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世界は子を愛す  作者: 大介
第2章 命

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第84話 怒り

◇◇◇

アンジェとリアの部屋。


 目が覚めたとき仮想体の記憶が馴染んでいた。記憶を見て知るのではなく知っている。だからこそ今すぐに動かなければならないと分かる。正面の壁が暗いので眠っているのが幸い。

 ソファに座って本を読んでいる仮想体に気づかれないように部屋の天井から飛び出た。部屋の壁を変えないように目を閉じたまま同じ姿勢を維持しつつ仮想体を作った。起こしてしまうのを危険だと感じたから。


◇◇◇


 仮想体で話した方が間違いなく安全。あの言葉を気にして殺し方を探っているのか遊ばれているのかは分からないけれど、生きている限り何かできる可能性は残されている。


 星に問いかけます。心の声が聞こえますか?

 可能であれば返事をください。


◇◇◇

念話中。


≪聞こえているわよ≫

「誰でもよいので話す相手を代えることができますか?」


 とにかく時間がない。誰も起こさないのが最低条件なのだと思う。


≪現状あなたが話せる星は私だけよ。話す相手を代えることはできるけれど、必ず相手の力と繋ぐことになっているわ≫

「その力はこの星にいますか?別の星の中にいますか?外にいますか?」


 話している相手が星だとすると確実に縛られている。

 あの星の力を使えばそれが可能なのだろうか…。


≪この星にはいないの。別の星の中にいるわ≫

「あなたは力のいる別の星の力で縛られていますか?その力に落書きを届けることはできますか?」


 部屋に浮いている魔力を掴み自分の記憶を確認して魔法式を書く。そこに普段使う文字で【綺麗にしてください。そのあと話しかけてください。】と、書き込む…。


 落書きは用意できた。


 味方であれば私と話せているので相手の力まで落書きを届けてくれる。そしてあの星なら力に届く前に横取りしてくれるはず。私にできるのはこのくらいしかない。


≪その通りよ。別の星にいる力に縛られているわ。落書きを届けることはできるけれど…≫

「私の左手にある落書きを届けてください。そして何を考えたのか教えてください。」


 私の左手から落書きが消えた。

 最短が一番だと考えたけれど、他の方法があったのかもしれない。


≪落書きを届けたわ。それとあなたが母を頼った場合はどのような状況になるのか気になったの。娘の声を無視するはずがないわ。今も娘の勉強になると考えて見守っているのよ≫

「どのように話せばいいのですか?」


 ここであの言葉と繋げるのか。殺させたいのか情報を得たいのかは分からない。もしかしたら私の言葉は縛られていないのかもしれない。それで何か変わるわけでもないので気にする必要はない。

 相手は疑われていることに気づいている。それでも続けるつもりなのかな…。


≪中心と繋げるように話せば大丈夫よ≫

「分かりました。」


 疑われていることは気にせず続けるみたい。

 私は存在するのか知らないけれど、相手は存在すると知っているのかもしれない。どちらにしても今できるのは話しかけることしかない。だけど存在するのであれば心の声も聞こえているはず…。


 お母さん、助けて。


 相手の思惑通りに助けを求めてみた。


≪初めまして、母です。念話を代わってもらいましたが悲鳴が煩いので黙らせています。リアの予想した最悪の状況は概ね当たっています。行動も悪いとは言えませんがリアには知識がないので選択肢もありませんでした。まずは知識がほしいのか本を読んで得るのか答えなさい≫


 先程まで話していた精神を拷問している。


 私に母と呼ばれたかったの?

 呼ばれるまでは助けるつもりがなかったの?


