表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オートバイ  作者: そぼろはるまき
第一章「不登校の少年」
3/35

第3話「マガジン」

 今日も灰色の世界の中にいる怜は、自分で買った「オートバイ」を広げて独りで昼食を食べていた。

 いつものように無神経に茂樹がやってきた。

 購買で”揚げジャムパン”が買えたと、ほくそ笑んでやってきた。

「おまえさぁ、今週の『マガジン』読んだ?」

 茂樹はそう言うと、ギコギコ自分の椅子を引きずってきて怜の机の上に「少年マガジン」を無神経に広げた。


 「一緒に読もうぜ。これおまえの分な」

 そう言うと茂樹は怜に揚げジャムパンを手渡した。怜と並んでパンをかじりながら「マガジン」を読んだ。

「きゃろん☆彡」「スパ!」「ギュイーーーン!」「どひゃー!」

 見たこともない独特の擬音だった。物語の主人公たちはオートバイに乗って青春を謳歌していた。

 高校生のドキドキとワクワクのすべてが詰まっていた。

 「俺、ぜったいこのカワサキz400GPに乗るぜ!」

口に入れた揚げジャムを吐き飛ばしながら、茂樹はバイク愛を熱く語った。


 茂樹と「マガジン」は凍てついた怜の心をハンマーで叩き割った。

 灰色の世界しか感じられなかった怜は、色を感じる心を取り戻した。

 怜は毎週水曜日発売の「マガジン」と世界の色どりを手に入れた。

 怜は原付免許を取りに行った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