オレが魔王になったときのこと
どこかで見たようなタイトルかもしれません・・・が!
内容は一切関係がありません。ないはずです。何せタイトルはちょっとばかし?影響を受けたものの、そのラノベの内容は一切知らないのですから!
ぼくの両親は昔から口癖のようにこういった――
『勇人、お前は勇者になりなさい――』
ぼくはその言葉があまり好きではなかったけれど、両親のことは大好きだったから――心の中では無数の呪詛に似た悪態を吐きながら――律儀に両親の望むままに答えた。
『はい、お父様、お母様。ぼくはきっと、勇者になって見せます――』
最後にその言葉を聞いたのはいつだろう?
もう、すぐには思い出せないほど何年もその言葉は聞いていなかったけれど、ぼくは律儀に勇者になるための努力をして、そして今日を迎える。
役所の告知板に張り出された時間通りに赴き、そしてその言葉を聞く。
『おめでとう、きみは今日から――――――だ』
その言葉は、両親が望んだ子渡場ではなかったけれど――ぼくがずっと望んでいた通りになった。
『そうですか、ならばぼくは――いえ、オレは、今日から魔王になって見せます』
こうしてぼくは、魔王への道を歩きだした。