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世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

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第44話 初代と当代

◇◇◇

臓器確認後。


「死に早く繋がる臓器だと考えられているものには全て精神が貼り付けられていました。強制命令にて臓器名による個別爆破とクローディアと伝えることにより全ての臓器が爆破します。森での拷問最終日は私の記憶にもあります。いつ貼り付けたのかが分かりません。」


<魔力の形は今と一緒です。但し、使用者名が空欄でした。貼り付けた精神は全てリュウが消しました。私が強制命令で名前を空欄にしたのでしょうか?>


「今の俺なら見えるが以前の俺は見えなかった魔力だ。帯電で全身爆破があったのかもしれねえ。ぶっ壊れてやがる…。ゴミクズの中でも最低だぜ!」

「ロディは記憶にないと思うけれど、魔力器をロディにしたんだよ。だから覚えていないだけ。リン、これで頭からつま先までロディ以外の精神はない?」


 間違いなくリンは1日だけ記憶を消されている。そして私も消されている。

 拷問終了日の頃なら魔獣に勝てるようになっていた。洗脳されている初代リュウに動けなくされたに違いない。それなら関係者全員の記憶も簡単に消せる。


「はい。間違いなくありません。」


 成長させるための計画が最終段階まで進んでいない。それなのに敵とは接近する必要がある。殺せない可能性が高いから隠蔽した地下室から存在を確認したい。

 時間は残されているのだろうか…。


 クリスが不安そうな顔をしている。気づいたことがあるのだと思う。


「クリス、リンとリュウに違和感があるみたいだね。言っていいよ。」

「直球で言うよ。2人とも弱くなりすぎ。リンは精神が専門だし1つの魔力で多くの情報が送れるように研究もしていた。クロアの精神を昔のリンなら魔法で治癒できた。そして魔力の項目を増やして記入もできたよ。リュウは精神が無いものに仮初の精神を貼り付けて遊んでいた。魔力に記憶させていると言っていたよ。ロディは魔力器に精神を閉じ込められている気がする。そのまま遺伝しているね。だけど昔のリンなら簡単に取り出せた。あと魔力や魔法を弾き刃物でも切れない紙を開発したのはリュウだったはず。クロアを苦しめている全ての技術は2人が開発したものだよ。」


 そうではないかと思っていたけれど、この情報で私の予想が更に最悪なものに変わった。


「昔より相当弱いってことか。それだと危険だな。敵側には当時の俺の技術を持っている奴がいる。今も生きているのかは分からねえが、俺の思考力を落としているのは何だ?」

「私も成長を感じていました。昔より劣っているなんて、情けないです…。」


 3人は恐らく生きている。必要な知識が多いし本人の実体でしかできない技術があるのかもしれないから。クリスが人形にされたのはかなり昔だと思われるけれど、過去のクローディアは確実に人形に洗脳されている。

 油断はしないけれど、私の敵ではない。


 そろそろクリスの記憶についても話さないとね。冒険するのにリュウが今と同じ骸骨のシャツを着ているのはおかしい。他の記憶では緑色の厚手の服を上下着ているのだから猶更だね。


「私が気になっていることについて話すよ。クリス、冒険するときに薄手のシャツはあり得るの?」

「冒険では色々な場所に行くからそれはないよ。薄手のシャツは絶対に許さないね。」


 クリスが冒険の補助と目的地を決めていたのかな…。


「リュウが骸骨のシャツを着て冒険していたのはいつからなのか分かるかな?」

「お姉ちゃんは何でそのようなことを気にしてるの?」


 得する記憶だけを残しておくはずがない。確実に罠があると思っているからだよ。


「クリスの記憶は私たちに得しかない。そのようなことをする敵ではないから。まず記憶の中に卵を得た光景がないし持ち歩いている姿もない。そして卵が孵化するときからリュウは骸骨のシャツを着ている。ドラゴンを孵化させたら名前くらいは付けるはず。それなのに誰も知らない。そのときに敵を殺せなかったクローディアが悪いけれどね。」


 何が起きたか気づいた感じだけれど、甘い気がする。現実はもっと残酷だから。


「リュウは器から精神と記憶と力を魔石に移動させられるか検証して問題がなければ実施して。終わったら魔力拡散器の記憶を確認できるか試して。リンはリュウが来るまでロディの眼鏡作りを見学して何かできれば手伝って。ロディには追加でリュウが魔石に記憶を入れて無敵紙で守って精神の奥に固定したら魔力の流れを変更して。そしてクリスはディアと寝ていなさい。救出したばかりなの。まずは休みなさい。みんな行動開始!」

「クリス姉ちゃん、寝に行くよ。クローディアが制止しても3人で封印を解いたんだよ。昔の話だし気にする必要ないよ。敵は殺すことが決定してるからね。お姉ちゃんがいるから大丈夫だよ。」

「そうだね…。記憶の違和感に気づくのが早すぎるよ。今でも本当に圧倒的で輝いているね。」

「俺も記憶を消してから魔石を見てくるぜ。通常の大きさにして確認するけれど、爆発の規模を考えると余裕だな。それに無敵紙とよぶことにしたのか。綺麗に魔石を守りつつクロアの記憶を見れるようにしねえとな。それじゃあ、行ってくるぜ。」

「ロディ、私たちも行きましょう。勉強しなければ過去に負けますから。」


<はい。私も更に勉強します!魔力の流れは任せてください!>


 皆が去った後に目を閉じ脚を伸ばして座った。両手は太股の上に力なく置いている。


 クローディアはいつでも殺せる。それなのに人形が世界中からクローディアを探している。そして敵はクローディアに変身していると思い込まされているのだろうね。


 何故敵側に規則があるのか。

 何故私がこの世界に再度生まれてくると分かるのか。


 完全に遊ばれているね…。嫌がらせは早く殺し合いを見せてほしいと伝えているのかな。幼い子たちを大勢殺すことで怒りに任せて突っ込んできてほしいのかな。

 敵はクローディアがクローディアをどのようにするのか決めさせている気がする。私の予想が当たるのはクローディアが中心になって考えているからだと思う。


 悪いけれど、初代以外のクローディアでは相手にならない。敵はクローディアの中に入って私たちの殺し合いを待ちわびているはず。

 私が直接潰す敵はゴミクズだけ。既に手は考えてある。だけど今回は最後だけが不透明。初代が殺せなかったのだからゴミクズは殺せないと考えておいた方がいい。無理やり閉じ込めることができそうな準備はできているけれど、確実ではないから気を緩ませたくない。

