#15
「2年6組の白渡蓮花で〜す!木曽馬の王子様募集中だぞ!」
クズで有名な僕の名前が出た為か、ざわつく人達を無視して自己紹介する。黒瀬が参考にすべきものでは無いが、勝手に僕の個人情報を暴露した奴の代わりをやってあげたのだから、褒められることだと思う。
...そう思っていたのだが、変な注目を浴びるし、黒瀬が睨んでくる。思いはなかなか通じないものだ。
その後、何か言おうとする生徒を無視して、委員長と副委員長が話し出す。
「皆んなありがとう!それじゃあ仕事の説明をするから、よく聞いてね!」
「監査委員を務めたことがあるなら分かると思うが、仕事は生徒会長選挙が始まるまで無い...筈だったんだ、今まではな」
「実は、あまりにも仕事が無いからって訳で、幾つか生徒会主催の行事をお手伝いする事になったんだー!」
何人かが明らかにげんなりする。
僕が2年連続となる監査委員会に入ったのは、仕事がかなり少ないからだった。具体的には、1学期末の生徒会長選挙の運営と集計、3学期の部費の監査、この2つしか無い。それなのに仕事が増えるとか、面倒臭い。
「ということで、あたし達の最初の仕事は新入生歓迎会だよ!」
どんどん話を進める委員長。
まぁ、仕方ないか。生徒である以上言われた通りにするしか無い。