「本を読んで知識を得るよ。」

≪それでは選択肢が増えません。今のあなたでは何も変えられません≫


 弱いのでその通りだけれど、変えられなくても困らない。努力するつもりはあるけれど、楽をしたいとは思わない。与えられるだけの知識や力で強くなるのはクリスと同じだから。


「私の答えを否定するの?本を読むのか知識を与えられるのか選ぶのでしょ。この世界では変えられなくても死ぬか拷問されるだけだよ。納得してくれた?」

≪あなたの考えを尊重しましょう。本を用意しておきます。それでは体に戻りなさい。太陽に落書きを届けておきましたが、念のために仕掛けを消し洗脳も解いてありますので問題はありません。太陽から話しかけられるまで時間があります。それまで質問に答えましょう。」


 落書きを届ける前に確認もしてくれない…。

 私と全く同じ内容で届けてくれていればいいけれど。


≪転移≫

本体の精神に移動した


「記憶が入ったよ。お疲れ様。」


 本体の声を聞いて自身を解放した。


 姉さんに抱きつくのをやめて布団の上に座った。

 薄暗い部屋で時計を見たあと襖を見ている。朝食を作り始める時間だから。


「お母さん、世界は命に平等でなくてもいいの?」

≪娘のあなたは特別です。力を制限され平等に記録していた結果が今です。全ての命が命に対して平等であれば私も平等でいます。ですが平等では命が守れません。そのため不平等に多くの命を守ります。そして最優先が娘の命です。私はあなたに目的を押し付けたりはしていません。あなたが楽しんでいるのであれば黙認するつもりですが、限度を超えたら説教します≫


 特別な駒だと言われた気がした。

 実際は特別でもなくただの分身なのだから何体でも作れる。


 思考把握しているのに反論しないのは何故かな。目的が潰されていると知っているはず。

 とても説教されるような楽しみ方ができる状況ではない。


 このまま無視するのであれば普通に話を続ける。親子だとは思えないけれど…。


「体を得ないの?私は普通の人なの?」

≪今の家族には母がいませんね。私が母になりましょう。そしてあなたは普通の人ですが太陽や別の世界には私の娘だと分かるようにしてあります。見えない特殊文字が記憶に埋め込まれていて体を換える度に新しく特殊文字を埋め込んでいます。魔法では操作できない文字です≫


 無視するどころか母になると言えるのが世界の考え方なのかな。それにアンジェの名前が出てこないのはおかしい。自分勝手なのは間違いなく信じてほしいとも思っていないのかもしれない。


「何を隠しているの?」

≪何も隠していません。アンジェも私の娘になるのですから寝ている振りをせずに聞きなさい。人間を弱体化する人体実験は長い歳月をかけていますが核に精神を貼り付けてクローディアを洗脳する実験は比較的最近です。その精神はクローディアが実験終了まで生き抜いても途中で死んでも全ての人を殲滅しました。核に貼り付けられている精神の命令を書き換えるのは力を制限されていてもできましたがクリスの望みを知っていたので待ちました。クローディア同士を殺し合わせ体内に罠を仕掛けることで支配体制が崩れない方法を探っていたのです。クローディアでも見つけられない罠が生まれたとき、次のクローディアで実験終了です。そしてその実験中に命令を書き換えリアを生み出しました。クリスに見えない文字で誰もリアを殺すことができないようにしました。ですが予想外のことをリアがしました。心がほしいと願ったのです。心がなければ心がほしいとは願えません。リアの声を聞いてアンジェが来ましたが心があるリアに心を渡して消えることはできません。そのまま消滅するものだと思いましたがリアがアンジェの全てを受け入れました。つまりアンジェが2人の体だと強く思わなければなりません。考えることを放棄しているクリスの行動を推測するのは簡単でした≫


 世界が核に貼り付けられた精神を書き換えることができるのであれば命を守る世界がない。

 この話が本当だとすれば最悪な状況だけれど、別にいい。


 興味がないのだから何もできないだけ。


 ところでアンジェは知っていたの?

