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シスターズですとろい  作者: 津内木 更河
3/8

スライム

どれぐらいの時間がたっただろうか、行く先は決まっていないが旅に出よう。大きな船で海にでかける、塩の匂いが程よく香る、突如天候が変わり海は大荒れ、船底は抜け、船は大海原に飲み込まれる。船とともにゆうも海に投げ出される。先程の穏やかな海はそこにはなく、荒々しい自然が襲いかかってくる。泳いでも泳いでも陸は見えず、波は荒くなる。


苦しい。


苦しい


くるしぃ


「がぼぉぉ」

私は必死に呼吸をしようと口元に絡み付いたソレを地面に叩きつけた。


「ひぃーふ、ひぃーふ」

大きく肩で酸素を吸い込む。海原は消え草原が広がる。手にいやな感触が残る、粘度は高くないが粘着性のある青色の液体。地面に叩きつけたソレをあわてて注視する。


もぞ


もぞもぞ


「ひぃっ」

声にならないほど小さな悲鳴を上げた私は液体が動いたのを確認した。

ゆっくりと動いた液体は再度私の顔をめがけて飛翔した。


「ひぃいやぁぁーーーガボォボォ」

陸地で窒息しそうになりながら必死に顔についた粘着物を剥がそうともがく。

駄目だ声に出しては行けない。液体は何度地面に叩きつけても、ちぎっても、決して早くない、むしろゆっくりとした速度で私の顔をめがけて飛翔する。私はそこでようやく思い出した。

さっきの黒い豹のようなものが言っていたこと。


「す、スライムにこ、殺される、?」

だめだ頭で理解できない、スライムってなに?なんで私が?

しかしここでずっと液体と遊んでいる訳にはいかない、少しずつではあるが、液体は私の中に入っているのだ、地面で動くソレは先程より量が少ないように感じる。多分全部体の中にはいったとき私は死ぬのだ。そしてパパの所へ。。


「おぇぇええぇぇえ」

吐物とともに少し体内に入ったスライムを出せた、その瞬間私は走り出した。目的地もゴールもない、ただただひたすら、走った。死にたくない。死ぬのは嫌だ。

「いやぁ」

「いゃぁぁ」

「いやぁあぁあ」

何分走っただろうか、途方もない距離を走ったように感じた。しかし私の体力は全くといってよいほどない、多分5分だろうか。

後ろをゆっくりとふりかえる。スライムはいない。撒いた。良かった。木々が生い茂るなか、目的もなくただ歩く。お腹も空いた。喉も乾いた。スライムが喉に残した感触が気持ち悪い、とろろ芋のような粘りけが残る。

私はどこに行けばいいんだろうか?

ここは精神病棟??幻覚を見ているのか、しかし立ち止まるわけには行かない。スライムはあの一匹とはかぎらないのだから。

そんなことを考えていると川が見えた。

「やったうがいができる!」

大きく独り言をいうと川に向かってかけより喉を潤す。そういえば学校の授業で聞いたことがある。川に沿ってあるけば街があると。

とりあえず私は川沿いをあるいた。

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