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世界は子を愛す  作者: 大介
第1章 現実

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第41話 思い込み

◇◇◇

10日目。魔法(リュウ)


 ああー、間に合ったー!マジで俺の才能が怖いぜ。クロアも泣いて喜ぶに違いねえだろう。これでお茶会を開催することができるから…。


 はぁー!?

 眠っていたクロアが布団から出てきた。ディアを起こさないように気を遣っている感じだ。


 何で起きたんだ?結界内で眠らせていたんだぞ。防音に睡眠魔法も重ねていたんだぞ。

 部屋からでようと思ったのに睨まれている気がする…。早く中に入れってことだな。


 ディアだけの結界にしないと精神が死ぬだろうな。リンがいるから問題ねえ。


<最強猪さん、鍛え方まで教えたのに5日間かかるとは思わなかった>


 高級店での会話まで聞かれているじゃねえか。それは流石に不可能のはずだ。リンが裏切ったのか?遊ぼうと思ってベッドから起きるところで声をかけるとか確実に待っていたな。


 視線から感じる圧がすげえ。

 はいはい…。ベッドで横になって中に入りますよ。


<リン、お前が何か言ったのか?>

<私は何も言っていません。研究で忙しいのです>


「最強猪さん、焦らなくてもいいよ。器に能力の記憶が入っているでしょ。繋がせただけだから心配しないで。」


 嘘だろ!?こいつに不可能ねえのかよ!

 女王様ついに俺たちの記憶閲覧可能にしたのか。俺は今日が命日か!?


<クロア、意味が分からねえぜ。誰に俺たちの記憶を繋がせたんだ>

<そうです。私たちの記憶を見ることができるのは精神の奥にいる子だけのはずです>


「1人いたね。私が精神の奥にいる子を経由して記憶を見ればいいだけだよ。何もおかしくない。」


 マジかよ。何で交渉できるんだ?そのような話聞いたことがねえぞ。あるはずがねえな…。

 とりあえず情報を集めるのが基本戦略だろ?クロア先生。


<クロア、精神が綺麗に光り輝くと精神の奥にいる子まで力を貸してくれるのか?>

<私も知りません。クズの親玉が作った仕組みにはないはずです>


「私をクズの親玉と比べているの?世界の女王なのでしょ。猪は木に突っ込み続けていたね。交渉なんて必要ないよ。見せてと言っただけ。突然罰を用意したことに謝ってきたから『気にしてないけれど、能力たちの記憶を見せてくれたら絶対に気にしない』と言っただけ>


 ヤバイ、マジでヤバイ。俺の記憶はヤバすぎる!そもそも精神の奥にいる子が謝るとかおかしいだろ。砂状になっていた常識をまだ壊せたのかよ。


 女王様が新しい常識の構築中ですか?


<クロア、男性恐怖症なのに俺の記憶を見るんじゃねえよ。記憶を消している意味がねえだろ>

<そうです。クロアに危険だと思って記憶を消しているのです。リュウが見ていた光景は知りませんが何も問題ないはずです>


「記憶を消した理由は勿論分かっているよ。本当に最低な光景だった。クズ加護を思い出してしまいいそうになったよ!それだけなら問題ないのに2人の想像力がとても豊かだから。フィオナ姉さんも納得してくれたし誰もディアに悪意を持っていないから別にいいけれどね。我儘3歳児の責任にしても意味がない。2人の想像だけれど、分かっていたみたいで嬉しいよ。夜には代わるからお茶会は今日の14時からね。」


 話がお茶会に変わった…。

 精神が死ぬことはないようだ。これが死の恐怖ってやつか!


「自動記憶保護の仕組みはできたの?」


 話が終わってねえ…。手も付けてねえの知っていて言っているだろ!


<流石に時間が足りねえよ!自然の魔力を見る鍛錬していたんだぞ。少しくらい褒めろ!>


「自然の魔力って言うのが長いから今から自魔力ね。それで自魔力が何故見えないのか考えてみた?」


 まてまて、間違いなく俺より知っている気がするぞ。


<証が消えるからだろ。試験もしたじゃねえか>


「あれは緊急措置だよ。自魔力はどのように集めるの?」


 確実に知っているな。どのようにすれば理解できるんだ?


<何を言っているんだ?俺は自魔力を集めて魔法にできるんだぜ。知っているに決まっているじゃねえか。手にクローディアの魔力を纏っていると集まってくる。証を剥ぎ取ろうとしてくるから耐える必要があるけれどな>


 証を奪われても集めるだけの証はロディからもらった。精神の奥にいる子がくれたものを複製して何かあったときのために溜めていたようだ。

 お茶会だけでも楽しんでほしいが今言うべきか?証が微妙に違う。記憶を入れるだけならクロアと繋ぐだけでいいはずだ。証の種類が違うのは情報を届けるためとしか思えねえ。

 何種類あるのかは後でリンに確認してもらう予定だった。クロアは勘が鋭いから作業していると気づかれるからな。


「証の話をしたらリュウが気にすると思ったけれど、無視でいいよ。どのような証をつけていてもリュウの結界を通り抜けられないから。それで自魔力を集めるためには証を餌にする。お腹が空いている魔獣と一緒だね。だから手に証がついている魔力を纏っていると集まってくる。それならどのように操作するのかだけれど…。クローディアの魔力の記憶を複写すればいいだけ。証がなくてもクローディアの魔力だと分かるとリンが言っていたでしょ。だから集まってきた自魔力にクローディアの魔力を複写する。それだけだと私は思っていたけれど、違ったのかな。証を出し入れするのは記憶を複写していけばいいという意味だったけれど、伝わっていなかったみたいだね。」


