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空の運送屋  作者: JUN
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誇り

 「少々やり過ぎたかな?相手はどうですかね?」ハジメは、心配そうに聞いた。いくら魔法で刃を切れなくしていたとはいえ、かなりいい手応えがあった。

「大丈夫。それよりも、仕返しの方が心配。プライド高いからね、刀の魔法を掛けたの、解いておくわ。仕返し来たら、切り捨ててもいいわ〜」ダミアが楽しそうに答えた。

 「結構強い方でしょう?あの女性?」ハジメは、魔法を解いてもらいながら、ニヤニヤしているルドルフに、尋ねた。「あの女性、騎士団長の娘だそうですよ。かなり腕も立ち、しかもアイドル的な存在、大変だ〜、しかし、見事に切り捨てましたな。良い物を見ましたよ」

 ハジメはため息をついた。皆さん他人事みたいに。「でもこの城の騎士になったんですよね?城主としては、アドバイスの一つでも出しても、罰当たりにならないですよね?」ダミアに詰め寄った。寝首取られたなんて、洒落にもならない。「エルフの騎士団が、この城で抜刀した場合、切り捨てて構わ無い。許可書欲しい?」穏便に事を済ますつもりは無い。ダミアの目が語っていた。「今後の交渉でも、対等な立場にいる為にも、ワガママ通す訳に行かないの。」ハジメはため息をつき、刀を腰に刺すと立ちあがった。ベットと、寝る前に飲む酒の準備が出来たと、ソフィさんが呼びにきた為だ。

お休みなさい、と小声で挨拶すると、部屋に帰って行った。

 上部に位置するダミアの部屋から、ハジメの部屋までそこそこ歩く。ソフィさんが持つランプを先頭に歩いていった。後ろから見られている。ハジメは、ソフィの耳元にかおを寄せ「この角曲って、ランプの灯り消して、しゃがんで下さい。」

 前から1人、後ろから二人。武器の音がし無いので、抜刀している可能性が高い。まずは、二人かたずけるか。ランプの灯りが消えた。焦った相手が歩みを早める。そこに、身を低くしたハジメが躍り出た。一人は女、もう一人は男のようである。共に抜いたサーベルを構えているが、暗くて見えないのだろうか、反応が遅かった。ヒュと音と共に抜いた刀が、相手の胸を切り裂き、二人目の胴体を輪切りにする。慌てて出てきた最後の一人は、袈裟切りにされた。「参ったね、また風呂に入らないと。」

 暗闇で震えるソフィに、無理やり明るい声でハジメが、問いかける。「すぐに、準備します。でも一人は嫌です。」とりあえず、服をとりに部屋に行く事にした。

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