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世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

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第46話 新たな道

「ディアとロディ、よく聞きなさい!まずはいつもの場所に戻りなさい。そこでディアは私が許可するまで動かず記憶も見ない。ロディはディアとクリスへの強制命令と思考誘導を確認。そして私への思考誘導と体内を確認。そのあとお母さんとフィオナ姉さんへの強制命令と思考誘導と体内を確認。それと2人には能力が付与されている気がするから確認してみて。そしてお店の従業員たちの思考誘導と体内を確認。それでは行動開始!」


 突然お姉ちゃんと念話が繋がって指示が出た。

 空間庫と研究所の完成を喜んでた私とロディは一瞬顔を見合わせた。


「クリスは空間庫と研究所を更に使いやすくする案を考えていて。お姉ちゃんの念話でロディは仕事がいっぱいだよ。私もお姉ちゃんと代わることになると思う。」

「分かったよ。最高の案を考えておくからね。」

「それでは先に行きます。ディアは念話通りにお願いしますね。」


 ロディは発言後すぐに転移した。


 お姉ちゃんが敵の侵入を許すはずがないし気づかないはずがない。だけどそれができるようになったのはリン(自己回復)がお店で食事した以降に違いない。その間に何かされてるのだと思う。


 とりあえずお姉ちゃんの指示に従うのが最善だね。


 仮想体を消せばすぐに戻れるけど、仮想体で得た知識や経験なども一緒に消えてしまう。

 残すには頭に戻る必要がある。


「クリス、転移するよ。」

「分かった。よろしくね。」


≪転移≫

いつもの場所に移動する


◇◇◇

体の中。


 能力たちが作った部屋ではなく自由に集まって話してた場所がいつもの場所と呼ばれてる。この場所からだと人格の交代もできる。

 ロディはどのような感じなのか聞いてないけど私とお姉ちゃんは間違いなくクローディアだから簡単に交代できる。

 能力たちはクローディア(この体の主)の許可がなければ交代できない。私が全能力に許可を出したのは最悪な行為だった。だから同じような失敗をしないように勉強してる。

 それに私もロディと同じことができるようになりたい。ロディは敵ではないけど私にとって絶対に味方なのはお姉ちゃんだけだから。


 移動するとお姉ちゃんの分身が立ってた。

 ロディの分身も立ってる。私も無言でロディの隣に立った。


 クリスはお姉ちゃんの分身に軽く手を挙げるとお姉ちゃんの分身も軽く手を挙げた。そして計画などを考える部屋に向かって歩いてく。

 空間庫と研究所の移動や隠蔽についてクリスと一緒に考えたから頭が凄くいいのが分かった。今は余計なことを話すときではないと判断したみたいだね。


 お姉ちゃんが敵を処分するときは悪足搔きさせない。リュウとリンも同様にさせてない。だけど2人は何もできないことを知ってるから事前に何か仕掛けてる可能性が高い。

 強制命令には時間制限がある。時間の検証はしてないけど1日で確実に消える。だから残ってる可能性のある人を確認してるはず。

 命令された側は抗えない限り行動し終えた後に気づく。少しでも抗ってから命令を受けた場合は抗ったことが記憶に残るのか分からない。


 お姉ちゃんがリュウとリンの記憶を確認しなかったのは時間の無駄だと考えたから。何か仕掛けた記憶を消す前に思考誘導で思い出せるようにしてたはず。だけど能力を使わせると何が起きるのか分からない。自己回復の力を悪用されると危険すぎるからお姉ちゃんの判断は正しいと思う。


「クロアとクリスは何もされていません。ディアに強制命令が出されています。自宅でクロアを馬鹿にするお母さんとフィオナさんの殺害です。お母さんとフィオナさんはお店での食事後に自宅でクズドラゴンを演じろと強制命令が出されています。そしてリュウに傷を負わされたときは回復魔法を使えと強制命令が出されています。クロアの予想通り2人とも魔法が付与されています。中には飛行魔法と回復魔法がありましたが回復魔法には繋げて魔力拡散器の5を使えと強制命令まで入っています。お店はお弟子さん2人の魔力器の中に魔石が入っています。魔石には違う魔力に触れたら爆破すると精神が貼り付けられています。お店の従業員たちは爆破の原因をクローディアにすると思考誘導が付与されています。」


 ロディの分身が話した。

 分身魔法は未完成だけど本体と繋がってるから分身に話せば本体に伝わる。今の段階では分身を自由自在に動かすことはできないけど話すことならできる。

 仮想体の分身でも本体が消えたら分身も消える。結界の外に出るときに分身しないのは魔力の繋がりが見えてしまうから。隠蔽できるようになったとしても隠すものは少ない方がいいに決まってる。それに分身が知識や経験などを本体に残すことができるのかも検証できてない。これから考えてく魔法だね。


 それにしても強制命令に抗ってから受けたのかそうでないのかは分からないけどイラつく。2人か片方がお姉ちゃんと交渉するつもりだったのかもしれない。

 私に何か仕掛けられていて対処不可だと判断したらお姉ちゃんは交渉に応じる。


 お姉ちゃんは私に優しすぎるから…。

 私もお姉ちゃんのために頑張るからね!


「ディアの強制命令を解除、お店の従業員の思考誘導を解除、お母さんとフィオナ姉さんから回復魔法を消して。そして強制命令も同時に消えるのか確認。結果を報告してからお母さん2人とアディとローアも確認してきて。」

「はい。分かりました!」


 仮想体のリュウでは交渉材料にはならない。お姉ちゃんが勝手な行動を許すはずがないから。生き残ってる人形のリュウが結界内に入れられてるのかもしれない。あの馬鹿は魔力器の大きさと研究所らしき場所にいるのかどうかだけでしか判断してない。

 生き残ってる敵も大勢いる可能性があるという事だね。非常に面倒だけど結界内を綺麗にしてから考えればいい。


「お姉ちゃん、リンの交渉?それとも悪足搔き?」

「最低な方法だけれど、確実に交渉だよ。リンは親玉(クズドラゴン)の裏に誰かがいるとは考えていなかった。自分を束縛しているのは親玉だけだと考えていた。だから作戦が成功すれば自由になれると思っていた。だけど精神が濁っていることを私に指摘されるのかもしれない。それでも自由になるために結界内を爆弾だらけにしていると思う。爆弾の設置にはリュウが使われていた可能性が高い。そして2人とも記憶消去すれば分からない。リンが思考誘導で記憶を思い出すのは私に消されそうになったときだとしていたはず。リンが戸惑っていたのは演技ではなかったみたいだね。何か仕掛けているはずなのに何も思い出せないから。リュウは作戦中に何かを姉さんのベッドの下に転移させた。強制命令から人形のリュウだと判断できた。そろそろ辛いから途中でディアに代わるね。好きなように記憶を見て考えていいよ。」


 今日はリュウがお店に行く予定だった。お姉ちゃんがお店で最後まで食事したのは不自然な行動をしないようにするためだね。何が切っ掛けで誰が爆破されるのか分からないから。お姉ちゃんはリュウとリンを消したことを敵に隠してる。今でも下手くそな魔法なのはそのため。

