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世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

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第42話 悪意 前編

<…。起きろ!>


 リュウの声で起きた。記憶を確認しても今の状況が分からない。


「リュウ、何をしているところなのか記憶に入れて。」


<中で行動したら記憶に残らねえの忘れていたぜ。すぐに入れる>


 えっと…、ロディは私の記憶と思考力で作戦を立ててくれている。頭に後付けの人形があるという事で最悪を想定している。この作戦なら何も修正するが必要ない。


 問題は解決策を見つけられるのかどうか…。


「リュウ、ロディの作戦通りに進んでいる?人形は3体檻に入れている?」


<ああ、クローディアと俺とリンの人形だ>


「それならディアを起こして説明するから外での作業を終わらせて。ロディは凄く勉強しているね。このままでは勝負にならないかな…。」


 隣ではディアが眠っている。

 自分には関係ないと考えて睡眠を続行しようとしている気がする。


 とりあえずロディと比較すれば分かる。


「えっ!?何が!?何で!?私がロディに勝つよ!」


 予想通りの素早い反応だね。


<爆走3歳児はそれで起きるのかよ…。頼んだぜ!>


「ディア、リュウが戻ってきたらお母さんと姉さんに最高のお茶会のために席を決めると言って隣同士で椅子に座らせて。そしてリュウに代わる。記憶を見れば理由は分かるね?作戦を考えたのはロディだよ。失敗したら負けだね。」

「負けないよ!それに作戦を考えてるときのロディはお姉ちゃんになりきってるじゃない。この作戦は大切だからいいけど計画勝負は駄目だよ!」


 お互いに意識しすぎだよ。平和な日常なら見ていて楽しいけれどね。


「ディア、ロディが卑怯なことをしないと知っているでしょ。それを分かっていて貶めるようなことは言わない。3歳児だからと何でも許されるわけではないよ。今注意したから次からは説教する。私のために考えてくれた作戦に問題があるの?」

「ないよ!全くないよ!私もお姉ちゃんのために全力だよ!」


 これでディアは大丈夫。問題はお母さんと姉さんが既に強制命令を発動されていた場合。間違いなくお茶会で私を否定してくる。


 クズの親玉は私に嫌がらせをするのが趣味になっているのかな。


 お茶会の時間変更に納得してくれるのか、日付変更に納得してくれるのか、会話によって既に洗脳されているのか見極める必要がある。

 強制命令では複雑なことができないはず。最長で1日だと思うけれど、確認しなければ分からない。それよりも後付けされた人形が頭にあるのがやはり怖い。簡単に誰でも殺せるようにしている気がする。精神にいる人形が体の臓器のように親から子へ遺伝するのだろうか…。


「リン、ロディの精神がどこにあるのか分かる?」


<分かりません。魔力器に話しかけたら出てきたので魔力器の中にあると思います>


「人形は親から子へ遺伝すると思う?」


<私は不可能だと思います。人形の能力次第では広域念話で人間が絶滅する可能性があります。クロアが考えているのは魔力器が意識を持ったときに一度だけ使って忘れる魔法があるのかもしれないという事ですね?>


「その通り。ロディに悪意はない。効果が分からない魔法を覚えていたら必ず教えてくれる。だから何も知らないのは間違いない。それかロディが話していた中で魔力の記憶について気になる。魔力が湧き出したら人形を作る記憶が入っている。魔力器ができた赤ちゃんの中に証が1つだけ入っていたら可能になる。使ったら消える証。それなら臓器として遺伝できると思う?」


<可能だと思います。魔力器は精神を入れられて、湧き出す魔力の形を変えられて、魔力の性質も変えられている可能性があります。証を入れておくのではなく魔力器に付けておけばいいのです。それならば魔力器の一部だと見做されますし、一度証の記憶を使ったら消えるものにすることもできます>


 人形が証を複数作り記憶を入れて敵に送る。今のところ記憶を利用しているのはクズの親玉だけれど、とても親玉が仕込めるものではない。それに遺伝するのを確認するために人体実験された人間の数が想像できない。


「クズの親玉は遊ばれている。そして人間は人体実験され続けている。臓器が遺伝するという事はそれが本来の形だと認識させる必要があると思う。人形を解体した結果次第では敵を潰すことを最優先にするかもしれない。赤ちゃんがお腹の中で育つと爆発したら母と子が死ぬ。腐った世界だけれど、それは流石に一線を越えている。それに隠れている敵は高性能の人形が作れる。絶対に自分の人形を作る。十数万年もあれば何万体でも作れると思う。そして魔力拡散器を埋め込めば最悪な世界が出来上がる。人の体を切り開いて見続けてきたら人形が人間になる。人間にドラゴンに変身できる魔力拡散器を与えた本当の理由が自分を隠すためだったとしたら最悪。記憶消去して精神を綺麗にして何かが切っ掛けで全てを思い出して殺戮を始める。気がついたら姿が違うそいつだけの世界だよ…。リンは命令されて何していたの?」


