異世界転移……?
眩しい……
目を覚ますと見知らぬ高原にいた
「……は?」
周りを見渡すと綺麗な青空に高原
いや、いやいやいや
俺はベットで寝たぞ
「夢か……?」
そこでラインが届いた
『千夏/いる?』
夢じゃないのか?それともこういゆ夢……?
『千夏/お、いるじゃん
やっぱりお前が夏夢かよ
小説書いてないなんて簡単にバレる嘘つくなよー』
夢じゃない?これは現実?なら家は何処に?
『千夏/既読無視は酷くない?』
その時高原の端に火の粉が上がった
「とりあえずじっとしていても始まんないし動くか」
ピロン♪
とりあえずライン届いた気がしたけど後で見りゃいいか
「お、町だ」
火が出たのは町の一角みたいだな
でもこんな高原に突然町が出てくるなんて…なんて夢に突っ込んでも無駄か
なんて思いながらコンクリートに足を踏み込むと
ドクン……
「っ!?」
心臓が跳ねた
体から冷や汗が噴いて出た
ドクンドクンドクンドクン
バレたらいけないバレたら死ぬ見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな見つかるな
理由のわからない不安が全身を襲う
まるで親の不在時に皿を割った子供のように
言いようのない焦燥、不安
それでも
「まあ、夢だしな」
抑え込んで前へ進む
そして火災ポイントについた
「にしてもこれは酷いな」
燃えたじゃなくて爆発したように現場がひどい
コンクリートは溶けて骨組みが露出している
「それに臭いし」
鼻を覆いながら呟く
「ここにいても意味ないし帰るか」
一人呟いて帰ろうとした時
ド ク ン
心臓が跳ねた
むしろ止まったかもしれない
目の前の瓦礫の中から誰かが見ている
殺意を持って
俺を殺す気持ちで
俺が殺傷範囲にいることを示しながら
雑魚で試そうとする意志を向けながら
脇役を石垣にして羽ばたこうとしながら
だから俺は
全力で逃げるしかない
強者から主人公が諦めるまで相手が飽きるまで
「………………」
相手が何か呟いた
ダァン!!
それだけで俺の横の建物が燃え上がった
「くっそ、遠距離とかチートかよ!!」
ダァン!!ダァン!!ダァン!!
見当違いの建物が燃えて焦げて倒れて行く
(もしかしてこいつ俺と同じで来たばかりでよくわかってないんじゃないのかだから突然攻撃仕掛けてきてそれでも力のコントロールがうまくいってないのか)
「なら、逃げれっ……!、」
ドン!!
だがその考えを笑うように目の前に影が突然に現れた
「逃げれると思ったのか?」
男の声がする
嘲笑うかのような口調で
「ああ、その顔だ来たばかりの奴はいつもその顔で死んで行く」
嬉しそうな声で
「ま、せいぜい俺の礎になってくれや」
そして拳が当たると同時に爆発した
ダァン!!
身体が吹き飛ぶ、宙を舞う
そして
バッシャァ
池に落ちた
「ゴフッ……」
身体がいたい
中途半端に生きてるから全身が悲鳴をあげている
「いたい……いたぃ……」
火傷が殴られた場所が背中が痛い傷が痛い骨が痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
「おかしいな、全力で行ったつもりなんだが中途半端に生かしてしまったか
苦しいだろ?今度こそ全力で楽にしてあげるから今は苦しめよ」
男は笑いながらそして
祝詞を唄い始めた
「天爛の焔よ我へ集え
原初の輝きはここで成る」
聴こえるは英雄の祝詞
己の作り出す物語をこの地へ書き出す契約の言霊
「母親親殺しの大罪をその身に宿し
父に殺される悲しき子よ」
ここから始まるは英雄譚
脇役を悪役を踏み潰して砕いて進む運命という名の歯車が今回る
「黄泉へ落ちて そこで母の愛を受けるのだ」
さぁ、来るぞ 万物を焼きながら英雄の資格を持った炎が
「write母親殺しの煉獄」
目の前に広がる焔、煉獄、地獄
目の前で拳を握るそこに焔が集まりそして
「吹っ飛べ」
炸裂した