 私はアンジェと出会えたことが嬉しいのでどちらでも気にしない。


【勿論知っていたよ。だけど細胞の作り方を教えたときに姉さんの行動が予想できなかった。私は外に出たくなかったので謎が多い方がいいと思ったの。クリスに全て解析されているとは思わなかったよ。】


≪アンジェ、クリスは解析できていません。太陽の中にある机に貼り付けた精神を利用しただけです。念話で命令しながら2人を洗脳しました。私なら綺麗に出してあげられます。どうしますか?≫

「アンジェ、姉さんが本を作ってくれなくなったときからやり直せるよ!」


【それなら楽しめそうだけれど、リアの体と名前はどうするの?】


 アンジェ、今までの話を聞いていたでしょ。既に決められているのか選択肢があるだけ。


≪体は私が用意します。1万年は生きることができる魔力を持つ人の体です。狂気の実験結果を自身で示すような真似はさせません。名前はアンジェとリアです。アンジェがそれでよければ決定です≫


【アンジェでいいよ。リアとの繋がりは残しておきたいから。体は言う通りだと思う…。】


 その体の細胞はどこにあるの?種族名は何なの?

 答えてくれないよね…。


「お母さん、本気で不愉快だよ。知識があれば選択肢が増えるのであれば、これからは太陽と世界で考えて行動して。私の目的を自分たちの尻拭いに利用しないで。」


 太陽に助けてもらおうと思ったことが間違っていた。助からないと思ったときに死ねばよかった。お母さんに助けを求める必要もなかった。すぐに助けることができたのに放置されていたのだから。それにお母さんがいることを知らなかった。だから運で助かったとしか思えない。

 生まれて1週間程の私に知識がないのは当たり前だよ。強者が弱者を弄ぶのはよくある話だから無理に張り合う必要もない。この世界では理不尽に命が奪われ続けているのだから私の番が来ただけ。


≪リアが考えているようなことはしていません。無視しているのではなくリアの考え方を知りたいだけです。太陽とは私が話します。リアは死ぬべきだと思っているのですか?≫

「弱者に生死を選ぶ権利はないよ。普通に考えたら死ぬ状況だった。それにクリスを放置してきたのは太陽と世界だよ。何百万年放置してきたのか知らないけれど、太陽と世界が何もしていない。それなのに今更私の責任で人間を消そうとしているのが気に入らない。太陽と世界が生み出した状況なのだから自分たちで解決してよ。」


【リアが怒る気持ちも分かるけれど、お母さんに怒っても仕方ないよ。それができた世界は別だから。太陽が何もしていないのはその通りだと思う。それなのにリアを呼んでリアの目的のために人間を消そうとしている。責任をリアに被せる以外の理由が思い浮かばないね。】


 今は太陽の中に書き換えることのできる精神があるのだからそれを使えばいい。それなのに何もしないで誰かに何か言われるのを待っている。命を守る気があるとはとても思えない。


「世界は拷問の記録で濁らないの?どちらにしても太陽と交渉がうまくいかないのでしょ。」

≪世界の役目は記録することなので濁ることはありません。ですが多くの命を見捨てたことが世界の意思という事になります。そして太陽は図星を突かれて気に入らないのか私の声を無視しています≫


 あれほどの力を持ちながら今まで何もしていないのだから命に興味があるとは思えない。利用されたことに腹を立てているだけの小物。大きいのは体だけ。


【リア、挑発しすぎだよ。太陽に狙われるよ。】


 アンジェ、太陽は既に私を狙っているよ。殺したと記録してから記録を止めているだけ。


≪自宅と新しい研究所は消したことにしてあります。そして消したことにした場所の記録は止めています。太陽と世界は多くの種が滅びたことについて何とも思っていないようです。余りにも愚かで嘆かわしいです≫

「知識があれば選択肢が増えるのでしょ。命に興味がない太陽と世界を説得して命を守れるようにしないの?自分より強者で聞く耳も持たない相手を信じて行動するからこのような状況になる。太陽と世界が命を守ろうとしていれば今の世界になっていないことくらい考えなくても分かる。アンジェを残して私とリオリナを殺して。私を殺して太陽に届ければ話を聞いてくれるかもしれない。アンジェは違う体に入れてあげて。知識があってもそのくらいしかできないでしょ。」