 これは間違いねえな。気づいていやがった。しかもそのまま答えを言うと俺が成長しねえから少し難しく話ただけだろう。

 それに精神の奥にいる子が裏切っている可能性にも気づいていた。言わなかった理由は流石に分かっている。油断させて記憶を自由に送らせるためだろ。


<そのような会話をした記憶はある。知っていて鍛錬させたのか?>


「勉強になったでしょ。頭を使えとね。それと自魔力の見方は目に魔力を集めるか魔力で作った眼鏡をかければいいよ。但し、証がない魔力が前提だけれど。目に魔力を送りすぎると破裂するかもしれないから注意が必要だと思う。これは違ったかな?」


 俺は自魔力を集めている途中で奥の魔力が見えることに気づいた。それで見方が分かった。しかしクロアが何で気づいたのかが分からねえ。

 マジで勉強になったぜ。自分で気づいたときは最高に嬉しかったからな。


<クロア、それはいつから知っているのですか?>


「リンが証がなくても誰の魔力か分かると言ったとき。最強猪さん、一緒に聞いていたよね。それにリンが自魔力の感情を把握することができると言っていた。リンの能力は自己回復だから記憶で感情が見えるけれど、リュウの能力である魔法には見えない。だけど記憶の複写くらいは思いつくよ。これで分かったでしょ。自魔力が一度目はすり抜けられるけれど、二度目はすり抜けられない。最強猪さん、その理由は何かな?>


 記憶を消されたときに魔力が弾かれたことで気づいた可能性がある。

 クロアの場合は気づいていて試験したのかもな。


<証を奪って記憶が同じだからだ。魔力の中で使用者と記憶は分けられているはずだ。お前は全部知っていたな。世界をどのようにする気だ、女王様!>


 記憶の領域の方が当然広いから弾かれる。名前が違うだけでほぼ同じ魔力だからな。


「あの日から何もしてこないでしょ。もう少し成長すれば魔法も安全に取り返せる。世界には今のままの仕組みを残してあげようと思っているんだ。存在する能力はクズの親玉だけにするかもね。」


 クロアの中ではそこまでたどり着いているのか。俺が成長すれば何も気兼ねなく遊べるようになるじゃねえか。全てを克服するのに時間はかかるだろうが問題がなければ安心できる。ディアとロディの対決を楽しめる。その日が近づいてきているじゃねえか。


<もう少しってことは足りてねえんだな。何を覚えればいい?>

<リュウ、遊ぶのではありませんでしたか?先に潰そうとしています>


 リンの意識が強いみたいだな。クロアは敵に時間を与える馬鹿じゃねえよ!


<リン、お前はクロアを理解していねえな。こいつは邪魔する奴を先に潰す。今まで潰せなかったのは足枷があったからだ>


「能力と精神の複写が必要だね。親玉だけでも先に潰したいけれど、懸念がある。それに徹底的にしないとね。主の記憶遮断。記憶の追記不可。話すの不可。そして能力の大きさはドラゴンの器に合わせる。そのあとで浮遊島に追記する。『ドラゴンは竜神を付与しろ』とね。クズドラゴンは能力を縛っているから魔法を自分で使っているのか能力に使わせているのか理解できない。1つの能力で全てが手に入ったと思うはずだよ。それと先程言った懸念についてだけれど、まだ知らない人が敵にいる気がする。だから自動記憶保護の仕組みは最優先。何がしたいのか分からない…。クズの親玉は攻めてきてほしいと思っているはずだよ。だから無視する。あと臓器は全て自魔力と専用の証で作れるはずだよ。」


 確かにクズの親玉だけだと力がありすぎるな。敵が何人で何ができるのかも何をしてくるのかも情報がねえ。姿さえ分からねえ。リンの記憶が消されたことがあるのは姿を見たからかもしれねえな。


<私はまだ報告していません。実験中です>


「魔力器に精神があるのだから自魔力しかあり得ない。変身するときに証がついていると邪魔だから自魔力だけにして散布している。体内にありながら外部扱いにするように作られていると自然に証が落ちていいと思う。それと絶対に監視されているから先に隠蔽してから秘密基地を作る必要がある。だからリュウは自動記憶保護の仕組み、リンは証の複製でいいかな?」


 証は間違いなく自魔力が元になっている。もしかしたら最新の記憶を上書きできるようになっているかもしれねえ。機能は楽だがリンだけ教えてもらえる相手がいるじゃねえかよ。

 俺もリンに教えてもらったし楽をするといいぜ。


<クロアらしくでいいじゃねえか。万全になるまで走らない。必勝で楽勝が絶対だからな>

<証の複製とかおかしくありませんか?私だけ難易度が高すぎます>


 こいつは今までの話を聞いていたのか?証を魔力につけているのはロディだと分かるだろ。魔力の分だけ証を精神の奥にいる子が用意するとは思えねえからな。

 記憶を届けるためには使われない魔力が分からねえから全ての魔力に証をつけて待ち続けるしかねえ。精神の奥にいる子は証を作れるけれど、複製は絶対にしてねえ。ロディはつけろと言われた証の意味は分からないけれど、複製してつけ続けている。マジで分かってねえのか?


 こいつ俺より馬鹿か?