 本当はリュウをもっと成長させたいけれど、確実に時間制限がある。余り待たせると相手から襲ってくるのかもしれない。それだけは避けたい。

 クローディアと仲間たちは封印された状態で苦しまずに死んで。あなた達は敵に負けたのだから。


 この考えは記憶しない。


 分身計画は遊ぶためにしか使わない。皆が精神の奥に隠れられるのならそれが一番強い。外に出ても敵の洗脳に抗えないのであれば意味がない。人質にされるだけなのだから。


 この考えも記憶しない。


 クローディア同士を殺し合わせて疲労困憊な勝った方を洗脳する。そして戦いが終わったときの記憶を消す。そのあと殺されたクローディアが化け物に変わる記憶を入れて回復する。それにより自分たちの平和を守るための戦いだと思わせて殺し合いを続けさせる。次に戦う予定のクローディアには仕込みができる。とても怪しいのに気づけない。

 数多く仕込めても直接声をかけなければ発動しない。そのように思い込まされる。自分たちは楽しんでいるのだから動くつもりはない。それらを意識させてから封印する。

 敵は戦う前に遊んでいたときの記憶を消されたとでも言えばいい。眠らされたから急いで起こしたとでも言える。話せなければ誰かを洗脳しても専用の人形を用意しておいてもいい。

 私たちは敵が変身していると思い込み殺すか殺される。勝ったクローディアは封印されて新しいクローディアが世界に現れる。


 リンが記憶を何度も消されているのは封印されている3歳のクローディアを見たからだと思う。クローディアの細胞があれば作れる気がする。予備もいるのだろうね。

 十数万年もあって誰も気づいていないの?それとも気づいていてクローディアを殺してから対処しようとでもしたの。どちらにしても話にならない。

 同じクローディアならたどり着けるはずでしょ。敵が封印されていたのだとしたら殺せない相手だと。卵が孵化した記憶を入れたのは敵を封印していた入れ物の魔法陣を見られたくなかったからなのかもしれない。

 それにしてもクローディア同士が殺し合いをした時点で負けだと気づけないとは情けないよ。

 強ければ必ず勝てると思い込み次の作戦を用意しておく。本当に甘すぎる…。連戦することの危険性をまるで考えていない。

 勝った経験があっても意味がない。本当の敵にたどり着かないのだから。


 私も初代に比べたら甘いのかもしれない。

 だけどクローディアの無念はクローディアが晴らすよ。


 作戦を立てた後は何も考えずに時間が過ぎるのを待った。器が消えた気がする。リュウが器に入っていた全てのクローディアの魔力を魔石に移し終えたみたいだね。


「リュウ、来て!」


<急にどうした?>


「クローディアが黒死森に行く前の記憶を教えて。私はよく見えない。生贄にされたところまででいいから。」


 作られた精神だからなのかな?森で拷問されることになった理由は分かるのに記憶として見えない。ディアなら見えるのだろうか…。だけどディアには見せたくない。


<何か思いついたのか?クズ竜王に選択を迫られたのは間違いねえ。そのあとクズ竜王一家と仲良く暮らしているぞ。生贄に出したのはどこかの国の王族にしか見えねえ。何か分かったか?>


 よく分かったよ。予想通りだとね。


「クズ竜王に選択される日以前の記憶は全て偽物。今すぐ消して。」


<確かに怪しいがクロアはどのようにしてクズ竜王一家と暮らすことになるんだ>


「記憶を消してから私の考えた今の状況を皆の記憶に入れて。」


<記憶を消すぞ。そして俺たちに指示を出してからクロアが考えていたことを皆に共有する>


「リンが記憶を消された理由は恐らくこちらだよ。建物や服などから遥か昔の方が発展していたように見えた。細胞があれば同じ人間を作れると思うけれど、違うのかな。私を人形にしない理由は単純だよ。痛みを与えたいから。」


 リュウが人型になって胡坐を組んで座った。


「相変わらず最悪な予想だな。俺たちはゴミクズを上回ってねえのか?」


 初代が負けているから超えるまでの時間がほしいけれど、待ってくれないだろうからね。

 だけど初代が負けた理由は想像できる。敵がこのようなことをするとまでは予想できなかった。それに3人が洗脳され続けたこともね。


 それに見なくても分かることがある。初代は笑顔だよ。


「魔力拡散器を探知できるようにしてクズドラゴンを殲滅すれば上回ると考えさせて、負けたら臓器を遺伝させるための人体実験が始まるからゴミクズを殺してから殲滅しようと考え直す。そして記憶に出てきたクズの親玉も利用されている。世界に1体のドラゴンだから仲間を増やしたいのだと洗脳すればいい。」


 クズドラゴンを殲滅しなかった本当の理由…。私がそのように考えていると勘違いさせることができた。人形を破壊して記憶を見せなくしても襲ってこなかった。


 ここまでは順調だよ。


「俺たちが無視したら3歳のクローディアの拷問が始まるかもしれねえな。クズ竜王一家は高性能な人形だったと今なら思える。クズ母の腕を殴り飛ばしても無反応。クズ兄の脚を切断しても無反応。魚のように跳ねていたのは強制命令で可能だ。それにクズ夫婦は拷問にも平気で耐えていた。臓器を奪ってから回復魔法をかけて検査してみればよかったぜ。お母さんはクローディアと一緒で作られているな。クリスは人形を複製しておけばいい。敵側には既に自動記憶保護の仕組みができているはずだ。人形を複製するくらいの高性能なやつだろうぜ。それとクローディアには精神が2つできて面白れえから森での拷問を固定したのかもな。1万年前の記憶消去も本当に1万年前なのか分からねえ。クローディアが殺し合いをする度に新しいリンが配置されるはずだ。そして俺たちを魔石に移動させて合格。今まで思考が曇っていたみてえだ。マジで頭が冴えている気がする。クロアは待っていたんだろ。そして聞きたいわけだ。何か作戦を思いついたのかと。今まで生き残ってきたクローディアが単独で突撃していた訳がねえ。絶対に皆の意見を聞く。悔しいがねえ。初代のクロアはきっと戦い続けた。俺たちが人質にされて殺されたのは本当かもしれねえ。俺たちを殺してからだと当時と同じ力が使えるとは思えねえから。洗脳されてクロアを蘇らせるために頑張った結果だろうぜ。俺たちが悪いのにクローディアを殺し続けている。マジで最悪な気分だぜ…。」

「そろそろ外も暗くなる頃でしょ。お母さん達を起こして洗脳を確認してきて。ここで見ているからよろしくね。」


 リュウが成長したように感じた。結界の強度も上がっているはず。私の体に縮小化した巨大な魔石が埋め込まれていた。魔力を使いたい放題だよ!


