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4-1.Transmigration -Re:Re:loaded-







>世界を再び巡りますか?


 聞き覚えのある声に目が覚める。どこで聞いたかは覚えていないが、絶対にどこかで聞いたことのある声だ。

 俺はどうしたんだっけ?

 何もない、真っ暗な空間に視線を彷徨わせて思案する。

 そうだ、俺はユニに、夜の森に連れ出されて、そこで……刺された。

 世界を巡るかってそういえば訊かれたな。あぁ、巡ってやるよ。もう一度、あの世界に戻ってやる。せっかくカンストしたんだ、勿体無いだろう?

 何もない空間を睨み付けながらそう考える。ぼんやりとした空間だが、俺の感覚は次第に研ぎ澄まされていく。




>職業を選択してください


 目の前に、それぞれの職業名の書かれた光るボードのようなものが現れる。赤く光る「剣士」。青く光る「魔術師」、桃色に光る「ヒーラー」、黄色く光る「武闘家」、緑色に光る「狙撃手」。

 職業、か。そういえば俺は剣士でカンストしたんだっけ。

 確か、火属性の剣士。やっとリングを組み終えたって言うのに。エルのヤツ、絶対怒るよな。

 まぁ、せっかくだし心機一転して違う職業(ジョブ)ってのもアリか……? 確か職業って全部で5つだって聞いたような……。




>尚、今回は、新しく選択できる職業が増えていますので、確認をお願いします


 ……新職業? 前回はそんなモノ無かった気がするが、何だろうか。

 「剣士」と書かれた赤く光るボードの上に、一つのボードが新しく出現する。オレンジ色に光るそのボードには「騎士」と書かれている。

 ……剣士と騎士って何か違うのか? まぁ、せっかくだし、新しい職業でも試してみるか……。




>職業の選択が完了しました!


 俺は新しく選択できるという「騎士」という職業(ジョブ)にした。良くわからないが、剣士ばかり繰り返すのもアレだろうと思ったし。

 ……戻ったら、エルかウヅキに、この職業(ジョブ)について何か知っているか確認してみよう。

 さぁ、とっとと元の世界に戻せ!




>新しい属性を選択できるようになりました。確認をお願いします


 ……まだ何かあるのか。というか、今まで職業は「選択」出来たと思うけど、「属性」を選択って、聞いたことねーぞ?

 とりあえず、職業(ジョブ)を一新したので、属性まで変えるという博打はしたくない。

 俺は、新属性には触れないことにした。




>それでは、この世界(ハンターライフ)を楽しんでくださいね!


 あぁ、「楽しんで」やるよ。

 イカれたこんな世界なんて、やってられねーからな。






-----

「起きたわ! ウヅキ、水を持ってきて」

「よっしゃぁ!」

 目を開けると、何時ぞやのハンター協会の本部の一室の天井、それとピンクブロンドのふわふわとした長髪。確かここは、「ラストフローラ」という町のはずだ。「フローラ地方」の中でも特筆すべき特徴の無い町ながらも、ギルドではなく協会のそれも本部が設置されている町。そして……あのユニと出会った町。

 今回はユニはいないらしく、エルとウヅキが部屋の中でウロウロとしている気配がした。

「ちょっとぉ!? いきなり起き上がらないでよ!」

 ガバリと起き上がると、ちょうどウヅキから水の入ったコップを受け取ったらしいエルの怒る声がする。コップの上に手を翳して中の水が零れないように防いでいるのかのように見えるが、コップの中身は見事なまでに氷結している。エルの翳した手とコップの氷の間に、何か青い光のようなモノがキラキラと繋がるように漂っているのが見えた。……何だコレ。

 良く周りを見回してみると、エルの周囲には薄らと青い光、ウヅキの周囲にはこれまた薄らとだが緑色の光が漂っている。それ以外にも、さまざまな色の光の粒が部屋の中を飛び交っている。……ホントに何コレ。

「気分はどう?」

 そう言いながら、デコピンの要領でコップを弾くエル。そうすると、コップは青い光に包まれて、中身が氷から水に変わる。

 水を受け取りながら、どういう事か考える。水は一度氷に変化させられたからかとても冷たい。

 エルの問いには答えずに、そういえば、とステータスを確認する。


 ジュン-男

 属性-火 職業-騎士 Lv.1

 称号-なし 通り名-なし

 周回数-2(+1)


 どうやら、経験値はまた溜め直しのようだ。それに「周回数」のところも変化している。

 ステータスの確認をしていると、どうやら覗き見していたらしいエルが「あら」、と声を上げる。


「ジュン、アナタ魔攻が使えるようになったのね!」


 ……なるほどわからん。






「新章スタートだよ! ジュン!!」

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