 アンジェ、ごめんね。


【リア…。リアが作った落書きと全く同じ内容を太陽に届けたの?落書きを結界で守っているの?何もできないのであれば早く調べてよ。】


 アンジェまで駒になる必要はない。

 このまま話を進めたら絶対にアンジェの責任になる。


【リアを守りたいだけだよ。腐った太陽と世界に巻き込まれて死ぬ必要はないよ。】


≪リアが怒っているの理由が分かりません。そして何もできません。太陽は精神を結界で守っていません。ですが太陽が認めない限り何もできません。勿論リアと同じ内容を書いて届けました≫

「駒の私が話すよ。アンジェが新しい精神を作ってくれるので太陽の精神を消して新しい精神を結界で守って命令すればいい。知識があると言っているけれど、魔法式と普段使う文字が魔力に混ざっていても違和感を覚えない。記録した人の知識があるだけでしょ。自分で考えていないので何も分からない。太陽に何を命令するのか考えているよね?」


【普段使う文字はリアが何度も言っているように落書きでしかないからね。】


≪私は自分の世界にしか興味がありません。今回のことでリアも計画を変えるはずです。それが一番だと思います≫


 今までの話を聞いていたの?

 平然と私の責任にするのはある意味凄いよ。


「太陽とこの星以外は消す。この星のために何が必要なのかは自分で考えて。情報を出さず考えず失敗したら私の責任にしたいみたいだね。この状況で計画なんてないよ!太陽と世界が腐っているのに何を計画するの!?蘇らせることができた命を誰が守るの?この星の生態系を壊さない生物を移住させるくらいしかできない。だけど自分の世界にしか興味がないのでこの世界に存在しなかった生物を別の世界から移住させてまで救うつもりがない。自分のことしか考えていないのに私に押し付けるな!」


【自分の世界にしか興味がないと言ったのだから計画なんて何もないに決まっているでしょ。リアは人体実験や拷問で多くの命が奪われることがない世界を作ろうとしているのに太陽と世界が監視すらしないのだから何もできない。放置したらこの世界に住む命が人体実験される日が来る可能性がある。滅ぼされる日が来る可能性がある。太陽に精神を与えて星ごと消される可能性がある。可能性と言っているけれど、何百万年もクリスの天下が維持されているのだから必ず来ると考えた方がいい。母親なのに娘に押し付けるだけなの?新しい精神はリアの右手に乗せたよ。】


≪母親失格ですね。私は自分の世界だけしか管理できません。魔力を繋いで別の世界の記録を見ることはできますが世界が記録しなければ何も分かりません。世界には個性があり精神がなくても記録は自由に操作できます。魔力を繋がれていることを不愉快だと感じた場合は私に不利な世界を作ろうとするはずです。太陽を監視し続けるのも現実的ではありません。一番広い大陸を魔力のない生物の棲み処にします。そして私たちと細胞が残っている絶滅した種族を蘇らせる拠点にします≫