 お姉ちゃんが能力を得たのは作戦開始の少し前。大きな動きはできないね。だけど能力を得た直後にリュウと同じ魔法を使って維持してるのは意味が分からない。

 敵がリュウやリンに強制命令したことまで想定してる。だけどお姉ちゃんの考えてることは絶対にこれだけではない。


「任せてよ!お姉ちゃんは転移されてきた人形が敵側なのかリンの指示なのか分からないから慎重に動いてる。そして結界や索敵魔法を変えないのはリュウとリンを消したことを敵に隠すためだね。」

「ディア、それだけでは考えが甘いよ。リンは精神を貼り付けることができることを隠していた。警戒心が強いリンの力を得ることができたのはリュウが自分とリンを魔石に入れたから。その結果、魔石を通って私の精神を通り記憶を見に行く魔力の流れが不自然にならない。その魔力が魔石から記憶と精神以外を複写して私に届けているとは思わない。だけど私には力がなく相手は好きなだけ仕掛けることができる状況が続いていた。1人も死なせたくないのであれば絶対に油断したり慢心してはいけない。私は精神の奥にいた人形にもリュウとリンにも隙は見せていない。ディアはリュウかリンと話しているときに隙を見せているでしょ。強制命令は言葉ではなく念話に近い魔法だよ。抗う力があったとしても隙があれば受け入れてしまう。クリスを説教しに行くときにリュウかリンと話していない?」


 リュウとリンを魔石に移動させたのは2人の能力を安全に確実に得るためだったんだ。2人も魔石を精神の奥に固定して無敵紙で守るとまで言われたらお姉ちゃんが自分たちを信じてると疑わない。

 お姉ちゃんはリュウとリンが味方だったとしても能力を得て隠してたに違いない。お姉ちゃんには隙も油断も慢心もない。

 それに比べて作戦終了後の私は怒っていてクリスを説教することしか考えてなかった。強制命令を知ってたのに自分がされるとは考えてもない。誰が見ても隙だらけ。リュウやリンが見れば絶対に強制命令が成功すると思えたはずだよ…。


「隙だらけでクリスを説教する前に2人と話してるよ。」

「相手の能力を完全に把握している状態でもなく敵か味方か判断できないときは隙を見せてはいけない。今日も勉強しなさい。」

「お母さんとフィオナさんの回復魔法を消したところ強制命令も消えました。お母さん2人を見てきます。」


 魔法に繋げてると強制命令は消えないのかな。それとも能力に強制命令を入れてるから消えないのかもしれない。お母さん2人にも付与されてたら全てのドラゴンに付与されてた能力だという事になる。だけど何か違和感があるんだよね…。


「ディアは結界を自由に張れる?」

「状況に応じて必要な力を足した結界なら自由に張れるよ。」


 爆弾処理の結界を私に任せるつもりだね。


「爆弾を処理する結界は隠蔽、音と空気と光の遮断、耐物理、耐魔法を4重以上で張ること。爆弾の中に魔法陣が入っているのかもしれない。爆破だけが魔石の脅威ではないよ。それに光や音で爆破するように精神が貼り付けられている臓器や魔石があるのかもしれない。爆風が漏れたら家が壊れる危険がある。あらゆる可能性を考えなさい。」

「分かった。結界内の住人には爆弾処理を絶対に気づかせないよ。」

「お母さん2人にも回復魔法と強制命令が付与されていましたので消してきました。アディとローアは問題ありません。次は何をしますか?」


 違和感の正体が分かった!


 魔力拡散器と名付けたのはお姉ちゃん達だよ。敵側が何とよんでるのか知らない。リンから情報を得た敵は念話のように能力を付与できる可能性がある。全てのドラゴンに付与されてるのか判断できる情報ではないね。


「ロディ、私の魔法から結界をお母さんとフィオナ姉さんの魔法に入れてから強制命令でクローディアが自宅から去ったら結界を張り続けるようにして。そのあと隠蔽してフィオナ姉さんのベッドの下に隠れているリュウに出されている強制命令を確認。強制命令を追加しても問題なければクローディアの計画通りだと知ったら戦意喪失するようにして。そして全身を確認。精神が貼り付けられているのかもしれないし自爆させるための魔石が埋め込まれているのかもしれないから。」

「分かりました。行ってきます!」


 お姉ちゃんは結界を用意して2人に張らせるんだね。リュウに付与されてる強制命令が分かってるような指示だね。人形のリュウを転移してきた理由は私でも想像できる。


 不愉快だよ!


「ディア、何か不審な点はある?」

「あるよ。魔力拡散器と敵もよんでるのか分からない。敵は念話のように魔法を付与することができる。そしてお姉ちゃんは人形の存在理由をある程度把握してる。」


 お姉ちゃんの思考力を使って同じ記憶を使って考えてるのに追いつけない。

 年齢による差と経験による差が大きいね。


 だけど経験してほしくなかったよ…。


「正解。更に気づいてほしいのがリュウが張っている結界は転移であれば何でも自由に出入りできてしまう。そしてリュウはリンの指示に絶対服従するように思考誘導が付与されていたと思う。リンの魔法は気にしない、リンの指示なら気にしない、といった具合にね。今晩中に全員検査。結界も変更する。リュウはリンを双子の姉だと思っていたから疑わない。連れてこられたリュウの目的は何だと思う?」

「全ての罪をリュウに擦り付けるための存在だと思う。」


 本当の姉妹かどうなのかは分からないけど妹を利用して自分だけ助かろうとするのが許せない。

 お姉ちゃんは悪意を持つ気体を閉じ込めることを優先した。だからリンの人形にされてるリュウに指示を追加しなかった。指示を追加しないことでリュウを信じてると思い込ませた。それを見てるリンもお姉ちゃんは自分たちを信じてると思い込んだ。だから悪意を持つ気体と親玉を排除して作戦終了としたことでリュウとリンは油断し慢心した。大きな隙を見せた。


 だからリュウとリンを悪足搔きさせずに消せた。


 世界中に人形が散っていても後から消せばいい。結界内の人を死なせないことが絶対で、それがお姉ちゃんの戦い方だから。


「リンは魔法が使えることを隠していた。記憶消去できるのはリュウだけ。精神を作って貼り付ける方法もリュウは知っていたのかもしれない。大変な作業になるけれど、指揮を任せてもいい?倒れる前に体の中に入りたい。私が倒れたら維持している魔法が消えて無防備な状態になるから。」

「大丈夫だよ!お姉ちゃんと情報共有しながら全員確認する。作業量が多いのはロディだけど今後は同じことができるように勉強するから。お母さん達の相手は私に任せて。自宅から出て転移して自室の地下室に移動して更に自身も隠蔽するよ。」


 お姉ちゃんが守ってる人を誰も死なせない。

 命懸けで守ってきたのだから。


 いつの間にか分身ロディの手に魔石が2つある。魔石の中身は分かってる。爆破させないためだね。ロディの魔力操作は強力すぎるね。絶対に追いつき追い越したい!


