第壱話:それじゃあ、ここはどこなの?
この話は、〝かっこ〟によって話している人が分かるようになっています。
よろしくお願いします。
ーーーミーンミーンミーン
「暑い、、、」
7月25日、今日は待ちに待った1学期の終業式だ。
蝉がうるさい。
明日から夏休みが始まる。今年で最後の中学生の夏休みだ。存分に楽しもう。
海に行きたい。いや、東京に行って東京タワーを見るのもありだな。勉強なんてやってる暇ないぞ〜。
やりたい事を考えていたら暑いことなんてどうでも良くなってきた。
『あっ!湊翔!おはよ〜』
朝から元気な声で挨拶をしてきたのは星野 結彩だ。
結彩は幼なじみで、小さい頃からずっと仲が良い。
いつも周りからは付き合っているのかと聞かれるが、全くそういうのではない。仲が良い友達だ。
「おはよ」
『朝からテンション低いなー。テンション上げてこ〜よ!』
「なんで今日はそんなにテンション高いんだよ。まだ朝だぞ」
『今日何の日か知らないの?!』
「知ってるよ。終業式だろ」
『そうだよ!終業式なんだよ!これがどういう意味かわかる!?』
そんなことを話していると学校のチャイムが聞こえてきた。
キーン コーン カーン コーン
「やばっ、急がないと遅刻になるぞ!」
『えっ!やばいじゃん!』
俺と結彩は走って学校に駆け込んだ。
終業式では相変わらず校長の話が長く、寝てしまうところだった。結彩は、ぐっすり寝ていた。
終業式が終わり、夏休みの宿題を渋々受け取った。下校時間が早かったので給食の前に、結彩と一緒に学校を出た。
『校長の話、相変わらず長かったね〜』
「おまえ寝てただろ」
『バレてたの!?』
「めちゃくちゃバレバレだぞ」
『でもさ、しょうがなくない?話が長いんだもん』
「それはそうだけど、」
などと話しながら帰っていた。
結彩が突然フラフラしだした。
『クラクラする、、』
結彩の呼吸が荒くなっていった。
「どうしたんだ!」
『知らない男の人の声が頭に響いて、、』
バタッ
結彩が倒れた。
「おい!大丈夫か!!」
声が頭に響く、、?どういうことだよ。ここは物語の世界じゃないぞ。
でも今はとりあえず結彩を助けないと。
結彩の助けを呼ぼうとしたその時、
ーー□□□□□□□ーー
男の声が湊翔の頭に響いた。
なんだ、クソっ。体に力が入らない。フラフラする。
意識が薄くなっていく。どうなっちまうんだ。
死ぬのか、俺は死ぬのか。
「い、嫌だ、死にたくない、死にたくない、こんなところで人生終わるなんて、い、や、、だ、だれ、か、、、、」
バタッ
湊翔も倒れてしまった。
ー・ー
『湊翔~!何やってるの〜』
「ゲームやってんだよ」
『私にもやらせてよ!』
「この戦いが終わったらな」
昔の小さかった頃の夢だ。
最近は見なくなってた夢。
どうして今になってこの夢なんだろうか。
そうか、俺は死んだのかもしれない。
神様が、一生を振り返らせてくれているんだ。
そういうことならせっかくだ、この夢を楽しませてもらおう。
『みなーー』
『みっー』
『ーーなと』
俺を呼ぶ声が聞こえる。
『湊翔!』
『湊翔、起きて!!』
ー・ー
ハッッッ!
『湊翔!!!』
「ゆ、、い、」
『やっと起きた!』
〔なあ、感動的なシーンで悪いが、君はここがどこか分かるか〕
声変わりが済んだ低い声で喋りかけてきた。
「君はー、えっと、…」
〔岩崎 大和だ。〕
「俺は、」
〔湊翔君だろ。〕
「なんで知ってるんだ。まさか、俺って有名人だったのか」
湊翔がニヤニヤしながら言った。
『同じクラスでしょ。4ヶ月も一緒に授業受けてたのに知らなかったの?!』
〔まぁ、今はそんなことどうでもいいんだ。緊急事態だ〕
「ごめんな」
〔ああ。もう一度聞くが、君はここがどこか分かるか〕
辺りを見渡すと、古い工場の制御室かと思われ、2つのドアがある薄暗い部屋だった。窓から工場の内部が見え、見てみると、汚れていてずっと使われていないようだった。
「分からない、と思う」
〔そうか、それならいいんだ〕
『それじゃあ、ここはどこなの?私たちはどうなっちゃうの?』
少しの間沈黙が続いた。
すると突然、後ろの方からすするような音が聞こえた。
「なにか聞こえないか、」
『え、そんな怖いこと言わないでよ!』
怯えながらゆっくりと後ろに振り返ると、
[なぁ、助けてくれよ]
読んで頂きありがとう御座います。
この物語は、中学生が夏休みの期間に投稿しようと思っていたものでした。ですが、予定が詰まっていてできなかったのでゆっくり投稿していきます!すみません!暖かい目で見ていただけると嬉しいです!暇だったらコメントください!