サラさん
「あの~」
大柄な女性が店に再度訪れる。村にはまだいくつか店のようなものがあったがどこも男性が営業していた、なんとなくだが女性というだけで安心できる。
「らっしゃい、おっアンタさっきもきたね」
覚えてくれてたらしい
「あの、これ売りたいんですけど」
店で売ってた謎の葉を並べる。持てるだけ持ってきたが、買い取りしてもらえるのかもしできなくても効果ぐらいは教えてもらおう
「ペジュ草か結構あるねぇ、でもいま在庫もあるからそんなには値段はつけられないよ、そうだねぇ全部で2オンスだね」
売値と買値が激しく違うのはどの世界も同じか、とにかく現金を作っておいた方が良いだろう。
「それでも良いです、この草はどんな効果があるのですか?」
しばらく沈黙が続いた。
「・・・・あっすまなぃねぇ、まさかペジュ草の効果を聞かれるとは思わなかったよ、こいつは出血部位に擦り付けると止血の効果もあるし、煎じて飲めば体内で血液を作る手助けをしてくれるのさ、まぁ簡単にいえば傷薬だね」
説明を聞き入る、
「それにしても、あんた冒険者にしては様子がおかしいけどなんだい?」
短い時間だがこの女性はきっと悪い人ではないのだろう、思いきって相談してみようか
「あの、わたし実は記憶喪失で、よく覚えてないんです」
嘘をつくのは好きではないがしかたない、よくわからない所からきたと言っても信用してくれないだろう。
「あのねぇ」
「こっちは長年冒険者相手に商売をしてるんだ、嘘をついてるかどうかなんてすぐわかるんだよ」
「まぁでも、困っているのは本当のようだね」
そう言うと女性は私の頭を撫でながら言った
「困ってるなら力になってやろう、だから本当のことをいってごらん?私の名前はサラだよ」
そこからしばらく私は号泣してしまい、サラさんを困らせた。