「人形のリュウはベッドの上で横になっていました。魔石から記憶を抜くと爆破するのが当前になっていますので魔石に複写しました。記憶と精神を複写した魔石とそれ以外を複写した魔石の2つです。記憶を魔法で見たり抜くと爆破するようになっています。強制命令は魔力器をお母さんかフィオナさんから手渡しでもらい取り換えること。そして強制命令を使って回復魔法をお母さんかフィオナさんに使わせることです。強制命令の追加は問題ないと判断しました。リュウは人形に自分の記憶を複写しています。そのあとに『お前の魔力器は小さいからドラゴンと交換しろ。そして秘密基地を一緒に作るぞ。クロアを殺すには研究が必要だ。あいつは危険だから絶対に油断するなよ。作戦は記憶通りだ』と言っています。作戦はクローディアが怒って自宅から出たあとに行動すること。秘密基地は自宅の地下に作ること。お母さんとフィオナさんは強制命令でクズドラゴンになっている。クローディアがお母さんかフィオナさんを殺したら逃げることです。能力はリュウの魔法が全てと感情把握です。精神に問題ありません。体内も問題ありません。魔力器の中にも魔石は入っていません。魔力器はドラゴンと同じ大きさです。」


 魔力拡散器の5が危険なのは分かったけど単純すぎないかな。


 罪を擦り付けるために簡単なことしか命令しなかった。それとも何かが隠されてるのかな。

 爆破する魔石を仕掛けてる記憶が入ってるのは分かるけど絶対に全てではない。消されてる記憶もあるはずだから見る必要はない。魔力器がドラゴンと同じ大きさなら怪我をさせて回復魔法を使わせるのが目的だね。

 人形のリュウをどのようにして確保したのだろう。無敵紙で包んで隠してたのかな…。


「お姉ちゃん、人形のリュウを取得した経緯を知ってる?作戦開始前に人形のリュウを敵側の研究所から盗むしかない。そして無敵紙で包んでないと破壊される。もしかしてクリスを助けたときに追ってきた人形の1体かな。」

「私もそうだと思っているよ。1体は記憶を消したら爆破した。だからもう1体は封印して近くに転移しておいた。そして2体とも突然消えたと嘘を吐かせた。それとロディ、今まで指示してきた体内の確認で魔力器に精神が貼り付けられているのか確認している?忘れていたのであればお母さんとフィオナ姉さんと人形のリュウをまずは確認して。念のために魔力の主も確認しないと駄目だよ。」


 人形のリュウについてはお姉ちゃんも予想しかできないわけだね。


 ロディは魔力器に精神があるのは当然だと考えてる。精神の位置が分かるのはおかしいはずなのに魔力器に関してロディは自信がある。それが油断に繋がったんだね。


「えっ!?あー!精神があるのが普通だと…。閉じ込められていない…。んー、えっと…。」

「ロディ、落ち着きなさい!確認しなかった私が悪い。だけど全てが終わったら3人で反省会だからね。思い込みは捨てなさい。冷静に行動すること。再確認してきなさい!」


 ロディがこれほど取り乱すのを初めて見た。お姉ちゃんを見習ってるから。

 何で私も反省会に強制参加なのかな。隙がなくても絶対に抗えないよね…。


「はい。分かりました!」


 人形のリュウだけが残されてる状況を想定されてない。リンの性格だと絶対に自爆させると思うけどロディがそれについて報告しないのでおかしいと感じた。

 私はロディに確認漏れがあるとは考えてなかった。信じることは問題ないけど一緒に考えなければいけなかった。

 お姉ちゃんもロディは信じてる。だけど報告について考え続けてた。私もロディもお姉ちゃんに追いつくのは大変だね。


「ディア、もうすぐ自宅で話し合いが始まる。分身を維持しているのも辛くなってきた。分身を解除して体の中に入りたいからお願い。」

「分かった。ここから先は任せてよ!」


◇◇◇

交代後。


 自宅のリビングでお母さんとフィオナ姉ちゃんが隣同士で椅子に座り私を見てる。強制命令で動いてるなら話し合いは絶対にする必要がある。私をお風呂に行かせてくれないはず。

 一応確認しておいた方がいいね。


「お姉ちゃんは疲れて倒れたよ。お風呂に入ってくるね。」

「クロアもだらしないわね。代わりに早く座りなさい。」

「本当だよ。私たちに黙って倒れるとかおかしいよ。」


<2人とも魔力を使ったら爆破でした…。消しました>

≪大反省会だね…。隠れてる人形もよろしく≫


 椅子に座り2人に少し怒りを向ける。人形のリュウが感情把握で見てる可能性があるから。

 それにしてもクズドラゴンに恐怖はないのかな。私が3歳児の思考力のだったら瞬殺だよ。


「お姉ちゃんを馬鹿にしたと判断するよ?」

「馬鹿に何てしていないわ。ディアより早く寝たクロアが悪いのよ。」

「3歳児より早寝とか中々だね。ディアも眠たいのでしょ?」


<クローディアに見つかると爆破でした。消しました>

≪お母さん2人とアディとローアも確認して。そのあとお店の人だよ。朝になる前に絶対に終わらす。誰も死なせない≫


 強制命令だと分かっていてもイラつく!


「死にたくて煽ってるの?」

「違うわよ。ディアでも私たちに魔法を教えられるの?クロアが全て奪ったと言っていたわ。」

「そうだよ。独り占めはよくないよ!」


<お母さん2人も魔力を使用したら爆破でした…。消しました。アディとローアは爆破音を聞くと爆破でした…。消しました。お店に行ってきます>

≪ロディ、気を落とす必要はないよ。私は何もできないのだから。これから勉強しよう。その前に説教だけどね≫

<大説教だよ!簡単に終わらせようとしないこと。陽が出そうになったら結界で遮光するから慌てない。まずは人形のリュウを排除しなさい!>


 説教が簡単に終わらないと言われた気がした。

 終わらないよね…。


 リュウとリンがいないと知ったら隠れてる人形のリュウがどのように動くのか分からない。だけどクズドラゴンの相手は本当にイラつく。

 能力は私があげたことにした方が人形も油断すると思う。お姉ちゃんの結界をリュウが理解できるはずがない。私も自信がないけどね…。


「全て奪ったけどリュウとリンは人だよ。能力ではない。それに煩い2人にお似合いの魔法をあげたよ。お姉ちゃんが命懸けで守ってきた2人がクズドラゴンだったのは非常に残念だね。」

「母に何て酷いことを言うのかしら。それにこれは何なの?何も見えないわよ。」

「私たちを馬鹿にしすぎだよ。中身のない空の魔法でも渡せばいいと思ったの?」


 激怒する可能性がある私から守ることを想定した結界なのかな。

 お姉ちゃんの魔法には全く無駄がない。洗練されていて今の私では真似もできないよ。


 普段寝てる振りをしてどれほど考えてるのかな。お姉ちゃんが短時間で作った結界を見るだけで力の差がはっきりと分かる。お姉ちゃんの本気がどのくらいの強さなのか分からない。精神が万全ならロディの仕事も1人で終わらせてしまいそうな気がするよ。