「ああ、そのくらいは楽しんでくれ。確認してくる。」


 全力で楽しむよ!


「リン、いるかな?」


<はい。聞いていました>


「ディアを起こしてロディと一緒に作戦を考えてと言って。クリスも一緒でいいよ。」


<分かりました>


 仲間外れにすると拗ねるからね。私の戦い方を見ていて。


◇◇◇

体外の声。


 ドアを開けて私の部屋にリュウが入っていった。お母さんはまだ眠っているみたい。何か魔法を使った。睡眠魔法を解除する魔法なのかな。


「よお、お母さん。調子はどうだ?」

「そろそろ夜なのですね…。確認してください。」


「お茶会を明日にするぞ。」

「はい。分かりました。」


 洗脳は解けたみたいだね。


<姉さんも起こして今からお茶会にして>


「ちょっと事情があってな。今からお茶会にするぞ。」

「相当な事情ですね。分かりました。フィオナを起こしてきます。」


<それと2人に私の記憶を入れて>

≪お茶会を楽しめねえぞ!≫


<大丈夫だよ。私は笑えなくてもそれなりに楽しめているから>

≪分かった。クロアの判断に任せる≫


「今からお母さんとフィオナにクロアの記憶を入れる。マジで刺激的だぜ。だがお茶会は開催してくれよ。」

「分かりました。お願いします。」


 お母さんの表情が変わった気がする。怒っているのかな?


「それとお母さんは普通でいいぜ。俺たちは幼馴染で女だけだと分かっただろ。本当は俺が敬語を使わねえと駄目だろうけれど、遥か昔からこれなんだ。十数万年も続けてたら直らねえよ。」

「新しく助けた子がクリスティーナだったのですからクロアの予想通りでしょうね。クロアの中に入っているのですからあなた達も私の娘よ。それにあなた達を責めていいのはクロアと初代クローディアだけよ。責めてほしいでしょうけれど、諦めなさい。それがクロアなのよ。」


 お母さんも初代クローディアの気持ちに気づいたのかな。


「その通りだ…。お母さんは厳しいな。お茶会を頼む。15分後くらいでいいか?」

「ええ、フィオナを起こして少し落ち着くわ。」


 みんな諦めすぎ。最初で最後のお茶会だと思っているね。


「それじゃあ頼むぜ!」


 お母さんと入れ替わるようにしてリュウがベッドで横になった。


体外の声終了。

◇◇◇


「今から何をすればいい?魔力拡散器は分からなかった。魔法陣が書いてあるのかもしれねえし精神が閉じ込められて無敵紙で隠されているかもしれねえ。改造はリンとロディに任せるしかねえな。」

「分かったよ。それでは自分の全てを複写できるようにして。それと1つの魔力が見えるよう頑張って。仮初の精神を貼り付けるためには必要な力だから。」


 色々な計画が立てられるのかもしれない。楽しみが広がるね。


「クロアが諦める訳がねえよな。気合を入れて鍛錬してくるわ。」

「お願いね。それとロディの精神を頑張って取り出してとリンに言っておいて。」


 すぐに戦いに関係していると思うのは駄目だよ。敵は雑魚なのだから勘違いさせないようにと言ったばかりなのに意識しすぎだよ。


 最強猪さんにはゴミクズが期待している殺し合いを潰してもらおう。


「分かったぜ。お茶会を楽しめよ!」

「うん。ありがとう!」


 姉さんの復讐も今日で終わりにするよ。やられたらやり返さないと!瞬殺で終わらせてあげるよ。拷問は好きではないし姉さんの精神にもよくないから。


◇◇◇

15分経過。


 私を隠さず部屋から出よう。お母さんや姉さんがどのように感じるのか知りたい。

 ドアを開けて2人が座っている机に向かって歩く。


「クロアよね…。それは何もしていない状態なの?」

「何もしていない素の状態だよ。」


 何か問題があるのかな?


「フィオナ大丈夫?」

「やはり本物は違うね。雰囲気が澄んでいるから平気だよ。」


 私の雰囲気は権力者に似ているという事なのかな?姉さんが大丈夫ならいいけれど、権力に興味ないのに不思議だね…。


 何故か机の上に水まで置いてある。透明だし水だよね?


「水まで用意したの?私の感想を聞きたいの?」

「そうだよ。その水をどのように感じるのか教えてよ。」


 姉さんの正面に座った。


「水には余り匂いを感じない。味もほとんどしない。私がお風呂に入っていたときと同じくらいの温度だね。これを温かいと言うの?冷たいと言うの?あっ!お風呂にも透明の四角いものが浮いていたよ。これは確か…、氷だよね!それでお風呂の水を温めるのに使っていたはずだから温かい水なのかな?」

「クロア、思考誘導は温度まで感じなくなるの?」


 残念ながら違うみたいだね…。


 氷を口の中に入れてみた。水よりも冷たく感じる。これは冷やすために入れていたんだ。口の中で解けて水になっていく。


「温度は感じているけれど、それを誤認させられるんだよ。これはお風呂の温度と覚えさせられて、氷はお風呂の水を温めるものだと覚えさせられる。命令に逆らえない人形だったから簡単には疑えないし、拒絶したら殺されると脅迫もされていた。だからおかしいと考えることさえ許されなかった。本来の思考誘導は感情や行動を後押しするものだよ。命令に服従する私がおかしかっただけで普通は違和感を覚えると思う。氷は水を冷やすものだったみたいだね。口の中に入れていたら解けて水になったから水を冷やすとできるものだと分かったよ。氷が浮いている水は水の中で一番冷たい温度なんだね。冷凍箱を知っているのに気づけないの私が馬鹿すぎるよ。つまりこれは冷たい水だね!」

