第11話【昔からそう】
「なんか、懐かしくってさ、全部、昔見たいで、中学校の頃も人助が無茶して怪我した時あったでしょ?そしたら真白ちゃんがめっちゃ怒ったの覚えてる?」
中学校の頃、そういえば真白が変なやつに絡まれてたな。
体育館の倉庫にまでアイツを拉致ってた変態どもがいたな、そういえば。
気になってたからこそこそ後をつけてたんだよな。
---数年前
『・・・ッ!』
『先輩!?』
『なんだ、彼氏か?だったら黙って見てろよ、俺達に汚される、彼女をよ!』
『リアルNTRだぜッ!』
喧嘩に対して強くもないのにかっこつけて一人で助けようとして。
それで思いっきり殴られてその場を立てずにいたところを。
ガッッ!
『ぐぁ・・・あぁ・・・』
『なんだコイツ?』
とっさに自分よりはるかに対格差のある大男を蹴り飛ばしたのは。
上から明るい紫色がだんだんと青色、最後の水色と変わっていく三段グラデーションヘアー、そんな特徴的な髪色と長いツインテールはうちのドラム【紫 吹雪】しかいない。
『女ァ!まあ、いいてめぇも犯してやるよッ!』
ガッシャァァァンッ!!
『やれるもんならやってみろよ、コイツは俺の惚れた女だ』
そして次に来たのはベースの【蒼 雷神】。
金髪の髪の毛ととがった真ん中わけが特徴的だ。
一家闘争心が強く、喧嘩で負けることがない。
というより、遺伝なのかそもそもコイツのどこかおかしいのか。
殴った相手が全治に一年以上かかるのはざらにあるし。
この日も壁に穴をあける。
『アンタみたいなのに好かれても気持ちが悪いんだけど、あと、言わなかった?私は柔道、合気道、ボクシング、カポエイラ、功夫、世界のありとあらゆる格闘が身についている、あんたがいなくても私一人で先輩は助けられるのよ』
『俺は自分で助けたいから助けたの、人助のこともな』
『余計なお世話よ』
『好きだね、そういう不器用なところも』
そう言ってアイツが蹴られるのはお約束だったな。
なんだかんだ、色々もみくちゃになった事件だったが。
このあとも心配していた真白にこっぴどく怒られたな。
『先輩っていつもそうですよね!自分のことなんだと思ってるんですか!?』
『クラスメイトに敗北しないかもしれないだろ!』
これが中学校の頃の俺達。
今は雷神と吹雪を除いて3人だが。
このころはバンドメンバーといつも一緒で問題が起きたら首突っ込んで解決して。
色んなところで祭りの様に盛り上げては伝説を作っていたな。
その中でも、真白とは無理難題を言えば言い争うこともあった。
時にはくだらないことでもめたこともあったな。
忘れてだけで、真白と何回喧嘩したかわかんないな。
言われて、なんとなく思い出したよ。