<お店の人たちは爆破音により爆破でした。消しました>

≪ロディ、ありがとう。一旦休憩していて。お姉ちゃん、何でこのような魔法が作れるの?それに私も知らない魔法が結界に付与されてるよ≫

<勉強しないから理解できないの。使える魔法でも調べて理解しなさい。知らない魔法だけは教えてあげる。強制命令の反射だよ>


 それは先程まで知らなかった魔法だよね…。防ぐならまだ分かるけど反射はおかしい。お姉ちゃんが雑に跳ね返すはずがない。使用者の頭にぶつける完璧な反射だと思う。


≪ロディ、強制命令が通る魔力と声が通る魔力は違うの?≫

<はい。強制命令は一方通行です。ですが念話は相互通行です。そして必ず先に相手の頭に魔力の線を繋げます。強制命令は相手が抗っている間は線が繋がれたままです。念話はどちらかが繋がりを切らない限り繋がったままです。クロアが強制命令を抗ったときは繋がれた魔力の上に念話の線を通して邪魔するなと人形に伝えたのです>


 お姉ちゃんに攻撃したら居場所が特定される。


 敵はそれを想定してるから直接攻撃してこないとするとかなり強い。親玉を利用してお姉ちゃんの実力を測ってたのかもしれない。そしてお姉ちゃんはそれを理解して実力を隠し続けてる。

 私の予想通りならお姉ちゃんはまだ勝てないと判断してる。実力が均衡してるように見せかけて時間を稼いでる気がする。


≪それだと絶対に強制命令を返せるわけではないよね。もしかして結界に感情把握まで付与されてるの?魔力の複写も必要だよね。人形に強制命令が効くのか試験しておきたいの?≫

<それもあるけれど、人形の動きを把握してから確保したい。戦意喪失させて魔石の精神をロディが消すことによってね。魔石を外したら爆破するのかもしれないから。私たちは全種族を知っているわけではないから索敵と感情把握では人形だと判断できない。直接頭の中を見るしかない。私たちに関与した人は敵に殺されるのかもしれない。そして人間に化けるのに特化した人形が周りに増えていく。敵の正体も居場所も分からないから人を集めることができない。敵を根絶やしにするまでクローディアは全力だよ。敵を初代クローディアかそれ以上だと想定しておきなさい!>


 敵の強さは私の予想以上。

 

 今の私は弱すぎるね…。

 だけど絶対にお姉ちゃんを手助けできるくらいに強くなる!


≪はい!≫

<はい!>


 人形の頭に魔石を入れたら自由に動く。それが仮想体のリュウのようであれば脅威だよ。リュウを知ってるからこそ確認しておきたい。お姉ちゃんは家族や仲間で試験しない。それに消されるのが前提の精神と過去の自分を重ねてしまうから…。


「見えないの?魔法を使う資格がないね。馬鹿には見えないから。」

「ふざけるのもいい加減にしなさい!早く魔法を全て渡しなさい!」

「調子に乗ってるね。大人を馬鹿にしすぎだよ!」


 そろそろ強く怒ろう。少し威圧が出るかもしれないけど耐えてよ。


「私を舐めてるの?殺すよ?」

「強いくらいでいい気にならないでちょうだい。私はあなたの母なのよ!」

「そうだよ。私もあなたの姉だよ!」


 真似が上手すぎて本性にしか見えないよ。フィオナ姉ちゃんはお母さんの言葉に合わせてる感じがするけどお母さんに違和感を覚えない。強制命令が解けたときに違いが出るのかもしれない。


 さて、終わりにしよう…。


「馬鹿にしておいて家族の情に訴えるとか下らない。ここで好きに暮らせば。」


 席を立って玄関に向かって歩く。


「待ちなさい。話は終わっていないわよ。魔法を渡しなさい!」

「そうよ。出ていくなら魔法を渡してからにしてよ!」


 クズドラゴンは最後まで強欲だね。


「煩い屑だね。強欲すぎて笑えないよ。」


 玄関のドアを開けて飛行する。追いかけてきたのか下には2人が見える。何か言ってるみたいだけど私の耳が聞くのを拒否してるみたい。


≪転移≫

自室の地下室に移動した


隠蔽(ハイディング)


 地下室の階段を上り少しだけドアを開ける。

 拍手する音が聞こえる。


「すげえな。マジで作戦通りじゃねえか。笑うのを我慢するのが大変だったぜ。」


 リュウの声と話し方だ。笑うこともできるみたい。


「あなたは誰なの?」

「お母さん、俺が分からねえのか?リュウだよ。今日は最高の夜だな!」

「どこが最高の夜なのよ。私たちには最低の夜だよ!」


 強欲クズドラゴンが続いてるみたいだね。


「あれだけ言って殺されてねえのは運が良いと思うぜ。俺はこれからどのように行動すればいいんだ?クロアの中にいる俺から連絡がねえ。あの感じだと生きているな。念話できる相手も指定するつもりなのかもしれねえ。2人はクロアの中で俺が生きていると思うか?」


 自由度が高すぎる。魔石を置いただけの人形だとは思えない。


≪途轍もない技術だよ。人と何が違うのかな≫

<そうですね。人と判断してしまいます>

<敵の技術力が恐ろしいね>


「知らないわよ。人と言われていたわね。あなたは人なの?」

「何をする気なの?早く出ていってよ!」


 リュウが手を叩いた。

 お母さんとフィオナ姉ちゃんの強制命令を解除した。演出が好きみたいだね。

 だけどロディが追加した強制命令が解除されてないのは分からないみたい。やっぱり同じ魔法でも技術による差が大きい。魔力単体を見ることができるロディの魔法も洗練されてるからね。


「現実を教えてやったんだから感謝しろよ。とりあえず魔力器を寄越せ。この体にはドラゴンのが入ってねえみたいだからな。2人とも回復すれば治るだろ。早く寄越さねえと無理やり奪うぜ。」

「無理やり奪う方法でもあるのかしら?私たちがおかしかったのもそれが原因なのでしょ?」


 泣き声がする…。

 フィオナ姉ちゃんだ。


「お前ら作戦中なのにお喋りしていただろ。うぜえから強制命令しておいたぜ。理由なんてどうでもいいんだよ。クロア殺さねえと殺されるだろ。それにクロアの中の俺に殺されるとか最悪じゃねえか。今から秘密基地を作るから2人は助手をしろ。フィオナ、泣いてんじゃねえよ。あれだけ馬鹿にしたら出ていくぜ。お前の自業自得だよ。魔力器を寄越す気がねえのなら命令するぞ。」

「私のを奪いなさい。やれるものならやってみなさい!」


 お姉ちゃんの結界がなければやられるよ。今まで強制命令で動いてたのを忘れたの?それにリュウの性格だとフィオナ姉ちゃんが狙われる。もしかしてお母さんはそれを計算した…?


