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#48

 仕事から解放され帰ろうとした瞬間、白渡に捕まる。


 手を後ろで組まされ、罪人みたいにされている。僕の非力さも問題だが、多分こいつは令状を貰ってないから、しばらくこのままなら金を請求しよう。


「伊折君、仕事中に瑠璃垣さんとイチャイチャするのはどうかと思うよ?」


「え、僕イチャイチャしてたの?自己紹介でぼっちだと言えなくなるじゃん。撤回してくれ」


「さすが今まで2人の女を侍らせてた伊折君。距離の測り方も分からなくなっちゃったんだね」


「測り方がおかしいのはお前だ」


 何故か白渡にも叱られる。人を怒るブームが到来したのだろうか。


「そもそも何で僕と瑠璃垣の絡みを知ってるの?ストーカー?それともお前もサボってる?」


「作業が早くに終わって見に来たんだよ。ほら、私って優秀だから」


「有終と掛けたのか。おもしれー」


「平気で人を貶すなんて...伊折君は幽囚の身になるべきだよ。このままムショ行きかな」


「......」


 彼女との差を改めて実感する。そのせいなのか、いつもなら適当に返していたのだろうが、このときは言葉が出て来なかった。 


 勉強だけでなく、運動でも、ユーモアでも、作業効率でも、白渡に勝てるものは無いと言って良い。逆に言えば、彼女は僕を揶揄ったところで、優越感ぐらいしか得られない筈だ。まぁ、それも十分理由にはなるが。


 今まで考えないようにしてきたが、やはり気になってしまう。どうして僕なのか?中学時代はともかく、高校には僕より優秀だったり、面白い奴は沢山いるだろうに。


「...伊折君、罰ゲームね」


「...は?」


 謎の判決が下されたと思うと、間近に白渡の笑顔が現れる。とっさ顔を逸らすと、彼女は更に寄りはせず、静かに告げる。


「謝罪の言葉が無かったから、罰ゲームを用意するよ。伊折君にはしっかり反省してもらわないといけない事もあるから、ね」

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