「そうなのだけれど、お風呂に入ると寒くなかったの?体が震えなかった?」


 寒いときにも体が震えるのか。本当に何も知らないね…。


「体が震えるのは怖いときだと思っていたから。それを自己回復が無理やり楽しいことが起きると思わせようとしていた。人形にされていてもそれだけは誤魔化されなかったよ。だから体が震えるのは怖いからだと思っていた。クズ兄と一緒にお風呂に入っていたから怖がっていると思っていたよ。」

「クロアの記憶を見せてもらったよ。88人の幼い子に魔力拡散器がつけられていて本当の姿はクロアの3歳の頃でクロアの名前を呼ぶとカマキリになった。クロアたちは世界を旅して開けてはいけない箱か何かを開けたのかもしれない。今の世界が何年続いているのかは分からないけれど、壊せばいいよ。砕けばいいんだよ。初代クロアはそいつと戦い続けて恨まれたのかもしれないけれど、余りにも異常だよ。クローディア同士を戦わせてボロボロにして勝った方を洗脳する。クローディアに対する嫌がらせの中で私の存在は間違いなく想定外でしょ。」


 あれは作られたクローディアではないね。魔力拡散器には不明な点が多いけれど、人間のクローディアではないと確信している。人形に何か仕込んでいた可能性が高い。3歳のクローディアを作り出すのにどのくらいの時間が必要なのか分からないけれど、多くは作らない。

 ゴミクズはクローディアの殺し合いが接戦にならないと面白くないはず。それにクローディアが弱っていないと洗脳できない可能性がある。だから圧勝されたら人質を使って痛めつける必要がある。

 今回ゴミクズが勝って私が洗脳されたら弱体化するか3歳のクローディアを強化する。

 今まで人形に抗えたクローディアがいないのだから私を殺して新しい計画を考えるのが一番だろうね。私を殺したら同時進行でクローディアを育てたいはずだから2人は必須になる。予備でもう1人で3人かな。


「私も姉さんは敵にとって想定外だと思う。だけど計画に影響ないと判断された。舐められているのが許せない。姉さん、やり返そうよ!姉さんなら面白い作戦を思いつける。」


 丸くて茶色くて中心が赤いお菓子を食べてみた。茶色い部分はポロポロ崩れていくような感じだ。赤いのは何かな?少し粘り気があるね。このお菓子が甘いのか苦いのか分からない。


「このお菓子は甘いの?苦いの?茶色い部分より赤い部分の方が濃く感じるよ。」

「そのお菓子はジャムクッキーだよ。クッキーは小麦粉に卵と砂糖とバターを入れて丁寧に混ぜた後に好きな形にして焼くとできるよ。焼きすぎると焦げるけれどね。小麦粉は麦という植物を潰して粉にする。卵は主に鶏のを使う、砂糖は甜菜という植物を湯で温めてあげると甘い成分が出るから、それを煮詰めると甘くて白い粒が固まる。バターは牛乳を振ると脂が固形になるんだよ。ヤギ乳でもできるのかもしれないね。その赤いジャムはラズベリーという植物を砂糖と一緒に煮て作るんだよ。このクッキーは外側の茶色い部分を甘さ控えめにしてラズベリーの味を引き立てるように作ってある。赤い部分は甘味が強くて少しだけ酸っぱいよ。作り方を覚えたけれど、一緒に作る機会がないね…。私が作戦を立てたら失敗して死ぬよ?」


 今日のために調べて覚えてくれたんだ。材料から作り方まで。

 私と一緒に作る予定まで…。


 絶対に作らないと駄目だよ!


「姉さん、遊ぼう!どちらにしても失敗したらみんな死ぬから気にしなくてもいいよ。それにクズから100年も生き延びてきた姉さんの方が私より凄いから。過去にはお母さんの作戦で動いたクローディアもいたはず。だけどお母さんのお陰で拷問が成立している。絶対に細胞を採取されて作られているよ。クズ竜王一家は全員が高性能な人形だろうね。人形に男性恐怖症にされたんだよ。最悪だよね…。だけど姉さんがあの時あの場にいたのは偶然だから。アイダが強制命令で動いていたのなら分からないけれど、フィオナ姉さんは人形ではないよ。制限時間を用意されている気がするから今から実行しよう!」

「フィオナ、クロアが言っているのですから本当にみんな死ぬのよ。制限時間があると私も思うわ。敵はクローディアの殺し合いが見たいのよ。全力で遊びなさい。私は見ていることしかできないけれど、クロアが実行を進めているのよ。絶対に大丈夫だから!」


 遊びだよ。全力で遊べばいいんだよ!お母さんは見ていてくれるだけで十分。

 家族で潰そう!


「分かったよ!まずは黒死森を更地にしよう。結界内の中で魔石から魔力を抜いて魔力の名前をアイダ・ウェドにしよう。帰って来ないし部下からの念話もないから死んだことになっているはず。今頃は別人がアイダ・ウェドになっているよ。そして魔石を使ってできるだけ深く地下を索敵する。魔力の使用者は勿論アイダ・ウェド。情報を受け取るのをリュウにするだけ。魔石の存在は隠蔽。地下になければ空を調べる。そして封印されている人を全て空間庫に入れる。それ以外は全て消す!そして精神の奥にいる子の振りをしてアイダウェドの情報を記入して排除の証をつける。リュウが項目を覚えているはずだよ。さあ、始めよう!」


 姉さんはかなり大胆だね。やはり遊ぶなら全力だよ!


