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名も無く果てなくスチャラカな200字

祝砲【200字】

「おめでとうございます」

 男は手を差し出し私に握手を求めた。

 この手を握り返したらもう後戻りは出来ない。それは分かっている。

 だがそれを拒否することもまた自分の望んだ結果ではない。

「どうしました?」

 慇懃な態度を崩さず、男は握手を促す。意を決して手を握った。

「ありがとう、将軍。よろしく頼む」

「こちらこそ、大統領」

 そのとき、窓の外で一際大きな爆炎が上がった。

 滅びゆくこの国の、最後の王にふさわしい祝砲だった。

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