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世界は子を愛す  作者: 大介
第2章 命

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第76話 自由

 夕暮れ前までリオリナは正しい姿勢で歩けていたと思う。馬房まで歩いて戻ることができたので念のために回復魔法をかけてから今晩も来ると告げて料理部屋に転移した。部屋にはいつもお母さんと姉さんが先にいる。だけど今は姉さんに言いたいことがある。


「姉さん、条件に絡まれていないよね?残りの女王を殺して終わらそうとしていないよね?」

「急にどうしたの?先程のことを聞いてくると思ったのに何故それを聞くの?」


 残っている女王が姉さんに近い実験を生き抜いたのであれば条件で身動きを取れなくする。そして条件を必ず隠す。姉さんの基本的な思考は当時のままだと思う。お母さんの影響を受けているけれど、今でも相手を策にはめて殺そうとする。


「否定しないという事は身動きが制限されているのでしょ。全て排除する方法を思いついたよ。女王が隠れて隙を狙うなんておかしいでしょ。そもそも悪いのは記録係で親は世界なのだから責任を取ってもらう。姉さんの戦い方では動物の星はできないしリオリナと外を出歩くこともできないよ。」

「クロア、赤ちゃんの反抗期だから聞いてあげて。」

「分かったよ。リアの考えを言ってみて。」


 お母さんの視線が本気で怖い…。

 説教されている気分になってしまうけれど、私は考えてきたので大丈夫。


 姉さんは世界に支配されていると考えている。だから何も変えられないし今の条件で戦うしかないと考えてしまう。実験で支配されてきた記憶が残っているのが原因だと思うけれど、今の私はそれを待てない。リオリナの命を守るのは絶対に私でなければならない。


「現在の世界の条件は不平等だよ。その状況を作った記録係の親の世界にも責任があると指摘して全ての条件の破棄を求める。そして条件の追加、変更、消去が行われたときには全ての女王に通知するという条件を追加しておけば絶対に後手に回らない。この条件は平等を保つために消去と変更を不可にする。更に姉さんの望む条件を追加した後に条件の確認、追加、変更、消去には女王の寿命を残り1年まで削ることにすると付け加える。承諾を得ることにすれば殺したことにはならないでしょ。今のままだと女王の出入りできない結界はないという条件が隠されていてもおかしくはないでしょ。早くしてよ!」

「クロア、リアが暴走している理由は知らないけれど、言葉を間違えなければできるよ。私たちは実際に寿命を残り1年まで削ったという実績があるので大丈夫。」

「消去できるか確認するよ…。できた…。それでは条件を追加して終了するよ…。」


 世界が今の状況に満足しているはずがない。最悪の場合だと女王を全て消すという行動に出る可能性がある。その前に全て変えてしまえばいい。世界を変えることができる女王は姉さんしかいない。

 殺し合いを続けている女王は論外だよ。


「姉さんは縛られて戦い続けてきたので今の状況も受け入れていると思ったよ。不利な状況でそれでも勝つのは凄いけれど、今の相手は女王なのだから必ず犠牲が出てしまうときが来る。それに女王が殺し合いをしている現状を世界が望んでいるとは思えない。敵対を望む女王は潰せばいいけれど、それ以外は無視すればいいよ。何故実験を生き抜いた被害者が実験を続けているの?姉さんは強いけれど、慎重になりすぎだよ。女王なのだから全ての縄を切り飛ばせばいいだけだよ。女王様、簡単だったでしょ。」

「赤ちゃんの作戦はうまくいったの?」

「言葉は慎重に選んだけれど、驚く程うまくいったよ。他にはないの?」


 これだけでは出歩けない。世界の力を防ぐことができないのだから。


「世界の力を使うことにも代償を払うことにしよう。女王の寿命を残り1年まで削り関係者1人の命で力を使うことができるようにすれば誰も使えないよ。これも承諾してからにすればいい。女王は自殺か疑心暗鬼で睨めっこだよ。これで女王を放置して本格的に動くことができるでしょ。ついでに条件や命令を最後まで遂行できなければ女王の権限を剥奪にしよう。これは世界との約束なので今すぐできるでしょ。」

「リオリナを守る手段を本気で考えてきたみたいだね。これだけ女王を振り回せば満足でしょ。」

「リオリナのためだけなのね。あの子の覚悟に答える方法を考えていたの?」


 これでも出歩けない。女王に攻撃されたら殺されてしまう。姉さんに命を捧げれば守れるかもしれないけれど、リオリナにそれはさせたくない。


 リオリナの命は私が守り続ける!


