浮かび上がった文字
そういえば学校のIQテストの結果を聞いたことが無い。
別に本人は知らなくてもよいものなのだろうか。
先生は結果を知っているのかな。
しばらくして結果を教えてくれといえば、教えてもらえるものなのかな。
そんなことを考えながら、回ってきたIQテストの用紙に名前を書く。
大山 圭っと。
クラス全員が名前を書き終えたのを確認すると、先生が簡単な説明をしてテストが始まった。
内容は図形や数字など幅広いが、元来こういったクイズというか問題は割と好きなので、集中して取り掛かる。
順調に問題を解いていき、最後のページを開いたとき、俺は息をのんで体が硬直するのを感じた。
急にページの真ん中に糸のように細く輝く光の線が現れたのだ。
その輝く線は、まるで意思を持つかのように動き、少しずつ太くなっていく。
そして、切れ切れだった光が見る見るうちに繋がっていった。
そして、線が文字になっていくということに気付くのに、それほど長い時間は必要なかった。
光る文字は、こう形作っていた。
『おめでとう。貴方は世界に選ばれた』
俺は、その意味を理解することができず、ただただ馬鹿みたいに光る文字を見続けていた。
そして、しばらくすると文字はただの線となり、輝きを失い、消えていった。