 クズドラゴン演技のせいでお母さんを悪く感じてしまうよ。


「いい覚悟だねえ。フィオナに決定だ!痛みで泣き喚くなよ。」


 予想通りだよ…。


 ズブッと音がした。クチャクチャと嫌な音が続く…。

 お姉ちゃんが魔獣に食べられてたときを思い出すよ。


≪体の中までかなり再現されてる気がする≫

<嫌な記憶が蘇ります。すみません…。伝えていませんでした。魔力拡散器はありませんでしたが体内は人とほとんど変わりません。機能まで同じなのかは分かりませんが見た目では区別がつきません>

<それなのに頭の中には魔石だけなの?>


 リュウは本当に世界中の魔石を集めたのかな。


 人形の頭に入ってる魔石を隠蔽したら感情把握ですぐに分かる。魔石の魔力を抜いて爆発もしてない。それに魔力器のない種族がいるのであれば感情のある魔石は魔石だと分からない。

 重要な知識を持つ研究員の人形はかなり残ってると考えた方がよさそう。地上に人形だけの国があって研究を続けていても驚かないよ。


<はい。魔石だけです>

≪お姉ちゃん、人形がかなり残ってると思う≫

<人形を殲滅する方法も考えるけれど、まだ敵を追い詰めては駄目だからね。とにかく難しいことは後にして、今は結界内を綺麗にすることに集中だよ>


 時間稼ぎを優先するという事だね。

 追い詰めた結果、敵が攻めてきて負けたら意味がない。


「あなたは何をしているの!?」

「なんだよこれは!?強制命令の重ね掛けはできねえのか!?ふざけんじゃねえぞ!クロアの中の俺も殺すことに決定だ!」


 自分で強制命令を解除したことも忘れて激怒してる。ロディの強制命令が残ってるのを理解してるとは思えない。

 これがリュウの隠してた本性だね。簡単に自分を殺すことを決定してる。お姉ちゃんはこのような人をうまく利用して戦ってたんだ。


 見てるとお姉ちゃんの苦労が伝わってくるようで悲しくなる。


≪そろそろ終わらせる?≫

<人形が回復魔法を使うのか待ってからにしなさい>


「人形は痛みがねえからな。回復するか…。フィオナ煩せえよ!いつまで泣いてんだ!」

「グズッ…、私のせいで家族を失ったんだよ。ズズッ…、能力は全て邪魔だとクロアの言った通りだよ。死んじゃえ!」


≪お姉ちゃん、出ていくよ!≫

<全力で心を折りなさい!>


≪転移≫

自室のドアの前に移動した


 ドアを開けて拍手しながら登場してみた。皆の視線が私に集まってるね。

 リビングが血塗れでリュウは手に魔力器を持ってる。お腹に傷はないから回復できたみたいだけど人形が臓器を回復するのはおかしいよ…。


 考えるのはやめて終わらすのを優先だね。


「命令通りに動かされた気分はどのような感じなの。リュウがリュウに強制命令するとか酷いよ。そのあとフィオナ姉ちゃんのベッドの下で放置だからね。これが君の作戦通りなの?お姉ちゃんの作戦通りではあるけどね。人形が欲しくて強制命令したんだよ。手に持ってる魔力器はドラゴンと一緒の大きさだよ。実験用に増やしてくれたのかな?私の中にいるはずのリュウから念話が届かないみたいだね。何でかな?強制命令が反射されたね。何でかな?一緒に秘密基地を作るんだよね。研究してお姉ちゃんを殺すんだよね。私が怒って外に出たら作戦開始だよね。作戦終了は何かな?」


≪ロディ、準備しておいて≫

<はい。任せてください!>


「全てバレてやがるじゃねえか。油断とか関係ねえな…。早く殺せよ。」


≪表情が人と一緒にしか見えない。瞬きまでする。目も動いてるし口を動かして話してる。頭に魔石が入ってると知らなければ分からないよ。ロディ、精神を消して≫

<はい。分かりました>

<今後は全身検査が必須になるね>


「今すぐ殺してあげるから安心してよ。拷問もなし。君もクズの被害者だよ。」

「何がひが…。」


 精神を消されて倒れそうになった人形のリュウを手で支えた。もう片方の手で持ってる魔力器も落とさないようにした。

 体温は感じない。よく見ると人の皮とは違うように感じる。だけど血の臭いは同じに思える。考えるほど気持ち悪くなる…。


 お姉ちゃんが考えるのを後にすると言った理由がよく分かる。


浄化(ピュリフィケーション)

人形のリュウとリビングを綺麗にした


 人形を私たちの手に渡すことが敵の罠なのかもしれない。


≪ロディ、魔力器に悪意のある気体が隠れてたりしない?≫

<はい。大丈夫です。追跡用の魔石もありませんでした>

<2人とも勉強しているね>


隠蔽転移(ハイディング)

研究所に人形のリュウと魔力器を移動した


≪お姉ちゃん、結界の変更は?≫

<変更してあるよ。爆弾は焦らずに処理して。自宅裏の空中で行えばいいよ>


 玄関のドアを開けて外に出た。歩いて自宅裏に行く。

 集中したいのに何が言いたいのかな?ついてこないでほしいよ。


≪5重結界≫

隠蔽、音と空気と光の遮断、耐物理、耐魔法の結界を張った


 不安だからお姉ちゃんの指示より結界を厚くした。私の魔法技術を把握して言ったと思うけど簡単に人が死ぬ状況だから怖いよ。


≪ロディ、結界の場所は確認した?≫

<はい。お店から始めていきますね>


 爆弾が爆発した。結界から何も漏れてない。

 ここで爆弾処理をしてると結界内の住人には分からないね。


「ディア、どこまでが作戦通りなの?」

「お母さんは考えてその言葉を選んだの?お姉ちゃんのことも考えてる?」


 お母さんの質問にイラつく。何でもお姉ちゃんの責任にするのは許せない。


「全て把握していて目的があったのでしょ。問題ないと判断して食事に来たのではないの?」

「お母さん、お姉ちゃんが人の命に危険がある作戦を立てたことなんてないよ。」


 お母さんが本気で言ってる。

 お姉ちゃんが犠牲にするのはいつも自分だけ。私はそれをさせたくないんだよ!


≪お姉ちゃんは許せるの?≫

<人形のリュウを全て把握しているように感じたからだよ>


「それなら今は何が起きているの?」

「リンに人格が代わった日から今日までリンとリュウが結界内に爆弾を仕掛け住人の体内にも爆弾を仕掛けた。更に人形のリュウまで入れてお姉ちゃんを脅して自由になろうとした。今は爆弾処理中だよ。」


<ディア、私は気にしていないよ>

≪私が気にしてる。リンと食事して笑顔で話してる間に爆弾を仕掛けられたのはお母さんとフィオナ姉ちゃんに隙がありすぎるからだよ≫


「私とフィオナと一緒に食事していた頃からなのね…。どのように把握したの?」

「作戦終了後にお店に行くまでがリンの想定だと考えた。だから想定通りに行動して爆弾が起動しないようにして、お母さん達が大将と話してる間に調べ続けてたんだよ。」


<ディア、強く言い過ぎだよ>

≪嘘は吐いてないよ。ロディが調べ続けてたのだから≫


「強制命令は使えないの?」

「相手に効かなければ敵対宣言だよ。実際お姉ちゃんとロディには効かなかった。それにリュウとリンは爆弾に関する記憶を消していて、思考誘導で思い出そうとしてたから使えないよ。」


≪甘すぎるよ!強制命令で終わりだと思ってる≫

<落ち着きなさい。お母さんは何も知らないのだから仕方ないよ>


 お母さんがクズドラゴンに見えて仕方ない。

 泣いてたフィオナ姉ちゃんと比べてしまう。


「お母さん、私は世界を疑えと言ってきたけど意味が分かった?」

「世界中には見た目では分からない人形が溢れているという事なのかしら?」


 お姉ちゃんの記憶を入れたのにその程度なの?


