13話 不穏な影は音も無く
『とにかく生きればいいの。生きてさえいれば』
最期まで、そう言ったお母さん。
俺は社宅を出て真っ暗な道をてきとうに歩いた。
あんまりにも落ち込み過ぎて、その時が夜だったのか暗雲だったのか覚えていない。
――〝 どれもないから、使えない〟。
ああ、そうだね。本当に、使えない身体だ。
かすかに聞こえた自分の声にも、おざなりに答える。
内陸との境界ラインが目視で見えるところまで出てきた。
病気と暴力が隣人。
強い奴が正しい。
あそこはそんな場所だ。
生きるだけでいいのなら苦しんだ方がいいのではないだろうか。
右目の視力が弱くなっただけで自分の身体はなにも欠けていない。
お母さんの身体は、俺のせいで小さくなっていたのに。
俺はなんなんだろう。
そこまでされて生きる価値がこの身体にあるんだろうか。
なにも守れないこの役立たずな身体は、どこへ向かえばいいのだろう。
「―――…君!――辺銀君‼」
若い女性の声が聞こえて、俺は振り返った。
そこには、俺より少し年上の女性が息を切らして膝に手をついていた。
艶やかな黒髪を一本にまとめて清楚な感じがある。目つきが鋭いので怒らせると怖そうだ。
でもその人の靴は土で汚れていて、汗もたくさんかいていた。
すぐに、俺を追いかけて来た〝誰か〟だと分かった。
色々口にしたいことはあったのだが、その前に聞き捨てならなかったことがある。
「その…、苗字で呼ぶの、やめてもらえませんか」
俺は彼女に背を向け、なるべく低い声音で言った。
見るからに沈没都市の支援員だろう。こんなきれいな人、俺が抜け出したウォームロードにはいなかった。
助ける価値がないのだと態度で示せば沈没都市の人はすぐにいなくなる。
そう思ったのに、彼女は一拍黙った後、「あはっ」と短く笑った。
「ごめんなさい。私も自分の苗字を呼ばれるのが苦手だから分かるわ。でも君の苗字の方がかわいくて素敵よ」
「…あなたはなんて言うんですか」
「…。…。かっぱ」
思わず、また彼女を振り返った。
「………?かっぱ?かっぱって、川の妖怪ですか?」
「そ、そうよ」
「そうですか…それは、…俺の方がマシですね」
「正直ね…」
フォローする言葉が見つからず、俺はつい正直に答えてしまう。
彼女は俺の隣に立って、内陸の境界ラインを一緒に見た。
「社宅の人たちから、あなたが保護対象になったこと、聞いた?」
優しいけれど芯の通ったこの人の声が心地よくて、少しだけ気持ちが落ち着いた。
俺は黙って頷く。
ウォームロードの子供に養育者がいなくなるとウォームアースに移住することができる。
それはつまり、内陸において最も手厚く沈没都市から支援を受けることができるという意味だ。
それらを分かった上で――例え知らなくとも同じだが――支援から離れるのであれば、沈没都市の支援は追ってこない。
そういう〝決まり〟が沈没都市にはあった。
なのに…。
俺は視線を上げて、俺より少し背の高い彼女の顔を見た。
「どうして、追いかけてきたんですか?」
彼女は困った顔をする。
優しい人なんだろう。だから母が死んだ悲しさや虚しさ、自分への憤りを彼女にぶつけてしまった。
「沈没都市の支援員ですよね?支援エリアから離脱した内陸住民を追いかけるのは禁止されているでしょ。内陸住民に同情して、無駄に親切する沈没都市の支援員ってたまにいますよね。俺がどれだけ愚かか説き伏せに来たんですか?自分が善良だって、パフォーマンスですか?俺は――俺〝たち〟はあなたたちの証明のために生きているんじゃない。価値があれば助けられて、なければ助けなくて…。俺の母は助けるに値しなかったんでしょう。支援が来るたびに医療支援を申請してたのに…」
