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殿下、溺愛展開は契約違反です~「追放の廃妃」の私、わけあって元敵国の王太子と契約結婚することになりました~  作者: ぽんた


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ドキドキばくばくの場面

(ロバート?)


 ロバートの大きすぎる体とごつい顔は見間違いようがない。巨体を縮こまらせ、だれかと向き合っている。


 その相手は、レディだった。


 それはもう驚くほど美しく、スタイルのいい美女の中の美女。


 目をパチパチとしてから観察すると、その驚くべき美貌に見覚えがある。そういう気がする。


 それにしても、レディが着用しているドレスがまた豪華で高そう。おそらく、最新のデザインなのだろう。胸元なんて、同性のわたしでも目が釘付けになるほど開きまくっている。男性だったら、意識が向きまくってしまうに違いない。わたしのイマイチな大きさのわたしの胸と比較すると、彼女の胸は「ドーン」とか「バーン」という表現がピッタリなほど大きな胸をしている。だから、男性も見ごたえがあるはず。

 ドレスの上からでも、ウエストを締めまくっているのがわかる。公式の場、というかパーティーや舞踏会では、たいていのレディは気合いを入れる。いつもよりかは細身で見栄えのいいデザインや、上等なドレスを選択し着用する。その為、どうしてもいつもよりかはウエストを締めることになる。それこそ、ウエストの辺りがちぎれてしまうのではないかというほど締める。


(彼女は、ふだんからあれだけウエストを締めまくって苦しくないのかしら)


 素朴な疑問である。


 わたしは、ぜったいにムリ。そもそも、ウエストを締めまくって公式の場に出たのがいつか思い出せない。


 皇宮の森にひきこもってサバイバル生活を送る前だったけれど、そのときでさえそこまでガチガチぎゅうぎゅうに締めていたわけではない。サバイバル生活を終えた後も、いまのところウエストをそこまで締める機会はない。だいたい、そうしたくても自信がない。というのも、サバイバル生活を送っていたにもかかわらず、太ってしまった。謎でしかない。不可思議だし、納得がいかない。もしかすると、ストレスがなくなって精神的に解放されたことによるものかもしれない。


 というか、生きる為にどんなものでも食べたのがいけなかったのかも。


 その正しい答えは、一生導き出せそうにない。


 それはともかく、とにかくレディはド派手できらびやかで美しい。


「ロバート、約束が違うわ。どうしてなの?」

「どうしてと言われてもだな……。とにかく、おれはもう以前のおれとは違う……」

「あの男みたいな王太子妃のこと? あんなの、ただの盗人よ。どうせこの国をのっとろうとでもいうのよ。やさしいあなたをだましてね。まったくもうっ、あんな『ちんまり』、さっさと放り出せばいいのよ。殿下が出来ないのなら、わたしがやってあげる」


 男みたいな王太子妃? ちんまり?


 わたしのこと、よね?


 というか、ちんまりってなに?


(というか、ロバート。あなた、ちゃんといい人がいるじゃない。どうして彼女を妻にしないわけ? わたしみたいなちんまりと夫婦ごっこをするより、彼女を王太子妃にした方がよほど現実的だわ)


「どうしてだまっているの? いいわ。あなたがそういうつもりなら、わたしがどうにかする」

「いや、キャロル。それは困る。というか……」

「ロバート……」


 息を殺して見守る中、キャロルという名のレディは、突然ロバートに抱きついた。そして、背伸びをしてごつい顔に美貌を近づけていく。


(あれって、口づけをするつもりよね? うわー、なんてロマンチックなのかしら。背の高い彼女なら出来るでしょうけど、背の低いわたしだと背伸びをしても足がつってしまうだけで到底届かないわ)


 自分自身のその場面を想像すると、滑稽でしかない。


(それにしても、顔どうしがくっつきあうのってどうなの?)


 盗賊に襲われたとき、マットが顔を近づけてきたことがあった。マットにすれば、わたしとコソコソ話をしたかったからに違いない。だけど、正直なところわたしはそれがムリだった。


 なにがムリかはわからない。とにかく、彼の美貌が近すぎたのはムリだった。


 ロバートとキャロルの顔がさらに近づいていく。


 時間にすれば一瞬かもしれないけれど、わたしにはそのふたりの行為がやけにゆっくりに感じられる。

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