<わ、私は人間が住んでいる地域を調査していました。それの理由が分かりませんでした。記憶を何度も消されているのは変身する前の人形が何体もいるのを見たからなのかもしれません。最低最悪の世界です>


 人間が住んでいる場所を調査させる。それはクズの親玉からの命令だとは思えない。既に何体の敵が世界に紛れ込んでいるのか分からない。


「どれほど高度に変身しても魔力拡散器は隠せない。元に戻れなくなる。そうだよね?」


<はい。変身した姿が実体となります。魔力拡散器がなければ死ぬまで同じ姿か、成長するのかまでは分かりませんが、元の姿には戻れません>


 魔力拡散器に何か仕込みを施しておけばいつでも世界を乗っ取れる状況にする。これでは敵を殺しても魔力拡散器を持つ人の数だけ敵に変身して記憶も入れられたら対処不可能になる。他の後付けの臓器も動きを変えてくるのかもしれない。そもそも後付けの臓器ではない人間がいないのかもしれない。

 それに人体実験の情報は必ず消されている。人間の体を元に戻す意味がないから。


「変身する方法は想像できる。完璧に擬態するためには本人を見ながらでないと難しい。そして2人で行動する。変身して記憶を入れた後に本人を見た記憶だけは消す。もう1人も姿を見られないようにする。そして変身した相手を殺して死体を処理すれば擬態の完成。擬態した本人も分からない状態にできる。だけど頭の中を完璧に擬態するのは不可能だと思うし、体の機能を全て擬態するのも不可能だと思う。クズの親玉はリュウを派遣してこないのではなく、その権限がないのだと思わない?擬態に同行するのはリュウが一番だから。そのリュウが人形にされた本物なのか偽物なのかどちらでもいい。私たちのリュウが本物。敵側のリユウとは融合させられない。私たちのリュウが壊れるから。リンなら分かるよね?」


<はい。十数万年善人を殺し続けています。そして人形が擬態する様子を見ています。精神は濁りきっているでしょう。自分の記憶と精神です。融合しようとすると自分を全否定することになります。十数万年を否定し続ければリュウが濁るのか壊れるかのどちからしかあり得ません。それに融合する意味が何もありません>


 意味がないし壊れるか精神が濁る。融合は絶対にしない。


≪ディア、出番だぜ!≫

<任せてよ!>


 集中したい…。

 お母さんと姉さんの声を聞いていると決断できなくなりそう。


「リンの部屋に行こう。ディアが代わってと言ってきたらリュウに伝えて。」


<分かりました>

<完璧な仕事してきたぜ!何か暗くなるような話でもしていたのか?>


 机と椅子と檻がある。人形は眠っている。羽織を着ている。私に似た人形。目の色が違う2体の人形。リンとリュウは双子なのかな?


「リン、リュウに記憶を送って。私たちは隠し事をしない。」


<分かりました!リュウ、あなたが本物です。融合できた私は綺麗な仕事しかしていません。今から送る記憶でクロアとの会話が分かります。送ります!>


「リュウ、本物なら抗うはずだよ。人形にされて命令に逆らえないと諦める?」


 今のリュウの性格を考えると、この内容の仕事をさせられたら精神が砕けるまで抗い続けるに違いない。リンに疑われないように偽物がリュウになりかわっている。私の予想で済めばいいけれど、人形の存在がそれを否定する気がする。


<お前ら心配しすぎだ!俺が本物だって言ってきたし助けなくてもいいと言ってきたじゃねえか。このようなことを続けると思うか?全力で抗うに決まっているだろ。それで邪魔だから殺されて偽物に代えられているんだろうぜ。最低最悪な計画じゃねえか。どうするんだ、クロア>


「遊びながら皆殺しにする。魔力拡散器を壊しても竜王は死ななかった。つまりいらない。後付けに邪魔されるのは嫌だから。お母さんと姉さんにも決断してもらう。魔力拡散器を捨てるのか親子をやめるのか。リン、魔力拡散器に記憶は残っていると思う?」


