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2:帰宅

気がつくと俺はベットで寝ていた

何回か使ったことがあり、見覚えのあるベット

保健室のベットだ


「そうか、あの時倒れて・・・

 って、何であんなことに!!」


俺は倒れた時の事を思いだし、勢いよく起き上がる


「うん?起きたかな?」


物音に気が付いた誰かが、俺が寝ているベットに近づいてくる

俺はとっさに毛布にくるまり、寝てるふりを始めた


「あれ?まだ寝てる?

 声も聞こえた気がしたんだけどな~?

 まぁ、休み時間も終わりそうだし教室に戻るか!」


そう言うと、声の主は部屋を駆けながら出て行った


「今の声は・・・」


俺は声の主に覚えがあった

それは、俺が倒れる原因でもある女だった


「付き合うって・・・あの女、本気か?」


そんな事を考えていたら、あの女がいる教室に戻るのが恥ずかしくなり

保健室を出て、直接家に帰ることにした


自宅に着き、ドアを開ける

すると、家のリビングからあTVの音が聞こえてきた

家を出る時に、消し忘れたのか?と思いながらTVの方に向かっていくと

見覚えのあるシルエットがあった


「親父!」

「おう!早いな、どうした?」


親父がいた

親父の顔を見たのは、2週間ぶりだ


親父は、この海中都市の設計者の一人で優秀な研究者らしい

海中都市の建設計画"Deep sea計画"はまだ公にされていない計画で

この都市にいる移住者達は、日本の重要人物の家族などが多い

研究者の移住者は珍しく、計画に選ばれて移住してきた者も

次の海中都市開発・建設に回されてしまう

そういう理由もあって、この都市にはちゃんとした研究者は少なく

安定稼動をしている今でも、俺の親父は重宝されている

だから、親父はあまり家に帰ってくる事が少ない


そんな親父が家にいる

しかも、昼のこの時間にいるのはかなりレアだ

俺は親父が聞いてきた質問を流し、親父へ質問をした


「親父こそ、なんで?」

「あぁ、実はお前に頼みがあってな」


親父から聞いた話は、なかなか楽しそうな話だった

今建設中の3つ目の海中都市、通称"DS3"

その都市の建設に必要な資材の運搬をする要員が不足しているらしい


DS計画は極秘のため、常に人員不足だ

俺はそんな環境の中で、海中都市研究者である親父の息子として

小さい頃から、最新技術の研究や実験の手伝いをしてきた

機械を動かす事が好きだった俺は、資材輸送船や工事用機械のテストパイロットをしていた

そうゆう事もあり、親父はたまに仕事を俺に任せてくる


地上の同年代は、こういう経験はしないらしいが

海中都市に住む、特に第一移住者世代の家族にとっては、当たり前の事である

学校も申請をすれば、出席扱いで休む事が出来る

俺にとっても、好きな機械操作が出来て、小遣いも出るし

なにより、親父が俺を信用して仕事を任せてくれる事が嬉しい


そういう事もあり俺は、いつも通りも親父の依頼を引き受けるつもりで

仕事の詳細を聞こうとした時だった


バンッ


急に玄関の方向から衝突音がした

俺と親父が玄関を覗き込むと、玄関ドアが開いている

そしてその玄関ドアから、ズイズイと人影が近づいてくる


「なんで、あいつが!!」


人の家の玄関ドアを乱暴に扱い

丁寧に手入れをしたのであろう綺麗な長髪を振り乱しながら、無断で家の中に侵入してきたのは

学校で何度もいがみ合い、なぜか今日から俺の彼女?になった女だった

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