ああ…、格好悪い。
涙が出てきた。
お母さんが死んだ時だって泣かないように我慢していたのに。
多分、この時。
悔しくて、怒っていて、情けなくて。
…悲しい、なんて言葉一つで終わりにできなかったんだ。
彼女は俺に八つ当たりされても怒らなかった。
「…一つ、聞いてもいい?」
嗚咽のせいで彼女の質問に是非を答えられなかったけれど、首を振ることはしなかった。
だから彼女は少し待ってくれた後、尋ねた。
「内陸に行く理由を教えてほしい」
知らずに俯いていた俺は顔を上げて内陸を見据えた。
「…とにかく生きてさえいればいい…それが母の口癖だったので。生きてるだけでいいのなら、俺はもっと苦しんで生きた方がいい。生まれてきたことを後悔するくらい」
「あなたのお母さんは、あなたにそんな風に生きてほしくてそんなことを言ったわけじゃないと思うわ」
当たり前の返事が返ってきて、俺は彼女に向かって怒鳴った。
「分かってるよ‼でも、俺だってお母さんを助けてやれなかった‼俺のせいで体を削って、腐って、死んだのに!沈没都市の支援員を恨むのは簡単だよ‼そっちの方が楽で、俺も被害者でいられる‼でもそもそも‼俺が無力じゃなかったら、お母さんはあんな風に死ななくて済んだんだ‼――俺が、こんなんじゃなかったら――‼」
なにかに押しつぶされるように、俺の膝は地面についた。
うずくまって、呻くみたいに泣いた。
そんな俺の肩に手が置かれる。俺の視界には土で汚れる彼女の膝があった。
「…あなたにとって、お母さんの言葉はすごく強い贈り物なのね。もう一つだけ聞かせて。――…あなたはどうしたかったの?」
奥歯を噛みしめて、泣きわめかないように堪える。
上手く口を動かせなかったけど、答えはすぐだった。
「‥‥ッ、お、おれは、お母さんに、身体を、返してあげたかった…」
守るために失い、それが原因で死んでしまった。
それが結果ならなんて虚しいんだろう。
気が付いたら、柔らかくてあたたかい体温が俺を包んでいた。
彼女の芯の通った言葉が俺の身体に入って来る。
「あなたがお母さんから貰ったものを、後悔や失敗として終わらせるかどうかはあなた次第よ。…きっとあなたのお母さんはあなたの未来を望んで、その言葉を贈ったはずだと思うの。…それをどうか、自滅する力なんかに換えないで」
頬が熱く感じるくらい、涙が溢れる。
そんな風に言われたら、自滅したくないなって思ってしまう。
お母さんが残したものを、虚しい結果にするかどうか。
あぁそうか…、確かにそれは、俺次第なのか。
それなら、俺は―――。
彼女は――流未先生は最後にこう言ってくれた。
「あなたのやりたかったこと。それこそ、生きてさえいればどんな形でだって叶えられる。それを探すと思って、一緒に七草学園に来ない?いつか、その答えがあなたの生き方になるはずだから」
―――――――――――
月も星もない夜。
雲が黒いから暗いのか。
そんな場所で、サクタにとって流未は蛍のような光に見えた。
「ぼーっとしすぎてたんだな…。まさかあの時ギフトが宿っていたとは…」
サクタは校門近くのベンチで呟いた。
すると、後ろから軽く口をふさがれた。
「むっぐ」
「君ね、内緒にしてって言ったでしょ。ギフト関係は。ぼーっとしてるのは今まさにそうだよ。不用意に声に出さないで」
ベンチの近くの栗の木が植林されており、マナはそこに隠れていたようだ。
彼女はすぐに手を離してくれたが、サクタは振り返って目くじらを立てた。
「びっくりした!潜むのはやめてよ!」