 親子をやめるのを選択するのなら殺さなければならない。魔力拡散器は後世に残してはいけないものだから。

 それに偽物ではないとしても魔力拡散器の仕込みが何か分からない。世界中の人に魔力拡散器を持つ人は子を諦めろと言うのは簡単だけれど、実行してくれるのかが不明。それに本人だって魔力拡散器が体内にあると知らない可能性がある。

 実際に利用してドラゴンに変身していても気づいていないのだから。


<魔力拡散器はかなり怪しいものです。ロディが話していた想像したものに必要な魔力を自動で使うものだと思われます。ロディは魔力に記憶すると複写されていると言っていましたので一度の変身の記憶は残しているはずです。過去の変身まで残しているとは思えません>

<遊びながら皆殺しとか物騒じゃねえか。お母さんとフィオナまで対象にするという事は本気だな。計画は考えたのか?>


「ある程度だけれどね。これまでの流れから何か仕込まれている可能性が高い。ゴミクズの姿に変身できるように記憶が入っている気がする。何かが切っ掛けで作動するようにね。人形を解体してからだけれど、人形は消すだけでいい。消すのはリュウに任せる。解体はリンが行う。リンは魔力拡散器についてロディと研究して。勉強の邪魔をしてしまうけれど、世界のゴミを掃除するのが先だから。ロディ自身もしていることが理解できない。だから協力してもらうしかない。それに不愉快だけれど、私が狙われすぎている。過去にも私と似た姿の人がいて痛い目に遭ったことがあるのかもしれない。まずは人形からだね。とりあえずリンは人型になって。それとリンとリュウは双子だよね?」


 すぐにリンが人型になった。白衣を着た赤い髪で緑の目の女性。髪は癖毛なのか肩までしか伸ばしていない。服装と真剣な表情がよく似合っている。


「リュウ、どのように見ても目の色が違うだけです。確実に双子か姉妹のどちらかでしょう。おかしな人型になって恥を掻かせないでください。」


<俺はさっき真実を知ったんだぞ!もう少し優しく言えねえのか!それにクロアの前で男になるわけねえだろ。克服するまでは女になってやろうと思っていたら女じゃねえかよ。マジで切ないぜ…>


 切なさはどこから来ているの?本当は恥ずかしいだけでしょ!


≪リュウ、お願い!≫

<任せろ!>


 可愛い3歳児が走ってきた。絶対に守るからね!


「あれ?リンが攻めてきたときと同じ姿になってるじゃない。それにお姉ちゃん、お母さんとフィオナ姉ちゃんは人形を見れば分かるでしょ!人形がなければ怪しいし人形の姿が違えば怪しい。だけど人形は姿を変えないでしょ!」

「ディア、私も魔力拡散器を取る。後付けで想像した姿に変身できる臓器に何も仕込まれていないはずがないから。だから魔力拡散器と出産を諦めてくれるのならそれだけでいい。この世界に必要なものではない。敵と対峙したときに魔力拡散器が体内にある人は強制で変身させられるかもしれない。」

「ディア、リンお姉様と呼びなさい。そしてクロアの考えていることは正しいのです。自分のことを後付けだと理解しているロディも自分ができることを理解していません。魔力拡散器にも調べたら何か秘密が隠されている可能性があります。人に魔力拡散器をつけてドラゴンに変身できると思わせた。それにより魔力拡散器は世界中に散っています。魔力拡散器は存在してはいけないのです。私たちが遊んで終わりです。そして遊ぶためには改造する必要があると思われます。お母さんとフィオナさんがクロアの説明を聞いて魔力拡散器を残したいと願いますか?臓器に支配されるのかもしれません。そのときお母さんとフィオナさんを殺せますか?」


 その可能性があるから取りたい。何かに変身して無差別に人を襲わせるのかもしれない。だけど十数万年も嫌がらせをしているゴミクズなら絶対に何かがある。


「もー、分かったよ!早く布団出して!リン姉ちゃん早くして!私は寝るからね!」

「はいはい…、分かりましたよ。ディアちゃん。」


 何故ここで今から布団で寝るの?爆走3歳児の行動は読めないね。


 2人の人形が眠った状態で檻に入った。


 顔は2人と似ている…。


 何故人形の顔が変化していることに違和感を覚えなかった。人形の顔を変える意味が何かあるの?解剖されたときに人形を見た人に違和感を覚えさせないため?