「全く満足していないよ。強くなる方法を教えて!」

「リオリナの命を守り続けるつもりだね。今後のためにも教えてあげる。毎晩仮想体で魔力を限界まで薄く小さくする練習をしなさい。仮想体で頭の中にいると記憶と経験と精神が追記されてしまう。だから期限は2ヵ月。それ以上は仮想体で努力するのは禁止。魔力を限界まで薄く小さくすることができるようになれば仮想体から吸収される魔力が見えるようになる。その魔力を止めることができ解析して精神だけを消して吸収させる。そうすれば常に努力し続けることが可能になる。そして仮想体の数だけ努力量を増やせる。結界内の魔力濃度を考えなければならないけれどね。これは基礎であり極意でもあるよ。」

「毎晩2ヵ月なら精神が濁らないのね。身につければ爆発的に強くなれるけれど、間に合わなければ自分自身でゆっくり練習するしかなくなる。時間との勝負だけれど、焦れば間違いなく身につけられないね。それで赤ちゃんが暴走している理由は秘密なの?」


 2ヵ月はこれまで過ごしてきた日々を考えて安全だと確信できる日数だと思う。

 姉さんが強い理由がよく分かる。個性的な分身に勉強させるのはあり得ない。姉さんは自分自身の仮想体で毎日努力し続けているのだから。

 そして今でも努力しているから追いつくのは困難だけれど、これを身につけなければ話にもならない。身につけることができれば練習方法で追いつけるかもしれないのだから。


「姉さんとの約束だから私からは何も言えない。お母さんには話すことになるけれど、それは姉さんから話してよ。」


 冷蔵庫の食材を見て私も料理を始める。姉さんも料理を再開している。


「そうだね。私が条件を決めたのだからお母さんに話すよ。リオリナがリアが死ぬまで専属馬でいたいと希望したの。リアが私に相談したことでリオリナはリアの専属ドラゴンとして一緒に暮らすことになった。リアの言うことしか聞きたくないので妹になることも拒否したよ。馬の精神では耐えられない寿命なのでアディかローアの精神を入れることになるけれど、どちらがいい?」

「リオリナはローアだね。リオリナにも起きられる魔石を入れておいてよ。」

「それで赤ちゃんは空を自由に飛び回りたくて本気を出して考えてみたのね。クロアは不利な条件で戦うのが常だったのでそれが当たり前になってしまっていると考えた。そして世界は現状に不満を持っていると予想した。リオリナの命を守るのは自分の役目だからクロアに命を捧げるようなことはさせたくない。といった感じかな。リオリナに成長するのを手伝ってと言ったでしょ。これは大騒動になるよ。間違いなくフィディーも願うからね。そして末っ子はドラゴンに憧れる。その全ての負担を私に押し付けたのね。」


 フィディーはリオリナがドラゴンになったのを見て寿命が延びたと分かる。だけどお母さんが馬の方が好きだと知っているので馬として寿命を延ばす可能性が高い。

 3歳児はドラゴンに夢中になる気がする。その場合は乗馬を禁止にするような厳しい罰を与えるはず。それにしてもお母さんが私の言葉を当てているのが怖い…。


「お母さんなら楽勝でしょ。お願いね。」

「お母さんに末っ子は逆らえないよ。話す内容も考えてあるのでしょ。」

「寿命を延ばしたり種族を変えるのは結界内だけの動物に限るのでしょ。そしてリアは他の動物と遊ぶつもりがない。リオリナが遊びたいと言えば別だけれど、絶対に言わないでしょうね。そしてリアがリオリナを専属から外した場合はリオリナが死ぬ。そのくらいの覚悟がなければドラゴンに変えるはずがない。そしてリオリナはリアと一緒に死ぬことを望んでいる。末っ子にも他の馬にもここまでの覚悟はないので大丈夫。リアはリオリナがそのような行動に出た理由を聞いていないでしょ。」


 お母さんの話を聞くと人の持つ力も凄いのに多くの人が使わずに退化させてしまっている気がする。結界内でしか使えないという恐怖症はあるけれど、それを差し引いても姉さんよりお母さんの方が遠くにいる感じがする。だからお母さんに聞いてみたい…。


