかる?」ダミアが様子を見に来た。「明日、訓練始めますよ。二三日やれば、大丈夫。それよりもヨハンの方は?」「今、にらみあいね。潮が良くなれば軍艦が出れる。その時が勝負ね。」

 導火線付き爆弾は上手くいきそうだ。(ただし、当たらない脅かし程度。)砲弾はなかなか難しい。(体で覚えるしかないか)ハジメは、何回も飛び訓練を繰り返した。


戦闘はなかなか進まなかった。戦力の劣る此方としては、出て行く事は出来ない。ハジメからは救援を待てと、返事が来ていた。「もう少しで、潮が変わる。そうすれば大型の軍艦が上がってくるぞ。」ジョセフはイライラしていた。両方から来られると人手が足りない。今でも銃の装填は女性、子供がやっている。「もう少し様子を見よう。大潮迄頑張れば、脱出の貨物船が来る。」

 しかし、次の日午後、二層の戦列艦が上がってきた。「砲弾の準備を、お客さまの到着だ。」様子を見ていたヨハン達は、大砲の準備を始めた。

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