第3話【俺の人工AI】
朝ごはんを食べ終えた俺は二階へあがる。
今朝ほど重くはない足をはこばせながら一歩一歩上へと上がっていく。
たどり着いた一つの扉を開けるとそこにはいくつものディスプレイと大きなパソコン本体が一台。
薄暗く、パソコンだけの光がとても目に悪そうだ。
「先輩、またこの環境で作業していたんですか」
と、真白が少し不安そう・・・というよりちょっと叱るように言う。
「すまん、癖で」
俺はまたドライに返してしまう。
それでも真白は「いいですけど、ご自身の健康はしっかり管理してくださいね」と言われた。
まあ、自分のことを大切にしなくなったのは今に始まったことじゃない。
さて、少々説教されたが俺はVRゴーグルを持ち、上からかけていつもの様にログインに入る。
「システム起動、ログイン開始」
キーボードをカタカタとSFアニメさながらの入力をしながら次々に機械を動かしていく。
準備が整うと機械音声が二つのスピーカーから流れ始める。
『サイバー・ファンタジアへ接続します』
『本人確認のため音声確認を行います』
『お名前をどうぞ』
俺は機械の案内の指示に従いいつものように声を出す。
「虹橋人助」
俺がマイクに向けて声を出すと。
ディスプレイで欠けた丸が回転し処理が始まる。
『確認中・・・』
処理が終わったパソコンが再び告げる。
『確認が終わりました、虹村人助様おかえりなさい』
これによって俺達サイバー・ファンタジア民はログインを行い。
いつもこの方法でこの世界に訪れている。
ログインが終わるとそこはまるで広い電子の空間そのもの
無数の線と線があわさってできた箱の中の様な世界。
ここが俺のマイルームだ。
ちなみに俺の電脳世界でのアバターは黒くとがったような髪の毛にフードのついたトレーナーにジーンズ・・・リアルでやれとよく言われる。
だがこのアニメのようなとがった髪の毛の感じは現実ではできないだろう。
「先輩、お待たせしました!」
しばらく待っていると真白も到着した。
髪は白く、前髪はぱっつん、肩には現実とおなじくふわふわした髪がかかって、後ろのロングヘアーは膝まで届くのではないかというくらい長く美しいウェーブ。
スカートのフリルがピアノの模様をしていて服の白いゴスロリがよく味が出ている。
「相変わらず凝っているアバターだな」
「当然ですよ!製作期間二か月もかかったんですから!」
とても嬉しそうに微笑む真白。
むしろ二か月でこのクオリティならばやはり彼女の持つ財政と製作班はおかしい。
「真白、例のモノなんだが」
「ああ、そうでしたね!それを見に来たんでした」
俺は電子パネルを呼び出してタッチしていきながら完成したモノをここに呼び出す。
粒子が集まっていき俺たちの前に現れる人のようなシルエット。
完全にあらわになった時目に映ったのは一人の女の子。
緑色の髪の毛にツインテール、アームカバー、そしてノースリーブのシャツに黒いスカートにサイハイソックス。
そうこれこそ俺の人口AI・・・。
「せ、先輩これもろ初音・・・」
「気にするな」
「ギリギリのぎりじゃないてですかーッ!」
作っている時に思った、ただ最初は参考程度のつもりだったが完全にパチもの同然になってしまった。
「反省はしている、悔いはない」
「潔はいいんですけど、私は怒られてもしりませんからね!」
「細かいことは気にするな、世の中の大半は憧れでできている」
「世の中の作品に謝って・・・」
真白はものすごく不安そうに俺に言ってきたが。
しばらく悩んだ末、一様納得はしてくれたようだ。
「まあ、先輩がまた音楽を初めてくれるきっかれになるなら・・・いいかな」
「本当に問題になるならその時はその時だ」
「好きですよ、そういういい加減なところ」
色々問題こそありそうたがなんとかこれで始められそうだ。
俺の新しい音楽の道が、また。