表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/79

#18

 高校からバスに乗り、下原駅で降りる。


 僕が帰るには後2回乗り換える必要があり、家に近づく程、もともと少ないバスの本数が減っていく。駅に長くいると遅くなるどころか帰れなくなる為、まず放課後寄り道をすることは無い。


 だから放課後デートとか言われても、何をするのか見当がつかないのである。何処かに遊べる所があるのか知らないし、あったとして僕が帰るまでに間に合う場所、内容なのかも分からない。


 やはり白渡の目を盗み、脱走するべきだろう。そう分かっているのだが、奴は教室からずっと襟を掴んで離してくれない。


「おい...何処まで連行する気...?」


「伊折君が望むなら、シダーデ・ヴェーリャの観光とかでも良いよ?」


「はい...?とりあえず近場にしてくれ...それと離せ...」


 こいつなら本当に大西洋の島にまで飛びかねない。でも行くなら1人で旅してくれ。 


 白渡は襟から手を離しながら、話を続ける。


「無難にそこのデパートでいいんじゃないかな、確かあそこは昔カップル限定セールをやってて、私達は一緒に買いに行ったよね」


「カップル限定?ああ、始業式の日にお前が言ってた奴ね。僕を褒めても愚痴しか出ないのにな」


 目の前には小規模なデパートがある。小規模とは言うが、南葛城のどの建物よりも大きい。


 セールと言えば、こいつは僕が"彼氏役を嫌がらずに引き受け"たとか話していたが、全くの嘘。あの日は家で勉強していたのに、急に白渡が押入って来て車に乗せられ、強引に店に連れてかれたという流れだった。当然僕は猛抗議したが、逆らえる程の力は無かった。


 というか、あの時の店ってそこなのかよ。当時は羞恥心で周りの事とか見てられなかったからなぁ。流石に今はそんなことないが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