第74話 無知で無力
お母さんと姉さんが話している声音を聞き流しながら敵の女王が索敵魔法を使っていない理由を考えてみる。女王の居場所を知ろうとしてはいけないという理由はおかしい。索敵した状態で攻撃に巻き込むことは許されないというのもおかしい。姉さんが気づいていない方法か高い魔法技術で索敵していると考えた方がい。女王が他の女王の居場所が分からなければ戦うこともできないのだから。
それと姉さんの精神をクリスが交換したことにより半年間は普通のクローディアでしかなかった。この期間が間違いなく一番簡単に殺せたに違いない。だけど過去にない状態の姉さんを殺すのは記録係がどのように判断するのか分からないのでやめたのかもしれない。
それに封印中の姉さんを巻き込んで殺すのも簡単だった。過去に別の女王を騙して簡単に検証できるし絶対にしていると思う。
姉さんを巻き込んで殺すには女王だと確信がなければできなかったのかもしれない。女王の力を知らない実験を生き抜いたクローディアは女王の候補で過去に候補のクローディアを殺したことはない気がする。他の女王を騙したとしても実験を生き抜いたクローディアを殺す検証に協力するはずがない。それに女王だと認識するまで記録係は女王だと考えない気がする。
姉さんが封印されている間にも敵の女王が用意した10万人以上の分身に攻めさせて殺すことができた。これも攻めさせる気がなかったのかもしれない。敵が作った分身が姉さんを殺した場合は直接的だと考えられる。敵の女王は力を使えなくなる可能性が高い。
そして問題を姉さんだけで対処していたら確実に死んでいた。それが狙いの可能性もある。女王の力を使わなければ対処できない状況を用意してあわよくば姉さんを殺すつもりでいたのかもしれない。
姉さんが女王の力を使った後で眠っていた間に何故攻め…。
そのときリビングで異常な熱を感じた。
姉さんの体が光っている。力を使っているに違いない。
「リア、何を考えているの。私とクロアに回復魔法をかけ続けながら水をかけ続けて。今は考えるときではないよ。優先順位を考えなさい!」
光っている姉さんに気を取られてお母さんの状態に気づくのが遅れた。
明らかにお母さんの方が危険だよ…。
≪水魔法≫
≪高位回復≫
お母さんと姉さんのどちらかの命が尽きる少し前に魔法をかける
お母さんが体の表面を凍らせて姉さんの体を抱きしめて冷やしている。お母さんの頬で姉さんの頬を冷やしている。姉さんの熱が凄いみたいで水をかけら湯気が出る。それでもお母さんの凍った腕が落ち顔の皮膚が剥がれる。服の中も剥がれていると思う。
表面だけではなく死ぬ直前まで深く体の中まで凍らせている。
壊死を全く気にしていない…。
力を使うことや命を捧げることがここまで過酷だとは思わなかった。これでは誰かが手助けしない限りすぐに死んでしまう…。
この光景を末っ子に見せるわけにはいかない。
≪浄化≫
血が滲む床の水と剥がれた皮膚や落ちた腕を消す
「ミュリエル姉さん、末っ子を部屋に移動させてから戻ってきて!」
「分かりました!」
ミュリエル姉さんが末っ子を布団部屋に連れていった。
長い…。やはり私の魔力だけでは足りなくなる。今いるのは引越し先のはずだから移動することはないと思うけれど、力を使って何をしているのかが分からない。以前の場所に私の結界を残しておいた方がいいと思うから気を失うわけにはいかない。
「お待たせしました。」
「回復魔法を使うときは教えるから水を2人にかけ続けて。」
水をかけているミュリエル姉さんに合図して回復魔法も使ってもらう。床には剥がれた肉体と水が溜まっていくので定期的に浄化魔法だけは私がかけた。
それにしても長すぎる…。
時計を見るとお母さんに声をかけられてから5分も経っていない。
