エビル:フォビドン
「くそったれが!」
黒い炎で燃え盛る倉庫の中、一人の男の声が響く。男は腰を抜かしながらも這い蹲り、青年から逃げる。
「俺の全てを!全てを!奪いやがって!」
男は裾に手を入れハンドガンを取り出し
「死ね!クソガキ!!」
男は青年をハンドガンで撃った。
響き渡るはずの銃声はゴアゴアと燃える炎によってかき消され、放たれた弾丸は、青年の手に灯る黒い炎によって全て燃やされた。
男はこの状況に絶望し銃を落とし涙した。
それを見た青年はニヤリと笑みを見せ口を開く。
「絶望したか?この程度で絶望したのか、そうか...これはお前が奴隷達に与えていた絶望の本の一部でしかない。」
そういうと青年は魔銃と言われる物を懐から取り出し銃口を男に向ける。
「Submerged in darkness.(闇に沈め)」
放たれた弾丸は禍々しい球体をしており、真っ直ぐ男に付着した。球体は付着した瞬間、男を包み込み男ごとその場がから姿を消した。
「Not a light to judge the evil , but darkness.(悪を裁くのは光では無い、闇だ)
It is possible to judge precisely because darkness.(闇だからこそ裁くことができる)」
そう独り言を言うと青年はその場から姿を消した。