「リュウ、言ってやってよ。3歳児でもやっていることだから。」


 クロア先生は当然分かっているから相手が一番辛い言葉を選択する。十数万年生きてきて3歳児に負けているとかマジで泣けるぞ。


<リン、3歳児でもやっているのにできねえのかよ。やる前からできねえとか情けなくねえか?証の素材は自魔力で間違いねえよ。リン先輩には助言してもらったから俺もしねえと不公平だろ?>

<すみません。助言をください!>


 クロアが何か言うだろうから後で教えてやるか。


「相手は馬鹿で雑魚なの。特殊な力が使えて勘違いしているだけだから。まずは証の中に入っている記憶を確認。次にその記憶を複製。もしかしたら精神かもしれないけれど、とにかく複製。そして自魔力を集めて複製した記憶や精神を入れてみる。簡単でしょ?まさか自魔力を集められないの?後輩に手伝ってもらえばすぐだよ、リンちゃん!」


 証の作り方じゃねえかよ。もしもこの方法で証が作れるのなら複製なんて楽勝だな。

 リンちゃんは馬鹿で雑魚か…。猪より理解してねえからしかたねえよな。


<リンちゃんのためなら俺は手伝うぜ!>

<自分でやります!>


<おい、維持張るな。簡単に解決できる方法があるんだぞ>

<自分でやります!>


 我儘爆走3歳児と同じじゃねえかよ。維持張っている奴に何を言っても逆効果だな。ロディに教えてもらえばいいと言っても絶対に聞かねえだろう。マジでリンちゃんだな。

 普通クロアがこれほど分かりやすい答えを教えてくれるとかねえんだぞ。証の複製はリンの成長のためで特に結果は気にしてねえな。時間がねえ指示なら確実に説教だぞ!


「リンちゃんは何か分かった?」


 そういえばリンは何を研究していたんだ?魔力器の素材についてだと思っていたけれど、違うみてえだな。魔力器の研究は大切だと言っていた気がするが何で寄り道していやがるんだ。


<リンちゃん、言ってやれよ!頑張ったんだろ!>

<クロア、分かっていて言っていますね?>


 リンの意識が強くてクロアについてはまだ噛み合ってねえな。仮に今までの俺とのやり取りでクロアがリンの研究結果に触れていたとしても、それはリンの研究結果を奪ったわけじゃねえ。

 クロアが聞いた話を自分でまとめただけだ。そのような下らねえ真似する奴とクロアを一緒にするんじゃねえよ!


「私は人の記憶で秘密を探ったり研究結果を盗んだりしない。だから研究しているような場面は全て飛ばしている。何も分かっていないよ。」


<リン、それはマジだぜ。クロアは俺たちが努力したことを盗み見ようとはしねえ。それは絶対だ!だから言ったじゃねえか。最強さんを卒業したからといって甘く見るなと>

<全て言われました。自魔力の見方を研究していました>


 それなら拗ねることなく言えばいいじゃねえか。何が見えるようになったんだ?内容によってはすげえことになるぞ!


「それなら証のついていない魔力をどのように目に送るの?目に留めるの?」


 見方を調べるならそこからだ。クロアも厳しいことを言っているようで優しいんだよ。研究で一番最初に調べそうなことを聞いているくらいだ。


<それが分かると世界が変わるじゃねえか。楽に色々と実験もできるぜ>

<それをこれから調べるところです。まだ何も分かりません>


 リンちゃん、それなら何をしていたか言えよ!


「何で精神の奥にいる子に頼まなかったの?器を覆う感じで魔力を流している。だけど研究のために証を外してと言ってみた?対話できるようにすると言っていたよね。」


 確かに証を作れるのだから外せる可能性がある。何か知っているのかもしれねえな。逆らえねえように作られているだけかもしれねえから、クロアも敵だと確定させていねえのか?


<言っていたな。俺の記憶にもあるぜ!>

<会話できるようになりましたけれど、精神の奥にいる子の専属医にもなりました。クロア恐怖症になりかけているのです。何をしたのですか?>


 その言い方だとクロアが悪いように聞こえるぞ。精神の奥にいる子が何をしているのかマジで気づいてねえな。証の話で分かってねえのかよ。

 それにクロアに謝罪するってことは精神の奥にいる子に非があるからだぞ。


「記憶を見せてもらった以外だと『私の邪魔をするつもりなの?』と聞いただけだよ。」


 恐らく本当にそれだけしか言ってねえ。精神の奥にいる子が発言する度にお母さんの命が危なくなっていた。それにも気づいてねえのか?


<本気で危なかったんだ!精神の奥にいる子の発言がクロアの本音だと思われたらお母さんが殺されていた。それにお母さんを踏まれたくないなら強制命令を発動すればいいじゃねえか。何も知らねえクロアの責任にする方がおかしいと思わねえのか?>

<全てクロアのために言ったのです>


 マジで何を言っていやがる!本当は誰のために言ったのか分からねえだろ。


「私のためを思うのなら加護を強制命令で動かないようにしてくれるだけでよかった。全てを知っていて、その全てを無視してきて最悪の機会に発言されてきた。何故それが分からないの?そして私の記憶を見ながら情報を送っていたと考えられる。あえて敵と言っていないだけで敵側だよ。」


 クロアもリンが分かりやすいように全て話したな。精神の奥にいる子の言葉と行動はマジでずれていた。何をムキになっていやがるんだ!