 1つだけあった…。人形も能力と同じように人が犠牲になっている可能性が高い。その人の顔から変えるためだけのような気がする。この人形の体と同じ人がいることを想定しておこう。

 解剖したときに怒りで思考を鈍らせないように注意しなければならない。


「リン、ディアに確認してもらうつもりだったけれど、洗脳状態を確認してきて。何故ここで寝ているのかな?お茶会の相手が私だから、私に代わったと気づいたら何を言い出すのか分からない。だからディアに確認してもらうつもりだったけれど、絶対に聞こえているのに起きる気がないね。これは説教かな?はぁ…、ロディなら確認してくれるのに。今から頼もうかな?」

「ようやく私の出番だね!確認してくるよ!」


 爆走3歳児は走っていった。無敵だよ。


「リン、外の声を拾って。」

「分かりました。爆走ていきましたね。それにお母さんがドラゴンになれないのを一番寂しいのはクロアです。敵を絶滅させたら戻すつもりですか?」


 お母さんも姉さんも子を諦めてもらうのが前提になる。十数万年人体実験で改造されてきた人間を元に戻すには同じくらいの時間がかかる。だけど元の人間の臓器が分からない。今確認できている臓器だけとは限らない。

 魔力拡散器は危険だけれど、同じ機能を持つ臓器がないとは断定できない。

 

「魔力拡散器がうまく改造できたらね。基本的には私たちが遊ぶためだけでいいよ。それに遊べるのは敵を殲滅した後になるけれど、私はお母さんが変わる方が怖い。ドラゴンと人間が世界に散るのを待って人形で強制命令を出す。本当に最低な世界だよ。腐りすぎている…。」

「人形を解決しないと何が起きるのか分かりません。仕込みが多すぎて嫌になります。隠れている敵は壊れています。本気で関わりたくないです。」


 本当だよ。絶対に壊れている。自分も人形になっている気がするし行動が理解できない。


「リン、あとは竜の目の仕込みも気になるけれど、普通の目に戻せるか同時に研究しておいて。敵を潰す予定だけれど、できないのかもしれない。器の中にいるリュウとリンとロディも人形に退避させる必要があると思う。戦闘時には2人の力が必要だしロディも消したくないから。目が破裂して、器が解体されて、魔力器が破裂する。それとドラゴンの力も怪しい。他にも後付けの臓器があるのかもしれない。この体が即死する所は確認してみて。」

「既に監視対象です。私たちが動いていると知られると何をされるのか分かりません。クロア、全ての後付けの臓器が即死に繋がると理解しているでしょ。クロアが動いては駄目です。遠距離でさらにリュウに完全隠蔽させて排除していきましょう。全てに悪意がある可能性が高いのです。敵は余りにも醜悪です。」


 そうだね…。全て即死に繋がるように何か仕込むだろうね。


◇◇◇

体外の声。


「お母さん、フィオナ姉ちゃん。お茶会の時間を変更しても大丈夫?日付を変更しても大丈夫?」

「急にどうしたの?何かあったの?」

「予定を急に変えるのはクロアらしくないよ。」


 洗脳済みだね…。

 お母さんの言葉がおかしい。普通なら何をしているのか確認しようとするはず。

 姉さんは完全におかしい。私の精神のことを知っているのに、その言葉は使わない。


<ディア、今の気持ちを2人に聞いて。人形に洗脳されていると言っていいよ。危なくなったらリュウに眠らせて>

≪お姉ちゃん、分かったよ…≫


「大切な話だから聞いて。精神の奥にいる子に2人が洗脳されてる。お茶会でお姉ちゃんを侮辱するためにね。それは嫌だしお茶会は楽しんでほしい。今の2人はどのような気持ちなの?お茶会をしないとけないという焦りがあったりする?無理して抗ったら駄目だよ。お姉ちゃんでもギリギリだったから。人形は取り除いたけど洗脳は残る。だけど時間に限りがあるからそれまでは眠ってもらうつもりだから安心して。」

「精神の奥にいる子まで敵なんだ。この世界が本当に嫌になるね。何も信じられないよ。クロアが出ると私たちが何を言うのか、何をするのか分からないから確認しているんだね。正直に言わないと対処できないね。お茶会を14時からしないとまずい気がする。14時からのお茶会というのが洗脳に入っている気がするよ。夜まで眠らせて。」


