目覚め
草原に風が吹く、草木が揺られ、鳥たちの合唱が聞こえる。
「あれ、、」
おかしい私は病室にいたはずなのに、起き上がって周りを見渡す。
360度草原がひろがり緑色一色に青空。
「えっ」
きっとこれは夢だろう、そもそも私が住んでる町にはこんな草原はない。パパが死んでおかしくなったのかもしれない、やけにリアルな夢。風が気持ちいい、最近荒んでた心に優しく吹く風。することもないし木陰で少し休もう。疲れてるときにはこういう夢を見るのか。起きたら今後について考えよう。私はまだ14歳だし妹はまだ9歳なのだから、二人では暮らしていけない、かといって頼れる目星はない。様々な思いが浮かんでは消え、浮かんでは消え。
「おい」
急に野太い男の声が聞こえ私はあわてて声の方に向き直る
そこにいたのは全身が真っ黒な豹、しかも二足歩行で立っている、いよいよかー、いよいよもって疲れている証拠だ。私は声を無視して横になって目をつぶった。
「別に無視をしても構わないが、こんなところで寝ていると、スライムに殺されるぞ」
二足歩行の黒豹はそう言った。
どうやら知らない間に精神病棟にきてしまったらしい、私は黒い豹の着ぐるみをきた野太い声の男を無視した。関わりたくない、いま自分は疲れているのだ、他人の気遣いなどしていられない。
「せいぜい気をつけることだな」
そういって異常者は去っていった。
それにしてもよくわからない夢だ。起きたらどんな意味があったのか夢占いの本でもみてみよう。
そう思うとゆうは眠りについた。今度はもっといい夢がみたいなーーー