プロローグ・機械化生命体の世界
わたしは、ミチヨ。人間だったはず・・・しかしいまはメタリック・ボディになっていた。そしていまは機械生命体が跋扈する異世界に来てしまった!
「ミチヨ、あなた早く順応しなさいよ!」
一緒に来たカグラは最早人間の姿をしていなかった。この世界に順応して仲間を守るためにしかたないことだった。しかし、わたしは・・・踏ん切りがつかないでいた。まだ地球に戻れるかもしれないと信じていたから。
しかし状況は悪化しつつあった。一緒にやって来た人たちの多くは拉致されるか同化されるかされてしまった。生身の人間はこの世界では貴重な存在だったから。ここは機械生命体が支配する世界、有機生命体は新たな種族を生み出し利用できるから。
わたしの身体は機械と融合してしまったので、外見上は彼らと同じであった。しかし有機物質も残っているのでまだ人間だった。しかしカグラは生き延びるために残存部分を売り渡してしまった。彼女はもう地球人類に戻れない身体になっていた。
「それは・・・それよりも街はどうだったの?」
「街? あんまりかわらないわよ。でも探している機械士の手掛かりを見つけたわ! でも条件があるわよ。500ギルガード差し出せってよ!」
「そんなに?」
「なあに、あなたの臓器の一つでも差し出せばお釣りがくるわよ。それに残っている有機物質を差し出せば何人かを地球に戻せるかもしれないわよ。あなたの妹もね」
そういってカグラが指さしたカプセルの中には妹のマナミが眠っていた。彼女はこの世界に来てからずっとコールドスリープ状態だった。マナミだけは地球に戻したかった!