「お母さん、女王が殺し合っているのを終わらせる方法を考えてよ。」

「世界の女王が複数人もいるのは不自然でしかない。女王で一番優秀な者以外は権限を剥奪しろと言えばいいの。そして権限を剥奪された女王が敵意を向けたら消してもらう。クロアが負けることはないので気にしていないだけだよ。」

「お母さん、直感で答えているの?理由があるの?」


 余りにも危険な方法。女王の権限を剥奪するだけであれば結界内で生きていけるけれど、絶対ではなくなり動物の星にすることはできなくなる。それなのにお母さんはいつも通り平然としている。それが当然でありそれ以外を望む世界には興味ないと態度で示している。


「理由が必要であれば世界に対して女王が何をしたのか得点をつければいいの。他の女王はマイナスか0点、クロアだけがプラスだよ。それを考慮しなくてもクロアが一番だけれどね。クロアは確信がなければ動けないので世界に自分の順位を聞けばいいのよ。それだけで解決できる。勿論全ての女王を無力化しても秘密にしておいて。努力する理由には一番だから。実験を生き抜いた被害者を消すのは心苦しいと思うので女王の権限を剥奪し関係者も含めて魔法を使えなくすればいいよ。」


 女王に順位があるの?世界が命に対して順位をつけるの?


「お母さん、命に対して順位をつけるのは一番嫌いなことではないの?」

「リア、もっと考えなさい。女王というのは役職でしかない。一番仕事している女王を決めるだけだよ。権限の剥奪はその仕事を辞めることになるだけ。女王を殺しても世界は何も変わらない。女王の殺し合いは世界で最も無意味な行為だよ。実験場の外を滅ぼしたのが誰か分かっていないの?実験場を残した理由も1つしかない。終わらせるのは最後の実験の生き残りのクロアだよ。」

「お母さんの独擅場だね。それでは交渉を始めるよ…。」


 姉さんが目を閉じ本気で集中し始めた。


 無意識に出ている威圧が強すぎる。お母さんは平然として笑顔でいるけれど、私は立っているだけで精一杯。料理部屋で身体強化を全力で使って潰されそうになっているのはおかしいよ。これが姉さんの全力ではないと思うので本当に遠い。そして姉さんの全力を想定して作られている気がする料理部屋もおかしい。私の全力では調理台も壊せない気がする。


 姉さんが目を開いたときに短くて長い時間が終わりを告げた。


「今すぐ実験場から引越すよ。死黒森と鮮血湖は魔獣と森と湖ごと移動させる。近隣の魔獣も移動させる。私たちも畑と一緒に移動する。ヒュドラの体内や湖にある人工物は消したので大丈夫。元女王たちは実験場から出られないけれど、力が強いままだから好きなように生きられる。そして私たちが世界に張ってもらった結界は消してもらい年中気候が穏やかな実験場と同じくらいの大きさの島に引越したよ。それでは夕食を作るよ。」

「驚くほど綺麗に片付いたね…。料理するよ。」

「リア、何を言っているの!死ぬほど苦労してきて漸く自由を手に入れたの。実験を生き抜いただけでも奇跡的なのにその後も自由に外を出歩くことさえできない。リアの言葉には簡単に終わらせることができたという感情が入っている。自分が暴走したので終わらせることができたと本気で考えているの?世界が張った結界は絶対に安全だとは言えないのだから、あなたが気づいていないだけで常に警戒していた。そして私も今日終わらせるつもりでいた。最初に襲ってきた女王は新しく生まれた女王を見つけるための餌として生かされていただけ。リアは痛みも苦しみも知らず言いたいことを言っただけ。私たちは寿命を残り1年まで削って森を増やしここで暮らすという演技までした。クロアが見ているミュリエルと末っ子を私も一緒に見ていた。その理由は朝から昼まで女王に監視されていたからよ。私たちは無害だと見せつけて他の女王を釣る餌になると思い込ませた。条件を排除するときは平然と立っていることができて女王をクロアだけにするときには立っているのに必死だった。両方とも世界に交渉しているのだから同じ状態になるはずなのにおかしいでしょ。その理由を言ってみなさい!」