そろそろミュリエル姉さんの魔力量も半分を切っているはず。末っ子にも頼むしかないと覚悟したときに姉さんの発光が止まった。時間間隔が壊れたのかと思うような長い5分間だった…。
ミュリエル姉さんに末っ子を連れてきてもらうように頼むと回復魔法と浄化魔法と乾燥魔法を使って2人の姿とリビングをいつもの状態に戻した。
目の前で起きたことが幻覚だったかのように2人から少しの疲労も感じられない。
日常的に見える光景がとても悲しい…。
「姉さん、今の力の代償は?」
「お母さんと私の寿命を残り1年まで削った。リアが色々と考えていたけれど、1人で寿命を使い切ることは絶対にできない。間違いなく途中で死ぬから。10万以上も作ったのに一瞬で消された。多くの犠牲を払ったのに消されてしまい、それでも私が生きていることで予備を用意している可能性を考える。そして予備を隠している可能性まで考える。星中を探して周りの星も探して多くの犠牲を払った結果が今日だった…。などという理由を考える意味はない!相手は未知の力を使っているのだから生き抜く方法を最優先に考える。優先順位が違うよ。それでは準決勝で負ける。」
「リア、私たちがここにいると知られない方法は?」
姉さんの言う通りだね。敵が私たちを見つる方法は力を使えばどうにでもなる。それよりも生き抜く方法が最優先に決まっている。そして姉さんにはそれができたという事が重要。
ここにいると知られない方法は索敵魔法を無効化すればいい。だけど姉さんは決勝についても考えている気がする。戦うことになるとは限らないけれど、そこまで想定している。
「引越し前に姉さんと関係者を索敵不可にして姉さんと関係者に関する全てを記録しない。」
「クロアがどのように命令したのかは知らないけれど、正解に近いね。全ての動物も引越し前にクロアに命を捧げると言ったよ。大切なのは何だと思う?」
私の頭から動物のことが抜け落ちていた。
本当に最低な主だよ…。
「曖昧に伝える。記録係は女王の命令に絶対服従だけれど、裏切りは許さないはずだから。仮に記録係が姉さんとお母さんの思考を見て何を目的としているのか調べようとしても分からない。だから命令を実行するしかない。」
「赤ちゃんを卒業してしまったの?クロア、魔石はいらなかったみたいだね。」
それはまずい。これで漏らしたら逃げ道がないよ。
「お母さん、私が本当に赤ん坊を卒業したのか検証できていないよ。違う体と精神が安定するまでに必要な時間が分かるのでこのままの方がいい。」
「クロアとクリスの精神で検証結果は出ているでしょ。やはり戦いに燃えているだけの赤ちゃんだね。クローディアの精神は戦いと関係するときに思考力が上がる。それで畑と一緒に引越して元の場所には自宅と動物小屋と眠っている精神を貼り付けた枕と魔石が布団部屋にあるよ。動物小屋には動物と同数の眠っている精神を貼り付けてある。ここはほとんど以前と同じ環境だけれど、違うことがある。一番の違いは何だと思う?」
索敵不可にしても結界を張れば見つかってしまう。それに姉さんの結界で巻き添えを防げるのかが分からない。更地にすればどこにいるのかは分かるのだから。
私たちの使う魔法まで索敵不可にする意味はない。ここで自給自足できるようにしているはずだから外に出ることはない。それにこちら側が転移した瞬間に敵が行動するのは非常に難しい。敵が索敵魔法で転移魔法を感知することはできるけれど、こちら側が敵の魔力を把握できる利点の方が大きい。
一番解決させたい問題は巻き添えで殺されないようにする。姉さんの結界を記録係の力で強化してもらえば攻撃には耐えられるけれど、攻撃による負荷で結界の維持が厳しくなる。
あと残っているのは…、それが可能なの?