≪リュウ、ロディと協力すればできる?≫

<楽勝だぜ!全ての罪をクズ一族に擦り付けるのがクローディアらしくねえな。それにあいつらは竜王を嫌っていた。浮遊島が落ちたから索敵をしても不思議ではねえ。今の計画なら即実行可能だ。何を記入するんだ?>


「何を記入するのか気にしているよ。」

「私が竜王になる。世界の王は私。この世界を調べ尽くして邪魔者は排除する。それだけでいいよ。更地にした後に出てきた人は殺して。今は当時の強さがないからリュウなら殺せる。当時の力があれば能力の精神をもっと強くできるでしょ。簡単に濁る精神ではなくてね。これは全て私の復讐だから。お願いね。」


 流石姉さんだよ!当時のリンとリュウの封印が解かれる前に回収すればいい。


≪姉さんを拷問した一族は後で根絶やしだね≫

<俺の索敵と隠蔽された魔石の索敵は相手も混乱するぜ。しかも全ての封印されている人たちを奪える可能性が高い。クズドラゴンに人形を残しておいて正解だったな。証のついた魔力がどこに向かうのか見てやるよ>


「自分の作戦が動くと楽しいね。クロアも楽しめたらよかったのに…。」

「今も楽しんでいるよ。それに姉さんとクッキーを焼いて失敗する姿まで思い浮かぶよ。」

「なるほどね。フィオナ、楽しみなさい!」


 私の考えをお母さんが気づいたのかもしれない。不死の何かが相手ならそれを何とかできるのかが問題だから。そして私はそれだけしか気にしていない。


<復讐の始まりだぜ!>


「今少し揺れなかったかしら?」

「黒死森が更地になったんだね。アイダ・ウェドの責任だよ!」

「その通りだよ。アイダ・ウェド、極悪だね!姉さんを苦しめた一族は最後に殺すよ!」


≪楽しく遊ぼう!相手が不死の可能性が高いからね。笑えないのが残念だよ≫

<決断してから実行するまでが早すぎます!>

<お姉ちゃん、分身計画さえ無視して突っ込むの?>

<何度目なんだろうね。このふざけた殺し合い…>


≪分身計画は遊ぶためだよ。殺し合いでは使わない。それに分身するより私の中に皆がいた方が強い。姉の作戦を見て勉強しなさい!≫

<それは間違いねえ。俺たちは簡単に洗脳されちまう。戦いにならねえよ>

<その通りです>

<私は戦えないから見ているよ>

<分かったよ…。お姉ちゃんの作戦を見て勉強するよ>


「楽しい復讐は止まらないね。クロア、状況を教えて。」

「すぐに確認するよ。」

「家族で復讐とか凄いわね。しかも遊びなのですから。」


≪リュウ、証魔力はどこに向かったの?その方向と逆方向を索敵して。分散させているはずだよ≫

<証魔力は空に行ったぜ。相手の性格の悪さは世界一だからな。地下を見てみるぜ…。恐らく研究施設だろうな。封印されている人だけ助ける。あとは全て消すぞ!>


「クズの親玉は空にいるみたい。封印されている人は分散して地下にいたから助けた。姉さんの復讐はここまでかな?」

「浮遊島が復活しているはずだよ。落として。そのあと証魔力を送って追跡して。そして魔力に感情も入れて。それで感情把握で追跡できるはず。感情は笑いだよ!」

「フィオナが完全に作戦に魅了されているわね。そのときが来たら冷静になりなさい。」


 冷静になるのはそのときだけでいいからね。それに感情を入れて魔力を追うのをすぐに思いつくのは凄いよ。私はなるべく綺麗に終わらせるだけでいい。


≪隠蔽した大きな空間庫を3つ用意しておいて。そして封印されている人は空間庫に入れて。それと話は聞こえていたね?≫

<爆笑して項目に見つけたと記載しておいてやる。そして親玉に届いたら爆破だ。空間庫は完全隠蔽だから安心しろ。3つ用意しておくぜ。親玉は浮遊島の真上にある島だ。影があった記憶がねえから島ごと透明化しているぜ>


 それだと魔力消費が激しいね。

 浮遊島の真上にあるのはクズドラゴンたちの魔力を得るためかな。


「浮遊島の真上に透明化している島が浮いていたよ。爆笑の感情が入った証魔力を送った後に爆破した。ここから先は私に任せて!地下に移動しよう。ゴミクズは結界を通り抜ける可能性があるから。」

「やっぱりね!私が何をしても修正できる状態だったみたいだね。世界を変えた敵を相手にしているのにこの余裕。クロアの姉は大変だよ。」

「妹が世界の女王ですからね。負けたら死ぬけれど、勝てば日常が変わる。そして私にはクロアが負けた姿が想像できないわ。」


 玄関の鍵をかけてカーテンを閉めて私室に移動してドアを閉める。そしてベッドを移動させて床と同じ素材の地下室のドアを開け2人が階段を下りたところでベッドを戻してドアを閉めて私も地下室に続く階段を下りた。


≪リュウ、家に感情を送らない念話を通さない結界を張っておいて。何かが入ってきたら全力の結界。リュウの結界で勝つか負けるのか決まる。結界内の他の人たちはそのままで大丈夫。ゴミクズはクローディアにしか興味がないから。絶対に最初はここに来る!≫

<なるほどな。何をしてもここに来るのか。ゴミクズは雑魚だったのを忘れていたぜ>

<クロアの作戦通りですか。敵いませんね>

<それがクローディアだよ。これから鍛える時間ができるよ>

<お姉ちゃんの本気の作戦がこんなに楽なはずがないじゃない。緩んでいるなら説教だよ!>


 恐ろしいディアに説教される人はいるのかな?絶対に泣かされるよ。

 お母さんと姉さんは雑談を始めた。私が気にしなくてもいいようしてくれている。


≪クズの親玉はどのようにしたの≫

<自己回復に強制命令を出して魔法の精神を砕いた。保存していたものは破壊させた。そして自己回復を自爆させた。念のため頭も切断しておいた>


 さて、最強猪に突進してもらおう!