<そのように考えた方が自然だぜ。予めどのような人物の情報を送るか知っている。そして継続して送るか無視していいのか指示される。それが精神の奥にいる子の本当の役目じゃねえのか?リン、お前は何が言いてえんだ!>

<指示に逆らえないだけなのかもしれません>


 自分が逆らえなくて重ねて見ているだけか。馬鹿かよ…。クロアにそれを言って何になるんだ。クロアは抗い続けているじゃねえか。お前は抗ってみたのかよ!


「私にそれを言うの?今の世界に抗い続けているよ。」


<リンは作られた人形だから逆らえなかったかもしれねえ。だけどクロアも逆らえないように作られたことくらいは記憶を見て知っているだろ。それに精神の奥にいる子はクロアの幸せを願っているんじゃねえのか?クロアは一度も助けてもらってねえぞ!クズに誤認させられているんじゃねえのか?今すぐ本人に確認してこい!>

<そうですね。それが確実です>


 お前は視野が狭すぎる!

 過去の自己回復と今の自分を比べてみろ。


<いつから気づいていたんだ?>


「何度話を聞いても私のためになったことが一度もない。疑ってはいたけれど、リンが来て確信した。それに全て知っていて何もしなかったのに私に説教してきた。罰まで追加された。最初からお母さんに頼めばよかったと言い出したときは破壊したくなった。家族に注目してほしくないのに大注目だよ。あのとき終わらせることができたからよかったけれど、本当に危なかった。」


 クロアの計画を壊されたら皆殺しもあり得た。クズ能力たちが何をするのか分からねえ状況。クロアはクズ能力たちが人体実験や拷問のための施設を無断で作っていると考えて記憶確認が必須だとしていた。

 そしてそれは正しい。俺はクロアの記憶に入る可能性を考えて施設の場所だけを確認するように記憶を見たくらいだ。施設はクズ能力と同じ数だけ用意されていた。

 クロアは面倒だから消してと言ったんじゃねえ。助けられねえと確信していた。かなり飛ばして記憶を見ていたが絶対に助けられねえし見たら駄目だ。

 ディアの精神は確実に濁る。クロアだって危ねえ。クロアがそれを防ぐために体を代われと言ったら悪足搔きで皆殺し。そしてクズ加護は確実にその記憶をクロアに送りつける。俺の日まで待つと全員死ぬようにされていたはずだ。

 何もしなければ遊びがバレていねえと考えて新たな被害者が生まれていたはずだ。クロアは感情を殺して待ち続けるしかなかった。敵が多すぎるし味方は何も知らねえ状態だ。

 俺が記憶を見ることができたのはクロアが訓練の記憶で隙を作ったからだ。クズ能力たちは当番制か組になって絶対に監視していた。俺と自己回復は警戒されていたからな。特に俺は相当警戒されていたから何もできねえようにさせられた。


<そこまで怒っていて一言で済ませたのかよ>


「精神の奥にいる子に記憶が全く無いのも嘘だろうね。記憶しているから恐れるんだよ。」


 それは間違いねえ。クロア恐怖症とか意味が分からねえからな。記憶がねえはずの奴が何を恐れるんだよ。


<間違いねえな。他にも隠していそうだぜ>


「一度でも裏切られると話を聞く気が起きない。連絡用の証明があるはず。命令されたからしかたないのであれば、記憶を送らないといけないと一言伝えてくれたらよかった。私たちと家族なら何か残そうとしてくれたはずだよ。」


 命令で黙らされているわけじゃねえならそうだな。

 クロアは裏切りを確信している。何かされていたのか?


<直接顔を見て話しあったわけじゃねえだろ?>


「そうだね。だけど魔力で繋がっているのに繋がっている魔力が見えない。ロディに繋がっている魔力も見えない。私の精神が綺麗だからではなく強制命令を発動できるように繋いでいるんだよ。リンもそろそろ気づかないと。感情と言葉が噛み合わないから理解できないのだと思う。」


 そうじゃねえか。クロアに魔力について聞かれたとき精神の奥にいる子が繋いでいる魔力が見えなかった。自魔力を操作している証明じゃねえか。しかも強制命令を発動とは何だ!もしかして発動されたのか?

 リンも心配されているじゃねえかよ。湧き出る感情はクロアを疑ったことに怒っているんじゃねえのか?自分の言葉と感情が噛み合っていねえという事は綺麗に一体化しても受け入れてねえ部分があるからだ。

 リン、お前は一体化したことを喜んでいた。それなのに自分の精神が乗っ取られると思っているのか?同一人物なのに乗っ取りなんかねえだろ。精神はクロアが確認しているはずだからな。お前が縛られていたから中にいた自己回復の精神を中心にしているんじゃねえか。理由を少しは考えろよ!


<クロアは隠れている奴が危険だと感じているのか?>


「今の世界はクズの親玉への罰でしかない。ドラゴンに恨みを持っている存在だと思う。そしてクズの親玉にとって魔法と自己回復は自分を守る最終防壁だったはず。だから魔法が崩れるのが怖くて動かせない。どちらにしても隠れている存在はゴミクズだよ。危険だというよりも異常だよ。数十万年も嫌がらせを続けることができるのだから。」


 間違いなく異常だな。関わりたくねえ存在だ。しかしクズの親玉に近づくと関わる可能性が出てくる。この世界は間違いなく腐っていやがる。


<俺とリンを命令でしか動かせねえクズと指示するだけでいいクロア。クズからしたら面白くねえだろうな。それに俺たちを人形にしておいて命令している時点で言うことを真面目に聞くはずがねえ。それに魔法の精神を自分にしているから戻す手段がねえな>