「記録係に結界を張らせた。敵は間違いなく結界を張った人が誰か調べる。それが記録係であれば巻き添えで攻撃することを危険だと判断する可能性があるよ。」
「お母さんの言う通りだね。それなら結界の構成が分かる?1つだけ教えてあげる。畑の範囲は少し狭くなってしまったけれど、星が破壊されない限りは私の寿命が続く限り安全に暮らすことができるよ。星が破壊されたら私の結界に張り替えるけれどね。」
姉さんが安全に暮らせるという事はこの中にいる限り敵が私たちを殺すのは不可能。そして結界を維持することも間違いなくできるという事。星が破壊されても問題ないと考えているのでここに世界を作っている気がする。
「結界内でこの場所の去年の1年間の気候を再現し続ける。結界外からの全てを遮断。結界を出入りすることができるのは姉さんと関係者とその魔法。結界の維持は魔力を自動吸収。それだけでは絶対に足りないので直接当たる陽の光を魔力にして吸収。余った魔力は結界内に流す。記録係の結界を複雑にすると維持が厳しくなるので条件は最低限にしていると思う。」
「おしいね。結界を隠蔽。結界を出入りすることができるのは私が認めた存在とその存在が使う魔法。結界の維持は陽の光と結界外からの魔法攻撃を魔力にして自動吸収する。もちろん結界内外の魔力も自動吸収する。結界内に流す余剰魔力は綺麗にした魔力。いつでも遊べるように結界内に私の結界を張るけれどね。そして不要な水を魔力に変換。魔石で空気と気温を調整。結界の外は森で埋め尽くしているよ。魔獣の魔力が絶対に必要だと思わせるためにね。この結界を攻撃したら敵対行為、結界に陽の光が当たらないようにしても敵対行為と判断される可能性がある。お母さん、死体の山に埋もれた腐った女王は攻撃すると思う?」
「私たちが姿を消したことには気づいていると思うけれど、あとで記録係に確認すれば居場所は分かると考える。それなら恐怖を与えるのが一番。簡単に殺せると見せつけるはずだよ。相手の先制攻撃はどのような判定を受けるのか検証させてもらおう。」
短時間でどこまで先を考えているのだろう?
万が一敵の攻撃が敵対行為にならなかった場合にも備えている。そして余った魔力に精神が貼り付けられていないとは限らないのでそれにも対応。それに結界の維持は転移門を使えば容易になる。更に周囲に森を増やすことで維持には魔力が必要だと印象付ける。
記録係が隠蔽した結界は絶対に見つけられない。思考を隠して記録係まで利用している。準決勝よりも決勝を意識している気がする。
既に罠まで用意してあるんだね…。
「ミュリエルは末っ子と一緒にいて。絶対に外に出たら駄目よ。」
「はい。分かりました。」
「それでは行こう。どのくらいの攻撃か見ておかないとね。感情把握と思考把握は禁止だよ。」
姉さんの転移で以前の自宅が見える上空を飛んでいる。結界も張ってくれている。
「どこかで見ているのでしょ?女王の力で逃げたことだけは褒めてあげる。未熟な女王が人柱を用意していたのも褒めてあげる。あなたとは気が合いそうだわ。この攻撃を見て逃げるのを諦めたら私を訪ねなさい。仲良く暮らしましょう。それでは見ていなさい。これが悠久の時を生きている女王の挨拶よ!」
女王の力を使って広域念話を使ったみたい。発光したので相手の居場所が分かった。
以前の自宅近くの森の上空にいる。
そのあと敵の女王の手が赤く光る。手から赤く光る水滴が森の中に落ちた直後に全てが地上から消えた。何が起きたのかが分からない。一瞬で直径10km以上の土地から全てが消えた。
それなのに姉さんと私の結界魔法だけが残っている。
そして敵の女王も消えた。罠により一瞬で消されたのだと思う。
先程までそこに人がいたとは思えない夜空がとても怖く感じる。
姉さんが呆れたようにため息を吐くと私に結界を消すように言った。
姉さんも索敵と結界を消した。
「お母さん、リア、帰ろう。」
姉さんの転移で自宅に戻ってきた。
全てが終わったような雰囲気がある。
「姉さん、自宅付近の森にいた魔獣を隠蔽した結界で1時間は守れと記録係に命令しておいたの?森にいる魔獣に攻撃したつもりが記録係に守らせた魔獣を消した。姉さんの関係者ではないので消すことはできるけれど、記録係に対する宣戦布告になる。そのため敵の女王が消されたのかな?」