≪それでは私の作戦を実行するよ。姉さんの復讐する一族以外はクズドラゴンを殲滅。今のリュウなら楽勝でしょ?≫

<広域念話で人形に自爆命令を出すだけだ!あの一族が住んでいる場所以外にするぜ>


 指示しなくても広域念話を使うと思ったよ。念話の範囲も指定していないと思うから索敵範囲外の誰かも殺すね。誰を殺しているのか理解していないのに使うのが凄いよ。


≪広域念話に範囲指定していないよね。索敵範囲外まで確実に念話が届く。誰が死ぬのかな?最強猪さんは魔力量でクズドラゴンの住処を判断している気がするよ。他種族の魔力器がクズドラゴンと同じ大きさだったら絶滅だね≫

<マジで待て!気がするじゃなくて絶対に想定内だろ!俺は誰の頭を吹き飛ばした?>

<誰が死ぬのか分からないのに自爆命令ですか。他種族の魔力器の大きさを確認する時間はありました。リュウの怠慢です>

<大量殺人だよ。怖いね!>

<お姉ちゃん、誰を殺させたの?他種族がドラゴンと魔力器の大きさが同じ訳が無いと知ってるでしょ>


 ディアは賢いね。ドラゴン優遇社会で他種族の魔力器がドラゴンと同じ大きさな訳が無い。人体実験されているのかも怪しい。


≪リュウが雑に殺したのは対戦予定だったクローディア一味だよ。ドラゴン優遇社会で人体実験されているのは人間だけだと思う。何故か殺し合わせる予定のクローディア一味の頭が吹き飛んだ。リュウ、本番だよ!≫

<そういうことか。分身計画を過去のクローディアが実現していたら確実にドラゴンの魔力器を使う。そして人形を破壊できていねえ。あれだけクローディアの体に仕込みがあったのに解体できた人形を対策しないはずがねえ。激怒したゴミクズが来るのはこれからだな>

<リュウの無差別殺人を指示も出さずに実行させたのですね。研究用の魔力器を回収してきてください。10個は欲しいです。場所を開けておきます>

<クロアから見ればリュウは子供だね>

<お姉ちゃんは全てを知っていてゴミクズの計画を潰したんだね。ゴミクズはお姉ちゃんを洗脳しないと次の殺し合いまで時間がかかるから必ず来る。人形を解体できたことでクローディアの考えにしては甘いと感じた。過去のクローディアたちは人形に気づけてない。世界を変えたといっても相手はクローディアたちの知識で変えてるだけだね。お姉ちゃんが負ける訳が無いよ>


 ディアは封印を解いた状態で勉強するつもりみたいだね。


≪リュウ、必ず来るよ!ゴミクズが家に入ってきて私たちを探そうと奥まで入ってきたら全力の結界。そしてみんな意識を私に向けておいて。敵の観察はリュウだけに任せる。リュウは全力の結界を張った後に完全隠蔽して相手を確認して≫

<わか…、マジかよ!激怒の感情を全方位に向けている何かが空から来た。転移じゃねえ。それなのに結界が割られていねえ。魔力に近い存在のような気がする。全力の結界に変更する。相手を見て結界の構成を変える>


「お母さん、姉さん。」


 小声で2人に話しかけて人差し指を立てて口に当てた。


≪リュウ、恐らく気体に近い存在でしょ?地下室の空気の入れ換えはお願い。それと結界は3重にして。見つけたときは2重に結界が張られていたと思う≫

<ああ、任せろ。ゴミクズは空に浮いている雲のような存在だ。不定形だが全体が激怒している。気体と魔力を出さねえように結界を強化する。このような存在が無防備に置かれているとは思えねえ。結界が張られた箱の中に入っていた箱だと思う。最低でも2重だろうな。3重結界にした。このあとはどのように動く?>

<お姉ちゃん、気体と戦うとか無理だよ!>

<感情把握がなければ姿も見えないかもしれません。最低なことをしました>

<そうだね。好奇心は身を滅ぼすの典型だよ…>


 魔力拡散器を使っていたら魔力を自分に変えて体積を増やせるはず。絶対に分裂している。


≪気体なら分裂できそうだよね。私ならクローディアの中に入っておくとか色々する。それに分裂できないと2人以上操れない。リュウとリンは絶対に生きたまま活動していたはずだから≫

<それは間違いねえが俺が操っていたのかもしれねえぜ>

<それは無理です。リュウは私を操れません。精神は私の専門分野です>


 初代たちが封印されているはず。クローディアだけが死んでいるのだろうね。


≪空間庫の中に封印されているクローディアとリュウとリンとクリスがいるはずだよ≫

<ああ、人形じゃなさそうなのが1人ずついる。クローディアだけが死んでいる。すげえ傷だらけだ。マジで情けねえ…。ここまで耐えて俺たちを洗脳から助けようとしてくれたんだぜ。クロアたちは見るな。リンとクリスに記憶を送る>


 やはり初代には勝てそうにない…。死ぬまで洗脳されないのは強すぎる。生きている間に必死に洗脳しようとして頭から弾かれる。ゴミクズは屈辱的だっただろうね。


<これが傷だらけですか!?無敵だったクロアが…。何故笑っているのですか?>

<リン、恐らくクロアは自分を餌にしたんだ。自分が最強だとゴミクズに教えた後にな。だがゴミクズは最強を作ればいいと考えた。それでクロアは俺たちに任せたんだ。自力で洗脳に抗って再度封印してくれとな。クソ雑魚の俺たちを応援しているんだよ。俺たちを殺しても宝石のように扱われるのか孤立するだけだ。つまらねえ日常が嫌で冒険に出たんだ。冒険中は笑っていたじゃねえか。仮にクロアが封印を解いていたら笑顔はねえ。絶対にクロアの制止を無視して封印を解いてこいつを解き放った。封印されていた箱も場所も破壊しているし記憶に残ってねえだろうな>

<私は研究の役に立たないからクロアを殺した記憶を残されている気がする。私はクロアと一緒に死んだ。死んだのよ!>


 笑顔なのは全力を出し切った証。初代クローディアは流石だね!


≪クローディアの死体は結界の中で灰にして。中にゴミクズが隠れていると思う。今後何かを処理するときは結界の中だよ。リュウも考えすぎ。クローディアは全力を出し切っても駄目なら笑顔で死ぬの。それは今でも引き継がれている。ディアもそうでしょ?≫

<その通りだよ!クローディアは笑顔で死ぬんだよ。みんな何で負けたのに生きてるの?早く処理してよ。雑魚に洗脳されたクソ雑魚なんでしょ!>


 ディアとロディの厳しさはどこから来ているのかな。不思議だね…。私が全てを克服したらこの厳しさが出るのかな?


<その通りだぜ。クソ雑魚処理するぞ!反対はいるのか?>

<既に死人です。灰にしてください>

<早く処理してよ!>


 自分たちだけ生きていても喜べないよね。幼馴染のクロアを殺して世界を変えてクローディアを作り出して殺し合わせ続けたのだから。


<全員一致だな。灰にしたら赤い気体が増えたぞ。マジで隠れているぜ>


 やはり過去のクローディアの知識を使って生き延びるつもりだね。根絶は不可能だけれど、誰も洗脳できないくらいまで刈り取る!