<ディア、姉さんをベッドに行くように言って。リュウ、眠らせて。常に感情把握を忘れずに>

≪分かったよ≫

<任せろ>


「フィオナ姉ちゃんはベッドで横になって。すぐに睡眠魔法をかけるから。」

「ごめんね。夜に再確認でしょ?面倒だよねー。」


 ドアを開ける音がしたから姉さんは部屋に入ったみたいだね。


「ディア、私は時間に特に反応はなかったのだけれど、日付を変更されるのが怖いと感じたわ。このような場合は長く寝ていた方がいいのかしら?」

「洗脳のされ方が違っただけでフィオナ姉ちゃんと同じ時間に効果が切れるから大丈夫だよ。強制命令だから長く効果は残らないみたい。お母さんに真面目な話があるんだけど聞いてから眠る?」


 止めるべきだろうか?それは駄目だよね…。ディアの気持ちを尊重してあげないと。


「クロアについてなの?」

「世界の敵についてだよ。この世界の敵は何にでも変身できる臓器を人体実験で人間につけてドラゴンだと思わせて世界に放った。エルフなどの他種族は分からないけど人間は魔力器も改造されていて、更に精神の奥にいる子という存在まで後付けされた。魔力の形も本来とは違うと思う。その敵と戦ったときに臓器が体にあると突然化け物に変身して人を襲うかもしれない。それと人に化けてる。変身する人に化けて記憶を抜いてから殺す。そして化けたときの記憶を消してもらう。化けた本人さえ分からない完璧な偽物。お姉ちゃんはお母さんのぐるぐる巻きが大好きなのに臓器を取ってほしいと言ってる。お母さんに変わってほしくないから。お姉ちゃんも勿論取るしフィオナ姉ちゃんにもお願いする。そしてお母さんとフィオナ姉ちゃんは子を産むのを諦めてもらう。それと結界内で魔力拡散器を持つ人を見つけたら殺す。お姉ちゃんが狙われるようになったのは精神の奥にいる子が敵に情報を送ったから。お姉ちゃんは皆を守っているけど苦しんでばかりだよ。洗脳されて、拷問されて、私と融合するときに消されそうになって、外に出られないくらい感情を動かせなくて、極度の男性恐怖症で、お母さんのぐるぐる巻きも諦めてる。お姉ちゃんばかりが嫌な役回りをするのが嫌いだから私が決める。今すぐ2人とも魔力拡散器を取らないなら家族解散!お母さんが臓器を取るならフィオナ姉ちゃんに説明して!」


 気づいている…。私の記憶と思考力で全て理解している。


「ディア、本当はどのように思っているの?」

「私は後付けの臓器は全て危険だと思ってるよ。だけどお姉ちゃんがロディだけは残すと決めてる。ロディは後付け臓器だけど研究に欠かせない存在だし私と勝負する相手だから。それにロディは役目が分かってる臓器だから別にいいんだよ。だけど他は何も分からない。ドラゴンの目が怖い。破裂させられるかもしれない。魔力拡散器は世界に1つでも残したら駄目だと思ってる。私は化け物になって人を襲うより化け物の記憶が突然入ってきて体を乗っ取られる気がしてる。器も何とかしたい。敵は器を分解できるかもしれないから。そうすると2人がいなくなる。敵は十数万年もかけてこの世界を腐らせてるんだよ。お姉ちゃんは珍しくすぐにでも殺すべきだと考えてるけど我慢してる。殺しても変身する臓器があるだけでそいつは蘇るかもしれない。研究次第だけど残していい臓器ではないよ。お姉ちゃん、能力についてお母さんに言ってもいい?」


 今の言葉は私の記憶を見て言っていない気がする。ディアの本心。


<ディアの好きにしていいよ>


「能力には何かあるのかしら?」

「お母さん、能力は人間だよ。人体実験によって精神と力だけ残されてる存在。付与という行為で精神と力を魔力で器に入れる。魔法と自己回復はリュウとリンって名前で呼んでるんだ。お姉ちゃんがこの世界について考えて名前を予想してつけた。肉体は朽ちてるみたいだけど全能力を絶対に解放する。リュウとリン姉ちゃんも含めてクローディアは一緒に遊んで一緒に死ぬ。だけど今回の敵は許さない。クズ加護よりも徹底的に潰してやる。十数万年の努力を全てぶち壊してやる。私たちの遊びの前に立ちはだかったことを後悔させてやる。封印なんてしない。絶対に殺す。絶望させてから殺す。それとお母さんはお姉ちゃんが洗脳されてたときに偽の家族と一緒に食事したことが一回あるけど何を食べてるか気にしてなかった。机の上には料理とお酒が山ほどあったから。拷問されてたときはお母さんが焼いた魔獣の肉を食べてたけどそれ以降は水と野菜しか食べてない。味付けされてない野菜ね。そして野菜の味も水の味と温度もお姉ちゃんは疑ってる。だからお姉ちゃんは美味しいも不味いも知らない。甘いも苦いも知らない。熱いも冷たいも知らない。お姉ちゃんはフィオナ姉ちゃんの説明で味を覚えるつもりだよ。最後については言いたかったから言っただけ。それでどうするの?」


 ディア、自分に怒っているの?私のために怒ってくれているの?


