晩餐その2
晩餐もそろそろ終わりに近づいた時に、ドアを大きく開けて、三人の女性が入ってきた。一人は年配の女性。後ろの二人は若かった。「噂の人物ですよ。一番上の姉さん、不倫して身重のなったとか、ならないとか、我が国の恥ですな。」いつの間にか近寄ってきたヨハンが露骨に嫌な顔していた。「
じゃ、あの二人は妹たち?」「まあ、そうなります。腹違いですが、前のご婦人が二人の母親です。」政府の高官の挨拶を、めんどくさそうに流してきている。顔はそこそこだが、とても性格が良いように見えない。「ワガママ通し放題で、育ったみたいだな。」ハジメは、ボンヤリ眺めながらヨハンに、こたえた。「みたいだな、じゃなくて、事実ですよ。次女と婚約されそうになって、慌てて逃げたんですよ。」「じゃ、その階級、もしかして」 「お察し通り、婿に相応しい身分にする為に無理にされたもんですよ。」「立場、家柄うるさいのか?」
「うるさく無いといえば、嘘になりますね。この歳で大佐なんて、無理がありますが大統領の家柄にを、上げる目的があるんでしょう。その前に、好みに合わない相手ではね」ヨハンは大きなため息をついた。