 クズの親玉は自分に魔法と自己回復を付与している。そして魔法の精神を自分にした。リンがいなくなった状況で付与されている自己回復が言うことを聞くはずがねえ。濁っているに決まっているからな。


「クズの親玉が死ぬのかどうかは分からないけれど、残った自己回復が体を動かすのなら楽だよ。リンを派遣している時点で限界が近いのかもしれない。それか元々馬鹿だったのかもしれない。」


 命令してくる魔法の精神が邪魔なら砕かれて終わりだ。魔法に命令したら崩れるかもしれねえし、隠れている奴が何かしてくるかもしれねえ。マジで終わっているな。


<リンは大丈夫なのか?>


「リンは大丈夫だよ。精神を縛られて知識を誤認させられていただけだから。長いのは今までの知識を全て否定されているからだと思う。自分の知識が間違っていると認識してリンは証の作り方を聞くはず。器に付与された魔力を固定するのはリュウもできる。だけどそれは必要ないから。器の中に追記しているし満たしているからね。クローディアの魔力が使えるのだからリュウとリンはクローディアの家族だよ。能力を追記するつもりはないから全て私の魔力で埋めて。器から魔力は漏れない。それとロディに確認して。私に繋ぐことができるのか、記憶を見ることができるのかをね。後付けだけどロディは敵じゃないから残してあげたい。」


 完全に精神の奥にいる子を消す前提じゃねえか。クロアが起きた原因はあいつで決定だ。


<リンもすぐに認識を改める。それに器に付与された魔力の記号は消えても問題ねえ。他人が追記するときに見えねえから不便なだけで俺とリンは器の中に存在している。付与した瞬間に器の中に精神を閉じ込め記憶も器の中の魔力で行う。記憶も精神もクローディアの魔力なのにあの女の魔力で付与した記号が必要なはずがねえ。精神の奥にいる子が必要なように見せる演出だな。それでもロディに確認しておく。ロディは器と精神が集まる場所を移動しているから繋ぐことができると思うけれどな。何も知らなければ無理だったかもしれねえ>


「その通り。だから付与された記号を消しても2人は消えない。精神の奥にいる子に私の考えが全く伝わらないから恐れている。何を考えているのか、するつもりなのかが分からない。自分の本当の主より恐ろしいだけだよ。それが分かったから謝罪してきた。私は態度と行動で示してもらわないと許さない。一度くらいは見逃すけれど、何度裏切ったか分からない。だけどあの場面で思考誘導の付与に許可を出した。後付けの仕組みに縛られる方が不愉快だよ。だけど正直に言えば思考誘導は効果がないと思う。精神の奥にいる子は余りにも脅威だから敵も利用されないようにしているはずだよ。ムカつくよね!」


 そこまで見越しているのかよ…。だからリンが証の作り方を聞くと言ったのか。思考誘導を付与して証の作り方を話させる。だけど効果がないと感じている。精神の奥にいる子は敵にとっては最強の武器にもなるからな…。

 そういえば魔力器は精神の奥にいる子と繋がってないと魔力が湧き出ないんじゃねえのか?


<あいついねえと魔力器は魔力湧き出ねえだろ?>


「それなら私に繋ぐだけでいい。ロディの本気は精神の奥にいる子から干渉されているだけだよ。それに魔力器に精神がある理由は何か分からないでしょ。」


 精神の奥にいる子が必要だと誤認させられている気がする。クローディアの精神の奥にいるだけで絶対に必要だと印象付けられているようだ。


<証を替えろと命令するだけだろ>


「湧き出す魔力に証を入れる場所があるのが不自然なんだよ。ロディは勉強しながら証をつけていると思う?」


 ロディは証を複製できるけれど、普段は複製しないしつけてもいねえ気がしてきた。クロアが明らかにそのように話しているからな。

 湧き出す魔力に証をつけ続けていたら勉強ができない。勉強する暇なんてないし魔力器から移動するはずがない。精神の奥にいる子からこの証をつけろと指示されて止めろと指示されているだけだろうな。

 それにあの女の魔力をクローディアの魔力に変えたのはロディが証をつけたからか?当初俺が使っている魔力には証がついていたか?最近になって証がつけられるようになっただけじゃねえのか?

 ロディが言っている証と俺が思っている証が違う気がしてきた。やっぱり猪だぜ…。当初から扱う魔力を確認してねえから何も分からねえんだよ。クロアの言う通りだぜ。


<ロディがあの女の魔力を変えたときに言ったクローディアで証のようなものが既に誤認させられているのか>


「ロディは精神の奥にいる子から受け取った証をつけたわけではなくて魔力の中にある使用者をこの体のクローディアに変更しただけだよ。だから証を見ることができれば替え方も教えられますと言ったのは魔力の中身の話だと思うよ。魔力の中身が見えないから確信がないけれどね。本当にややこしいよ。」


 ややこしいのは俺のせいです。すみませんでした!