「私とフィオナの魔力拡散器を取ってちょうだい。それでクロアは何故気づいたのかしら?」


≪リン姉ちゃん、臓器の保管場所は空いてる?リュウは知ってる?3つだからね≫

<何でお前が痛みを感じる必要がある?俺でいいじゃねえか!>

<魔力拡散器を保管している場所はリュウに伝えました>

<ディアの気持ちを優先してあげて>


 私とロディだけが苦しんだのが許せないんだね。

 気にしていないと知っているでしょ…。困った妹だよ。


≪私だって森で2日間は耐えたから大丈夫。いいからやって!≫

<リュウはディアから取って回復魔法をかけて。リンは体内に問題がないか確認して。問題がなければ残りの2人もお願い>

<ディア、悪いのは人形だぜ!お母さんを責めるように言うなよ。今からやるぞ!>

<分かりました。確認します!>


「ディア、突然その汗はどうしたの?」

「いいから待っていて。」


<帯電で確認して魔力拡散器だけ取ったつもりだがどうだ?回復もしたぞ>

<体から剥がすときに出血したようですが問題ありません。魔力も湧き出ています>

<勉強のために封印していたはずでしょ。何で解いたの?>

≪ロディも封印を解いて作戦を立てた。私は全て理解することにした。それだけだよ≫


 全てを理解したディアは何を選ぶの?


「私たちの魔力拡散器を取って回復魔法で問題ないか確認する必要があった。自己回復は私たちの中にしかいないから。それで先程の質問に答えるよ。お姉ちゃんはお茶会のために眠ってた。それなのに強制命令で起こされた。命令に抗い続けて人形がお姉ちゃんを恐れた。ロディも強制命令されたけど抗った。ロディが強制命令に耐えた感じを森での拷問で表現してくれたけど3日分だよ。私の精神は3日目で砕けたけどお姉ちゃんは強制命令を耐えて平気な振りをして、お茶会で2人から侮辱されると分かっていて耐えるつもりでいた。精神の奥にいる子が敵だから今は我慢するしかないと覚悟してた。精神の奥にいる子が爆発しないとは限らない。リュウが気づいてロディが精神の奥にいる子にお姉ちゃんの記憶を見られないようにした。お母さん、毎回これだよ。お姉ちゃんが抗って耐えて敵を潰したいのに監視と人質がいて動けない。私が状況を悪化させてるけど3歳児だから許してもらえるみたい。ロディと勝負するために鍛えてるから封印してたけどお姉ちゃんの思考力を使えば全て分かる。ロディもリュウに頼まれたから封印を解いた。精神の奥にいる子はお母さんとフィオナ姉ちゃんを殺そうとした。お姉ちゃんの記憶を敵に送り続け、今日は強制命令を発動した。お母さんとフィオナ姉ちゃんもこの世界を疑ってよ。娘に自己犠牲させ続けている母なんておかしいでしょ。私は3歳児として遊ぶ。私とロディを普通の3歳児にしておきたいならお姉ちゃんを大切にして。クローディアの中で一番優しいから。」


 3歳児で終わらせない!ディアとロディを全力で遊ばせてあげるから。


≪リュウ、代わって≫

<困った3歳児だぜ!>

<本当にその通りです>

<3歳児だから遊べるわけではないよ。死ぬまで遊び続けるのがクローディアだから>


「悪いな、ディアは多分布団で寝ているぜ。伝言はあるかな?」

「ありません。この世界の在り方に疑問を持ち続けて疑い続けているクロアが凄いと思っただけです。臓器を抜き取ったあとフィオナと同じように夜まで眠らせてください。」


<リュウ、私たちはリビングの椅子でいいから。玄関に鍵をかけて結界で侵入を防止して>

≪分かった。人形を早く解体するために終わらせるぜ≫


体外の声終了。

◇◇◇


 爆走3歳児が全力で走ってきて布団に入った。


「リン、ありがとう。外の会話はもういいよ。」

「分かりました。ディアの言いたいことは分かりましたが何故布団に入るのですか?」


 邪魔にならないように聞いているんだよ。何も知らないままでは嫌なんだね。


「これがディアの反省方法だよ。解体に参加するという雰囲気を出しているね。」

「凄い反省方法です。この場にいるから解体に参加したことになるのですね。」

「遅くなったな!これなら文句ねえだろ。」


 膝が見えるズボンに骸骨が書かれた大きめのシャツを着たリンと同じ顔で青色の目の女性。服装が違うだけでこれ程まで知性に差を感じるのは凄いね。リンが怒りで震えているよ…。


