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電脳世界に死ンドル  作者: 幻想卿ユバール
プロトストーリー
10/48

第10話【病気ですか?】

しばらく時間がたって誰かがログインしてくる音がした。

俺の後に入って来るのは真白だろう。

「ふぁ~・・・先輩もう来ていたんですか?今朝はよく、ねむれまし・・・た?」

すると、俺が翠歌と話していたところを見てとても不思議そうに顔を傾げる真白。

「・・・先輩、もしかして」

その瞬間目がとても見開いて、驚きおろしている手がパーに開く真白。

「病んでます?」

「失礼な」

瞬間的に真顔になる真白。

気づいていたんじゃなかったのか・・・。

「真白、落ち着いて聞いてくれ、翠歌が返って来たんだ」

俺はいつもよりは少し焦るような感情で伝えてみたが。

真白はそれでもどこか呆れているような顔でため息をついた。

「はいはい、先輩は翠歌先輩大好きですもんねー、悪かったですよ、私が同居人で」

「ち゛か゛う゛ッ゛!こいつの中身は死んだ翠歌の魂が入っていて・・・」

思わず声を荒げてしまった俺に真白は静かに口を開いた。

「そんな、アニメみたいな話があるわけないでしょッ!」

「ごもっともだ・・・!」

と、なぜか納得気味の翠歌。

いや、お前が反応するのか。?

続けて迫り俺に語る真白。

「第一に、このアバターは確かに翠歌さんの声をもとに作られていますが、中身は機械いわゆるノンプレイヤーなんです!」

※この世界でいう、中身のないNPC。

「ということは、今先輩がやっていることは、いないはずの友達話しかけている深刻な状態なんです!わかりますか!がっこうぐら〇のゆきちゃんと今あなたのやっていることは同じなんですよ!」

「あんな、突然、視聴者と読者を絶望のどん底に叩き落す作品の現実逃避主人公と俺を一緒にするのはやめろッ!俺は現実はしっかり見てる!」

「見てないから、妄想が悪化しているんじゃないですか!ヘタレ!」

「ヘタレは関係ないだろ!」

どんどんヒートアップしていく口喧嘩。

昔からなんだかんだこいつとは言い争いも絶えなかったような気がする。

「ハハハッ!あはははっ!!」

『なにがおかしい!?』

突然、聞こえて来た笑い声に反応する俺達2人。

すると、その先では翠歌が腹を抱えて笑っていた。

「・・・翠歌」

「き、機械がこんな人間らしい笑いを!?」

しばらくクスクスと笑い続けて少し涙も流しながらもすぐにふき取りこちらに近づく。

「(えっ?AIのくせに涙機能とかあんの・・・?)」

「やっぱり、真白ちゃんも変わってないね、すぐに人助のこと心配しちゃってついつい言い過ぎるところとか」

「えっ!?あれ!?合成音声じゃない!?」

どうやらこのAIがどこもかしこもおかしいところだらけにようやく気付いた様子。

真白、嘘は言ってないんだぜ、帰って来たんだぜ、俺たちの翠歌が。


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