「それでは代償が大きすぎる。引越してから魔獣を1匹だけ自宅に転移させて記録係に1時間だけ隠蔽して守らせた。巻き添えなら殺しても許されるということが不可解だった。そのため条件を聞いたの。間違いなく精神を持っていると考えていたからね。
1.女王と関係者は世界のための存在であり敵対することは許されない。
2.女王は他の女王とその関係者を世界の力では殺せない。
3.女王と関係者は他の女王とその関係者を直接殺すことは許されない。
4.女王候補だと考えられる存在に女王と関係者が直接関与することは許されない。
5.女王候補を決める儀式を中断させるのは許されない。
実験を真似ていると分かり更に聞いたの。条件の追加は可能なのかとね。その返事が世界と敵対しないのであれば可能だと言うので条件を追加しておいた。
6.世界と敵対した女王と予備の体は世界が消す。
8.封印されている女王は資質なしのため予備の体と共に世界が消す。
9.命を放棄し魔石で言動する存在は世界が消す。
10.世界から星の外に逃げ隠れしている存在は世界が消す。
11.他の星からこの星を侵略する目的で来た存在は世界が消す。
12.世界の出来事を記録するために必要な力以外は世界が消す。
13.世界が女王を決めるため女王候補は存在しない。
14.女王の関係者は女王の判断により白紙にできる。
15.女王が目標とする世界を作るために必要な知識を求められたら提供する。
リア、未知の力を使う相手に敵対すると考えたので退場だよ。私の記憶を見た意味がないし思考把握を理解していない。ましてや相手が女王や記録係だと知っていて敵対を考えたのだから最悪の結末もあり得た。それに畑の範囲が狭くなった理由を考えれば分かるでしょ。女王に命を捧げている関係者から命を一切削るなという命令はできない。それに無知を装うことにも意味がある。未熟な女王が必死に逃げる様を演出した。恐怖に怯え命を削り安全な場所を用意しているように思わせた。そのあと記録係に条件を追加した。条件が増えていけば戦いが複雑になって面白いと考えたに違いないからね。あとはお母さんに任せるよ。」
「リア、あなたは思考把握して気に入らない存在を殺すことができる。そして記録係がリアの思考を記録していない保証はない。つまり敵対する思考で消された可能性がある。それにあなたは私とクロアの話し合いも聞かず自分の思考に没頭していた。大切な話し合いも聞けない赤ちゃんなら戦うことなど考える必要もない。クロアが1つ判断を間違えただけで皆殺しにされていたよ。リア、あなたが今考えなければならないことは何なの?」
お母さんと姉さんの口調は厳しいけれど、怒っていない。指導されているだけで2人にとっては想定内。だけどそれが家族の命を左右する問題だったので反省しろという事だと思う。お母さんと姉さんが動いているので大丈夫だと判断して思考し続けた。それがどのような結果を生むのかまでは考えずに…。
姉さんが私もあの場に連れていったのは見せるためなのだと思う。命を無駄にし命で検証することしかできない無知な存在が消える瞬間。この世界に何も残らない。声や感情すら残らない。
本人すら消されたことを知らないと思う…。
「リオリナが4本の足で歩いて走れるようになることです…。」
「分かっているのならいいよ。だけど感情把握と思考把握は禁止と言ったはずよ。自分で考えて相手のためになる行動をしなさい。リオリナは襲われ不安になっている。だから緊急事態だと判断したと思うけれど、結界内では魔法で得た情報を元に行動するのはやめなさい。相手の気持ちを考えられなくなる。今のリアができるリオリナを思い遣る最善だと思うことは何?」
緊急事態だからこそリオリナのためになることを私が考えなければならないのにリオリナから得られる情報で行動を決めようとしていた。リオリナが最も安心してくれる方法を知っているのに魔法に頼ってしまっている。それを続ければ魔法で得た情報だけを信じて行動することしかできない馬鹿になる。