「正解に近いけどまだ足りない。お姉ちゃんが何を守ってると思う?この程度で済んでるのは何でだと思う?」

「クロア1人で世界を守っていると言いたいのかしら?」


 お姉ちゃんを心配する言葉もない。

 私をイラつかせるためだけにここに来たの?


「お姉ちゃんと敵はお互いに力を隠してるから手出しできない。お姉ちゃんが均衡を保って時間を稼いでる。戦う準備をする必要があるから。それなのにお母さんは目の前のことしか見ずにお姉ちゃんの心配もしない。母として力をつけるとは何なの?」

「何も言えないわね。クロアは何故出てこないのかしら?」


 その発言の意味が分からない!


 何も状況が見えてない。見てない気がする。

 私が爆弾処理の結界を張ってることに違和感を覚えないのかな。


「それは心配しての言葉だよね?お姉ちゃんが無理して気を失えば全ての魔法が解除される。それに今のお母さんとフィオナ姉ちゃんは魔法を覚えて使うことができる状態だよ。お姉ちゃんの代わりに命を守る重さを感じてみたら?ボロボロのお姉ちゃんを更に酷使してるんだよ。今の私は爆弾処理の結界を維持してるだけでロディは爆弾を結界内に転移させ続けてる。クローディアの母ならおかしいと思わない?」

「勿論心配しての言葉よ。だけど私には何もできないじゃない。それとも魔法をくれるのかしら?」


 覚えて使えると言ったよね!


 今まで魔法は背中の器に付与されたものを使うと教えられてきた。だから頭に魔法が付与されていても新しく覚えようとしなかったことは理解できる。だけど今後も努力するつもりがないのは理解できない。


 何もできないのではなくて何もしたくないだけでしょ!


≪知識がないから何もできないと言ってるのかな。我慢にも限界があるよ!≫

<能力がないのを利点だと考えていたのかな…>


 魔法を作れると強調した方がいいのかな…。


「お母さんも必要な知識さえあれば今すぐ魔法が作れるから。もしかして魔法もお姉ちゃんが作って渡すべきだと思ってる?魔法についての知識も後で渡すよ。今は爆弾処理でそれどころではないからね。」

「それがあればあなた達のような魔法が作れるのね?」


 何でそのように思うのかな…。

 私たちとクズ能力たちの魔法が同じに見えてるの?


「作れないよ。リュウとリンの知識だから。私はお姉ちゃんに使える魔法でも調べて勉強しろと叱られたばかりだよ。私とロディはお姉ちゃんの知識を使って魔法を作ってないからね。それでは勉強にならないから。爆弾処理も簡単に終わらせようとするなと叱られてるよ。」

「私を3歳児以下だと馬鹿にしたいのかしら?勉強している時間なんて私にないわよ。自分たちが特別だからといい気にならないで!」


 特別とは何のことだろう…。


「3歳児だけど16歳の思考力で魔法を作ってお姉ちゃんを手伝ってるのが特別なの?いい気になってないよ。勉強して魔法技術を身につけてほしいと思ってるだけだよ。何が気に入らないのか分からない。」

「特別な存在で才能があるだけでしょ。あなた達が覚えた魔法を私にくれた方が効率がいいわ。」


 効率がいい訳が無い。使ってる魔法を見ることすらできないのだから。

 今でも強欲なクズドラゴンにしか思えない。


≪ロディ、何もないと思うけど強制命令と思考誘導を再確認してみて。頭の中も再確認して。不自然な魔力の流れもない?爆弾処理してる私たちが怒られてる理由が分からない≫

<お母さんには何もありませんでした。爆弾処理も終わりましたよ>


≪結界解除≫

爆弾を爆発させていた結界を解除した


<何で努力してくれないの?私が悪いのかな?20万回以上死にかけたのが特別だって。生き残ったのが特別なんだって。本当はすぐ死にたかったよ…>


 拷問されて生き残ったのが特別…。

 激しい怒りのせいなのか冷静に考えてしまう。


 お姉ちゃんを泣かせたこの女を殺したいけど意味が分からない。3歳児のままだったら瞬殺してたと思うけど16歳の思考力を使ってるから殺すに値する理由を探してしまう。


 お姉ちゃんを悲しませることだけはしたくない…。


<どうしたのよ!?誰かに何か言われたの?記憶を見せてね…。クロア、人は簡単に死ぬ。そしていつかは必ず死ぬ。だけどクロアが頑張って生き残ったからディアもいるのを忘れたら駄目だよ。落ち着いて冷静になって状況を確認しよう。異常事態が起きると人の本性がよく見えるから。今まで守ってきて辛いのは分かるけれど、確認してみようよ!>


 クリスが来てくれた!

 クリスの言葉でお姉ちゃんも落ち着いたみたい。


<ディア、ごめんね。クリス、ありがとう。落ち着いて確認してみるね>

≪お姉ちゃん、私はお姉ちゃんの妹で嬉しいよ≫


 それにお姉ちゃんには笑ってほしい。本当に楽しくて嬉しくて笑ってほしい。

 だから私は勉強して、全力で勉強して、絶対にお姉ちゃんを笑顔にするから。


<ディア、姉さんに念話を繋いで話してみて。会話を私たちにも聞こえるようにして。ロディ、姉さんの全身を再確認して>

≪分かったよ!≫

<はい。分かりました!>


≪拡張念話≫

念話の声が体内にも聞こえるようにした


「フィオナ姉ちゃん、泣いてるの?」

「最低なことを言ったんだよ…。何で怒っていないの?」


 強制命令の説明を詳しくしてないね。

 フィオナ姉ちゃんは強制命令でした発言を後悔してるのに、この女はしてない。


「強制命令は仕方ないよ。私もされてたからね。お姉ちゃんとロディ以外は防げてないよ。」

「ディアと私は何て命令されていたのかな?」


 そうだよ。普通は命令されてた内容が気になるはずだよ。

 何でこの女は気にならないのかな…。


「私はお母さんとフィオナ姉ちゃんを殺せと命令されてた。フィオナ姉ちゃんはクズドラゴンの演技をしろと命令されてたよ。」

「今でも命令が続いているの?」


 私たちの会話が聞こえてたのかな。

 クズドラゴンの演技が続いてると思ってたみたいだね。


<フィオナさんに何もありませんでした>

<ロディ、ありがとう。そのままその場所で待機していて>


「人形が命令を消したから念のため全身を確認したよ。聞こえてたの?」

「家の裏だし声が大きいからね。クロアは泣いているよね。特別だと言われてさ。ディアが瞬殺すると思っていたけれど、何で殺さないの?」


 いつもの私なら殺して当然だと思う会話に聞こえたんだ。

 お姉ちゃんは今も泣いてることにした方がいいね。


「お姉ちゃんは泣いてるよ。生き残ったのが特別だと言われたからすぐ死にたかったと言ってる。何でこの人が私に怒ってるのかな?それが理解できなくて殺してないだけだよ。」