「リュウ、その服には見覚えがあります。私の近くに立っていた魔法使いが着ていました。服装を見るだけで精神が濁っていると分かります。」


 そういう理由なんだ。昔の服の方が露出が多くて派手だね。


「服装についてはよく分からないけれど、骸骨が書かれているのはどうかと思うよ。昔は流行っていたのかな。とりあえず私たちに最強の結界を張って。そしてリンによく切れるナイフを作ってあげて。そして人形たちに魔法を再度かけて。」

「俺も骸骨は趣味が悪いと思うんだが何故が落ち着くんだよなー。結界を張って人形たちに魔法を再度かけた。人形だから簡単に切れるだろ?」


 リンが突然紙を出して何かを書き始めた。


「この形に作り直してください。メスという解剖道具です」

「それだと力が入りにくくない?持ち手も細いし切断できる刃の部分も少ないよ。」

「研究マニアだからな。まあ、作り直してやるよ。」


 解剖専用の器具があるんだ。


「まずは1体をリュウが掴んで机の上に乗せて。絶対に魔力は入れないようにね。私の予想通りだと最悪だよ…。」

「クロアが予想しているのは精神に実際の人形を入れているという事ですか?」

「よく分からねえが動いていても人形ぐらい掴めるだろ…。嘘だろ!?すり抜けるぞ!」


 人の体を人形の大きさに複製して入れている可能性が高い。やはり最悪だったよ…。


「リュウ、この机を鉄で作ってください。それと私たちは人形に触れられません。仮想体だからです。人形が物質だとは思いませんでした。今から紙に書く器具を全て鉄で作ってください。そして私の手を結界で覆ってください。リュウが仮想体で外に出ているときに物に触れられる結界でお願いします。」

「そういうことか!精神の中にいるから今の俺たちのように人型になっているだけだと思っていた。マジで人形を入れていやがるのかよ。ゴミクズ決定だぞ!」

「リン、2体を机の上に離して座らせて。とりあえずありがちなことから試験しよう。リュウ、人形を最強の結界で守って。但しこちらからの2種類の魔力だけは通せるようにね。」


 爆破するだろうね。何か残るのかな。


「よし、2体に結界張ったぜ。まずは左の人形に自魔力を送るぞ。」

「リュウ、今の自魔力はクローディアの魔力に証がついていないだけだよね?」


 軽く頭が吹き飛ぶ爆発だった。それどころか周囲にいる人も死ぬかもしれない。

 そして爆破の後には何も残らない。


「あ…、ああ。そもそも今まで使っていた魔力が不自然だったせいで名前がややこしくなっているな。まあ、自分の魔力で自魔力だから別にいいか!」

「今の爆発から目を逸らさないでください。クロア、もう一度私に魔力について教えてください。あのときの私は少し前のめりになっていました。」


 自分の常識を否定されていたからね。


「分かった。自魔力には2種類ある。自分とその記憶が入っている魔力とそれ以外の魔力。そして見えない魔力とは誰も操作していない魔力のこと。今まで操作を止めた魔力は二度と使えないと考えていた。そのような思い込みを捨てて見えない魔力が見えるようになり使えるようになる鍛錬を始めたリュウは普段使っている魔力に証がついていて操作を止めると証が剥がれて見えなくなるという猪になった。そして猪は気づいた。初めて魔力を使ったときに証がついていたのか知らないと。私が猪の気持ちを感じて考えた。自分で使える魔力は自魔力でいいと。そして証がついているのを魔力と呼ぶことにした。そうですよね?最強猪さん。」


 普通なら逆だよね…。証がついているのが当たり前だとするのはおかしいから。だけど自魔力とよぶようになってからロディに確認して真実を知った。どうするべきかな?