「リオリナが大丈夫だと私が判断するまで一緒に寝る。」
「それでいいよ。リオリナを見てリアが決める。リオリナが素直に望みを口にするのか、思考するのか考えるまでもない。痛みを一切悟らせずに2週間あなたと散歩した事実だけで十分でしょ。行きなさい。」
お母さんに返事しながら自室に入り乗馬服に着替える。そして姉さんに「起きられなかったら起こして!」と言ってリオリナの馬房に転移してすぐに感情把握を切る。
リオリナは私を見て驚いているみたいだけれど、関係なしに背中に抱きつく。
「リア様、突然どうなされたのですか?寝る前に話しかけてくださる約束のはずですが…。」
「朝になったら起こしてね。姉さんが睡眠を解くようにしてくれたから起きられるはずだよ。それで今日はたくさん失敗したからリオリナと一緒に眠りたかった。リオリナの背中で眠ると心が安らぐから…。反省することばかりだけれど、今の私では反省することもできない。だからリオリナが4本の足で歩いたり走ったりできるようになるまでは他のことは何も考えない。歩けるようになったら私がどのようにすればよかったのか一緒に考えて。」
リオリナの背中に抱きつくと自分の気持ちがそのまま口に出てしまう。自分で考えるべきこともリオリナに手伝ってもらおうとしている。このままだとリオリナに私の負担を背負わせてしまう…。
すぐに自信をなくし自分を見失う。だからお母さんはリオリナのことだけを考えろと指示したのかもしれない。
「ごめん…。余計なことを言ったね…。私の愚痴は気にしなくてもいいから練習して歩けるように頑張ろう。暫くは他のことを考えたくないの。」
「分かりました。明日中には歩けるようになります。そのときに反省している内容を話してください。私が考えますのでリア様は背中で休んでいてください。」
何故そのようなことを言うの?
私の話を聞くためだけに無理して歩く気がする。心の傷を残したまま無理に歩けば悪化すると思う。それだけは避けなければならない。
「分かったよ。歩く練習している間に私が話すから無理して歩かないで。時間はあるからゆっくりでいいの。私の話を聞き終えた後に歩けなくなる気がするので駄目だよ。ゆっくり話すのでゆっくり練習しながら考えて。それならいいでしょ?」
「駄目です。落ち込んでいるリア様をこのままにはしておけません。必ず歩きますので全て話して一緒に考えましょう。絶対に歩きます!」
今の私ではリオリナに嘘を吐かれたら分からないね…。
「嘘を吐かない。無理をしない。言いたいことを我慢せずに言う。それを破り私が怒られてもそれについてはリオリナに内容を教えない。私の反省内容が増えて川の中で歩く練習に戻るから。偽るつもりならお母さんと姉さんも含めてよ。」
「リア様を偽るつもりなどありません。私が3本の足で歩き続けたからですね。明日の朝からは川の中で感覚を身に沁み込ませます。お昼過ぎからは4本の足で好きな場所を散歩しましょう。絶対に話を聞かせてもらいます。そして私はリオ様が背に乗り続けてくださる限り4本の足で歩き続けます。」
了承の返事をしてリオリナの背で目を閉じた。リオリナに集中しよう。すぐに自分を見失い何も考えることができないのに一番難しい問題を考えてしまった。お母さんと姉さんが何を話しているのかが大切なことなのにそれすら聞かずに自分の思考に没頭してしまった。
これではお母さんを変えることなどできるはずがない。お母さんが自分で変えられないという言葉には2つの意味があった。姉さんに命を助けられた恩を返そうとする思い。姉さんに命を捧げていなければ家族を守れないという思い。このままではお母さんを変えられるはずがない。私たちが成長しなければ問題が起きても命を削って対処することしかできないのだから。
だから私は1つずつ考え成長していく。リオリナと一緒に学べることもたくさんあるに違いない。歩けるようになれば問題を解決したのではない。リオリナと散歩しなくなるのではない。
私もリオリナと一緒に前に歩く。赤ん坊の私はリオリナの背に乗せてもらって歩いた方が早い。
それにリオリナと一緒に歩いていきたい!
行動しなければ変われません。




