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シスターズですとろい  作者: 津内木 更河
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初めての村

これまでの人生で一番歩いただろう、小さな明かりが見えてきた。

私は走った、走ってようやく見えてきた街をみて愕然とした。

それは街と言うよりは村だった。


高いビルはなく、木でできた家が数件ならんでいる、わがままはいってられない。せめて、食べ物だけでもたべないと。


簡単に村を見渡した、村の人たちは特に私を注視するわけでもなく、気に止めていないようだった。


一時間ばかり村を観察して、わかったことがある。村の人が使っている言語は日本語で、人工はだいたい50人ぐらいだろうか。

なにを売っているかわからないがお店も何件かみつけた。

草原でスライムに襲われて何十時間たっただろうか。

最初は精神的な病気かと思ったが、どうやら夢ではないらしい。

実感はないが、私はよくわからないところにいるみたいだ。きっと罰があたったのだ。わがままだから、もっと我慢しないといけなかったのに。 


「おじょうちゃん、ものごいかい?ずっとそんな所に立たれた商売の邪魔だよ!!」

大柄な女性に言われて私はビクビクしながらお店に近づいた。

「いぇ、食べ物ありますか?」


「・・・・食べ物かぃ?それならドラクワの実しかないね」

少し間をあけて大柄な女性が言った、手には真っ赤なドラゴンフルーツのようなものが握られている。美味しそうにはみえない。

「おいくらですか?」

「1オンスだよ」


オンス?オンスとはなんだろうか?そういえばお金は持っていない。私はそれに気づいて血の気が引いた。


「なんだい!買わないのかい、あんた冒険者だろ?それならさっきいい武器が入ったんだ、同じ冒険者が売ってくれたのさ、軽くて切れ味もいいよっ」

そういうと女性はスッと刃渡り1メートルはあるであろう剣を私に投げた。

とっさに受け取ったが殺す気か。

「使ってみなよ!今なら10000オンスだよ」

女性に言われるままに剣を上から降り下ろした。重い、手の筋肉が悲鳴をあげている。 

これが軽い?こんなものを振り回せるわけがない。

「なんだあんた魔導師かい」

女性に剣を返すととりあえず店に売っているものを確認した。


ドラクワの実1オンス 謎の葉2オンス 瓶に入った緑の水10オンス


どのみち私は一文なしなのだ、しかし草原からここまで来る途中にお店で売っている謎の葉に似た形の草を見た気がする。

ギザギザのタンポポのような草。さっき女性は言っていた。剣を冒険者が売ってくれたって。

じゃあ私も葉を売ればいいんだ。私が考えていると


「ちょっと!冷やかしなら出てってくれるかい?私も暇じゃあないんだよ、全く、冒険者ってのはどいつもこいつも変わってる」

女性に叩き出されて私は川沿いに草原へ向かった。

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