ベンチの背もたれに腕を乗せ、マナは少し悪戯に微笑する。
「勉強の邪魔をしない気配りなんだけど。でもあまり校門近くにはいないでほしいよ。誘拐しやすいからね」
「さらっと怖いこと言うよね。しかも誘拐犯目線でさ。…今日は、ちょっとここにいさせてよ」
「イガグリが落ちているの、見えてる?ぼーっとしすぎて見えてない?当たったら痛いよ」
「み、え、て、る、よ‼傘持ってきてるからいいの、ここで!」
「そこまでしてなんでここにいたいのさ」
傘を差した彼に、マナの顔は悪戯な笑みから呆れに変わる。
機嫌を損ねてしまったようで、彼は答える気がないらしい。
サクタは右目の痣あたりを指先でかき、ツン、とそっぽを向いている。
悪戯心が芽生えて、マナはその傘に無理矢理自分の身体を入れ込んだ。
「わっ、わっ、ちょ、くっつかないでよ!ゆりんとかが見たら無意味にはしゃぐだろ!」
女の子特有のふんわりとした匂いが胸をくすぐり、サクタは頬を赤らめた。
茶色の目でサクタを見上げ、マナはあざとらしく目元を下げる。
「私にイガグリが突き刺さってもいいの?ひどい…」
「マナのギフトなら掠りもしないだろ、どうせ」
「お、今のはキレの良い返しだね。その通りだよ」
「くっそ、なんか悔しいっ。出てよ!流未先生に見られるだろ!」
軽く押した程度では一ミリも動かないマナの体幹に、サクタの焦りは募る。
そこへ、「なんか可愛いカップルがいるわねー」とほっこりした声がかかった。
サクタとマナは振り返って声の主を確認した。
そこには一時帰還していた流未の姿があった。
第一印象はきつい雰囲気を抱かせるが、そうやって優しく微笑むと母性的で、サクタには清楚に見える。
マナは「ははーん」とさきほどより意地の悪い笑みを浮かべた。
「サクタ…、ルミ先生のこと待ってたん――」
今度はサクタから口をふさがれた。
敵意のない相手の動きは警戒していなければ反応はできない。マナは羞恥に駆られたサクタの俊敏な動きに感心する。
傘の中でごちゃごちゃしている二人に、流未は少し罪悪感を抱いた。
本来であれば受けられたはずの支援を届けることができない。
今回の一時帰還で分かった可能性だ。
サクタとマナは今年で18歳になる。来年はこの学園を出る必要がある中、今年の移住試験は中断する可能性が高くなった。
(…大丈夫。ちゃんと、君たちの未来はなんとか守ってみせるから)
沈没都市の答えを胸に抱えて、流未は心に誓う。
流未はちょっとお邪魔になってしまうなと思いながらも、その傘を軽く持ち上げて、後ろから二人を抱抱きしめた。
流未からの抱擁に、目をぐるぐると回してサクタは狼狽える。
「の、わ、ェへあ⁉なに⁉やめてよなんなの‼俺、子供じゃないんで!」
「サクタ、照れすぎだよ。本当に内陸出身なの?」
流未の抱擁になんの感情も湧かないマナは、目を座らせてサクタに痛烈に言葉を投げつける。
サクタは悔しそうに「内陸生まれだよ‼これでも!」と流未の腕を退かそうとしたが、――彼女の表情を見て動きを止めた。
彼の様子を見て、マナも改めて流未を見る。
彼女はなにかに耐えるように口を結び、目尻が濡れそうだった。
「…流未先生?なにか、実家で嫌なことでもあった?」
ぼんやりした性格のサクタだが、流未がふざけていないことをすぐに察した。
流未の胸の内に、一粒の暖かいかけらが落ちるようだった。
「良い子ね。サクタ」
「子供じゃないって…」
サクタは流未に傘のつゆさきが刺さらないよう持ち直す。
優しいサクタを見た後、流未の視線はマナへ移った。
――…どこか、心が遠くにある少女の頭を、流未は胸の方へ抱き寄せる。