 何が最強だから気にしねえだよ。馬鹿すぎんだろ!クロアがどれほど大変なのか身に染みて分かってきた。確信できねえのは俺が確認していねえからだな。ロディに確認することが結構ある。全て俺の責任だぜ…。


<使用者がクローディアになれば魔力が見えるようになる気がする。精神の奥にいる子が作った証でも見えるようになるしロディの方法でも見えるようになる。証をつければ魔力の中身が変わるからな。クロアはリンの話を聞いて、その可能性を考えたんだな?>


「そうだよ。リュウは魔力の中身まで見える?」


 見える気がしねえ。魔力の形が分かるだけで限界だと思うぜ。そもそも俺が見ている魔力は単体の気がしねえ。使用者が見えてねえから確認もできねえ。考えると魔力の形も分かる気がしねえぜ。

 証は正方形で魔力の下につける場所がある。だけど魔力の形が変えられるかもしれねえ。証が複数あるのは間違いねえ。つまり何も自分で確認してねえ。


 馬鹿な猪が木に突っ込んで気絶しているぜ…。


<無理だな。鍛錬すれば見えるようになるのか?>


「それはリンの領分だと思う。それよりもロディに強制命令を出されたら終わりでしょ?」


 助かってねえ。マジで終わるじゃねえか。そのために魔力器に精神を用意して繋いでいるのか?

 まさか…、クロアは強制命令されたのか?


<最悪じゃねえか。それにクロアにも出せるじゃねえか>


「出してきたよ。だから邪魔するつもりなの?と、言ったんだよ。」


 過去の経験で耐性があるクロアだから抗えるんだろう。

 リンに言えば流石に分かる。まあ、クロアは自分で理解させてやりてえと思ったんだろうな。リンの誤認は洗脳に近い。十数万年も誤認させられていたら信じるに決まっている。


<世界の女王様に命令するとか舐めているな。分からせてやったのか?>


「煩いって感じだよ。二度と話しかけるなと思った。通じたのかな?」


 強制命令で起こされてうるせえかよ。間違いなくうるせえな。

 クロアが精神の奥にいる子がいなくても問題ないか考えた理由がよく分かったぜ。そこまでされたら繋いでいる魔力が強制命令のためだとしか思えねえよ。


<自ら敵認定されているじゃねえか。俺たちの記憶見せたら許すとか嘘だろ>


「噓吐きには嘘で返事するよ。強制命令に抗える理由を探している気がするよ。」


 クロアらしいぜ。敵に対して真摯に対応するつもりなんてねえ。死と隣合わせの生活を続けてきたんだ。だせえ甘えたことはしねえよな。


<理由なんか見つからねえだろ>


「洗脳しようとした相手を間違えたね。不愉快な目覚めだからイラついたね。」


 普通なら大激怒だ!精神の負担を抑えられるのはお前くらいだよ。今も俺と長く話して平気なのはディアのために精神の奥にいる子を潰すべきだと考えているからだろうな。


<リン、遅すぎるだろ。何しているんだ?>


「怒り大爆発じゃないのかな。見て来てあげたら?ロディに確認してから動いてね。お茶会も伝えておいて。私は寝てるから。」


 分かっている。心配すんじゃねえよ!


 先に外に出るか。ベッドから体を起こす。

 部屋のドアを開けてリビングを見るとお母さんが座っていた。


「お母さん、フィオナに14時からお茶会だと伝えてくれ。俺は中で話すことがまだある。」

「魔法ができた日にお茶会をするのですか?忙しいですね。」


 娘に直接言ってくれ。それは俺が一番思っているんだ…。

 落ち着け…。クロアがお茶会を楽しみにしていたのは間違いねえ。だからといって急ぎ過ぎている気がする。

 俺の魔法が完成した日に強制命令でクロアを洗脳しようとした。何かがあるに決まっているじゃねえか。今は深く考えるな。ロディに確認が先だ…。


 とにかく普段通り。


「クロアに強制命令発動して起こしやがった馬鹿がいるからな。俺と代わるときは普通通りだと思うけれど、中では不機嫌だ。」

「それは誰でも不機嫌になりますよ。抗えるのならですけれどね。」


 お母さんとフィオナは抗える気がしねえ。何も考えるんじゃねえ!


「相手が悪すぎる。人形が命令していい相手じゃねえのさ。」

「そうでしょうね。魔法を開発したら褒めてもらえましたか?」


 落ち着け…。


「遅すぎたみてえだ。クロアは全て知っているからおかしいぜ。いつ言ったのか余り覚えていねえ言葉を繋げて完成させているからな。俺も同じ言葉を聞いた覚えがあるから何も言えねえよ。自己回復が激怒している可能性があるから行くわ。」

「分かりました。14時になったら声をかけますね。」


 部屋に入りドアを閉めてベッドで横になる。急いでロディに確認だ!


<ロディ、聞こえているか?>

<聞こえていますよ。強制命令の話ですよね。あのようなふざけた行為で勉強を邪魔されるとムカつきますよ!>


 ロディも移植されたとは思っていねえ。クロアと拷問を耐えてきたと思っているし記憶も見ているだろう。洗脳については関係ねえが根性が違うから耐えられたのかもしれねえな。


<精神の奥にいる子に何を言われたんだ?>

<クローディアの証を全て消せと言われました。そのようなことをすると魔力器から魔力が出せませんので破裂します。自爆しろと言われた方が敵だと思うだけで済みました>


 自爆しろと言われたらマジ切れだろ?その方がマシなのかよ!


<ロディが言っている証は魔力の使用者のことだよな。精神の奥にいる子が渡してくる正方形の証じゃねえよな?>

<それでクロアも確認したいと思っているのですか。精神の奥にいる子から渡された証を複製してつけることもありますけれど、基本的には必要ありません。リュウが言っている証も複製できます>


 リンの研究はロディに聞いた方がいいぜ。間違いねえ!