≪リュウ、結界を4重にして。それと誰が封印されていたの?≫

<4重にした。お母さんが2人と3歳のクローディアが2人だ>


 予想より少ない。お母さんとクローディアは簡単に作れるみたいだね。


≪お母さんと3歳のクローディアの中にも絶対にいるよ。まずはお母さんの魔力拡散器を取って出血を止めてリンの研究室に移動させて。確実にそれで体積を増やしているから。それとロディ、赤い気体と空間庫の4人の魔力を見て≫

<魔力拡散器を移動させる場所は同じです>

<赤い気体には魔力も混じっています。そして4人の魔力の中にも隠れています。4人とも底にいますから転移で底から中心くらいまで結界の中に移動させてください>

<分かった。それと感情が見えねえし頭にいるのかが分からねえ>


 魔力ね…。それなら使った方がいい。だけど結界で使うのは危ない気がする。


≪空の大きな魔石を結界内に入れて。そして4人に私が拷問されているときの記憶を入れて。絶対に逃げ出すから転移で移動させて。魔石に吸われた魔力は結界内で問題ない魔法で使用して≫

<マジかよ…。本当に逃げ出しやがった。それに魔石に吸われていくぜ。魔法で削っていく>


 やらせておいて記憶を見て逃げるのね。不愉快だよ!


≪リュウはリンの研究のために魔力器を10個移動させて。そして研究室にあるものから貼り付けられた精神を全て消して。それと4人から記憶を消しておいて。ロディはリンの研究室と結界内の人の魔力を見てきて≫

<場所はここにお願いします>

<分かりました。魔力を確認してきます。リン、研究室に案内してください>


 誰も話さないね…。

 それにロディかの返事が遅い。それなりの数が隠れていたみたいだね。


<よし、魔力器の移動は終わったぞ。それと4人の記憶は消した。それに研究室にあるもので貼り付けてある精神は消した。魔力拡散器の改造は俺とロディがいた方がいい気がする。次は何をする?>


 そうだね。魔力拡散器を分割したら中から出てくるのかもしれないから。


<リンの研究室には隠れていませんでした。リュウは私についてきてください。結界内で幼い子の魔力に隠れているのが結構います>

≪リュウ、結界内の人を見て感情が2つある人がいたら記憶しておいて≫


 激怒して突っ込んできたから感情にはいないと思うけれど、確認は必須。

 恐らく88体の人形に入っていたのが移動したのだろうね。激怒した状態で分割させる余裕はないはずだから。


<20人程の魔力器に隠れていた。全て結界内で処理した。複数の感情を持っている奴は結界内にいねえ。それにしても結界内の気体がすげえ小さくなっていくぞ>

≪魔石の魔力は使い切っているの?≫


 すぐに油断する。魔石の中に隠れられるのかもしれないないと考えないのかな。


<いや、残っているぞ…。すみませんでした!>

≪結界は3重に落として。残っているのは隠れているつもりだからとりあえず放置。ロディは魔力器や魔力が空気中に浮いているもの以外の魔力も見えているの?≫

<見えていません。空気中と魔力器の中だけです>


 それだけでも十分だよ。


≪空間庫の中で魔力が入っている武器や魔石を全部消費して。ロディは空気中に逃げた気体がいないか監視していて≫

<はい。分かりました>

<クロア、徹底的にやりたい気持ちは分かるが空間庫の魔力はクズ加護の魔力を全て消し去って…。先生、すみませんでした!そのときは気体の感情を見ていませんでした!>


 あの人が保持していた武器だよ。疑いなさい!


<今日だけで何回死ぬの?説教されたいの?冒険者無理でしょ!>

<クロアが圧倒的で甘えていました>

<私は毒蛇や魔獣や毒虫や毒草にも詳しいよ!>


 クリスは知識が豊富なんだね。それなら研究も手伝ってもらえる。


<リュウ、逃げた気体がいます。早く来てください!>

<すぐに行く!>

<毒蛇に噛まれてるよね?>


 ディアの説教する可能性が高まってきたよ。


<知識だけの人です>

<その通りです…>


 次に怪しいのは浮遊島と透明島だね。


≪終わったら浮遊島と透明島の魔力も怪しいから全て消費して。それと透明島の上に魔力があるものはなかった?クズの親玉の魔力器も移動させて≫

<浮遊島と透明島を回復させて岩を砕いて魔力全て使ってみたが感情はねえ。透明島の上にも魔力はねえ。クズの親玉の魔力器を部屋に移動させて魔力を使い切ってみるぞ。先生、本当にすみませんでした。俺はまだ油断しているのかよ…>

<お姉ちゃんの声を聞くと死ぬ呪いにでもかかってるの?>

<毒蛇に噛まれすぎです>

<クロアがいると安心するんだよ。それで制止を無視するんだから馬鹿だよね…>


 そろそろ姉さんの復讐相手を消す!


「姉さん、復讐を終わらせていい?」

「殴りに行くのも面倒だよね。いいよ!」


≪リュウ、全クズドラゴンを灰にして。死体も残さないで。魔力拡散器を私たち以外に持たせたくない。そして上空と地下を索敵。結界維持できる範囲で魔力も使って不自然なものがないか確認して。隠蔽されている可能性も考えてね≫

<地下に結構ある…。ポツン、ポツンと距離を離してな。だがゴミクズに余り知性を感じねえ>

<リュウ、クローディアに考えてもらっているはずです。この気体はそれほど賢くありませんし魔法も使えない様子です。仲間だと思わせて自分が助かる方法を考えてもらったのでしょう>

<それならお姉ちゃんに勝てない。お姉ちゃんと勝負できるのは初代だけだと思う>

<私もそれは思うよ。クロアの雰囲気を初代だと勘違いしたから>


 クローディアに苦労は必須なのかな…。


≪リュウとロディ、今から忙しくするよ。世界中の魔石を全て回収して何も入っていない空間庫に入れて。そして結界内で魔力を消費してから別の空間庫に戻して。灰にしたあと怪しい動きをしている感情はない?≫

