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混沌と覚醒

「……えっ?!」

覚醒して直ぐに目に飛び込んできたのは外の緑が風に靡く窓と低いロッカーの上に沢山の本が整列していて几帳面さと清潔感を窺える。

「あぁ、そうかぁ…。」

ハッキリと冴えない頭を回しながらよく考えてみた。

この状況は一体何がどうなっているのやら、柔らかく温かいベッドに寝かされ口には管が2本と腕には点滴の針が刺さっていた。

身体は動かないがリクライニングベッドのお陰で容易に窓から外の景色を見ることができた。

少しぼんやりと外を眺めていると声が飛び交う。

「陽炎さんが目を覚まされました。」

駆け寄ってくる人の気配を感じたのに人の顔を見る事も出来ない。

そう眼鏡が…裸眼で0.1程ともなると見る世界は輪郭の無い抽象画風な世界の様だった。

看護師さん「陽炎さん、陽炎さん分かりますか?」

何度か名前を呼びかけられて次の質問へ。

看護師さん「ここは何処だかわかりますか?」

口にチューブは入ったままなのでうまく話せない。

陽炎「ワガガダイデズ。」

本人は分からないですと答えたのが理解された様だった。

看護師さん「黄昏中央病院です。」

そして、次の質問へ。

看護師さん「今日は何日か分かりますか?」

ふむ、今日は…たしか…。

壁にカレンダーらしき物が目に飛び込んできても裸眼のため全く見えやしない。

やはり同じ返事になる。

陽炎「ワガガダイデズ。」

定型の質問だったらしく答えも直ぐに返ってくる。

看護師さん「今日は6月20日ですよ。」

実は普段から日付を気にする思考は持ち合わせていないのに何故かまた同じ内容の質問を何度か試されるのではと思い心に残しす事にした。

少しして意識を保つのも難しくなりまた意識は混沌へ向かう…。

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