 自分の功績のように思っていた。私の案で状況を改善することができたと思っていた。姉さんと同じように考える女王が複雑な条件を追加していたのだから安全な場所があるはずがないと分かっていたのに何も警戒していなかった…。

 お母さんが強調するのだから条件の中に女王の出入りできない結界を張ることができないとあった可能性が高い。だけどお母さんと姉さんなら何か対処しているはず。


「朝食と昼食を作る時間で私が来る前に状況を確認しながら条件を追加していた。そしてお母さんと姉さんだけは女王の姿が見えていた。」

「結界を張るときに私の許可なく侵入した人がいた場合は通知が入るようにしておいた。慎重な女王なら敵の結界内に入る前に条件を確認する。だけど自分が入った直後に隠蔽された条件を追加されるとは思わない。それに確認しても分からない。だから世界の力で姿を隠している人を女王と関係者は見ることができると追加した。女王を使うと隠されている条件と繋がってしまう可能性が高い。そして女王を殺している女王は自意識過剰。自分のことを人ではなく女王だと考えている。女王を警戒しているので条件には女王という単語が多く見られた。侵入してきた女王はクリスと無関係だけれど、いつでも封印できる用意はしていた。お母さんと私は転移で料理部屋に移動して世界の力を簡単に使えないようにして女王が来るのを待った。そして部屋に来た女王に一生透明のまま過ごせと告げた。世界の力が使えないことに気づいた女王は錯乱して私たちに攻撃して消えた。錯乱している相手を封印するのも楽だからどちらでもよかった。そのあと条件を破棄して新しい条件を追加した。それで今日は終わりだと思ったら夕食を作る時間にお母さんが世界と交渉すると言ったの。赤ちゃんが喚いている間にお母さんと念話しながらどのような文言で世界を納得させるのかを聞いて実行した。交渉する文言をお母さんに確認しないことを不自然に思わないのは考えが足りないよ。お母さんも確信がなければ動かないからね。」

「リア、あなたの言葉で交渉したら相手がどのように思うのか考えていないでしょ。自分が正しく思い通りになるとしか考えていない。私とクロアは家族と動物の命を背負っているの。そして交渉する相手は世界なのよ。怒らせてしまえば何が起きるのか分からない。リアの言葉でクロアが怒りリオリナが殺されることになっても止めることができない。リアの言葉で世界が怒り家族を皆殺しにされることになっても止めることができない。守る力がないのだから考えて発言しなさい!」


 その通りで何も言えない…。私は関係者ではないので何も怖くなく好きなように考え好きなように発言した。そして自分の考えが正しく間違っていないと思っていた。交渉するのではなく相手が非を認めるとしか思っていなかった。相手のことを全く考えていない。守る力がないのに自分の発言を相手が気にするという考えすらなかった。


「その通りで何も言うことはないよ。毎晩仮想体で練習してリオリナに反省を手伝ってもらう。」

「それはリオリナと一緒に反省するのが一番なのか末っ子に配慮しているのかどちらなの?」


 分かっているはずでしょ。何故そのようなことを言わせるの…。


「末っ子に配慮しているよ。4人にとって2人と話す時間と布団で寝る時間は特別だから。私がその時間を奪えば必ず嫉妬する。それに私の相談は末っ子を怖がらせることになる。家族に亀裂を入れるつもりはないと約束して私はここにいるの。」

「確かにそれはあるけれど、末っ子も勉強できるように話す内容を変えればいいでしょ。それに末っ子が増えても暫くはリビングテーブルで作戦会議が続くから話せるじゃない。赤ちゃんが何を遠慮しているの。リオリナと話しても何が悪かったのかは分かっいてもどうすればよかったのかは分からないままでしょ。それに私を変えるのでしょ。私と話さないでどのようにして変えるの。夕食後はリアの反省会をするよ。末っ子とミュリエルは手加減の作戦会議をするから大丈夫。」


 それなら大丈夫かな。

 末っ子の姉なのだから3歳児の唯一の楽しみを奪いたくないだけだから。


 夕食のときにお母さんが実験場の外に引越したことを説明した。実験場に脅威は残っているので勉強を続けなさいと説明を終えた。姉さんは動物の星にする計画について説明していた。魔力が必要になることが多いので魔獣を優先するけれど、人に近い存在も生み出すみたい。最初に妖精を生み出して末っ子と一緒に勉強させてから他の種族も生み出すみたい。動物の星というよりも自然豊かな星になりそうな気がする。

