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第参話:ああ。美しい。

本当に久しぶりの投稿ですね。よろしくお願いします。

「はぁ?!どういうことだよ、何で閉じ込められてるんだよ!」

坂本はパニックになり貧乏ゆすりが激しくなっていた。俺はこんな状況になぜかひどく落ち着いていた。


少し沈黙があった。


「まだ見落としがあるかもしれない。だけど、行けるところはいったつもりだ。ここは元が工場だ。窓が手で数えられるほどしかない上にとても高いところにあるか、ガラスを割ったところで窓が小さすぎて絶対通ることの出来ないものばかりだった。どうしようもない。」

俺たちは現状を楽観視できるような状況ではとてもなかった。


次は長い沈黙に包まれ、この建物の壁に強く風が吹き当たる音がはっきりと聞こえた。外の風が強くなろうともこの建物の中はじめっとしていてとても暑い。

汗が頬を伝ってくる。


「私たち、どうなっちゃうのかな」

「そういえば、4階の上に屋上へ続きそうなドアがあった。ドアが南京錠で閉められていて、僕の力では開けられなかったがみんなで力を合わせれば、ドアを破れるかもしれない。」

「そうだな。この工場から出られるかは置いておいて、何か発見があるかもしれない。行く価値は大いにある。」

「そうと決まればいきますか!」結彩は少し明るくなったようだった。

「そうだな、ここでずっとこもっていても何も変わらねぇもんな。」

「よし、決定だ。大和、案内してくれ。」

「分かった。少し暗くなってきたから足元に気をつけてついてきてくれ。」

小さな窓から入ってくる光は赤く染まっていて、確かに工場の中は既に暗くなり始めていた。俺たちは探索した時に見つけたロウソクとマッチを使い、辺りを照らしながら進んで行った。


5分ほどたっただろうか、操作盤らしいものがある部屋に鎖で封鎖されている扉があった。ここは住めるようなところではないということが改めて分かり、今この建物に閉じ込められている状況に少し不安が大きくなっていった。

「もうすぐだ。もうすぐ着くぞ。」

大和が指をさした。その先には錆びた鉄でできた細い階段のに南京錠のついた扉が見えた。

「この南京錠をぶっ壊せばいいんだな」

朝陽はたいして筋肉もついていない腕を肩から大きく回し、首を鳴らした。

「そうだな。屋上に出ることができたら何かわかるかもしれない。もう暗い、さっさとこの扉を開けたいところだ。」

大和は今の状況を正確に分析し、言った。「探索の時に来たときに南京錠を壊そうとしたが、全く壊れる気配はなかった。僕は扉を打ち破ったほうがこの扉を開けるためには最善の手だと思う。」

「わかった。そうしよう。」

そして、全員で力いっぱいに扉にタックルをした。


バンッ!


俺は勢いでうつ伏せに倒れた。扉は無事に開いた。

外は適度に風があって気持ちがいい。そんなことを思っていたら、

「ねえ!!ねえ!見てよ!ほら!はやく!」

結彩が腕を引っ張ってせかしてくる。

「わかったよ、、、」俺はやれやれと起き上がった。

そして、空を見上げた。


「綺麗だ、、、、」


そこには大きな大きな星空がひろがっていた。

いつか、記憶もおぼろげになるほど小さなころに、お母さんに連れて行ってもらった町のプラネタリウムなんかと比べ物にならないほどに大きく、美しく、目を奪われた。

「こんな景色みたことないぜ。」

「ああ。美しい。」

「綺麗だね!」

俺たちは大きな星空を天井にして屋上に並んで寝そべった。

みんな気づいたら寝てしまっていた。


~【2日目】~


俺にしては珍しく早く起きれたと思う。周りのみんなはまだ眠っていた。

昨日の夜は暗くてわからなかったが、この建物はどうやら海と森に囲まれているらしい。

海側は断崖絶壁になっていて波が強く降りることはできなさそうだ。

森のほうは遠くに山が見えるくらいで見える範囲では本当に何もない。森、森、山、森って感じだ。


グーーッ


そんなことを考えていたらおなかがすいた。そういえば昨日の昼から何も食べていなかった。

そりゃおなかも空くわけだ。昨日は何が何だかわからずにパニックになり、そんな事すら考えている隙が無かった。寝たことで冷静になれた。

「よしっ。少し探して回ってみるか。」

俺は何かないか、建物の中も少し明るくなった今、探して回ることにした。

昨日は気づかなかったが、よく見るとほこりがすごい。建物の中で寝なかったことに少し安堵した。

「もし寝てたら今頃、ハウスダストアレルギー不可避だな。まあ、今ハウスじゃないけどな。」

そんなことを言って気を紛らわせながら、俺たちが意識を取り戻した部屋まで戻ってきた。

「なんだ、、あれ?」


その部屋の窓から見えた大きな部屋の中心には、目を疑うものが置いてあった。

俺はすぐにまだ寝ているみんなを起こして連れてきた。

「え、、昨日ってこんなものあったっけ??」結彩は戸惑って言った。

「いや、こんなものなかったはずだ。ここは昨日の夜しっかりと見た。」大和も困惑している。

「まあ、いいじゃねえか!食っちまおうぜ!」朝陽は耐えきれないようだ。

そうだ、大量のご飯が置いてあったのだ。

しかし、おかしい、違和感だ。大和も気づいているようだ。

ご飯といっても置いてあったのは寿司、ハンバーガー、ピザなどのさまざまなものだった。

さらに、コーラやジンジャーエール、メロンソーダなどのジュースもともに置かれていた。

坂本は今にも食べたそうに、よだれを垂らしていた。

「おい!めちゃくちゃうまそうじゃねえか!!早く食べようぜ!!」

「なあ、大和。」大和に目をやった。

「ああ。僕もやっぱりおかしいと思う。」

「そうだよな。おい、坂本!まだ食べるな!」俺は急いで止めた。

「この料理は何かおかしい。昨日の夜はなかった上に、寿司なんかは生ものだ。長持ちする様なものじゃない。」

「確かにそうだな。おまえ、天才だな!」

坂本はこういうところでやけに素直だ。

「でもさ、あれ見てよ。」坂本が指を指した先には、もぐもぐとご飯を食べている結彩がいた。

「おおーーーい!!!結彩!!大丈夫か!何もないか?!」

俺はこれまでの人生の中で一番早く、結彩に駆け寄った。

そんな俺を置いて、結彩はまだ食べ続けていた。

「何もないよ~。おいしいし、いっぱいあるからみんなで食べようよ。おなかすいたでしょ?昨日の昼から何も食べてないじゃん。」

実際、俺はとってもおなかが空いていた。

気づいたころにはもうピザの一切れを口へ運んでいた。


パクッ


「これは、、うまい!!めちゃくちゃおいしいな!!」

「そうでしょ!そうでしょ!!」結彩は嬉しそうに言う。

二人が食べているのを見た大和と坂本も食べ始めた。


テーブルに乗っている料理が半分ぐらいになったところで、俺は嫌な違和感に気づいた。

建物の壁に徐々に強く光の波が打っていた。

「おいっ!なんかおかしいぞ!!」そう言おうとしたその時、俺がさらわれてここに来るときに聞こえた声がまた、頭の中で響いた。


ー{ゲームスタートだ、、}ー


読んでいただきありがとうございます。今回は文章量が前回の2倍になりました。疲れましたね。うん。次も頑張ります。次回の投稿はいつになるのでしょうか、僕にもわかりません。気長に待っていただけると幸いです。

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