心地の良い体温が体を包んだので、マナは目を瞬いて動かなくなる。
つい、サクタと同じように「私も子供じゃないのに…」と呟いてしまった。
珍しい物でも見たかのように、サクタと流未が一拍黙って驚く。
次いでマナの照れたところがかわいく感じ、二人は笑みを零した。
―――――――
笛持ち一同――コアたちは吹雪の激しい山を下り、今にも倒れそうな山小屋で休んでいた。
サラが〝フルート〟を使って小屋を補強し、イルファーンが小屋全体に〝カタム〟を使用して重さを付加する。
更に、キースが〝フォア〟を起動させたことで、〝カタム〟の維持を助ける。
「どれくらいギフトを使用できそうですか?キース」
イルファーンが小屋の様子を確認しながらキースに尋ねると、彼は「3時間は粘れる」と答えた。
「そうですか。しかし、ギフト対ギフトではなにがあるか分かりません。気を付けてください」
「分かった」
今のイルファーンの姿は成人男性のもので、彼自身子供のフリをするための力は節約しているようだ。
金属球体となっているフレイアを囲み、コア、ペトラ、リーヴスはエディの治療を受けている。
フレイアが赤い光を放って小屋を照らし、かつ熱を帯びて彼らの体温低下を防いだ。
「フレイア、もう少しこっちに光を当てて」
〈Got it‼〉
コロン、と傾いて、フレイアはエディの要望に応える。
「…地味に下手でいてぇ…」
リーヴスの背中の傷を消毒するエディは、ボソッと呟く彼を睨んだ。
コアとペトラの処置は終わり、二人はふぅ、と同じタイミングでため息をついた。
「アスタロトと戦ったのって何年ぶり?」
「四年か、五年」
コアは肩を回しながら言った。
「相変わらず機動力と怪力がハンパなかったね」
「でも以前よりマシだよ。実物のアスタロト相手にした時はほとんど丸腰だったし」
「まあ、施設に閉じ込められたところは、以前より最悪な事態だったけど」
「でも泥蛇の性質上、以前と同じく脱出ルートはあったのかもしれない」
コアの発言に、サラが首を傾げてやってきた。
「どういう意味?」
「泥蛇には人間を直接殺せないっていう、生理現象みたいなのがあるらしい。特定の人間を始末したい時は、人間の兵士を使ってやるか、生存ルートを残してやるかのどっちかなんだ」
コアの説明にピンとこないサラ――だけでなくキースやエディも目を丸くさせている。
代わりに、フレイアが丁寧に解説した。
〈泥蛇の出身がラクスアグリ島であることはご存じですね?〉
「うん!私のパパが生まれた場所でしょ!」
〈That’s right. ラクスアグリ島はFageに至るまでのあらゆるゴミによってできあがった島です。
それらはかつて人々の役に立っていた資源であり、あらゆる形で未来に繋がる宝物でもありました。
泥蛇とは、そこで生まれた怪物――島の視点でいえば宝物なのです。
人の役に立つ資源の果ての姿といえましょう。だから泥蛇には、〝人の役に立つものが人を殺すことはできない〟という生理現象を持っているのです。〉
ペトラは泥蛇が寄越した兵士を思い出し、「あっ、フレイア」と金属球体をつついた。
「ちょっとソーマに伝えたいことがあるんだよね。イングに繋げる?」
〈え。いえ、今ちょっとイングに替わるのは――キュゥ。〉
絞られるような高い音を立てて、フレイアが一度静かになると、その場にいた全員が驚くほどの大声量でイングが喚いた。
〈悔しい悔しい悔しい悔しいいいぃぃぃぃぃぃぃッッッ‼〉
フレイアの金属球体の姿も変形し、銀の面をつけた雫ボディが床でうつ伏せになり、短い手足が床をバンバンバンバンッッッ‼、と叩きはじめる。