<それならいいんだ。それで精神の奥にいる子と繋がっていないと魔力が湧かないのか?>

<私も勉強しましたからね!魔力器は臓器として他の臓器と繋がっているので湧きますが魔力の使用者が空欄のままになってしまいます。使用者を自動でクローディアにするために精神の奥にいる子と繋げていました>


 俺より賢いじゃねえか。過去形という事は今は違うのか。何とかなるのか?


<精神の奥にいる子から繋がれていただろ。ロディからクロアに繋げられないのか?精神の奥にいる子もクロアも一緒だろ>

<あの人形と輝くクロアを一緒にしたら駄目です。私も体の中を移動することが多かったですしリンの前の自己回復に体内を案内してもらったりしました。精神の奥にいる子は器に流す魔力を私からもらうのと私に強制命令を出すために繋いできただけです。それに精神の奥にいる子とクロアとディアの精神は近いです。クロアとディアが横並びで奥底に精神の奥にいる子がいるだけですからクロアと繋げます。強制命令がムカついたのでクロアに繋ぎました>


 俺とリンがディアと呼ぶようになったらロディも呼ぶようになったんだよな。それにしても賢くなっているじゃねえか。ディアと勝負になるのか?


<それじゃあ最後の質問だ。精神の奥にいる子と繋がっていたから湧き出す魔力にクロアの記憶が入っていたと思うんだが、今後はどのような魔力になる?それとロディは今まで通りにクロアの記憶が見られるのか?>

<クロアの記憶を敵に渡すために湧き出す魔力に入れていたみたいですからね。正方形の証を私に渡して魔力につけることでクロアを見つけられたみたいです。ムカつきます!それでクロアの精神からクロアの記憶までは精神の奥にいる子が繋げていたので上書きしました。そして魔力に線を記憶させましたので放置でいいのですが、私がクロアの記憶を見ようと思うと魔力に入ってしまうのです。私は魔力器ですから自分では記憶を消せません。私の精神がどこにあるのか分かりませんが魔力器そのものが精神なのかもしれません。問題ありませんか?>


 マジで賢いぞ。今はクロアの思考力を使っているのかもしれねえな。俺の知らねえ技術については聞いておくか。


<記憶については心配するな。ロディがディアと計画対決するためにクロアの記憶を2人とも見られるのが大切だっただけだからな。あと人型になる練習もしておいた方がいいぜ。ディアと色違いにするのが楽だな。髪とか目の色のことだぞ。分身が完成して外に出たときに自分じゃねえとつまらねえだろ。大人なら両方勉強しておけ。それより魔力の線を維持って何だよ?すげえことしているぞ!>

<記憶はいいのですね。それなら問題なしです。分身でディアと勝負するのに変な姿は嫌ですね。私もクローディアです。だけど全く同じだと皆が困ってしまうという事ですね。リュウとリンが人型になれるのは知っていますから分身が完成するまでに身につけます。それで魔力の線ですが自魔力とよんでいる魔力を使って使用者名とその記憶が通る道になってもらっているのです。自魔力には使用者名と記憶が入る場所がありますが使用者をクローディアにして記憶に私の想像を入れるのです。するとそれをするのに必要な魔力が魔力器から出されます。出された魔力は私の想像が入った魔力と同じですから複写されているみたいです。色々なことを知ると自分がしていることの意味が分からなくなります。クロアの想像通り、誰かが後付けで世界を変えていると思います。私は後付けの存在なのでできてしまうのです…。クロアは知っているのに私を遊ばせてくれるみたいです>


 世界を正常にするなら自分は消されるべき存在だと考えているな。つまんねえこと考えるんじゃねえよ。クロアがそのような事をする訳が無えだろ!


<ロディ、クローディアはみんな家族だ。敵はしかたねえし無理やり命令されて従うしかなかったとかなら別だが精神の奥にいる子は明らかに違うだろ。俺たちは死ぬときも遊ぶときも一緒だぜ。大人でも本気で遊ぶには子供になる必要がある。大人になってディアと勝負しても面白くねえぞ。お互いに本気が出せるから面白れえだろ。それに他の魔力器は話すこともねえと言っていたな。もし世界中から精神の奥にいる子が消えたらどのようになると思う?>

<そうですよね!まず普通の子なら精神の奥にいる子が消えても問題ありません。精神の奥にいる子は後付けですが精神の中ですからそのままでいいのです。仮に使用者名が伝わらなくなったら話さない魔力器でも絶対に主の精神に繋げ直します。それが魔力器の役目ですから。しかしクローディアにはクロアとディアがいます。クローディアという精神の中に2人いるのですが分かれています。そして皆が勘違いしていますが主はずっとクロアなのです。愛称はディアからクロアに変わりましたが、クロアの精神になってから消えたことがありません。ディアに繋いでも問題ないのかもしれませんが魔力の使用者は主となっていますのでクロアを選ぶ必要があるのです。今だから分かるのですが精神の奥にいる子には主の代役ができるというふざけた機能があるようです。確実に後付けです。頭に後付けの人形がいるのは最悪です。絶対に頭で壊してはいけません。自爆専用の言葉があるのかもしれません。質問も最小限です。私は10日間ほとんど過去の記憶を見ていました。私の最強は精神の奥にいる子に干渉され自分で話しているように勘違いしてしまっています。話したことが記憶に残るので猶更です。私はクロアが大好きです!この腐った世界が大嫌いで憎いから全力で遊ぶまで死ぬつもりがないところが最高です!それとお茶会くらいは楽しんでほしいのです。クロアは自己犠牲をするつもりです。何故結界ができた直後に強制命令が発動されたのか。リュウは念話を通していますね。結界も両方通すつもりでしょう。過去の記憶で確認できますか?>


