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#59


 重視したのは、渡し方だった。


 当然、僕が適当に押し付けるなんて方法もあった。恐らく、それでも黒瀬は驚いただろう。だが、普通にするのは少し嫌だったし、やるならインパクトを強くしたかった。


 祭りの前日、大人が準備している中に入り込み、既に酒臭い大人に話しかけた。これまで祭りを仕切ってきた年配の方で、顔を覚えている数少ない人間のうちの1人だった。


 途中で突然で舞台に黒瀬を呼び出してもらい、プレゼントを渡してもらおうと考えていた。その間僕は適当な所に隠れておくか、はたまた密かに帰ってしまおうかと考えていた。親は祭りで仕事があったが、予め鍵を置いておくよう頼めばよかった。


 黒瀬をびっくりさせたいだけで、僕が目立って色々言われるのは嫌だった。気恥ずかしいし、面倒だし、黒瀬は誰のプレゼントか分かるかもしれないが、"僕が特別な気遣いをしているように見える"のは彼女に迷惑だろうと思った。渡すときは、僕の名前を出さないように頼んでいた。


 翌日、そろそろ出ようと思っていた頃にようやく、黒瀬が高熱で休むと知らされた。


 楽譜を回収しなければならなかった。後の方にやるとはしていたが、いつその場にいない人の名前が呼ばれるか分からなかった。結構な人の前で僕の失敗が晒されると思うと焦った。おかげで、鍵の事は頭から抜けていた。


 着くと既に相当賑わっており、舞台ではよく分からない踊りがされていた。そこには目を向けず、急いででろでろに酔いつぶれたおっさんの前に来た。


「すみません、あの...昨日渡したものって、どこにありますか?」


「ん!?...あぁ、お前か。あれはな...んっと、どっか行っちまったわ!出店の奴とかが持ってるんでねえか!?」

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