〈扉の‼開け閉めも‼ろくにできないAIでごめんなさい‼死んで詫びます‼〉
「‥‥泥蛇と信号戦できるお前に死なれると困るんだけど」
音が割れるほどイングが叫ぶので、反対にコアの声が小さく聞こえる。
先ほどのサンクミー施設で施設の制御を全く獲得できなかったことがよっぽど悔しいようだ。
リーヴスが耳をほじりながら荒くため息をつく。
「エンドレスシーのフレイアの船は大小込みで7隻だったな?いくつ守れた?」
〈2隻沈められましたァ‼アアンッ!〉
「うるせっ。思ったより守れたとは思うけどな」
一体どこのデータベースから引っ張り出した感情なのか、イングの嘆きは一息で大量に出て来る。
〈ビイイ‼いいえ!最近開発されたのでしょう〝フェンリル〟という小型AIの機動力が凄まじく、超遠隔制御と対基地級の操舵レーダー2隻の完全沈黙に加え、全ての船にもダメージを残されました!ちくしょう‼でございます‼〉
「AIが畜生て」
〈泥蛇の姿はエンドレスシーで全く確認できないのが痛いのです‼攻撃してくるとしたら沈没都市の兵器ですので、あった!って思ってもどこぞの沈没都市に該当するんですよね…。〉
イングの手足がぺちょん…、と力なく床についた。
そんなふにゃふにゃなイングを仰向けにしてペトラが「いいからソーマを出してよー」とぼやいた。
イングはスイッチを入れるフリを手と音で表現する。
〈ピッ。〉と音が鳴ると、〈イング、いい加減に癇癪を起すのはやめなさい。早くコアたちに繋げてくれないか?〉と、どうやら向こうでも暴れているイングを、宥めるソーマの声が聞こえた。
「ソーマソーマ!おーい!ペトラだよ~」
〈ああ、やっと繋げたか…。かなり危険な状態に陥ったとイングから報告を受けていたのだが、全員無事のようだな〉
「うん。正直、イルの破壊行為が一番危険だったとは思うけどね」
ペトラがイルファーンに向かって片目をつぶった。
コアや、特にリーヴスが大きく頷いている。
苦笑するイルファーンを置き、ペトラは「それでね」と続けた。
「サンクミー施設で会った泥蛇の私兵のことでさ」
青みがかった銀髪に、雫の瞳。
男性に負けない体格を持つが、顔立ちは繊細にカットされた氷細工のように美しい女性だった。
「コアとあの人が戦っている時を見て思ったんだけど」
ペトラの伝えたいことはまだコアたちも知らないようで、彼らも目を丸くして彼女の話を聞いていた。
「あの人って、〝ラダル〟なんじゃないかな?」
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夜。
流未は自室のパソコンから日本沈没の軍人の機密命令書簡にアクセスしていた。
信号化された命令を解読してはアクセスを切り、保安監視AIに気づかれる前に作業を終わらせた。
全てのハッキングを停止させ、はぁ、とため息をつく。
沈没都市の処罰とは肉体の返還なので、こんなことがバレたら足一本は確定だ。
次いでパソコンからある人物へメールを送る。
どうやら、相手も流未を待っていたようで、返信はすぐだった。
文面を見て、流未は口元に手を当てる。
「…南アメリカ各沈没都市から日本へ部隊を派遣…日本に上陸したアロンエドゥは殲滅する気ではある。…問題は…」
口元に当てていた手を、額に移す。
悲しく、悔しい思いに胸が締め付けられる。
(…ほんとは、一番望んでいることじゃない。でも、まずは命を守ることが先決よ。絶対に、もう見捨てない。見捨てなくていい、〝避難場所〟を早急に作らなくては)
もうここに居られない状況になった時に備え、流未はメール相手と計画を練った。