「今から私が言うことをクロアにも聞こえるようにしてくれないかな。」


<ディア、聞こえるようにしたと言って>


「分かったよ。お姉ちゃんにも聞こえるようにしたよ。」

「あの人は自分が一番下になるのが嫌なだけだよ。それに幼い子が20万回以上も死にかけている姿を見ていることができる異常者。即死しないように守っていた拷問の協力者だよ。作戦が終わってお店に行って帰ってきてから冷静になって今は凄く怖い。クロアは命懸けで守ってきたけれど、母と呼ぶべき人ではない。絶対に許してはいけない人。アディとローアの母も記憶を共有しているから危険だよ。ディア、その人に私は勉強するから何もしない拷問の協力者は必要ないと言っていたと伝えて。結界を張ってリビングで待っているよ。」


≪拡張念話終了≫


「フィオナ姉ちゃんは勉強するって。何もしない拷問の協力者は必要ないと言っているよ。」

「何ですって!私がどれ程あなた達を見守っていると思っているのかしら。それをディアも理解しておきなさい!」


 見てるだけなら誰でもできるよ。


 お母さんとして何かしてくれた?冒険者組合本部の所長になって何かしてくれた?お店のお金を払っているだけだよ。秘密基地も使えない。巻きついて眠らせてくれるのも本当にこの人が覚えたのか分からない。リュウが説明してるから疑わしいよ。


<ロディ、2人の会話が姉さんの部屋から聞こえた?姉さんはリビングに移動した?>

<問題なく聞こえました。フィオナさんはリビングの椅子に座りました>


<ディア、転移して自室で会話を聞いていて。ロディはリビングで様子を見ていて>

≪分かったよ!≫

<はい。分かりました!>


≪転移≫

自宅の自室に移動した


 玄関のドアを勢いよく閉めた音がした。

 足音だけで怒ってるのが分かるよ。


「フィオナ!何を勘違いしているの?部外者のあなたを家族に入れてあげたのは私なのよ。」

「作戦成功の興奮か冷めたら母と呼んでいた人の異常性が分かっただけだよ。クロアの記憶を全て見ようと思ったけれど、とても見ていられなかった。クロアには常識がないからあなたを受け入れてしまった。あなたは許されてはいけないし必要ないよ。」


 今はフィオナ姉ちゃんとクリスがいる。常識のある人が2人もいる。


<クリス、姉さんの言っている通りなのかな?>

<拷問の協力者と言っているけれど、クロアが死ねないように守っていたドラゴンなの?>


 クリスは救出されたばかり。そのあと空間庫と研究所を一緒に移動させて作ったからお姉ちゃんの記憶を全て見てる時間もない。気づけないのが普通だよ。お姉ちゃんが拷問されてたときあの女は常にドラゴンの姿だから。


<そうだよ。そのときのドラゴンだよ>

<クロア、この人にどのような理由があったとしても母とは絶対に呼んではいけない。母なら娘が魔獣に食べられているのを見ていられないよ!>


 母ならそうなんだね。

 常識は2人に教えてもらおう。お姉ちゃんとロディも必ず勉強する。


≪クリス、お姉ちゃんは20万回以上魔獣に食べられてるよ≫

<クロア、あなたの悪いところは常識がないことだよ!絶対に学びなさい!>

<そんなに揺すらないで…。分かったから。よく分かったからー!>


 見なくても分かる。クリスに両肩を掴まれて前後に揺すられてるに違いない。

 常識があればこの女を殺す理由が溢れてるみたいだね。


「ふざけないで。私がクロアの母なのよ。あなたが出ていきなさい!」

「私は精神を綺麗にする努力をするし魔法の勉強もする。それに家は全てクロアの力で用意されものだよ。クロアに出ていけと言われたら従うしかないけれど、あなたに従う必要はない。」


 何でクズ女がフィオナ姉ちゃんに出ていけと言ってるのかな。

 この女の罪を全て暴き出したいけどお姉ちゃんの精神に負担が大きい。お姉ちゃんは適当なところで終わりにするはずだから、それで終わらせよう。


「何を偉そうに言っているの!拷問に怯えてクロアに近づいただけでしょ。あなたが勉強したことろで高が知れる。クロアの力に縋っているだけの分際でよく言えるわね。」

「その通りだよ。私は弱いからクロアの近くにいたい。だから少しでも力になれるよう努力するつもりだよ。それにあなたも弱いじゃない。」


 フィオナ姉ちゃんは何も隠さないね。理由は気づかれてると思ってるからなのかな。だけどお姉ちゃんの近くにいても縋ってはないよ。自分ができることを探して頑張ってると思う。今は孤児院の子たちと一緒に遊んでるじゃない。


「私が弱いですって!躾けられたいのかしら?」

「会話できないの?私はあなたがクロアに必要ないと言っているだけだよ。」


<ロディ、姉さんは結界を張っているよね?>

<はい。クロアが作った結界を張っています>


「あなたを殺すことに決めたわ。自分の発言を後悔しなさい!」

「そうなの…。だけど全く痛くないよ。あなたは記憶にある拷問の痛みを本当に感じているの?どうせ嘘でしょ。あなたは16歳だよ。あなたが初代なら2人も用意されているのはおかしい。脅されていたのかも本当か分からない。能力たちが話していたことも本当か分からない。あなたが実際に行ったことは幼い子を拷問し続けるための監視役だよ。」


 見えない結界を殴り続けてるみたいだね。

 お姉ちゃんは使用魔力も把握してるはずだから、この女では一生壊せないよ。


<ロディ、姉さんは大丈夫?>

<はい。大丈夫です!>


「はぁはぁ…。ふざけないで!ディア、いるんでしょ。出てきなさい!」


 自分が弱いのではなく私が協力してることにしたいのかな。


<ディア、部屋から出て思ったことを言いなさい>


 この女を殺すと決めたのは私だよ。

 お姉ちゃんは被害者だから何も気にしないで。


≪お姉ちゃん、私が決めたことだから気にしないでよ≫

<分かった。私は姉として見届けるね>


 拍手しながら自室を出た。

 この演出は恥ずかしいけど今日はやらないといけない気がした。


 フィオナ姉ちゃんは無事だけど周りの椅子と机が砕け散ってる。

 この女の本性がよく見えるね。


「勉強になったよ。強制命令の内容が本人の本性と差がなければ気づけない可能性があるね。あなたが初代なら2組も用意されてるはずがない。魔力拡散器は記憶の年数か細胞に左右されることも分かった。脅されていたのかも分からない。あなたが実際に行ったことはお姉ちゃんの拷問を監視したこと。今から検査するよ。」


≪ロディ、準備はいい?≫

<はい。いつでもいいです>


≪強制命令:カンナカムイは私の指示に従え≫


「所持しているお金を全て出して。」

「分かったわよ。」


≪どこに繋がってるの?≫

<確認します…。ここは浮遊島があった場所の真下です>


≪一旦全部ここに運んで検査してから空間庫に入れよう≫

<そうですね。空間庫の場所は絶対に明かせません>


≪カンナカムイの開けている転移門を利用して運んだ方がいいね≫

<間違いありません。難しい魔法だと思うのですが簡単に使いますね>


 ロディが凄い勢いでお金の入っている袋を出してくる。

 この女がゆっくりお金を出してるけど嫌がらせにもならないよ。


<これで最後です>


≪3重結界≫

カンナカムイの財産を結界で包んだ


≪ロディ、検査お願い≫

<任せてください!>


「何でこの魔法が使えるの?」

「知らないわよ。簡単な魔法でしょ。」


 魔法に入っていない難易度の高い魔法を簡単に使うことができる。今日だけで私たちの知らない技術ばかりを見たからお姉ちゃんの判断に間違いはないね。


 敵を追い詰めて戦うことになったら確実に負ける。

 敵を警戒させてるお姉ちゃんの動きの凄さがよく分かる。


「何で転移できないのに転移門が使えるの?転移を維持し続けるようなものだよ。」

「使い続けてきた魔法だから使えるだけよ。それの何が悪いのよ!」


 一言も悪いとは言ってないよ。何で使えるのか知ってるはずがなかったね。


「どこからお金を出してるの?」

「知らないわ…。」


「教えてあげる。浮遊島の真下に繋がってるみたいだよ。」

「私は自分の財産を出しているだけよ。」


 自分の財産だと言えるのが凄いね。知らないのに怖くないのかな?