 ようやく本題が話せる…。人形が記憶を見られていねえのはよかった。強制命令を出されたことでクロアは人形が念話で命令を受けていると考えたのか。人形が念話で連携していることも考えられるじゃねえか。

 クロアは俺たちの記憶を見てお茶会の話をしているのを知った。強制命令は永続じゃねえ。永続なら命令に服従させておけばいい。だからクロアは強制命令でお茶会が潰されると考えたのか。お母さんとフィオナは洗脳済みの可能性がある。初めてのお茶会に絞った嫌がらせだ。

 クロアが俺たちに頼れるはずがねえ。記憶を見られる相手だ。それに人形が何をするのか分からねえ。お母さんとフィオナが人質になる可能性まである。


 馬鹿な俺では何をすればいいのか思いつかねえ…。


<ちょっと待ってくれ…>


≪念話≫


<リン、絶対に何もするな。今すぐ作業を中断して睨めっこしていろ。絶対だ!」

<どうしたのです…。分かりました>


≪念話終了≫


<過去の記憶を見ても魔力は見えねえ。念話を通しているのも間違いねえ。クロアはお茶会で何を覚悟しているんだ?>

<家族から侮辱されることです。人形が念話できないとは限りません。親玉が人形に念話で命令できないとも限りません。クロアは嫌がらせを受け入れることで対処しようとしています。お母さんとフィオナさんが強制命令に抗えるとは思えません。クロアは煩いと言っていましたが、そのような軽いものではありません。森の拷問3日間より酷いものだと思ってください。クロアだから平気な振りができますし、余りにも危険な状態だからお茶会は敵の作戦通りにする予定なのです>


 俺が考えていることくらいクロアは想定済みに決まっている。それにお母さんとフィオナは絶対に強制命令に抗えねえじゃねえか。森の拷問3日目でディアの精神が砕かれているんだぞ。俺とリンも抗えねえじゃねえか。


<ロディ、お茶会は絶対に成功させてえ!クロアの思考力と記憶で作戦を考えてくれ。俺では思いつかねえ>

<分かりました!まずはどちらの魔力を使った念話も防ぐ結界で自宅を囲みます。それと今日のお茶会は時間変更です。それは伝えないでください。そしてディアを使って最高のお茶会の席決めをすると言ってお母さんとフィオナさんを隣同士に座らせます。そしてリュウに代わります。背後から自魔力で人形を覆ってください。

そのあとの対応はこの体の頭にいる人形を相手にした後で変わります。お母さんに巻きつかれたときは人形も眠ると言っていました。結界で安全を確保したあと睡眠魔法です。そして沈黙魔法。最後に封印魔法です。ここまで全てうまく行ったらリンの部屋に転移させます。リンの部屋も結界で守ってください。そしてお母さんとフィオナさんの人形も転移させて解剖です。これはクロアも立ち会わせてください。お母さんとフィオナさんは絶対に外に出ないように伝えてください。もし何も発見がなかったら結界外部からの念話を防止してください。最悪の場合はその日に結界内以外の人は死にます。この計画なら質問は不要です。即眠らせてください。人形を移動させた後にお茶会の時間や日付を変更すると言ってお母さんとフィオナさんの動きがおかしい場合は眠らせてください。強制命令の有効時間が分かりません。お母さんとフィオナさんが落ち着いていても怪しいので、お茶会ではなく家族会にしてください。曖昧な強制命令はありません。人形を解体すればクロアなら必ず何か見つけてくれます。リュウは人形の部品を浄化魔法か何かで消せるようにしてください>


 ディアなら協力してくれる。クロアも起こしておくか。


<ロディ、何を見つける気がするんだ>

<人形は人のように怯えています。リンがクロア恐怖症と言っています。確実に人が付与されています。それも最悪な形での可能性があります。クロアは絶対に人助けをします。この部屋の下に地下室を作ってください。そして完全隠蔽しておいてください。まず人から人形にされています。そして追跡用に体に何か埋め込まれている可能性があります。怪しいものは鮮血湖にでも沈めてください。ヒュドラが飲み込んでくれたら最高です。転移も完全隠蔽です。索敵範囲には入っているはずです。意識せずに何人が追ってきたのか。どのように追ってきたのかなどを無意識で把握できる限り把握してください。リュウ、全部で人形は5体です>


 ロディがここまで言えるという事はクロアが確信しているからだな。

 少しだけ運が良い。ロディにクロアの考えを先に聞けたし専属医のリンが人形と一緒にいる。そしてロディのお陰で人形はクロアの記憶を見られない。


 今回は完全に俺とリンが悪い…。


 警戒されているのを知っていてお茶会について話した。結界が完成したらすると予定まで教えている。確かに念話は防いでねえ。それは俺が悪いが逆に多くの人を助ける機会になるかもしれねえ。

 最悪なのが俺は人形が怪しいと知っていた。それなのにリンと一緒に色々と話してしまっている。

 クロアは秘密主義じゃねえし自分だけで解決したいと思ってもいねえ。いつもだ!いつも誰かがクロアの口を封じる!


 ロディの言葉で十分だ。クロアが俺に頼めねえ理由がよく分かった。

 この作戦は絶対に成功させてやる!

ディアが突然言い出した能力に体を貸す10日間の最終日。膿を出しきりたいですね。

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