第弍話: 私たちどうなっちゃうの?
この話は、〝かっこ〟によって話している人が分かるようになっています。
よろしくお願いします。
〈なあ、助けてくれよ〉
『キャーーーーーーー!!!』
「誰だっ!」
そう言って振り返った。
涙でぐちゃぐちゃになった顔がそこにはあった。
「何者だ!!」
結彩は耳を塞ぎ下を見て怯えている。
〔あなたはまさか、同じクラスの坂本君か?〕
大和が気づいて言った。
〈ああ、そうだ。そうだよぅ〉
泣き、声を震わせながら答えた。
こいつは確か坂本 朝陽、同じクラスだったはずだ。
イケメンで女子からはモテているが、性格は最悪といって差し支えないだろう。
前に学校1可愛いといわれている女の子に告白されたらしい。だが、告白を言い終わる前に"無理"と一言言い立ち去ったらしい。嫌なやつだな。
やるときはやる男らしいが残念ながら今の状態を見るとそうは思えない。
よくわからない男だ。
〈なあ、一体ここはどこなんだ、?教えてくれよ、助けてくれよ!〉
「俺も起きたばかりなんだ。俺が助けてほしいくらいさ。」
結彩はまだずっと下を見て怯えていた。
そうだった。結彩は極度の怖がりだった。
小学生4年生の頃、俺は驚かせてやろうと思い、結彩にレンタルしてきたホラー映画を見せたことがある。
その時は結彩が泣いてしまい、親から長い時間怒られた記憶がある。結彩はその後一週間口を利いてくれなかった。
「結彩、大丈夫か?」
『うん、落ち着いてきた』
〈ごめんな。そんなに驚かすつもりは無かったんだ。でもよ、そんなに驚かなくてもいいんじゃねぇか?〉
『ご、ごめん』
結彩は申し訳なさそうにうつむいた。
一言余分な奴だ。俺は坂本を好きになれそうにない。
〔それじゃあ今、ここにいる人は誰もここが何処か分からないんだな。〕
「そういうことになるな」
『私たちどうなっちゃうの?』
全員が黙り込んでしまった。
〔とりあえず周りを探索してみよう。結構広いみたいだし、何かわかるかもしれない。〕
「そうだな、何かしないと何も変わらないもんな。」
〔手分けした方が早い。僕は坂本君と行こう。君は結彩さんと行ってくれ。またここで集合だ。〕
「わかった。」
〈俺も行くのか?嫌だぜ。もし、ここが犯罪者のアジトだったらどうすんだ?俺たちなんかナイフで一突きだ。〉
それはそうだ。確かに危険な行為かもしれない。だが、やらないと何も変わらない。結彩を早く家に帰してやりたい。
『私、行く。行かないと何も分からないじゃん。』
「ありがとな。結彩。」
〔そうか、では僕は一人で行くとするよ。〕
「それは危険じゃないか?」
〔すぐ戻ってくるから大丈夫さ。それでは行くとするか。僕は右のドアに行く。君たちは左のドアから行ってくれ。危険だと思ったらすぐ戻って来いよ。〕
「おまえもな。」
〔あぁ。〕
3人が部屋を出ていこうとしたその時。
〈ちょっと待ってくれよ〜!俺を1人にしないでくれよ!怖いんだよ!分かったよついて行けばいいんだろ!〉
坂本が涙目になりながら岩崎にしがみつくようについて行った。
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俺と結彩は共に建物を探索した。この建物はいつの時代かに使われていたと思われる工場だった。あまり大きくない建物だった。1番大きな部屋だけはとても広く、天井には大きなアームが吊り下げられていた。
「これは、どうなっているんだ、、」
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俺たちが帰る頃には岩崎と坂本はもう戻ってきていた。そこでわかったことや見つけたものを互いに話し合った。
「何か分かったことはあるか。」
〔あぁ。ここは多分、戦時中に使われていた工場だ。〕
『どうしてそんなことがわかるの?』
〔黒板みたいな物が置いてある部屋があってそこに1944年と書かれていた。あと、もう1つ重大なことが、〕
「多分、俺が言おうとしてたことと同じことだな。俺が言わせてもらうよ。坂本、結彩二人とも冷静に聞いて欲しい。俺たちは、俺たち4人はこの建物に閉じ込められている。」
投稿を完全に忘れておりました。次は1ヶ月後かも知れないし、1週間後かも知れません。本当に不定期ですが、許してください。ありがとうございます。
読んで頂き本当にありがとうございます。♡とか☆とかいらないです。読んでくれるだけで僕は嬉しい限りです。是非次の話も投稿されたら読んでいただけると幸いです。また次回お会いしましょう。