<クズドラゴンは全て灰にした。親玉も灰にした。魔力の反応がかなりあるから集めるぞ。何千個あるんだよ…。やっぱりいるんだな…>

<リュウ、結構逃げます。来てください!>


 突然場所が変わったら逃げるのか動かないのか隠れるのか三択。今後も見つけるのかもしれないけれど、洗脳できる量は今日だけで片付けたい。


≪あと地上も確認して。海底は地下と一緒に確認したでしょう。ロディ、お母さんと姉さんの魔力も確認して≫

<エルフやドワーフの国宝も奪っているだろうな。はぁ…、ゴミクズが出てくるからしょうがねえと言えるのか?俺たちの責任だぜ?それにお母さんとフィオナの魔力にいるのか?俺が見ているんだぞ>

<私が見ていません。2人とも下から半分抜いて使ってください>


 リュウは見えていない時間が多かったでしょ。それに殺意や敵意がなければ気づけないよ。


≪リュウ、代わる。ロディは監視に戻って≫

<分かった>

<はい。分かりました>


「リュウだ。2人の体を再検査していいか?」

「ええ、してちょうだい。」

「結構時間がかかっているよね。クロアの作戦は順調なの?」


≪終わった。代わるぜ≫

<分かった>


「順調だよ。終わったら説明するから待っていてね。」

「余裕があるね。安心して待てるよ。」

「世界を変えた敵を相手にしているようにはとても見えないわね。」


≪リュウ、何個くらいの魔石に入っていた?持ち主に返せる?≫

<1万個以上だ。魔法で魔力を減らしながら確認しねえと、とても無理な魔石量だ。それにロディの監視がなければ逃げられていた。十数万年の歳月を感じたよ。それと誰にも返せねえからな!流石に勘弁してくれ。魔石屋でもやりながら国宝がなくなったと言われたときは特徴を教えてもらえばいい>


 無理だと思って聞いたけれど、無理だよね。他種族が会いに来てくれるのかな…。殺し合いにならないように気をつけないと。


≪リュウ、まずは魔石の魔力を使ったら隠れているのを出して結界を狭めて2重にして≫

<分かったぜ。部屋から出るのは諦めた感じだが捕まらねえ自信があるみたいだぞ。世界の女王様を敵に回して随分と余裕だな>


 世界の女王にするつもりなのかな?絶対に嫌だよ!


≪人形を作らせたことを世界が消えるまで後悔させる。正方形のアダマンタイトを2枚、1枚は無敵紙を下に貼り付けて。大きさは手のひらくらいでいいよ。平面が下を向くように気体の上から落として≫

<人形と違うのは紙をなるべく気づかせないように下に貼り付けている点だな。マジで雑魚だぜ。ただのアダマンタイトはすり抜けた。紙が貼ってあるアダマンタイトは気体の上に乗った。そのあとに全体で潰れた演技したぞ。明らかに気体より小せえのにな>

<下手くそな演技はできるのですね>


 人を舐めているみたいだね。今更後悔しても遅いけれど。


≪部屋の中のアダマンタイトと無敵紙を消して。そして結界を限界まで狭めて。そして両面無敵紙が貼り付けてある厚さ1㎝のアダマンタイトで作られた立方体の中に閉じ込めて。私の拷問されているときの記憶と一緒にね。そして新たな結界を張って箱の中の結界は解除。そして可能な限り最小化≫

<あの気体かなり広げていたみてえだ。すげえ小さくなった。10㎝くらいの開かない箱だぜ。気体だから何もできねえと思ったが怒らせた相手が悪すぎたな。ゴミクズは必ず拷問されている記憶に触れる。魔獣に喰われ続けるぜ。壊れて無害な気体になるのかもな>

<クロアの復讐は完璧です。洗脳してくる敵を記憶で拷問するのですね。流石です!>

<やっぱりクロアが最強だよ!>

<お姉ちゃんの作戦を見続けていて思ったけど私たちが緩まないように記憶に入れずに作戦を立てたでしょ。指示の結果が予想通りだよね?>


 ディアとロディと新たに2人。勝負が楽しみだね!


≪ディアの言う通りだね。この程度では危険だよ。更に無敵紙を出して上下左右からグルグル巻きにして最小化。そして両面無敵紙が貼り付いている厚さ1㎝のアダマンタイトで作られた立方体の中に入れて。そして2重結界の魔石と隠蔽の魔石に入れてこの家の地下10㎞に転移させて。そして引越しまで感情把握を続けて。質問は?≫

<やりすぎだとか思ってねえです。勿論やります!>

<当然の処置です。何が起きたと思っているのですか>

<本当だよ!見えるところに置いておくから駄目なんだよ!>

<3人とも反省が足りないよ。説教されたいの?クリス姉ちゃんは説教未経験だね。行こう!>


 クリスの発言は駄目だね…。


<3歳児の説教が楽しみ。可愛くてずっと聞いていたい気分になりそう>


 この危機管理能力の低さ。1人で冒険はできないね。


<リン姉ちゃんの部屋を借りるよ。入ってきたら説教するからね。リン姉ちゃんも未経験扱いにしてもいいのだから。それとクリス姉ちゃんが逃げたら3人とも説教だよ>

<私は知っています。部屋はご自由にお使いください!>

<クリス、ディアを知っているんだよな?>

<クロアの妹でしょ。3歳のクローディアだと知っているよ。じゃあ、行ってくるね!>


 知っていて行くんだ。クリスが最初に箱を開けたいと言い出した気がするよ。今更だから気にしないけれどね。私は…。


≪これがクリスの勉強になることを願うよ。ディアは気づいたね≫

<そうだろうな。主犯が笑顔で連行されていったぜ。俺たちも共犯で連行されるかもしれなかった。マジで危ねえ。あいつ何回毒蛇に噛まれたんだ?最後はディアに噛まれるとか死ぬぞ>

<クローディアだと理解しているのです。精神と記憶は保護してあります。逃げられないように部屋の出入口を閉じました>


 全て解決したわけではないけれど、姉さんとお菓子作りはできそう。

 いつにするか約束しないとね!


 お母さん達に協力してもらって作戦は終わり!

ディアやロディの怒りは姉のクロアから来ています。

そして初代のことも姉のように感じているので怒っています。

ロディも怒っていますが魔力器に戻ってディアに任せることにしました。

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