「何でお姉ちゃんの拷問を見続けることができたの?」

「人間が魔獣に食べられていても気にならないわよ。」


 この女は強者に従うだけのクズドラゴンだね。

 人間を見下しているけどお姉ちゃんの方が強いから大人しいだけ。


「秘密基地の設計をしたのは誰なの?」

「知らないわ…。」


 あの場所を利用してたら私たちは殺されてたからね。

 この女には怖いという感情がないのかな?


 そろそろ最後の質問になりそう。


 フィオナ姉ちゃんと繋がっていないでほしい。

 フィオナ姉ちゃんまで失ったらお姉ちゃんの精神の負担が大きすぎる。


「フィオナ姉ちゃんのことを知ってたの?」

「知らないわ。」


 あの出会いは完全に偶然だった。


 これからは敵に利用されないように守らないといけないね。フィオナ姉ちゃんも勉強すると言ってたけど忙しい日々になると思う。お姉ちゃんがアディとローアを任せる気がするからね。


<ディア、これ以上は聞かないで>

≪分かってるよ。もう終わりだから大丈夫≫


 お姉ちゃんはアディとローアの母親が今のままで大丈夫なのか確認するはず。

 絶対に駄目だと思うからフィオナ姉ちゃん頑張って!


<ロディ、封印されていた4人の記憶を確認してみた?>

<はい。確認しました!>


 人間を見下す拷問監視役なんかにクローディアを任せられないよ!

 お姉ちゃんも分かっていて確認してるね。


<クローディアの最後の記憶とこの人の最後の記憶を教えて>

<クローディアは森に行く選択をしたところです。この人は竜王妃に指示されたところです>


 この計画を考えて始めた奴は腐ってる。

 

 自分は人形になって不死なのかもしれないけど命で遊ぶような行為が許せない。絶対にお姉ちゃんが感じ続けた恐怖と痛みを教えてやる。


<クリス、理解していない魔法が使える理由が分かる?飛行の魔法は付与されていたの>

<魔法を使っているのが本人だとは限らないよ。魔力器の精神が使っているのかもしれないね>


 本来の魔力器を知らないけど今の現状からすぐに思い浮かぶんだね。

 クリスはドラゴンを生み出す研究の途中に何を見つけたのかな…。


<ディア、聞こえていたね>

≪今後はクリス先生と呼ぶことにする!≫


「所持しているお金を出して。」

「もう何もないわよ。」


<魔力路に魔力が通っていません。魔力器の精神が魔法を使っています>

<クリスは凄いね。それならクローディアとこの人が組で用意されている理由は分かる?>

<人形には体温がないからだと思うよ。一緒に寝ていたでしょ>


 クリス先生は人形を知ってるのかな?

 人形のリュウを見たらどのようなことを言うのか気になるよ。


≪お姉ちゃん、人形のリュウには体温を感じなかったよ≫

<やはり本物のドラゴンを作る研究者は違うね。あとで質問していい?>

<何でも聞いてよ!このドラゴンの生みの親となる私にね!>


 アディとローアのことを忘れてないよね?

 クローディアは目立つから私たちと一緒に暮らした方がいいと思う。


≪アディとローアをどのようにするつもりなの?成長すると確実に目立つよ≫

<今から姉さんがアディとローアのお母さん。その人の精神はリンと同じ魔石に入れてアディとローアの記憶は封印されていたところまで消す。親は人間が魔獣に食べられていても平気だと思っているから排除。まだ悪さをしていないから痛みなく消してあげて>


「フィオナ姉ちゃん、アディとローアのお母さんになったよ。」

「何で!?姉じゃないの!?」


≪普通の反応だと思うよ…。お姉ちゃん、どのようにするの?≫

<姉さんの意見を尊重してお姉ちゃんにしよう。アディとローアの髪を黒にして目の色を変えよう。緑と紫が似合いそう。2人の魔法の勉強とかは6歳になってからにしよう。そのときにドラゴンの力がほしいか確認する。決まったね!>


 それは決まったと言わないよ。お姉ちゃんが決めたんだよ。

 お姉ちゃんの妹にもなると気づいてないのかな?


「フィオナ姉ちゃんに妹が2人増えたみたい。黒髪で緑目のアディと紫目のローア。2人の魔法の勉強は6歳になってから。そのときにドラゴンの力がほしいのか確認するみたい。お姉ちゃんの中では決まったらしいよ。」

「クロアが決めちゃったんだ。これ以上何か言うと酷くなるよね。あとで私に魔法の知識をちょうだい。ベッドの大きさを変えたりしないと駄目だからさ…。」


 フィオナ姉ちゃんの気持ちがよく分かるよ。そしてお姉ちゃんのことをよく理解してるね。変更を要求する度に状況が悪化してくから。本人は改善してるつもりだから困るよね。

 間違いなくお姉ちゃんは常識を勉強するべきだよ。


≪ロディ、お金の中に何もなかった?≫

<追跡用の魔石があったので隠蔽転移で鮮血湖に落としておきました>


 クリスに埋め込まれていたのと同じものがあったみたい。誰が見てるのかまでは分からないから捨てるしかないね。


≪この女の精神をリンが入っている魔石に入れて。そのあとにアディとローアの記憶を封印解除時まで消して髪色と目の色を変えて自宅に転移して。それ以外は私がするから≫

<慎重に行動してきたのに最後は勢いですね>

<2人とも、これからは敵の殲滅の準備だよ!3年後までには終わらせよう!>


 お姉ちゃんは辛いはずなのに前に進もうとしてる。私はどのようなときだろうとお姉ちゃんの味方だから。最初の約束から何も変わらない。一緒に楽しんで一緒に死ぬ。


 だから絶対にお姉ちゃんを笑わせたいんだ。

 楽しんでないお姉ちゃんと一緒に死ぬわけにはいかないよ。


≪絶対に負けない!≫

<はい。全力です!>


 やることはそれなりにあるけど陽が出る前に終わらせる。

 明日からは繰り返されてきた日々をぶち壊して前に進むのだから。


 同じ細胞で同じクローディアを生み出したら同じ結果になると考えた研究員が残ってたら誰一人として逃がさない。お姉ちゃんがの苦しみを味わわせてやる。


 大反省会を忘れてくれてないかな…。

大切に守ってきたものが捨てるべきものなのかもしれません。

ようやく自分の意思で歩くことができます。

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