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メタリックドール・ミチヨの冒険  作者: ジャン・幸田
1.出港準備はいいかい?
6/9

メタリックドール化

 ミチヨは機械子宮の中で半融合した自分の肉体、いや融合体を見つめていた。先ほどまでの血の通った身体は機械などの人工物に置き換わってしまい、外観上はロボットそのものに変貌していた。また体内も様々な器具を挿入され、肺のなかに特殊な液体を挿入され酸素交換ができるようになり自発呼吸は停止していた。また消化器官も同様に液体を入れられ栄養素が直接交換できるようになっているので食事も不要になっていた。そのため、人間として呼吸することも食事することも必要なくなっていた。

 

 そんな身体になったのはワープ航行中の活動限界をなくすこともあるが、様々な環境下でも宇宙服を着用しなくても活動できるようになるためだ。だからミチヨは無重力の真空中から摂氏300度で気圧が地球の10倍強力な環境下でも活動できるようになった。


 ”音声ユニット接続されました”


 ミチヨの脳裏にアシスト用の量子電子脳からのメッセージが浮かび上がった。ミチヨの大脳皮質には一切の機械化措置は行われていないが、端子が挿入されているので電脳にちかい活動ができるようになっていた。


 「いかがですか、メタリックドールになった気分は?」


 外部から声が聞こえてきた。それは妹のマナミだった。彼女は国連宇宙軍士官の制服を着ていた。彼女は別の養成機関在籍なので姉と一緒になることはないが、本来使用するはずの実習宇宙艇のワープ機関に不具合が生じたため、今回の実習に限り合同航海することになったため、一緒になった。


 「最高よ! マナミはなぜ機ぐるみじゃないの?」


 「聞いてないの? あたいは姉さんと違って後方支援管理士官なのよ! 一緒に行くのは便乗するだけだから」


 ミチヨはそんなことを聞いていたような気がした。妹とは仲が悪いわけではなかったが、あまり妹のすることに興味がなかったので頭に入っていなかった。一緒に実習航海に出るのも昨日の晩に聞いたが、あまり考えていなかった。


 「それよりも、どお? 恰好良いでしょメタリックドールになったわたしは?」


 「そうよねえ、姉さんは好きだったからね。姉さんの成績ならもっと職業の選択肢があったと思うけど、わざわざお人形のようになるから。本当に素敵よ!」


 そういってマナミはガイノイドのようになった姉の身体を触っていた。ミチヨもマナミも一卵性双生児なので身体的特徴が一緒であるので不思議な気分になっていた。互いに身体の違いを確認していた。


 「それにしても、メタリックドールになっても姉さんの爆乳かわらんわね。あたいのと比べても一緒だね」


 そういってマナミはミチヨの胸部に自分の胸を押し当てていた。その時、後ろから声が聞こえてきた。


 「そこの変わり者姉妹! そろそろ出発するぞ! その続きは別の所でやりなさい!」


 その声は今回の実習航海教育隊を統括する女将校だった。

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