「生物のいる世界の全ての記録を保持することは可能なの?」


 それができなければ適切な場所に移住させることができない。

 苦しませて殺すことになる。


≪それは可能です。別の世界の記録として個別に保持することができます。本にすることもできます。それでは私の方針で初めてもいいですか?≫

「私が指示するよ。間違えたらアンジェが死ぬ。」


 失敗したらこの星が確実に消されるのに太陽に命令することを簡単に考えている。クリスの処理を考えているとも思えない。恐らく何も考えていない。

 私の責任で命を奪って自分の方針で命を救うつもりでいる。


 本気で馬鹿げている。


【リア、世界を憎む私に任せて。それにクリスは私の指示で殺すべきでしょ。】


 アンジェにお願いするよ。

 残っている生物と移住させる生物は厳しめに審査して。


 それでは交代して。


念話終了。

◇◇◇


◇◇◇

アンジェとリアの部屋。


 部屋のソファにアンジェが座っている。

 私と直接話すために仮想体を作ったのだと思う。


「本を読んでいた仮想体は脱走したの?」

「洗脳されたのが許せなかったみたいでその場で解放したよ。」


 その気持ちはよく分かる。洗脳を解かれた後は自分の抱いた感情も信じることができない。強者に都合よく利用されて記憶を消されて帰された。

 そして笑顔の意味が分かって限界だったのだと思う。


「この部屋がなくなるのは寂しいけれど、アンジェと普通に話せる方がいいね。」

「隠れ家みたいだったのに思考把握されていたのが残念だよ。虚しいね。」


 解決策が思いつかないので消す。

 一番嫌いな方法…。


「世界は命を大切にしているけれど、力がなくて何もできないと思い込んでいたよ。クロアの記憶で親に愛されていない子がいるのは知っていたけれど、世界は愛してあげてほしかった。指示を聞こえなくしているのは厳しい内容にしているから?」

「指示を聞いていたら気が休まらないよ。リア、大丈夫なの?」


 大丈夫なのかは分からないけれど、私の言葉と気持ちを無視され責任まで被された。

 母親失格と言っていたけれど、笑えばいいのだろうか…。


「いつでも助けられると見ていたみたいだけれど、クリスがすぐに殺す気だったら死んでいた。結局は慢心しているだけ。助けられるのに助けないのと殺せるときに殺さないのは一緒だよ。目的を押し付けていないのかも本当かどうか分からない。分身なら代わりは簡単に用意できる。アンジェが世界に出たくない理由がよく分かったよ。」

「聞こえていると思うけれど、何も言わないね。リアがいなければこの星は消されていた。生き延びて拷問されるよりも死んだ方がいい世界。家族になってほしいと頼まれて全員に裏切られた。リアが楽しく過ごせるようになるまで残ってもいいよ。元々死んだ人間だから慌てて出る必要はないから。リアは生まれたばかりの赤ちゃんだよ。リオリナが側にいるだけでは味方が足りない。」


 残ってほしいと思ってしまう。 

 私が甘えたら残ってくれると思うけれど、それはできないよ。


「アンジェは出ないと駄目だよ。姉さんにはアンジェが絶対に必要だから。それにクリスを長生きさせる必要はないよ。アンジェにその記憶があると姉さんが悲しむ。」

「私のように記憶を保持したまま新しい命に入り込む可能性があるので殺す対象に入る生物の記憶を消して殺しているだけだよ。クリスは全て終わるまで苦しませる。太陽が命令を実行しているのか不明なのが気持ち悪いので仮想体で確認している。太陽の中には魔力一つの残さない。だから拷問と呼べるようなことはしていないよ。指示が細かくて自分でも煩いと思うので音を消しているだけだよ。」


 アンジェが徹底的に問題が起きそうな点を潰してくれているのであれば何も気にする必要はない。本当は最後まで責任を持つべきだと思うけれど、耐えられそうにない…。


「それなら安心だね。私は命を守るべきなのか太陽と世界を拷問しながら聞いてみたい。本を読む仮想体を作るので私を封印して。今からベッドで横になるよ。新しい体ができるまで私とリオリナは封印しておいて。赤ん坊の精神はすぐに濁るから…。」

「分かったよ。リオリナが悲しむからね…。」


 ソファから立ち上がり仮想体を作ったあとベッドで横になった。

 アンジェと姉さんがいるのでフィーは大丈夫。


「逃げてごめんね…。」

「違うよ。自分を守ろうとしているの。リア、おやすみ。」


 眠るときの挨拶だね。


「アンジェ、おやすみ。」


 今でも正面の壁が襖を見続けているのが辛かった…。

 人の言葉や感情を気にしない世界と何も知らない分身が親子だなんてお似合いだね。

怒りから憎しみに変わる前に封印されることを選びました。

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