「先生の言う通りです。自然にある魔力も証を餌にすれば集められる。そしてクローディアの魔力を複写すれば使うことができるようになる。という事で先生が自魔力とまとめてくれました。」

「よび方を変えることにします!自魔力とよび方を決めた後で真実を知りました。だから魔力と証魔力にします。いいですね?」


「今後のことも考えるとその方がいいな。今のは魔力で人形が爆破したぜ。」

「最強猪さん、最近はずっと証がついてました。広域念話を使ってクロアの気持ちを伝えたときも証がついていました。広域念話は普通の念話と違って人を通り抜けるようにして声を伝えます。念話は魔法ではなく魔力で人の頭を覆うだけです。魔力で広域念話をしていたら何人死にましたか?」


 広域念話の魔力量なら大丈夫だと思うけれど、試したくないね。


「リン先輩、その質問は難しいと思います。」

「下らねえ会議に集めた奴以外は5ヵ国全滅だ。結界の中もだぞ。俺は知らねえ間に最強魔法を考えてしまったぜ。」

「クズだけ生き残る魔法とか終わっています。それにしても悪意がありすぎますね。頭を吹き飛ばすどころか周囲の人の頭まで吹き飛ばす威力に見えました。」


 酷い怪我で済めばいい方だね…。


「それでは右の人形は魔力の魔法で真っ二つに切断して。」

「はぁー!?何で爆破しやがった。魔法陣も切断できるはずだろ!これもクロアの予想通りか?」


 これでも爆破して何も残らない。余程人形は残しておきたいみたいだね。


「相手はゴミクズ。証魔力でしか切断できない何かに魔法陣が書いてある気がする。」

「それしかねえが…。これが精神の中にあったんだぜ。安全な方だと思ったが駄目かよ。」


 このあと更に最悪が待っている気がする…。


「リン、今すぐ解体できる人形は1体になるかもしれないけれど、いいかな?必要なら孤児院にいる子から集めるよ。それとリュウ、まだ外にある結界は変えたら駄目だよ。結界内以外の人が死ぬ。お茶会をしていると思わせておくべきだよ。」

「ええ。これは危険すぎます。相手が魔力を通そうとしたら念話だと判断して死んでいました。他の臓器も試験してみる必要があります。」

「そうだな。まだ早えよな。どうしても二度も爆破を見ると怖くなる。それに何も残っていねえのが不気味すぎる。」


 敵が何を目指しているのか判明はしていないけれど、人形になると時間の経過が気にならなくなるのかな?


「リン、ロディに証魔力と魔力を左右に分けて管理するように伝えて。そして試験の状況は私の記憶を見るように言って。今は魔力器で待機しているはずだから急いで。」

「はい。分かりました。」

「悪質すぎて気持ち悪いな…。これを全ての人間に入れている可能性があるんだろ?壊れているんじゃなくて邪悪なだけじゃねえのか?ああ、邪悪な奴が壊れている可能性の方が高いか。」


 遥か昔に何かあったのだろうね。もしかしたら殺せない敵なのかもしれない。


「伝えてきました。それでは人形を2体離して机の上に置きます。」

「リュウ、次は証魔力を左に送って。」

「ああ…、はぁ!?ふざけんじゃねえぞ!何で爆破するんだ!」


 やはり爆破するんだね。ゴミクズ以下の存在だよ。


「リュウ、落ち着いて。可能性は2つある。1つ目は広域念話より魔力量が多い。2つ目は死にたくない人形が防いだ。魔力に覆われるのは命令の念話で防ぐことがないけれど、体を通り抜ける魔力だけは注意するように作られているのかもしれない。今の魔力量でも広域念話より多いでしょ?」

「確かに広域念話より魔力量は多い。あの魔法は薄く延ばして円状にした魔力だ。しかも一方通行だから頭を通り抜ける魔力量は少ねえ。それにこの人形はクロアに怯えていた。予想外のことは避ける可能性がある。証魔力を弾く結界が張れるのかもしれねえ。どちらにしても気分が悪いな!」

「悪意がありすぎます。クロアの言っていた計画通りに行動していそうですね。」


 私の想像する最悪の予想が当たり続けている。最悪の世界だからだね。


「リュウ、証魔力で切断してみて。」

「ああ…。はぁ…、爆破は絶対かよ。ここまでゴミクズだと驚かねえな。こいつに従っているのなら俺は偽物で決定だ。」


 間違いないね。私たちのリュウが本物だよ。助けてくれと言われたのは解放してやってほしいという意味かな…。クズ兄の姿で来た敵の言葉を信じる理由がないね。


「リュウ、人形に魔法を再度お願い。」

「ああ、解体して何か見つけてくれ。」

「絶対に見つけましょう。」


 私だって怒るときは怒るから…。


 この世界で楽しめないと思ったら全力で砕く。私は正義の味方ではない。

 敵の目的ごと全て消してやる!

腐った世界でも遊べるのなら敵に抗います。

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