 夕食が終わり後片付けを終えてリビングに戻るとお風呂に入る前の作戦会議が始まっていた。手加減を覚える方法はミュリエル姉さんと末っ子には難しいみたいで姉さんが助言していた。そのときにお母さんが関係者でいることを白紙にしたのには驚いた。


 厳しい反省会になりそう…。


「早速反省会を始めるよ。リアには確認するという意識が足りない。今回は確認しなければならないことが多かったけれど、絶対に確認しなければならないことは何?今のリアには世界に対して思い込みがある。詳しことは何も知らない状態だとしたら何を確認するべきなのか考えてみなさい。」


 思い込みしかない気がするけれど、何も知らない状態で今までのことを振り返ると絶対に確認しなければならないことが思い浮かんだ。


「世界と記録係は別の意思が宿っているのかどうかだと思う。」

「その通りよ。クロアが世界に命令するときの流れはどのようになっていたと思う?」


 これには条件が関わってくる。それを始めたのが記録係だとすれば間に入っていた可能性が高い。


「姉さんの命令を記録係が条件と照らし合わせて世界に伝えていたと思う。」

「女王を決めるのは世界で女王の命令を聞くのも世界なのに女王を記録係が決め女王の命令も記録係が改変していた。まずは確認作業。世界に意思が2つあるのか確認。女王を決めるのがどちらか確認。女王の命令を聞くのがどちらか確認。世界と記録係どちらの立場が上か確認。そして確認を終えた後に私たちの命を削って世界が張った結界を女王が素通りした。そのあと『世界は私たちの望み通りの結界を張ってくれたのですか?』と聞くだけでいいの。当然世界は実行した命令とクロアの命令を確認する。記録係がどのような言い訳を用意しても女王の命令を歪めた事実は変わらない。世界が愚かだと世界に気づかせるの。それにより世界は命令が歪められた理由を探し記録係の不要な感情を消し条件を破棄した。記録係も馬鹿ではないのだから条件について世界に訴えることを許すはずがない。世界と敵対したことにされて消される可能性が高い。リアの言葉は全て記録係に改変されて消されて終わり。分かった?」


 姉さんは世界が自分に注目するように命を削って結界を張ったのだと思う。そして確認作業で世界と記録係が一緒に聞いているのか確かめた。世界が答えているのか記録係が答えているのかも確認していると思う。最後の疑問は記録係だけが聞いている状態であれば消された可能性がある。だけど世界も一緒に聞いていると確信が持てたので発言した。不満を口にせず確認と疑問で終わらせている。


「よく分かったよ。お母さんの終わらせるという言葉は星を崩壊させるのか姉さんだけを女王にするつもりだったのでしょ。」

「その通りよ。この星は余りに愚かで救いようがない。だけどクロアが楽しめる星になるのであれば別にいいと思っただけ。クロアの交渉が失敗したら滅ぼして好きなように暮らす予定だった。私は結界内の命にしか興味ないからね。今回のことで思いついたことを勢いだけで実行したらどのような結末になったのか分かったでしょ。新しいことを思いついたら考えなさい。考えて思いついても更に考えなさい。強くなることにも意味がある。どのような状況にも対応できる力を身につけなさい。そしてリアが最強になりなさい。」


 勿論そのつもりだよ。お母さんの細胞と姉さんの精神を持つ私が最強になる。


「そのときにはお母さんが命を捧げるのをやめることができるよね?」

「そうだね。念のために命を捧げておく必要はなくなるよ。作戦会議を一旦中止しなさい。お風呂に入る時間だよ。」


 末っ子の返事を聞いて家族一緒にお風呂に入る。ミュリエル姉さんはお風呂でも末っ子と話しているので孤独を感じてはいないと思う。お風呂上りにも作戦会議が続いた。私も偶には作戦会議に参加しようと耳を傾け内容をまとめている紙を見たけれど、余りにもおかしくて笑ってしまった。末っ子は私が笑っているので睨んできたけれど、流石にそれはおかしい。

 魔獣が死なないように殴ると書いてあるのが余りにも自由で笑いが止まらなかった。

リアの反省が続きましたが、家族の中でフィオナとクロア以外でリアだけが今の状況を改善しようと考えたのも大切なことです。

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